【感想・ネタバレ】獣の夜のレビュー

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Posted by ブクログ 2024年02月25日

表題作の獣の夜も傑作。浮気相手とご飯を食べている間に女子2人でジビエ料理をかっ喰らう描写が最高。明日天気になあれ、もてるてる坊主に天気のお願いを3つ叶えられるという設定が面白い。結末もあっぱれ。

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Posted by ブクログ 2023年12月14日

なんて素敵な物語だろう。
どの短編からも、明日へ一歩踏み出す勇気が伝わってくる。
たとえ物がしゃべり出したり、不思議な能力のある人物が登場したって
主人公たちを取り巻く環境は、とことんシビアで現実的だ。
だからこそ、人間の苦悩を簡単に消し去る魔法なんてないんだよなと
自分の力で前に進むしかないのだと...続きを読む
読んでいてムクムクと力が湧いてくるのかもしれない。
個人的にはたった3ページで終わる「ポコ」が好き。
何度も何度も、繰り返し読みました。

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Posted by ブクログ 2023年11月16日

まず、装丁が良い。
「雨の中で踊る」は、すごく良い言葉を残してくれた。
「太陽」は、コロナ禍のストレスへの共感と不思議な歯医者にほっこりする。
表題作「獣の夜」は、肉食女子たちと肉が食べたくなる。
「あした天気に」は、てるてる坊主のファンタジーかと思いきや、意外と皮肉が効いている。
「スワン」は、『...続きを読むラン』を読み返したくなった。
その他にも、「Dahlia」「ポコ」、森絵都さんならではの、前を向いて生きていける予感を抱かせる読後感が爽やかでした。

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Posted by ブクログ 2023年09月21日

締まった構成、着想、展開に思わず唸る。風間先生もてるてる坊主も実在感があり微笑。7篇全て、哀歓に満ちていた。奇しくも『ポコ』は、愛犬チビタを偲ばせ、涙。

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Posted by ブクログ 2024年03月22日

短編集。
表題作の「獣の夜」は
江國香織さんみたいな
テイスト。
「スワン」など数編は筒井康隆の
ショートショートみたいな、
ファンタジーで笑えて
心があったかくなるストーリー。

一番好きだったのは「あした天気に」
これが表題でも良かったんじゃないか?と個人的には強く思った。

設定はユニークで、...続きを読む
空想好きな森絵都さんが、楽しみながら書いたんじゃないかな?と
想像させる。
でも、どの短編をとっても、
誰もが共感できる部分が必ずある。
過去への後悔だったり、
家族との確執だったり、
恋愛観だったり。

本当に大切なもの、って何だろう?
ここにあったね、これだったね。
ほら、見えたよね。
軽いタッチの
短編集でありながらも、
こういった人間の本質を
垣間見せてくれるあたり、
やっぱり、森絵都さん好きだ!

風に舞い上がるビニールシート、
は勿論、
みかづき、
漁師の愛人も好きな作品。


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Posted by ブクログ 2024年03月21日

短編集ってなんだか苦手で普段はあまり手に取らない。でも、今回ばかりは装丁に惹かれて読んでみた。

最後まで読んで思うのは、やっぱり森絵都さんが書く本は本当に読み易いなと思う。
これからは短編集にも目むけたいかも…

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Posted by ブクログ 2024年02月01日

『獣の夜』‥世間的な善悪で他人を判断しない二人。それを心の柔軟さと言うには少し生々しさが漂う。自分にもあった獣の部分。平凡な還暦の自分にホッとする。
『あした天気に』‥思いも寄らない結末に意表を突かれた。ドラマ化して多くの人を笑顔にして欲しい!

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Posted by ブクログ 2024年01月19日

 自分なりに一所懸命に生きてきたつもりだったのに……。
 何かのはずみで日常が変化してしまった人たちを描くファンタジー要素が強めの短編集。
          ◇
 コロナ禍の最中のある日。永井タクは妻からフットマッサージに行くことを勧められた。それもかなり強く。
 在宅ワークの妻は間もなくオンライ...続きを読むン会議の時間だ。夫がいては邪魔なのだろうと思い、永井は妻の提案に従うことにした。
 マッサージ店でズボンを脱がなくてもいいように短パンを探したが、なかったので海パンを履いて駅前のマッサージ店に向かう。

 だが駅が近づくに連れ、永井の気持ちに変化が生じてきた。
 今日でリフレッシュ休暇が終わる。明日からまた仕事だ。なのにフットマッサージで時間を潰していていいのか。 
 そう思った永井は海パンを履いていることもあって、行き先を海に変更することにしたところ……。
  (第1話「雨の中で踊る」) 全7話。

