森絵都のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
お友達とブックデートをした時に貰った本。
「出会い」をテーマに渡してくれた背景が愛おしい。
「歳を重ねるということは、同じ相手に、何回も出会い直すということだ。
会うたびに知らない顔を見せ、人は立体的になる」
この言葉はきっと、私の人生で大事な言葉になる。
去る縁もあるだろうけど、結び直す縁もあるはず。
わかった、と思っているあの子も、
まだ幾重にも面を持っているはず。人は立体的だから。
そう思うと悲観的に思う気持ちも軽くなりそう。
大好きな友達をさらに深く愛せる未来にワクワクします!できるだけ、穿った見方をせず、そのまんま愛したいです。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ戦後、GHQが始めた「民主主義の教室」に参加することになった五人の若い女性たちと一人の日系二世が、ドタバタいろいろな出来事に巻き込まれながらも、民主主義を学んでいくお話。
戦争で家族や家を失ったり、日々食べることに苦労するような戦後日本の苦しい状況の中でもたくましく生きる人々。
最初から授業がうまくいくわけではなかったし、当時の敗戦国という日本の立場や、家父長制が根強い日本での女性のあり方など様々な問題もたくさん描かれている。
特に、当時の人々の考え方や思想が今とはだいぶ異なっていて、かつ非常に固定的であることがリアルに感じられたことは興味深かった。
一般常識としてそのような時代であることはなんとなく知ってはいたが、実際の当時の若者たちはこんなことを感じ考えていたのかなぁと気付けたのが新鮮だった。
そんなリアルな描写を裏支えするのが、一人ひとりの生徒にクローズアップする描き方である。
それぞれの登場人物の過去がかなり丁寧に描かれていて、奥行き深いストーリーとなっている。
一見身分が高い家柄でも実は悔しい思いをしていたり、身体を売って男たちにある種の復讐をしていたりと、様々な女性の人生が描かれている。
当時の人たちの人生なんてそこまで詳細にイメージできているわけではないので、ここが非常に面白い部分だと思った。
お話の本筋が民主主義という抽象的なテーマであり、比較的ボリュームのある小説ではあるが、魅力的でキュートな個々のキャラクターに助けられて、するすると最後まで読めてしまった。
クスリと笑える場面もたくさんあり、かなり読みやすいお話だったように思う。
また、終わり方も非常に気持ちがいい。
いつかまたどこかのタイミングで再読したい、素敵な小説だった。 -
Posted by ブクログ
戦後まもない時代を背景に、異なる境遇や戦争体験を持つ20歳前後の女性たちが集められ、民主主義について学び深めていく物語。
講義は「なぜ日本は戦争を始めたのか」という根本的な問いからスタートし、歴史の背景や社会の仕組みに向き合い、対話を重ねる中で、最終的には一人ひとりが「自分なりの民主主義とは何か」というそれぞれの答えにたどり着く姿が印象的。
特に心に残ったのは、「資本主義と民主主義の歪み」についての描写である。経済的な自由や成長を追求する資本主義と、全員の平等や権利を重視する民主主義は、深い矛盾や摩擦を生む。戦後の混乱期を生きた彼女たちの視点を通し、当初の女性の人権についてかんがえさせられる一冊となった。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ舞台は戦後の日本。民主主義を教えてるため半年間住み込みで4人の女性と男性教師が共同生活をする笑いあり、涙ありのハートフルコメディ。
『民主主義』がテーマだけど、個性的なキャラ達の奇想天外な行動が面白く、笑える場面が多いのでとても読みやすかった。
産まれた時から民主主義だったので、学校で習った時も「当たり前のことが書かれている」としか思ったことがなかった。だけど、戦後の状況を知り、色んな権利が保証されているのは、当たり前ではなく当時の『新しい婦人』たちの努力あってのおかげなのだと、改めて感謝した。
孝子がマッカーサーに宛てた手紙に書いていた
「戦争に負けたのは、私達貧乏人だけだったのではないかしら」「もしかしたら、戦況がどれほど負けに転じても、一部の人達は勝ち続けていたのではないでせうか」
という言葉には、自分も当事者のような憤りを感じた。日本人の中でもそれぞれ別の戦争を体験してきたいう視点にとてもハッとなった。
だけど、例え被害の度合いは違えど、戦争で何も失わなかった人はいないのではないだろうか。別々の傷を負った4人が徐々に心を近づけていく様子に嬉しくなった。
後半、今まで謎に秘められていた美央子の心情が日記で語られる。彼女の胸に秘めた熱い気持ちに涙した。サクラギ先生に恋心を抱いていたのは意外で驚いた。孝子のために身を引くのも、邸を出る日の先生との別れ際に、唇を震わせ涙をこらえる場面もとても切なかった。
生徒だけでなく、先生も一緒に成長していく過程がすごくよかった。この本を通して、自分自身も価値観をアップデートすることができたような気がする。本作がよかったので、これから森絵都さんの本をもっと読んでみたい。 -
Posted by ブクログ
大好きな映画のアバウトタイムにでてくる、未来からタイムトラベルして来たと思って生きるってのにちょっと似てた。ホームステイしてるって考え方すきだな。人生に過剰に持ってる当事者意識みたいなのをとっぱらって気楽にいきようと思える。まあそんなのほぼ持ってなくて毎日のんびり楽しく生きてるけど。
小学校のボロい図書室が頭の中に蘇ってきて懐かしい気持ちを味わえたなあ。中学生になってからは本をめっきり読まなくなったけど、思い返してみれば小学生の頃に本を読むことを褒められたり中学生の頃に英語を褒められた事が自分の人生をすごく左右してたんだと思えて、そんな素敵な先生に会えてすごく嬉しいし感謝してる。 -
Posted by ブクログ
めちゃくちゃ良かったです。
一生懸命なサクラギ先生が素敵だし、生徒たちがそれぞれの過去から逃げたり向き合ったりしながら成長していく姿をひたすら応援できた一冊でした。
第六章
濁った池から逃れることのできない四人に、使い道のない翼を与えてしまった。
仰ぎ見ることしか叶わない空を舞う自由を教えてしまったー。
そんな絶望にサクラギ先生と一緒に打ちのめされた後、明かされた四人の夢。
話の流れが秀逸で、この半年間の秘密のあれこれにワクワク。
第八章ラスト
あなたにとって民主主義とは何ですか?の問いへのヤエちゃんの答え。
「ここにいた時間のぜんぶ」
静かに涙。
思いを伝えてほしかったけれど、こんな終わりもありだな、と思ってからの補習。
「孝子さん。わたしは、君とふたりで、終わりのない物語をつくっていきたいです」
このセリフに涙涙でした。
素敵なラストをありがとう!って気持ちです。
ドラマ化してほしい!
動くサクラギ先生、生徒5人、鞠子夫人が見たい!