森絵都のレビュー一覧
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森絵都著「ショート・トリップ」を読みました。
くすっと笑える、そして不思議な旅のお話が48編入っているショートショート集です。
一つのお話がどれも3ページで終わりなので、気軽に楽しめました。
作者の作品を読むのは、「カラフル」「永遠の出口」「DIVE」に続いて、4つ目になりますが、どれもみな魅力的な登場人物が出てきます。
この48編のそれぞれの旅人も一癖も二癖もある魅力的な人たちでした。
それだけに、それぞれとてもユニークで個性的な旅ばかりでした。
旅の目的の一つが、日常を忘れることだとしたら、この本でもその目的は達成できるのではないでしょうか。 -
Posted by ブクログ
犬の保護と里親探しに奔走する人々を描いたノンフィクション。
ここに書かれている話の多くは救われた命の話。よかったねえ、と思わず言ってしまいそうになるのですが、現実にはほとんどの捨てられた犬たちは最終章の『救われない命たち』の中に入ってしまうのです。
この本を読んでいて思ったのは犬たちの感情の豊かさ。うれしい、かなしい、さびしいといった感情が犬にもあることは飼ったことのない自分でも十分想像できたことですが、ここに書かれている犬たちの中には、連れてこられた家に遠慮する様子を見せたり、もしくは自分が捨てられたことを理解していたり……もはや人と変わらないのではないかと思う感情の豊かさでした。
動 -
Posted by ブクログ
森 絵都の紀行文。もちろんタイトル通り屋久島での体験中心に載っているのですが、ジュウソウが何故カタカナ?‥これは登山の知識があるならここに当てはまる漢字が"縦走"だとすぐ思い浮かぶのですが、参加した森絵都チームは知識がなく"重装"!と勘違いしていたくらいですから屋久島での体験が伺い知れるというものです。
屋久島行きは実を言うと私も狙っています。何も知らないと南の島の楽園を想像しがちですが、実際は彼女等の体験通り屋久杉を見るためには、リュックを背負い往復何時間も歩かなくてはならないハードな道のりです。
縦走ですから屋久島の山の尾根伝いに歩くコースでホントに -
Posted by ブクログ
妹から教えてもらって、さっそく楽天ブックスでポチり、大好きな「ローマ人の物語」の読み返しを一時中断して読み始めた。
昨夏、親父さんの退職金にみんなで群がって一族で出かけた初めての屋久島。
帰りたくない。
ずっとここに居たい。
また行きたい。
毎年必ず行きたい。
そう思った屋久島。
屋久島の文章と言えば、田口ランディの「ひかりのあめふるしま屋久島」しか読んだことがなく、楽しみに読み始める。
旅の間に食べた物がやけに詳しく書いてあるそんな本?数十ページ読んで、イマイチ進まず放置。
このままじゃ「ローマ人の物語」に戻れんやんけと気合を入れて再度手に取り一気に読み上げた。
面白かった。 -
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ちいさなちいさな旅物語が40もの数の旅に。
森絵都さんの多彩な才能が羨ましい。
いままでリズムからゴールドフィッシュ、カラフル、宇宙のみなしご、アーモンド入りチョコレートのワルツ、つきのふね、絵本のにんきものシリーズ、DIVE!
児童書だけでもたくさんのはなし、それも全部味が違うのに児童書だけでなく永遠の出口や、いつかパラソルの下で、そして直木賞受賞作品の風に舞い上がるビニールシート
なんて想像力が豊かで、恋愛ものだけでなくいろんなはなしが書けるのだろう。
ショート・トリップは非現実的な旅物語やなんかふわふわとした短編がたくさん詰め込まれています。こどももおとなも楽 -
Posted by ブクログ
20代の三人のきょうだい。兄、姉、妹。
厳格な父に縛られた生活を送ってきたが、上の兄と姉(野々)は早くにうちを飛び出し、不安定ながらも自由な生活を送っている。妹は父に縛られたままの生活を選ぶ。
ある日、その父が亡くなった。
父の浮気相手という女が現れ、母の様子がおかしくなる。
今まで滅多に揃うことのなかった三人きょうだいが顔を合わせ、父の秘密の過去の解明に乗り出すことに・・・。
ともすれば重くなりがちなテーマなのですが、3人のキャラクターがゆるめで何だか愛嬌があるのと、描き方に温かみがあるため、穏やかに物語は進みます。
20代とはいえ、まだまだ大人になれない(なりたくない)3人が、父の死、