      * * * * *

 いろいろなチョコレートの詰め合わせみたいで、どんな味わいなのかワクワクしながら楽しめました。
 特に気に入ったのは第3話「太陽」と最終話「あした天気に」で、読後の爽快感が格別な作品です。簡単に紹介すると……。

第3話「太陽」
 緊急事態宣言が発出されたその日、奥歯に釘をねじ込まれるような痛みを感じた加原という女性は、翌朝さっそく自宅近くの歯科医院に電話を入れますが、コロナ禍が原因でなかなか予約が取れません。
 いくつか当たってみたものの、どこも予約がいっぱいだったり新規患者を受け入れていなかったりで、軒並み断られてしまいます。
 ところが一軒だけ、診療時間内なら好きなときに来ていいというところが見つかったのですが……。

☆名医とはこういう医師を指すのでしょうね。風間医師は、カウンセリング、診察、診断。さらにアフターケアも申し分ない。しかもおちゃめです。

 歯に支障がなくても、まったく別の要因で歯痛を感じることがあると、耳にしたことがあります。こういう場合、普通の歯科医ではお手上げです。
 風間医師のように患者と会話を重ねることによって歯痛の原因を突き止め、それを患者にも気づかせる。こんな優れたカウンセリングマインドを持った医師が増えてくれることを願いたいものです。( 大好きなクッピーラムネ。私も処方して欲しい!)
 

最終話「あした天気に」
 ゴルフの下手な一平は、明日の接待ゴルフが憂鬱でしかたありませんでした。けれど一平はなぜかその時、思わずてるてる坊主をつくってしまいます。

 するとその夜、一平は夢の中でてるてる坊主の国に招かれ、「自分たちを忘れずに頼ってくれた」と感謝されたうえ、お礼に3つの願いを叶えてもらえることになりました。ただし願いごとは天気に関することに限るという制約付きです。それなら明日はどしゃ降りにしてほしいと一平は言ってみました。

 朝になり目覚めた一平は、地面を叩きつける滝のような雨を目の当たりにします。ゴルフ中止の連絡に大喜びの一平。てるてる坊主の「3つの願い」は夢ではなかったのです。
 残り2つの願いごとは思いつき次第、部屋につり下げたてるてる坊主に伝えるということになっています。

 せっかく予定が空いた休日です。一平は(てるてる坊主を連れて)地元に帰り、思いきって高校時代の部活仲間だった小春に会うことにしますが、実は2人にはあるわだかまりがあって……。

☆かつて土着信仰の対象となり人々から畏れられ祀られてきた「産土神」や「妖怪」などでさえ、人々から忘れ去られることで力を失い、やがて消え去ってしまうと言われます。
 ましてや子どもに親しまれるだけで畏れられもしなかった「てるてる坊主」など、科学や娯楽が発達した現代では絶滅危惧種でしょう。彼らの苦衷は察して余りあります。それをうまく取り込んだのが、この最終話です。

 ファンタジー色の強い構成で、一平に生きる意欲を持たせて自立させる方向へと導いていく展開は楽しいのひと言でした。
 優れた児童文学作家でもある森絵都さんの力量を見た気がします。

 表題作の『獣の夜』も含め、主人公たちが前を向いて歩もうとする姿が清々しくて元気づけられました。

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Posted by ブクログ 2024年01月08日

とてもいい短編集でした。
ふんわりとした雰囲気の中に、実はとても大切なことが隠されているようなお話達。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2023年12月30日

本としてのテンポがとてもよかった。
この世界のどこかにいる誰かの日常を、
そしてその日常から特別な日に変わる過程を見せてもらえた。

コロナがなかった時代、あった時代、
それによって変わってしまった日常。
何かに合わせて、何かをすり減らす毎日を送っている私たちは、
よく頑張っているんだよと励ましてく...続きを読むれる気がした。

タイトル作品の「獣の夜」が一番好きだったかな。
おいしそうなジビエをがつがつと食べる女二人は
まるで獣だし、最期の終わり方も野性味を感じて
二人が解放されたんだなと思って爽快感すら感じた。

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Posted by ブクログ 2023年12月12日

どの話も面白かった。
1話めの「雨の中で踊る」で、コロナ禍のちょっと風変わりな出来事を綴った短編集?と思いましたが、全然そんなことはなかった。
7編それぞれに人生の切り替え方がシリアスに、時にはユーモラスに描かれていて元気が出る1冊でした。
表題作の、装丁からも怖そうと思った「獣の夜」が一番好き。
...続きを読む(どこかでジビエフェアやってないか探してしまった)
「太陽」「スワン」も良かった。

