あらすじ
原因不明の歯痛に悩む私が訪れた不思議な歯医者(『太陽』)。女ともだちをサプライズパーティに連れ出す予定が……(『獣の夜』)。短編の名手である著者が、日常がぐらりと揺らぐ瞬間を、ときにつややかにときにユーモラスにつづった傑作短編集。
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Posted by ブクログ
「太陽」
奥歯に激痛があり、歯医者に予約を入れようとした。しかし、予約がいらないという歯医者。腕前に不安のあるものの、診察を受けた結果、歯ではなく別の場所が痛んでいると告げられ、原因を探し始める…
「獣の夜」
大学のサークル仲間だった美也の誕生日パーティをサプライズで行うため、元仲間でもある美也の夫から、会場へ誘ってほしいと頼まれる紗弓。しかし、美也はある店の焼き肉が食べたいと訴え、会場に行く前にその店に行くことになるも、途中でジビエ・フェスタに出会ってしまう…
この2つが良かった。
Posted by ブクログ
なんとなく閉塞感がありつつも、これが普通に平凡なんだろうと過ごしてきた日常や環境、そこに疑問を持ち、もっとどうにかしてやろうと変化を求め行動するきっかけ。
そんなきっかけを描いた短編が7編。中にはショートショートや詩のような短いストーリーもあるが、それはそれできっかけの瞬間だけを切り取ったかのような精錬度合いが味わい深い。
居心地の悪さやケツの座りの悪さを、「みんな我慢してるんだから」と辛抱することは大切だろうし、ある種ラクなのかもしれないが、ちょっとでも居心地よく…というか楽しく過ごせる環境にするために行動することは、良いことだと思いたい。
せめて、人がやってるそれを「和を乱す」的なことを言って抑止しようとする勢力の片棒を担ぐ側にはなりたくない。
Posted by ブクログ
事件とかは起きない日常だけど、どこか不思議な短編集。森絵都さんの作風やっぱり好きだな〜と思った本!
表題作でもある、『獣の夜』が好きだった!
浮気してたことに気付いたのが旦那の「枯れ葉臭」だったの、複雑だわ〜。ジビエが進むなかぶっちゃけ話をするいい歳の女2人の友情が良かったし、フェスの空気が目に浮かんだ。終わり方も好き
Posted by ブクログ
短編集!面白い。
特に獣の夜!女子同士が話していくうちにどんどん曝け出していく感じが楽しかった。結婚しても友達は大事。
全体的にコンパクトにまとまってるけど温かみがあって読みやすかった。
Posted by ブクログ
面白かった!
さすが森絵都。
長短関わらず面白い。
雨の中で踊る
太陽
ポコ
特に好きだった。
ポコが最後まで見たかった景色を見に行こう
Posted by ブクログ
獣の夜、ってタイトルが何かと思えばジビエフェス!美味しそうで、お祭り特有のワクワク感もあっていいですね。美也の誕生日会に本人を連れて行けない時はハラハラしましたが、話を知っていくとそんなん行かなくていいじゃない、という紗弓と同じ気持ちになれました。人間は理性的な生き物ですが、この話の登場人物たちはみんなそれぞれ野生的というか、本能のままに行動しているところがあってまさしくタイトル通りと言った感想です。
他の話では「スワン」を読んで、別作『ラン』の番外編とのことで読み返してみました。
『ラン』の方の感想に書きましたが面白かった!!スワンで後日談がわかったのがよかったです。
最後の「明日天気に」も、てるてる坊主が話し出し、天気の願いを叶えてくれるというのがいかにも森絵都さんのファンタジー感だ・・・!と感動しました。