森絵都のレビュー一覧
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ネタバレ獣の夜、ってタイトルが何かと思えばジビエフェス!美味しそうで、お祭り特有のワクワク感もあっていいですね。美也の誕生日会に本人を連れて行けない時はハラハラしましたが、話を知っていくとそんなん行かなくていいじゃない、という紗弓と同じ気持ちになれました。人間は理性的な生き物ですが、この話の登場人物たちはみんなそれぞれ野生的というか、本能のままに行動しているところがあってまさしくタイトル通りと言った感想です。
他の話では「スワン」を読んで、別作『ラン』の番外編とのことで読み返してみました。
『ラン』の方の感想に書きましたが面白かった!!スワンで後日談がわかったのがよかったです。
最後の「明日天気に -
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以前から読みたいと思っていた本。
「それぞれの立場」を、人から勧められたことがある。
「少年の日の思い出」(あの、エーミールがでてくるお話である)を学んだ中学生が、いろいろな登場人物の立場になって書いた文章を並べたという体の小説だ。
確かに、捧腹絶倒の一作。
他にも、面白いものがたくさんあった。
ほんのちょっとしたこと、なのに許せないことを取り上げ、少しシニカルな笑いが生まれていく。
その手つきの鮮やかなことといったら!
笑いながらも共感したのは「クソテン」が出てくる「誰がために貴方は進化しつづけるのか」。
Windows10が、ユーザの都合にお構いなしに勝手にアップデートに入ってしまう -
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飛び込み競技のシドニーオリンピック代表を目指す中学生・高校生ダイバーの物語の下巻。シドニーオリンピック選考会が物語の中心であり、競技会の描写だけで、下巻の半分を占める。
上巻の感想でも書いたが、飛び込み競技のルールを知っている人は少ないと思う。私も知らなかった。しかし、この物語を読み進めていくうちに、それが理解できるようになる。飛び込み競技は、予選を勝ち抜いた選手たちが決勝で10本の演技を行う。その10本の演技を審査員が採点し、その合計点で勝敗が決まる。ただ、採点ルールはシンプルではなく、演技に用いる技に難易度が数字としてつけられており、採点による点数に、その難易度の点数がかけられて1本の演技 -
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文庫本の上巻の表紙に描かれている絵が何なのか全く分からなかった。「DIVE!!」という題名の意味も知らなかった。読んでみて、DIVEはダイビング、すなわち、飛び込みというスポーツ種目のことであり、文庫本の表紙の絵は、競技に使われる飛び込み台であることが分かった。
たしかに、「飛び込み」という種目はある。しかし、それはマイナー競技であり、私自身も、オリンピックの「今日の結果」的なダイジェストで観る以外に観たことはなかった。国内、あるいは、国際的な競技会ももちろん開催されているのであろうが、それが放映されているテレビを観たこともない。
「飛び込み」という競技をほとんど知らないのは、私だけではないは -
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短編集。
表題作の「獣の夜」は
江國香織さんみたいな
テイスト。
「スワン」など数編は筒井康隆の
ショートショートみたいな、
ファンタジーで笑えて
心があったかくなるストーリー。
一番好きだったのは「あした天気に」
これが表題でも良かったんじゃないか?と個人的には強く思った。
設定はユニークで、
空想好きな森絵都さんが、楽しみながら書いたんじゃないかな?と
想像させる。
でも、どの短編をとっても、
誰もが共感できる部分が必ずある。
過去への後悔だったり、
家族との確執だったり、
恋愛観だったり。
本当に大切なもの、って何だろう?
ここにあったね、これだったね。
ほら、見えたよね。
軽いタ