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Posted by ブクログ 2023年12月03日

途中までいい感じでほっこりできる本だなーと思っていたらどっこい、一筋縄ではいかないトロミと泥ミのミックス(まあタイトル『獣の夜』だもんね)。ポコ』の簡潔なメッセージに感動

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Posted by ブクログ 2023年11月24日

短編集。好みが分かれるお話もあるかもしれんど、私は好きだなぁ。テルテル坊主の神様の話とか、ほっこりするやん。

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Posted by ブクログ 2023年11月07日

ちょっと滑稽な、でも温かみのある、人生やり直しの物語。

どれもいいけど、「獣の夜」が1番面白かった。
女の友情、最高!

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Posted by ブクログ 2023年09月25日

モヤモヤから解放される感じが清々しく心地良い!

「あした天気に」は、
親友の死から立ち直れない主人公の気づきがハッとさせられる。自分も過去にあった何かを言い訳にしながら生きてないか。
「俺のあしたを晴れにできるのは俺自身だけだったのに」

短編「ポコ」は切なさと優しさでジワジワくる。

どのお話も...続きを読む前向きになれる素敵な短編集でした。

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Posted by ブクログ 2024年04月17日

[1]ヘンな短編のオンパレードで、すれっからしの読者にも対応してます。
[2]でも、妙に後味がよくて素直な読者でも安心です。
[3]背景にコロナ禍があり数十年後にはその切実さがわからなくなっているとは思いますが作品そのものの価値はたぶん減じないでしょう。

■簡単なメモ

【雨の中で踊る】
フットマ...続きを読むッサージに行くはずだった永井は短パンのように見える海パンで家を出たせいか海に行こうと思った。そして…

【Dahlia】
「でも、きっとどこかに抜け道はある」

【太陽】
神経を抜いているはずの歯で激痛。歯科医は代替ペインだと言う。
《素敵な犯人です》

【獣の夜】
サプライズパーティーに連れていかなければならないのに友人の美也は肉に惹かれてコントロール不能。いろいろあって女二人、野生が覚醒する。
《結局のところ、起こってしまった過去は不動なわけだから、問われているのは今このときの私自身の心模様なのだ。》
《人はそれぞれのネイチャーのままに生きればいいし、どっちみち、それしかできないんだって》

【スワン】
ハタくんちの別荘の沼で誕生日プレゼントのスワンボートを漕ぐと不思議なことが…

【ポコ】
飼い犬のポコが死んだ。
《ポコをあれほどしがみつかせた何かが、きっと、この世界にはあるはずだ。》

【あした天気に】
てるてる坊主たちのテルテル王国に行った。
《我々は非科学の申し子、てるてる坊主ですよ。》

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Posted by ブクログ 2024年03月10日

2016年から2022年までに雑誌やWEB、アンソロジーに発表された7篇を収録した短篇集。そのせいか統一感を欠き、読んでいて落ち着かない。反面、同じような作品ばかりを読まされる心配はないので安心感はある。一長一短か。
リフレッシュ休暇をコロナ禍で台無しにされた会社員の「雨の中で踊る」、結婚8年目の女...続きを読む性の誕生日をサプライズパーティで祝おうとする表題作、シャレで作ったてるてる坊主が起こす奇跡を描いた本書中最長の「あした天気に」が好みだった。

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Posted by ブクログ 2024年02月05日

人間の感情のうつろう様を描いた短編集。
読みやすい中にドキッとする表現もあり、ややファンタジー要素もあるお話でした。

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Posted by ブクログ 2024年01月22日

生きることに戸惑い立ちすくす人たちと、それに寄り添う存在が織りなす物語。「あした天気に」の王道のリリカルなユーモアと優しさ真っ当さが心地よかったし、ちょっと異質な「Dahlia」も好き。「正しいことは移り変わるけど、美しいものは変わらない」
ただ、表題作。野暮な観方だと自覚しつつ。主な登場人物たち皆...続きを読むんな、恋愛奔放とかいうカッコつけた言い訳で悉く親しい人を裏切っているの、人間的にどうなのよ、クズばかりと呆れて冷めた読後感だった。

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Posted by ブクログ 2024年01月13日

全7話収録の短編集
いずれのお話も何となく悩みを抱える相談者とその相談相手という形をとっているように途中で気づいた。
大体の場合相談相手が常人ではない、もしくは人ならざるものである。

ただし、表題作「獣の夜」は仲良し2人の女子トーク、ざっくりお互いの悩みの話。
友達の誕生日にサプライズパーティを企...続きを読む画するその旦那とサークルの友達。会場までの誘導役になった主人公。ただ友達は旦那が予約した店ではなく肉が食べたいためにジビエパーティーに参加することになって…時間になっても現れない主役に混乱するサプライズ会場、板挟みに合う主人公、わがままながらも可愛く思える友達。果たして主人公は無事友達を誘導することができるのか。2人がお互いに打ち明ける悩みとは…!

