森絵都のレビュー一覧
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60ページほどの短編2作とショート・ショート+αくらいの長さの3編からなる作品集です。短編のほうは震災後を舞台としたもので、こちらは文句なし。特にアラフォー女性3人が震災をきっかけに夫や恋人との距離を見つめ直していく姿を描いた「あの日以降」はなかなかの佳品だと思いました。表題作「漁師の愛人」も地方のある意味閉鎖的なコミュニティに正妻ではなく愛人という立場で関わらざるを得なくなった女性の心境がうまく描かれていると思います。
ショート・ショートの3編はいずれも少年が主人公のプリンをめぐるコミカルな話です。それなりに面白いのですが若干空回りしているような気も。
文庫版では解説を含めても200ページに届かない分量で、あっという間に読み終わり、正直もっと楽しみたかったというか、物足りない気持ちが残りました。確か次回作は長編のはずなので、そちらを待ちます。 -
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「少年とプリン」「老人とアイロン」「あの日以降」「ア・ラ・モード」「漁師の愛人」
このうち「少年とプリン」「老人とアイロン」「ア・ラ・モード」はプリンに対する男たちの偏愛が主要な題材になって居て何とも可笑しい。
「あの日以降」は大震災後にルームシェアするアラフォー女性を描いた佳作。
そして表題作「漁師の愛人」。実はこのタイトルから、あまり興味のないドロドロした恋愛ものがイメージされて購入をためらったのです。でも違いました。
会社に首を切られ漁師に転職した男と離婚しない妻、そして漁師町で同棲する愛人。でもドロドロじゃなくて何やら乾いた感じの三者の関係と、閉鎖的な漁師町の女性陣との戦いがなかなか見事です。 -
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一度は行ってみたい、屋久島。
こちらは、森絵都さんが屋久島をジュウソウした様子を綴ったエッセイです。
ジュウソウ=縦走だということも知らず、重装備の「ジュウソウ」だと思っていたほどの初心者な森さん。
直面した山道は相当にハードそうでした。
とはいえ、全体的にゆるゆるした雰囲気のエッセイで、読んでて楽しい。それでいて、軽ーい気持ちで屋久島に行こうとしていた人をばっちり諌めてくれます。
勝手なイメージですが、なんとなくインドア派だと思っていた森さん(何の根拠もない)ですが、初めて読んだこのエッセイで、ものすごくノリがよくて、実はとってもアクティブなことを知りました。
第2章では世界を旅したエッセイが綴られているのですが、これまたおもしろい。日常的に旅をする、とまではいかないかもしれないけれど、人生の中に常に旅があるといっても過言でないほど、世界各地を巡られています。
それもわりと、本能の赴くままに。
なんでしょう。読んでいて感じるのは、ノリって大事だよね、ということ。
なんと森さん、屋久島縦走どころか、この後フルマラソンにまで挑戦されてるし、結構いろいろと体験している。運動嫌いの主人公がやむにやまれぬ事情でフルマラソンに挑む、そんな小説を書くにあたって自分もフルマラソンを走ってみよう、なんて思いついてもなかなか実現できない。まして、そのために1年半もトレーニングしたなんて、素晴らしい。
そして、そうしたフルマラソンよりもよっぽど大変だったという、屋久島の宮之浦岳。一体どれほどのものなんでしょうね。すさまじい。
世界で出会った忘れられない味の話もよかった。
いま巷では、旅に出たって人生は変わらない、なんてフレーズが流行っているようですが、そんな人にはこの本をプレゼントしたい。
いつもと違う景色、いつもと違う人たちと関わっていて、ふっと自分の感性が研ぎ澄まされる感覚は、旅特有のものだと思うのです。
正直私もインドに行ったからって人生変わったわけではないけれど、自分が知らない世界に触れた衝撃は、私の人生に確実に影響を与えました。
旅って、やっぱりおもしろい。 -
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ネタバレうう、やっぱり美奈子の出てくる話なんかつかまれてしまう。そして、ちゃんと光が見えてよかった。
どうしても個人個人の出てくる割合が少ないので物足りなく感じてしまうところはあったが、前期後期通して全員をのぞかせてもらったら、けっこう満足できた。
後期はイタルとヒロが好きでした。
イタルの考えてるどうしよもない自己中心でバカでどうしようもないところが何だかちょっぴり愛おしく思えるぐらい可笑しくて、笑ってしまった。
これほどまでにクラスの一人一人をかき分ける力、感服してしまった。そして、やっぱり全員通して読むととてもいい!
自分にもある部分、まったくない部分、誰かの中に重ねたり、見つけてみようとしてみたり、この本の中で一緒に考えたり探したり、素敵な時間を過ごせた。
いつか、わたしに子供が生まれて中学生になり、新しい環境の中で悩んだり躓いたりした時、そんな時に読ませてあげたい。 -
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ネタバレすばらしい
森さんってあらためて、うまいなーと思った
もやもやしてる言葉にならないような感情や気持ちをうまく表現して、
1年間というまとまりの中でうまーーくまとまってる
不登校だった田町ちゃん(不登校の理由が、いじめとかじゃないのがいい)の家に男子3人が説得に行って、
陸くんが泣いてるところがじーーんときた
よかったよかった
不良になりかけた奈美ちゃんもちゃんと仲直りできたし、
いろいろワケありだった面々も自分の居場所を見つけたり、おさまるところにおさまって、
最後までヒロくんがヒロくんらしくてちょっと気の毒かなと思ったけどなんか両思いになりそうだし^^
アリスちゃんの処女を守る賭けなんて、
ありそうでなさそうで(ないよ!)
そこはかとなく百合くさく、
でも友情なんだよね
なんかまっすぐで穢れないかんじで、よかった
きっとみんな色々あって、どうしても仲良くなれない子もいたり、どうにも性格のねじまがった子もいたりするのかもしれないけど、
でもこういう好例(?)もあるということで、
世の中の中1に読んでほしい!
と思った快作だった