【感想・ネタバレ】おいで、一緒に行こうのレビュー

あらすじ

東北大震災、福島原発20キロ圏内のペットレスキュー

取り残された犬や猫たちを救出すべく、女性ボランティアが無人地帯に潜入する。なぜ…? 人間とペットの、いのちの意味を問う名著。

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Posted by ブクログ

少し読み始めてからすぐに一度本を閉じてしまい。
これは読むのに覚悟がいるな、と。
混乱の中でも、行動が責任問題となり動きたいのに動けない。それが命に関わる事であっても。助けられたはずの命が失われた方がよほど責任問題だと思うのだけれど。
一言で感想がまとめられないけれども、現実を知るために読めて良かった。

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2022年03月09日

Posted by ブクログ

森絵都さんによる震災・福島の原発事故被災地でのペットレスキューを追ったルポルタージュ。

めぐり合わせというものは不思議なもの。先日、1年ほども積読状態だった桐野夏生『バラカ』を読み、そして、馳星周『少年と犬』を読んだばかり。そんな時に、たまたまこの本と出会った。森絵都さんなので、小説かと手にとったら、ペットレスキューの話し。これは、読まねばなるまいと購入。

震災2ヶ月後の2011年5月から11月にかけて、現地でのレスキューの様子やボランティアの思い、そして何よりペットたちの様子が、記されている。
作家である森さんの筆致は、穏やかで静かな装い。重い現実を前に、声高に正義を叫んだり、誰かを糾弾することはないが、それ故にこと重さや、不条理さを痛感させられる。
人間が以下に傲岸不遜な存在であるということ、この社会や政治が無慈悲であることも感じさせられた。

もう既に風化しかけているかに見える311の記録として貴重なものだと思う。

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2020年09月10日

Posted by ブクログ

知らなかったペットレスキュー。東日本大震災では被災者=ヒトが注目され、それは致し方ないことなのかも知れない。しかし、福島原発の立入禁止区域で強制避難後に取り残された犬猫や経済動物たちのことを、本書で改めて思い知らされた。警察を含む行政は、何故に彼女たちのようなボランティアと共に生き物を救おうとしないのか? 三毛猫を保護する時の台詞が本書のタイトルとなっていて、その部分を読んだ時には目頭が熱くなった。甲斐風犬カイと飼い主・静子さんの再会シーンも、やりきれない哀しさがあった。

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2017年08月26日

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森絵都のおいで、一緒に行こうを読みました。
震災と原発事故のあとに残されたペットをレスキューする人たちのルポでした。

原発事故が発生した後、原発に近い地区の人たちは身一つで避難したので、ペットを連れて行くことが出来ませんでした。
そのような無人となった街に残されたペットを回収するボランティアの女性たちの行動が描かれています。

「多くの鎖につながれた犬や、室内飼いの猫は餓死してしまっています」という記述を読むと悲しくなってしまいます。

原発に近い地区は立ち入り禁止になっているため、警察に見つかると強制退去させられてしまいます。
それにもかかわらず、「母性」に従って行動する女性たちにエールを送りたくなります。

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2016年10月05日

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正直、忘れかけていた福島。置き去りにされた猫や犬の姿に涙が止まらない。レスキューの人々の働きに感謝の念。

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2015年09月06日

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命に順位があるのは仕方のないことだとは思う。あって欲しくないと思っていても、人間であっても命の順位が存在するのだ。
ならば、ペットの、家畜の命にも順位はあるのか。
おそらくあるのだろうと思う。
そんななかで奮闘されるペットレスキューの方のドキュメンタリーだ。
正しいことはしていないというレスキューの方の一言が重たい。
でもその正しさは誰が決めたものなんだろう。
命には順位がある、でも、命は平等なのも正しいことなんだと思う。

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2015年06月15日

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 2011年、東日本大震災での原発事故により立ち入り禁止になった区域に残された動物たちをレスキューするボランティアさんたち。
 その方々を取材し、共にレスキューへも同行する森絵都さんのノンフィクション作品。
 実際の時系列で書かれているため、リアルで胸が張り裂けそうだった。
 忘れてはいけない事実。
 その事実をくりかえさないために、今するべきことは何なのか。
 私も愛する猫のため、自分にできることを実行していきたい。

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2025年06月08日

Posted by ブクログ

ネタバレ

東日本大震災にまつわるペット救助の話。
私はこういうときボランティアに動けないから、まず行動できることがすごい。

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2023年08月09日

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20km圏内のペットレスキュー。頭が下がる思い。
心身ともに大変だしお金もかかる・・・。
切なくて呼吸が苦しい。
「あとがき」に書かれた三年後の様子は、当時とは少し違ってきてる。
あれから更に年月が経ち、このコロナ禍・・・。
どうなっているのだろう。

