森絵都のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ以前別の本の短編小説で著者の作品を読んで、(ユーモラスで面白い)と思い購入しました。
登場人物達の前向きで自由な感覚に元気を貰えるので好きです。
世間がどうあっても、自分を見失わない強さが単純にかっこいいと思います。自分は近頃、人それぞれ考え方が違うと理解してる、と思っているだけで、実際は自分とは違うなとどこかで一歩引いて見ているんじゃないかと考えることがあります。これが固定概念に囚われている、という状況なんだろうかと思っていた矢先にこの本を読みました。
普通、や世間体に無意識に拘ると、見えないものが多くなると思います。物語りの中では社会が求める国民性に反発、葛藤する人々が描かれ、自分はその姿を羨ましく思いました。日常では、その様な世界を巻き込む事件はそうそう起こりませんが、違和感に気づいたら、それが自分の意見なのか世間の意見なのか立ち止まる事が必要なのではないかと思います。与えられる事を鵜呑みにしないで考え続けるのは大切な事だなと思います。 -
Posted by ブクログ
森絵都といえば思春期の少年少女が中心の青春小説である。と私は考えている。
大人を主役に添えることもあるが(みかづきもそうだった)あくまで舞台は現代であることのほうが多い。
それが今回かなり印象の違うファンタジーともSFともつかぬ話を展開していたので驚いた。
舞台は近未来の監視社会化した日本。そこで主人公たちは平安時代より蘇った森羅万象を読む人々「カザアナ」と出会う。
話自体はめちゃくちゃ面白いというわけではなかった。私の中の森絵都のハードルが上がっているだけの可能性もあるけど。
ただ私は ティーン向けの小説で金字塔を打ち立て、塾の歴史というある意味では子どもが主役の小説で本屋大賞2位を取った作家が、さらに新しい場所へ行こうとしていることに感動した。
作家ってすごいなぁと改めて感じた。
作品そのものの出来というよりは10年以上前から好きな作家が衰えを見せることなく新しい道を探していること、私はそれがとても嬉しい。 -
Posted by ブクログ
監視社会化が進む少し先の日本。里宇とその家族はどこか不思議な庭師カザアナたちと出会う、特別な力をもつカザアナたちと里宇を含めたぶっ飛んだ家族たちが織りなすファンタジー?SF?小説。
本屋であらすじを読んだ時、近未来の話でなにかメッセージ性のある小説なのか?だけど庭師という単語からお仕事小説ぽいのかなぁ?と予想ができず気になり購入を決めました。読みはじめからは何というはちゃめちゃな設定にとても驚いてしまった。
まず世界設定、ジャポいものを強制する政治、こんな世界あるか…?IF世界だとしてありえないよなぁと読みながら思った。そして登場人物たちだが性格はぱっとみキテレツではあるのだが読みすすめていくとその内側は親近感がわくといった不思議な内容。
そして、ラスト日常ほのぼストーリーかと思いきや、シリアスとギャグを混ぜつつ大物相手にドタバタ展開、次のページをめくるたびに予想外すぎて目を白黒し、よみ読み終わったときとてもほっと息をつくという奇妙な気持ちになりました。
いままで読んできた森絵都作品のなかでも結構奇抜な印象で戸惑う人は多いと感じた。だけど普通の小説では読み足りない、物語に振り回されたい人にはおすすめの小説です。 -
Posted by ブクログ
プリンに関する三部作に登場する何気ない老人たちに味わいを感じる。
主人公じゃないのに心に残ってしまう。
「少年とプリン」での用務員の64歳の老人。
あの味のあるじいさんを、あんたはどう敬ってんだ。
「老人とアイロン」の旧式の鉄アイロンを握りしめた老人。
皺の深さや目のくぼみからして優に70は超えているはずだが、裸の上体は艶めいた褐色で、昼も夜もそこには大粒の汗が張りついている。
「ア・ラ・モード」の調理場の禿頭のじいさん。
田村爺の作る生クリームたっぷりのウエハース6枚も奮発のハート型のキウイでおもてなし精神はあるが、プリンなしのア・ラ・モード。
そういえば「あの日以降」も小西さんがいい味を出している。63歳の雨漏り修理工で、とても親切、丁寧で押し付けがましくもない老人だ。
表題作である「漁師の愛人」が、タイトルこそ愛人とあったのでどんなにドロドロしているのかと思ったが、意外なことに妻と愛人には電話のやりとりが普通にあることに唖然となる。
そうなると何が正解かわからなくなり、いやこれは正解とかの言葉を使うのは違うのだろうと思ったりして…。
「みんな俺が悪い。女々しい男ですまんの」に直ぐに反発する言葉が見つからないというのがなんともなぁ…と。
そして、ここにも喜寿の祝賀会に集まった酒豪の老人たちがいた。