森絵都のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
(3.11によせて)
以前(割と最近であるが)、テレビでとある作家が言っていたのが、3.11の震災以後の時代を舞台とした物語が書けていないと。
この方だけでなく、おそらく数多くの作家(の作品や作風など)に何らかの形で影響を及ぼしていたのだろう。
そのことに、私は初めて気づいたように思う。
震災当時、私はまだ未熟な社会人だった。
デスクワーク中に大きな揺れがあって、古めの建物は崩れるのではないかと心配になるほど激しく揺れたが、同じフロアにいた社長は外に逃げる気配もないので、自分だけ逃げ出すわけにもいかず、逡巡しているうちに揺れはおさまり建物は崩れずに済んだ。
幸いなことに家には無事に帰れたし、 -
ネタバレ
面白かったけど、長かった…
帯の「私、学校教育が太陽だとしたら、塾は月のような存在になると思うんです」という文言に惹かれて購入しました。
親子三世代で理想の教育を追った話でした。
この本に出てくる塾は予備校ではなく学校で落ちこぼれを補習する塾で、公教育で輝けない子供たちを輝かせる意味で月との表現をした第一世代、塾に行けない子供達を学校教育で補う第二世代、塾にも学校にも居場所がなく、金銭的に困窮している子供を救う第三世代と役割分担されており、親子間で意思が受け継がれていく様がわかりやすく描写されており一貫性があってよかったです。
この本における理想の教育とは子供たちをコントロールすることではなく、自分の頭で考 -
Posted by ブクログ
あなたは、長編と短編のどちらが好きでしょうか?
そうですね。私は長らく短編は苦手でした。せっかく作品の舞台がイメージできて、主人公にも感情移入できたと思ったのに、せっかくいいところだったのに、無情にもプツッと現実世界に引き戻されてしまう、もしくは、また次の短編の新しい舞台をイメージしていかなければならないなんて…。ああ、短編を読むというのはこんなにあっけないことなのか。そんな風に思ったこともありました。この数ヶ月で300冊以上小説ばかりを読んできた私ですが、そもそも今思い返してみて短編で印象に残っているものを挙げろと言われても戸惑いを隠しきれない現実もあります。『ジャンプできるというか。短編