ほか「ポコ」という老犬の死と小学生のお話がわずか3ページながら泣けました。

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Posted by ブクログ 2024年01月12日

不思議な雰囲気の作品でした。
いくつかの長さも異なる短編集。
共通しているのは、日常ぽいスタートからどんどんズレていく、というか、日常では起きそうにない世界に踏み込んでいく。
少しずつあれ、あれ、が続いていつのまにか最初の違和感は消えている、そんな印象の作品でした。
好みは分かれるかもしれないけど誰...続きを読むしもが読みやすい作品だと思います。

2024.1.12
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Posted by ブクログ 2023年12月09日

ここ1ヶ月で、夫の浮気で泣いた女性に2人、会っていたので浮気話を軽く扱う話には嫌悪感しかありません。

子供が社会人になったから、浮気相手と一緒になりたい?

出産で入院している間に会う?
とか夫も夫だが相手の女も二人の子供を保育園に預けて?
もう、心のそこから呪詛したもんね!
私の大切な人達を泣か...続きを読むせる人間に全身全霊で呪いをかけまくったもんね。
だから、「あした天気に」が
良かったです。

てるてる坊主を、祈りとともに作ってみようと思いました。
本気で晴れてほしい時に。
孫のはじめての運動会とか婆はやるよ~。


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Posted by ブクログ 2023年11月27日

目の前の現実→行き詰まった今→ある出来事→正面から自分を見据える→ほんの少しの明るい光、こんな短編。好みは「スワン」と「あした天気に」。

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Posted by ブクログ 2023年11月25日

表題作が面白くて好きだった!女の友情というものはときに男のせいで亀裂が入ることもあるが、逆に最低な男のおかげでより友情が深まることもある。森絵都の描く会話の応酬は面白いと思う。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2023年11月16日

久しぶりに森絵都作品。途中、「ラン」のその後のお話しが少し懐かしかった。コロナ禍で海パンを履いて海に行く人、歯痛に悩みヤバイ?歯医者に出会う話し、サプライズパーティに連れ出す予定がジビエ料理を堪能した女友達の訳、「ラン」の小枝ちゃんが足漕ぎスワンに乗る話、最期まで生きた犬のポコ、3つの願いを叶える粋...続きを読むなテルテル坊主。この雑多な短編小説だったが、エルテル坊主の粋な計らいから、自分の人生が「冴えないもの」であることを再認識する。あり得ない設定だけど、人生、前向きに楽しみながら、さらにガムシャラに生きたい。③

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Posted by ブクログ 2023年11月15日

歯医者の話、子供と犬の話がよかった。やっぱり、子供の話がいいなあと思った。
大人の話は、あまり、どうかな。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2023年11月16日

【収録作品】雨の中で踊る/Dahlia/太陽/獣の夜/スワン/ポコ/あした天気に

なんとも不思議な味わいの短編集。
「スワン」は、『ラン』番外編。

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Posted by ブクログ 2023年11月04日

「獣の夜」含む7つの短編集
順風満帆ではない日々から解放されていく
少し不思議な話達

好きな話は

「太陽」
心因性の歯の痛みに医師が寄り添う言葉と薬
優しい気持ちになる

「獣の夜」
学生時代、先に付き合った男と付き合い結婚した友人を祝う席に案内するはずが、、
あっけらかんとした女同士が獣を食す...続きを読む
男前な姿にすっきりする

久しぶりに森絵都さんが読めて嬉しい

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Posted by ブクログ 2023年10月17日

サプライズパーティーを予定する女性、長期休暇中の
中年男性、治らぬ歯痛を抱える女性会社員…。
眼の前の世界が不意にぐらりと揺らぐ瞬間を、
さわやかに、艶めかしく、ユーモラスに描き出す。
全7編を収録。

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Posted by ブクログ 2023年09月23日

短編集。

人生ってなんだろう?とは常々考えているところですが、
今のありのままで、迷うこともまた生きるということなのだと。
日々の奇跡や運命の重なりで、現在なのだと。
考えても抗えない、不思議な流れのなかで生きているのだと。
不思議な感じになりました。

「あした天気に」が私は好きです。

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