あらすじ
夫の部屋の掃除はしない。マッサージ店で指名をしない。“ワンちゃん”呼びはしたくない。バリウム検査で作法を貫く。結婚指輪はどこかに消えた。くだらないような気もするし、ちいさい事とわかってもいる。「だけどコレだけは譲れない」、そんな何かが誰にもきっと一つはあるはず―。こだわりを許して生きていくのは、なかなか案外悪くなさそう。38篇の物語に文庫版限定の2篇を追加収録!
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Posted by ブクログ
森絵都さん、初読み!タイトルと、40近い目次から、エッセイかな?と軽い気持ちで読み始めてみたら、非常にオトクな短編集でした。
面白いじゃないの、森絵都さん。
まず、言葉が美しい。仰々しくなく、華美でなく、日常使いの美しさ。機能美。
話し言葉が自然。読みながらうっかり声に出してしまいそう。声に出して読みたい森絵都。
すごいなと思うのは、話のジャンルや語り口が実に様々でバラエティに富んでいて、40篇も読んでも同じものがないこと。NOを書いた短編であるはずなのに、嫌な気持ちになるものがないこと。電車広告くらいの、本当に短い話なのに、しっかり読後感があること。
そしてそして、たくさんの短編の最後は…
いやあ、お見事でした!思わず声が出たよね。
おすすめです。
Posted by ブクログ
ショート・ショート40篇を収録した、さらっと読めるんだけど読後に味わい深い余韻を残す作品集だ。さすがにこれだけの数があると多少の優劣はあるんだけど、面白いアイディアのものもいっぱいあるし、総じてレベルは高いと思う。本作を読み終えて、やはり森さんは短編向きの作家なんだな、と感じた。特に文庫版で追加されたラスト2編が素晴らしい。
本書のタイトルは単純に収録作における共通のテーマみたいなものかなと思っていたんだけど、最後の最後にまさかそういうオチで締めるとはねえ。いやあ、一本取られましたわ。
通勤電車なんかのちょっとした合間に少しずつ読んでいくのがおススメ。
Posted by ブクログ
わかるー!と共感できるものとあれば、うーん、どういうこと?というものもありますが、どのお話も短くとても読みやすいです。
名字の読み方の話は面倒なので間違えを指摘せず、後から気づいた人に気まずい思いをさせる…というのがまさに自分的あるあるシチュエーションで笑ってしまいました。
Posted by ブクログ
初めて短編集にチャレンジしたけど、一冊で色んな世界に入れて楽しかったな〜〜
嫌と感じることは人それぞれ!変なこだわりを持ちたい部分も人それぞれ!それを色んな視点で、一人で書くって、やっぱり作家さんてすごい、、!
⭐️↓特にお気に入りのお話たち⭐️
4.6.9.15.17.18.22.23.26.28.30.32.33.39
Posted by ブクログ
以前から読みたいと思っていた本。
「それぞれの立場」を、人から勧められたことがある。
「少年の日の思い出」(あの、エーミールがでてくるお話である)を学んだ中学生が、いろいろな登場人物の立場になって書いた文章を並べたという体の小説だ。
確かに、捧腹絶倒の一作。
他にも、面白いものがたくさんあった。
ほんのちょっとしたこと、なのに許せないことを取り上げ、少しシニカルな笑いが生まれていく。
その手つきの鮮やかなことといったら!
笑いながらも共感したのは「クソテン」が出てくる「誰がために貴方は進化しつづけるのか」。
Windows10が、ユーザの都合にお構いなしに勝手にアップデートに入ってしまう現象を取り上げた作品だ。
ああ、そうだったなあ、とちょっと懐かしく思い出した。
その時分を知らない若い人はこれから増えていくんだろうが、同じようなことは他のアプリやサービスで起きるに違いない。
Posted by ブクログ
新宿から草津温泉へ向かうバスの中で読んだ。片道で読破。
この作者の作品は大体読んでいるけど、こんなに短い掌編は初めて。普段から文章にほんのりシュールさが光っているけど、その感じが掌編と相性が良い!
「あ〜わかる」となったりフフッとなったり、うわ、めっちゃあの人じゃんこれ、となったり。大変軽やかに読めたけど、軽やかすぎて1ヶ月も経つとどんな話が収録されていたのかちっとも覚えていない。退屈な旅のお供に何度でも連れ出せそう。
Posted by ブクログ
ははは、っと、乾いた笑い声のようなものがつい出てしまう。
そんな、ちょっとずつ、スパイスを隠し味にしたような、短編集。
スパイス、ガツーン!じゃないところが心地よい。
満場一致が多すぎる が、一番大きな声のははは、が出てしまった。
Posted by ブクログ
40個のできない相談。これだけは譲れないってことが誰にでもあるんだ‥‥他人から見たら そんなこと? かも知れないけれど大事なんだよね、そんなことが。
Posted by ブクログ
森絵都さんの作品は大好きで、「カラフル」、「リズム」、「ゴールド・フィッシュ」、「風に舞い上がるビニールシート」、「永遠の出口」、「宇宙のみなしご」、「ラン」、「つきのふね」、「クラスメイツ」「みかづき」「いつかパラソルの下で」に続く12作目でした。(↑読んだ順に書いてます)
今まで読んだ森さんのどの作品よりも一番好きな作品でした。森さん初読の方には「風に舞い上がる~」を読んだあとに読むことをおすすめします。かなり好みは分かれると思います…。コント好きにはたまらない。映画「半径1メートルの君」が好きな人には特にお勧めできます
おすすめの読み方
①一日一つずつ読む。
②ランダムに読まないで順番に読む。
③「風に舞い上がる~」の後に読む。
これらを守れば倍楽しめるかも。
Posted by ブクログ
短い物語38篇。文庫版には書き下ろしも2篇入っててちょっとお得(笑)。
生活していく上でどうしてもこだわってしまうこと、どうしても許せないこと、気になってしまうこと。主人公たちはそれぞれそんな何かを持っている。
わかるわーというものもあるし、わからないけど共感できるものもある。大抵はこだわり過ぎて間が抜けた結果になっているので、心の中でニヤリと悪い笑いを浮かべてしまう。好みのテイスト。
ひとつひとつ短いからテンポ良くすぐに読めるし、飽きずに楽しめた。
中でも好きなのは、「島田祐一」、「スモールトーク」、「ヒデちゃんの当たり棒」、「時が流してくれないもの」、「書かされる立場」、「コンビニの母」、「指名はしません」。
207ページ
✕月✕月→✕月✕日
Posted by ブクログ
人からみたらどーでもいいようなこと、よくわからないことでもこだわっちゃうことがだれにでも1つや2つあるかも… 私にもあるかな…?
