森絵都のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
一度は行ってみたい、屋久島。
こちらは、森絵都さんが屋久島をジュウソウした様子を綴ったエッセイです。
ジュウソウ=縦走だということも知らず、重装備の「ジュウソウ」だと思っていたほどの初心者な森さん。
直面した山道は相当にハードそうでした。
とはいえ、全体的にゆるゆるした雰囲気のエッセイで、読んでて楽しい。それでいて、軽ーい気持ちで屋久島に行こうとしていた人をばっちり諌めてくれます。
勝手なイメージですが、なんとなくインドア派だと思っていた森さん(何の根拠もない)ですが、初めて読んだこのエッセイで、ものすごくノリがよくて、実はとってもアクティブなことを知りました。
第2章では世界を旅したエッセ -
Posted by ブクログ
ネタバレうう、やっぱり美奈子の出てくる話なんかつかまれてしまう。そして、ちゃんと光が見えてよかった。
どうしても個人個人の出てくる割合が少ないので物足りなく感じてしまうところはあったが、前期後期通して全員をのぞかせてもらったら、けっこう満足できた。
後期はイタルとヒロが好きでした。
イタルの考えてるどうしよもない自己中心でバカでどうしようもないところが何だかちょっぴり愛おしく思えるぐらい可笑しくて、笑ってしまった。
これほどまでにクラスの一人一人をかき分ける力、感服してしまった。そして、やっぱり全員通して読むととてもいい!
自分にもある部分、まったくない部分、誰かの中に重ねたり、見つけてみようとしてみ -
Posted by ブクログ
ネタバレすばらしい
森さんってあらためて、うまいなーと思った
もやもやしてる言葉にならないような感情や気持ちをうまく表現して、
1年間というまとまりの中でうまーーくまとまってる
不登校だった田町ちゃん(不登校の理由が、いじめとかじゃないのがいい)の家に男子3人が説得に行って、
陸くんが泣いてるところがじーーんときた
よかったよかった
不良になりかけた奈美ちゃんもちゃんと仲直りできたし、
いろいろワケありだった面々も自分の居場所を見つけたり、おさまるところにおさまって、
最後までヒロくんがヒロくんらしくてちょっと気の毒かなと思ったけどなんか両思いになりそうだし^^
アリスちゃんの処女を守る賭け -
Posted by ブクログ
ああ、40代女性(一部男性)の母性愛は何と深く逞しいのだろう。
家主の帰りを、人のいない町で待つペットたちの姿。
ペットを連れだしたくても連れ出せない飼い主たちの切なさ。
ペットを救出するためにはるか遠くから福島に通うボランディアたちの姿。
飼い主に代わってペットの面倒をみるボランディアの愛情。
どこを読んでも胸が熱くなる。
しかし児童文学出身の森絵都のノンフィクションはソフトかつ軽快で、そのソフトな文体がこの出来事が異世界でなく私のすぐ近くで起きている出来事だと強く感じさせてくれた。
ペットレスキューが、警察の目を逃れて検挙を恐れながら行われている実情に胸が痛くなった。
政府と東京電力は -
Posted by ブクログ
釜ヶ崎、とは、どこか。日本最大の日雇い労働者の街だ。おそらく日本に住む大多数にとって、その実態を知る必要がなく、けれどもたしかに存在している街。そこに住む人々、そこを出た人々、釜ヶ崎を舞台に繰り広げられる物語は、決してお涙頂戴の安っぽい人情物語ではない。
声をあげて彼は不幸だ、と叫ぶのでも、人権がどう、と主張するのでもない。自分の足で立ち、自分の目で未来を見据え、自分の手で自分の決めた幸せを掴もうとする。
作中出てくる、カルト教団に傾倒してしまう大学生 大輔の、自分の空っぽさへの恐怖には、残念ながら共感してしまった。芯というものがない、そう気付いたときの自分への失望。ただし、それが同時に甘えで