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2021年04月28日

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避難指示で取り残されたペットや家畜のことは、ニュースの端で少しだけ耳にしたことはあったけど、実態を知らなかった。

ボランティアの方々の奔走、ペットレスキューのためでは通行許可がおりない現場のルール、政治的な規制。


困っていた、という内容の本ではないけど、
当時もっと広く知られていたら、援助や何か助けに手を挙げる人がいたんじゃないかなと思ってしまった。
コロナ禍でも、報道されない狭いところで困窮している人、動物がいるのでは。

目が行き届かないところにも、思いを巡らせる人でありたい、と思った。

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2021年03月08日

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3.11以降に福島の犬猫レスキューの現実に迫るルポタージュ。文庫化したものを再読したが、ああ、私、全然コミットできていないなぁ...、と。震災当初は勢いでボランティアに参加していたけれど、ここ最近は様々な理由をつけて足が遠のいている...。ボランティア参加者は共通して「母性」だと言うが、それだけじゃないものがここにあるように思う。

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2020年01月15日

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原発事故の直後から20km圏内の避難区域に入り込み、飼い主と離れ離れになった犬猫を回収し続けるボランティア(主に40代女性)達の活動を、著者自身の経験を通して描く。

どのエピソードからも、極限状況の中での人間と動物との結びつきを否応なく感じる。

このボランティアたちの強さと覚悟はどこから来るのか。著者による問いに異口同音に返ってくる答えは「母性」だ。

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2017年02月27日

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ふくいちの周辺地区には避難勧告が出され、一緒に住んでいたペットたちと離ればなれになってしまった。避難勧告地域に潜入し、動物レスキューに取り組む人たちを追った。

小説家だけあって、ノンフィクションはそれほどうまくないなとは思ったけど、事実をただ淡々と進めていく感じ。何かが悪かったわけじゃないし、どうしようもなかったことなのかもしれないけど、どうにか出来なかったのかと思う。

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2018年02月09日

Posted by ブクログ

ああ、40代女性(一部男性)の母性愛は何と深く逞しいのだろう。

家主の帰りを、人のいない町で待つペットたちの姿。
ペットを連れだしたくても連れ出せない飼い主たちの切なさ。
ペットを救出するためにはるか遠くから福島に通うボランディアたちの姿。
飼い主に代わってペットの面倒をみるボランディアの愛情。
どこを読んでも胸が熱くなる。
しかし児童文学出身の森絵都のノンフィクションはソフトかつ軽快で、そのソフトな文体がこの出来事が異世界でなく私のすぐ近くで起きている出来事だと強く感じさせてくれた。

ペットレスキューが、警察の目を逃れて検挙を恐れながら行われている実情に胸が痛くなった。
政府と東京電力は原発は安定的にコントロールされているというのだから、ペットレスキュー団体に強制避難地域の動物保護活動の許可と情報の提供を行うべきだと思う。

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2015年06月29日

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ネタバレ

東日本大震災に伴う原発事故で避難指示対象になった福島原発20キロ圏内に取り残された犬や猫のレスキュー活動を行う40代女性たちの姿を追ったノンフィクション。
避難指示が出て住み慣れた土地からの避難生活を強いられペットを置き去りにせざるを得なかった避難民の人々のつらさや飼い主の庇護下から過酷な状況下で生きることを強いられたペットたちのつらさが伝わってくるようだった。
震災の記録、記憶を留めるためにも語り継いでいかなければならない内容だと思った。

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2015年06月27日

Posted by ブクログ

2011年3月11日、東日本大震災による福島原発事故後に残されたペットたち。彼らの命を救うために活動するペットレスキューの人々を追うドキュメント。
罪のない動物たちを見捨てる権力側。決して見過ごすことはできず行動する人々。どちらも同じ人間であることが、人という生き物の本質の怖さでもある。

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2017年05月31日

Posted by ブクログ

2011年3月に発生した東日本大震災に誘発された福島原発事故。その放射能の危険性のため、原発から半径20キロ圏内への立ち入りが制限された。制限された街に残されたペットは、家畜は、動物たちは、どのような生活をしているのだろうか。ペットたちは飼い主のもとへ戻れるのだろうか。

立ち入り制限区域に残されたペット、犬や猫を中心に保護、飼い主に引き合わせる、といった活動をボランティアで行う人々に筆者が密着、見たままに記述された本。

人々の行動のモチベーションが何なのか、何のために活動をするのかという心理・ペット保護の経緯について知見が得られた。

ペットも家族の一員なのだということ、彼らがどれほど安らぎと安心を与えるかということ、緊急事態に生き残る野生の力を持ったものもいることがわかった。

地震が起こった時の記述は、今読んでもまだ怖く感じる。

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2017年02月16日

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