そんなたわいもない話しにスポットをあててこんなに面白おかしくショートストーリーにするなんてやっぱり作家さんてすごい‼︎
通勤電車の中でププって笑ってしまったこと数回(*^_^*)
Posted by ブクログ
掌編小説集。声高に言うほどではないがモヤッとしている日常のこだわり、見過ごしつつもスッキリしないくせ、他人事だと思っていたのに自分に返ってくるブーメラン。あ〜こういう気持ち、自分だけじゃないんだ!と軽やかになれる一冊。
Posted by ブクログ
誰かにとっては当たり前に受けいれている日常の些細なこと、でも嫌なものは嫌!と小さなNOを突きつけていく掌編集。
読む前はエッセイかと思っていたけれど小説だった。
でも、パソコンのOSに暴言を吐き小言を言いまくる「誰がために貴方は進化し続けるのか」には森さんの新鮮な怒りが詰まっているようにしか思えなくて笑ってしまった。(でも、あくまでも、一人称の小説なんだよなと「噂の真相」を読んで思い直した)
ほんの2,3ページしかない短い物語たちなので通勤のお供にピッタリでした。人の強いこだわりが愛おしく思えてふふっとなれるお話が多かった。
Posted by ブクログ
こういうのあるよな〜っていう話からちょっとよくわからない話まで、クスッと笑えて、ひねりも効いて、時々毒気もある40作の掌編集。
隙間時間にするっと読めて、何気に満足度も高い。さすが森絵都さん。
変に笑いをとりにいかないところも好みでした。
一番好きなのは「電球を帰るのはあなた」これはわかりみが深い。
Posted by ブクログ
「こういうこと、あるよなあ」とか、「あるかもしれないなあ」というような、身近に転がっていそうな隙間を覗くような短編集だった。最近ちょっと脳が煮詰まっている傾向があったので、物凄く丁度良い読み心地。何冊か文庫本を並べて4歳児に「おかーちゃん次に何読むと良いと思う?」と選んでもらって本当にナイスタイミングな選書でした。
「サービスの落とし穴」「誰がために貴方は進化し続けるのか」あたりは身に覚えがありすぎたなあ……。
Posted by ブクログ
短い物語で読みやすく、息抜きに読むのにもってこいでした。
「指名はしません」「東京ドームの片隅で」「書かされる立場」「明らかに両手が塞がっているとき」が中でも好きです。
『年寄りにはタダで親切にしたれ!』はパワーワードでした。
Posted by ブクログ
そんなこだわりいらないよね!?と思う話もあれば
その頑固さは時として必要だなぁーと感じる話も。
こだわりを捨てることも、頑固さを残すことも
どちらも大切なことですね。
Yesマンにならないように、
Noと言い続けることもないように
生きていこうと思いました。
Posted by ブクログ
タイトルと森さんの作品ということで手に取りました。
帯も気になりました。
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あなたはよくても/あいつはよくても/誰がよくても
イヤなものって、イヤなのだ。
日常の中の小さな「NO」で人生は変わる?
38篇+書き下ろし2篇=極上の小説集!
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ありそう、あるある、というものから、
ちょっと不思議で奇妙な物語まで。
ショートストーリーとして、
数ページのなかに収めてしまう力ってすごいですね。
日常で納得できないこと、
不公平感を描かれてるものが多数です。
なかにはちょっとクスっと笑えるものも。
全部読み終わったときの感想は「ブーメランか」という一言でした。苦笑
ちゃんとオチもあってよかったです。
Posted by ブクログ
隙間時間に読むとちょうどいい辛口?短編集。
本タイトルの短編は目次になく、最後のお楽しみで隠されていました。
ホントに噂って!特にネットでは。
フェイクニュースしかり、早くあの噂のAIとやらでネット世界を整備して欲しいものですよ?!
Posted by ブクログ
5話目 甘納豆ラプソディー
6話目 書かされる立場
確かにそうだ!と目から鱗だった。
22話 羊たちの憂鬱
確かに起こりそうな女子同士の関係、
うわ〜怖、けど納得なお話。