森絵都のレビュー一覧
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出会いなおしたい、と思った。
でもきっと出会っている時のあの時の空気はもうもたらされない。
重ねた年月は酷く重厚な高い壁で、絶対にそれは越えられない。
だからこそ、出会いなおしたい。
あなたを忘れて過ごした年月のなかでの
積み重ねた間違いや喜怒哀楽の果てで
例えばそれぞれの経験値のようなものがあれば
30が40になったわたしと
50が55になったあなたは
もはや全く別人格で、もう惹かれ合わないかもしれないけど、それはそれできっと温かく柔らかく解される感覚になると思う。
根拠はなくて、なんとなくだけどそう思う。
そして一方で、いま出会っていて
言葉を交わす間柄のあなたも
いつかきっと別れの時 -
Posted by ブクログ
ネタバレ主人公は死んだ魂だある日天使に輪廻転生の権利を抽選で貰う記憶のない自分はある日真という自殺をして死んでしまった少年の体に入り自分が死んだきっかけを思い出すために真の歪んだ人生を記憶のない主人公が真としてやりなおさなければいけないあらすじだ。まず思ったのが文章が読みやすい。いつもは数日かかる1冊の本が2時間で読めたのは私として珍しいレベルで物凄い文章が読みやすかった。あと主人公の性格が嫌じゃなかった、文句は言うがなんだかんだ真が諦めてしまった人生の歪みを一つ一つ正していく主人公。好きな子はパパ活して母は不倫して真面目な父はパッパラパーになって嫌われている兄からは軽蔑の言葉を毎日のように浴びせかけ
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読み始めてすぐに、9年前の長編「みかづき」と響き合うものを感じた。思えば著者は児童文学でデビューして以来、青少年を主役にした物語を多く編んできた。そのため「教育」や、中でも「生きた学び」のようなものを描いてきたのは、この近著2作に限らない。それでも戦後教育を長編で扱った「みかづき」とこの「デモクラシーのいろは」に限って、特に対になるような関係性が感じられるのは、小説でありながら巻末に参考文献が羅列してあったからだけではない。
「みかづき」を読んだときの印象は「朝ドラっぽいなあ」だった。時代をダイナミックに横断する展開は著者も意識してそうしたと何かで読んだが、その跳び方が、時代の流れの中で塾を営 -
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『カラフル』は、「やり直し」を与えられた魂の物語。輪廻のサイクルから外されたぼくが、抽選という半ば理不尽な形で、再挑戦のチャンスを得る。舞台は、自殺を図った中学生・真の体。期限内に自分の罪を思い出せなければ、再び闇へ戻される。
真として過ごす日常の中で、家族の不器用な愛情や、クラスメイトそれぞれの事情が少しずつ見えてくる。誰もが完璧ではなく、誰もが何かを抱えて生きている。
単色だった世界が、徐々にカラフルになっていく過程は、「人生は見る角度で変わる」というメッセージそのものだと思う。過去を消すことはできなくても、未来の色合いは選べるのかもしれない。
読み終えたあと、もう一度明日をちゃんと生きて -
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気になっていて、たまたま衆院選が決まる直前に読み始める。
一番の感想は、特にこの時期に読めて本当に良かったということ。
戦後の話ではあるけれども、本当に現在と地続きなのだと実感できる内容で、驚いた。
二部作?三部作?というくらいの内容の濃い作品で、読みごたえ十分。
中身も、途中からどんどん展開が変わり引き込まれる。
ページ数的にもボリュームがすごくて躊躇したけれど、どんどん読める。
そして、章ごとに語り手は変わるのにこの一体感はなんだ!と感動。
権利も民主主義も、一朝一夕ではないし、先人たちのもがき戸惑いながらも考え続け、迷い続け守ってくれたんだということが強く感じられた。
とにかく今の -
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『みかづき』以来の森絵都です。『みかづき』でも戦後の学習塾の歴史を小説の舞台にするなんて!と驚き、そしてその展開の熱さに引き込まれてしまいましたが、今回の舞台も「学び」でした。でも、もっと奇抜で敗戦直後のGHQによる「民主主義」塾…出自もバラバラに選ばれた4人の女性の共同生活なのでありました。それがやめられないとまらないエンターティメント!設定のファンタジーさとストーリーのはちゃめちゃさとそして主人公たちのピュアさが、実はその時代の混乱の空気を逆にリアルに再現しているのではないか?という気になりました。「民主主義」ネイティブの世代からすれば、「民主主義?What's?」の混乱はイメー
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Posted by ブクログ
はじめは少し話のテンポが自分に合わず、ザクザクと話は進むのにダラダラとまどろっこしい感じがしたが、塾が段々と成り上がっていくにつれて俄然面白くなってきて、最後はこの3〜4世代続く一大叙情詩に読み終わった後、感嘆の声を上げずにはいられなかった。
こんなに登場人物が出てくるのに、1人1人のキャラクターが際立っていて、一度も確認することなく読み切れたのは久しぶりだった。
また津田沼塾戦争は、まさに自分が第2ベビーブームドンピシャ世代で、この話に出てくる塾の成り立ちは、自分の地元だったせいもあり、あぁこれは市進かな、栄光ゼミナールかな、俺は研数学館だったなとか、勝手に当てはめて興味深く読むこともでき