森絵都のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ以前別の本の短編小説で著者の作品を読んで、(ユーモラスで面白い)と思い購入しました。
登場人物達の前向きで自由な感覚に元気を貰えるので好きです。
世間がどうあっても、自分を見失わない強さが単純にかっこいいと思います。自分は近頃、人それぞれ考え方が違うと理解してる、と思っているだけで、実際は自分とは違うなとどこかで一歩引いて見ているんじゃないかと考えることがあります。これが固定概念に囚われている、という状況なんだろうかと思っていた矢先にこの本を読みました。
普通、や世間体に無意識に拘ると、見えないものが多くなると思います。物語りの中では社会が求める国民性に反発、葛藤する人々が描かれ、自分はその姿 -
Posted by ブクログ
「ラン」の小枝ちゃんのスピンオフがあるってことで読んでみました短編集。
これまで「カラフル」「みかづき」「ラン」と読んできて森絵都さんの作風はほんわかしてるイメージがあったんですけど、ファンタスティクに歪んだ感じの森絵都さんの知らない一面を覗き見できた感じで刺激もらえました。
海パン履いて町から海に行き先替えてTPOにあわせた話はすごく良かった。意識の違いってゆうか海パンだと言わなければ人からは気づかれないところのスリルとゆうかこういったのがゾクゾクくるし、海パンなら下着なしで歩いても良いわけだし、いろんな常識に囚われることなく気持ちよく生きられそうで今度は山に登りに行くとか、そんな期待感がわ -
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森絵都といえば思春期の少年少女が中心の青春小説である。と私は考えている。
大人を主役に添えることもあるが(みかづきもそうだった)あくまで舞台は現代であることのほうが多い。
それが今回かなり印象の違うファンタジーともSFともつかぬ話を展開していたので驚いた。
舞台は近未来の監視社会化した日本。そこで主人公たちは平安時代より蘇った森羅万象を読む人々「カザアナ」と出会う。
話自体はめちゃくちゃ面白いというわけではなかった。私の中の森絵都のハードルが上がっているだけの可能性もあるけど。
ただ私は ティーン向けの小説で金字塔を打ち立て、塾の歴史というある意味では子どもが主役の小説で本屋大賞2位を取っ -
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監視社会化が進む少し先の日本。里宇とその家族はどこか不思議な庭師カザアナたちと出会う、特別な力をもつカザアナたちと里宇を含めたぶっ飛んだ家族たちが織りなすファンタジー?SF?小説。
本屋であらすじを読んだ時、近未来の話でなにかメッセージ性のある小説なのか?だけど庭師という単語からお仕事小説ぽいのかなぁ?と予想ができず気になり購入を決めました。読みはじめからは何というはちゃめちゃな設定にとても驚いてしまった。
まず世界設定、ジャポいものを強制する政治、こんな世界あるか…?IF世界だとしてありえないよなぁと読みながら思った。そして登場人物たちだが性格はぱっとみキテレツではあるのだが読みすすめて -
Posted by ブクログ
プリンに関する三部作に登場する何気ない老人たちに味わいを感じる。
主人公じゃないのに心に残ってしまう。
「少年とプリン」での用務員の64歳の老人。
あの味のあるじいさんを、あんたはどう敬ってんだ。
「老人とアイロン」の旧式の鉄アイロンを握りしめた老人。
皺の深さや目のくぼみからして優に70は超えているはずだが、裸の上体は艶めいた褐色で、昼も夜もそこには大粒の汗が張りついている。
「ア・ラ・モード」の調理場の禿頭のじいさん。
田村爺の作る生クリームたっぷりのウエハース6枚も奮発のハート型のキウイでおもてなし精神はあるが、プリンなしのア・ラ・モード。
そういえば「あの日以降」も小西さんがいい味を -
Posted by ブクログ
[1]ヘンな短編のオンパレードで、すれっからしの読者にも対応してます。
[2]でも、妙に後味がよくて素直な読者でも安心です。
[3]背景にコロナ禍があり数十年後にはその切実さがわからなくなっているとは思いますが作品そのものの価値はたぶん減じないでしょう。
■簡単なメモ
【雨の中で踊る】
フットマッサージに行くはずだった永井は短パンのように見える海パンで家を出たせいか海に行こうと思った。そして…
【Dahlia】
「でも、きっとどこかに抜け道はある」
【太陽】
神経を抜いているはずの歯で激痛。歯科医は代替ペインだと言う。
《素敵な犯人です》
【獣の夜】
サプライズパーティーに連れていか