森絵都のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
いろんな初めてが詰められたアンソロジー。
YOASOBIの歌にもなってるので、読みやすい人はいるかと思いますが、以前「想うた」の感想でも書きましたが、歌詞を物語に、物語を歌詞にするのはめちゃくちゃ大変だということです。歌詞にしても短編にしても、そこへの解像度が作者と一致しないと、自己満足になってしまう。広く言えば、創作の世界とは自己満足になるわけだが、異なるアートをリンクさせようとすると、リンクさせる側の自己満足は喪失する。我流を押し通せば非難されるし、かといって落とし込むだけであれば、したためる必要がない。料理と同じだ。サンプリングしたものがイタリアンで、和洋折衷に拵えたものがナポリタンで -
Posted by ブクログ
タイトルのカラフルを理解した瞬間、とても納得させられた1冊。
カフェで軽く読み始めたのにページが進むにつれて涙が出てしまい、この時ほど花粉症でティッシュを沢山持ち歩いていて良かったと思ったことはありません。
人の性格だったり、醜さや優しさを色に比喩して描かれているのが分かりやすくて好きな表現だと思いました。
個人的に好きな登場人物は満で、最初は嫌なことを言うお兄ちゃんだなぁと思っていたのですが176.177ページの台詞が本当に好きで何だかんだ彼はしっかり兄として真を見ていたんだと感じました。
結末については途中少しばかり推察していた通りだったので意外な結末!とは言えないのかもしれませんがそれ以 -
Posted by ブクログ
戦後、GHQの占領下にあった日本で、本当にこんな授業が行われたの?そんな疑問を忘れてしまうほど、この本には突き抜けた面白さがある。
「日本はどうして戦争をはじめたと思いますか」日系2世の教師リュウの質問に当惑する美央子、孝子、吉乃、ヤエの個性的な四人。「民主主義とは何なのか」を彼女らと共に学ばせて貰った。
講義に続く自由研究と体験学習のレッスンは興味深く、「カムカム英語」「街頭録音」「風船爆弾」など知るワードに出会うたび感情が揺さぶられてしまった。
「コーラス隊を結成して、イベントで民主主義の歌を唄う」提案には唖然としたが、仁藤夫人のような元華族も、戦後は厳しい苦境に立たされていたのだなぁ -
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★5.0
前世で大きな過ちを犯した「ぼく」の魂が、天使のような存在に導かれ、もう一度やり直すチャンスを与えられるところから始まる物語。ぼくは自殺未遂をした中学生・小林真の体に入り込み、期限付きでその人生を生きる。真の人生を借りる中で、ぼくが犯した過ちを思い出さなければいけない。
小学5年生のときに、初めて読んで衝撃を受けたというか、超面白い!!!ってなった作品。そこから今まで以上に小説が好きになったから、いちばん好きな大事な作品と言っても過言ではない。
真の人生を送る中で、今までは見えてこなかった見ようとしていなかった部分に気づけたり、知らず知らずのうちに助けたり助けられていたり。
思春期 -
Posted by ブクログ
途中までは、人物描写が多くなかなか読み進まなかったけど、中盤から俄然面白くなり、一気読み。
デモクラシーを学びながら成長してゆくシスターフッドの物語かなぁ、ぐらいに思ってたけど、いい意味で予想を裏切られる展開。
最後まで息もつかせぬストーリーだった。
わかりやすい悪玉キャラがいても誰も傷つかない痛快な逆転劇。
和太鼓に付いて来た師匠とかには笑った。
えっ終わっちゃうの?のラストからのホッとするエンディングで幸せな気持ちになった。
舞台は戦後なので戦争の悲惨さも描きつつ、ユーモアも交えながらの爽快な描き方は見事。
現代にも通じる民主主義の問題に考えさせられた。考え続け、話し合い続ける事が大事。
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Posted by ブクログ
「だれもがだれかをちょっとずつ誤解したり、されたりしながら生きているのかもしれない。
それは気が遠くなるほど淋しいことだけど、だからこそうまくいく場合もある。」
この一文がとても刺さった。
「人は自分でも気づかないところで、誰かを救ったり苦しめているのかもしれない」という一文も印象的。
いじめを受けていた主人公が、こころの拠り所にしていたのが「ひろか」、絵を褒めてくれる女の子。
ひろかにとってはなんてことない事だったけど、確かに主人公を救っていた。
そんな主人公も、同じくいじめを受けていた女の子「唱子」を救っていた。家族との関係も、話し合う事で、欠点と思っていたことが他者から見たら美点である -
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森絵都さんの作品を読むのはたぶん『◯年ぶり』くらいのほんとそれくらいすごく久しぶりでした。
ことばを中心とした9つのお話。
出てくるのは主に小学生くらいの子どもたちなんですけど、大人の自分にも共通するようなことばかりでした。
どのお話もすごくよかったんですけど、僕が個人的に好きだったのは『風と雨』の瑠雨ちゃんのお話。
大なわとびのくだりがめちゃくちゃ響きました。
あと最後の『%』の短いお話も。
一つのことばから広がっていく展開がすごくおもしろかったですし、ことばの難しさも感じました。
感想はいっぱいあって尽きないです。
それくらい素敵な作品でした。
ありがとうございました! -
Posted by ブクログ
ネタバレ物語の序盤・中盤とはサクラギ先生視点でレッスンの様子が語られており、このまま生徒の一人ひとりのバックボーンとそれにまつわるトラブルが解決されていって終わりかと思いきや、終盤になってレッスンの裏で計画があったことが種明かされすごく驚きました。
日本にルーツを持ちながら生まれも育ちもアメリカでどちらにも属しきれないとい複雑な立場・心境を抱える日系アメリカ人二世を主人公に据えることで、読者に当時の日本を客観的に捉えさせてくれる物語でした。そのため、物語の登場人物が所々で鋭いセリフを放っているところが印象深かったです。
「与えられた物語を信じてはいけない」
「たしかにアメリカ人は自由と平等がお好