森絵都のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレ昭和36年の設定、古すぎて躊躇していたが早く読めばよかった。
戦後日本の教育について改めていろいろ考えさせられる一冊でした。親子3世代にわたって、それぞれ異なる立場で、教育に立ち向かう姿には胸を打たれました。自分も親になって、いい教育ってなんだろう?と考えることが増えましたが、結局答えはなくて、試行錯誤しています。最後の吾郎さんと千秋さんの言葉、いつの時代も今の教育はなってないと教育を憂えている(常に何かが欠けている三日月のように)。でも、欠けている自覚があるからこそ、満ちようと研鑽を積むのかもしれない、それでいいのだ、と。教育に完成はない、と。
-
Posted by ブクログ
短編集のどれもがテーマはハッキリしていて共通していると思います。
文体としては派手な描写も何もないって感じで割と地味
コメディ要素をポンポンおいてはいるものの
そのコント風情な場所も地味。
淡々しているとは別の地味さを持った文体。
地味だな〜思いつつも少しづつ読めて
さらに
どれも胸にドーンと何か置き土産してくような感覚の残る小説です。
全部、自己との対話なんですよ。
自分のこと分かった気になってるけどわかってないよねて話。
意外に皆さん気を遣って生活してたりしますよね。
わたし、この半年、わりと自分との対話がテーマのもの
小説に限らず読んでいるのですが………
書く瞑 -
Posted by ブクログ
表題作を含む7つの短編集。
つまらないと思っている単調な毎日が、何かのきっかけで気持ちが切り替わり前向きになるような話。
このなかで特に気になったのは
「雨の中て踊る」〜リフレッシュ休暇を思うように過ごせず妻の目を気にしている男が、最後の休日に自分の意思で海を目指し、見知らぬ男と語ったことで…。
弱気にならず自分を解き放ってみてもいいのではと。
「獣の夜」〜女友だちをサプライズパーティーに連れ出す予定が…気儘な彼女に振り回されるもジビエトラップにはまり込み、獣臭まみれで自分を解き放ってしまう。
うだうだと迷わず、目の前の肉にただただ純粋に向き合うことに。
「あした天気に」〜てるてる坊 -
Posted by ブクログ
中学生の心理描写が絶妙だったなぁ。
小学生のようにもう無邪気ではないけれど、まだまだ大人の入り口に立ったばかり。
親友とうまくいかなくなった理由は、裏切られたからではなく裏切ってしまったから。
一人になるのは怖いけど、誰にも言えない秘密がある。
そんな、さくらと梨利と勝田くん。
ノストラダムスの大予言が流行っていた頃のお話。
人類が滅亡するという予言と、考えなければならない進路、大事な親友を裏切ってしまった後悔‥‥もうどうしたらいいのか分からない、どうにでもなってしまえ、という諦めがひしひしと伝わってきます。
弱い人を助けるのは、小さくても尊いもの。
そんな尊いものに自分はなれるかなぁ?
-
Posted by ブクログ
七編が収められた短編集
数ページの短いものから、ちょっと長めのものまで様々なテイストで、どれも希望のあるストーリーなのが良い
疲れた心のサプリみたいな感じかな
「明日も頑張ろう」って思えるものばかり
私が好きなのは──
【太陽】
急に歯が痛くなり歯科医院に行くが、どこにも悪い所は見つからない
その診断とは…
クスッと笑えてほっこりのストーリー
内服薬の袋に入っていたのはクッピーラムネ(•‿•)
【獣の夜】
表題作
女友だち二人の獣の夜とは…
スカッとして思わず笑っちゃう
【ポコ】
最期まで生き抜いた老犬のポコが教えてくれたこと…
短い作品なのに印象的
名言も書ききれない