森絵都のレビュー一覧
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一瞬で読み終わってしまったと思う。すごく面白くて好きだったーまた読み返したいな
真のお母さんは何も得意なことがないと自分で思っているから色々なものに興味をもってたくさんのことに挑戦するんだけど、なかなか続かなくて。お母さん自身はそのことを飽き性で何も続かないとコンプレックスとして捉えているのね。でも真のお父さんはそんなお母さんのことを行動力があって色々なことに挑戦していてえらいと尊敬しているのね。
自分は短所だと思っていてもそれが誰かを助けているかもしれないし羨ましく思われるところだったりするのよね!そしてそうやって肯定してくれる人がいることも肯定してくれる人に出会えていることが尊いよな( т т )と夫婦に感動してしまったよ。人と人との出会いの素敵なところが素敵に表現されているから好きなのだよ( т т )みんなそれぞれ色々な絵の具を持ってる!カラフル!ということ!
また読み返そうと思う。 -
Posted by ブクログ
最後、というのがキーワードなのかなと思う短編集。森絵都らしい。
第1話 夏になると僕ら5人のいとこは再会する。ぼく、智明、じゃがまる、章くん。章くんの別荘は辺鄙な海辺にある。元料理人の小野寺さんが管理人。午後11時から僕らは章くんにクラシックを聞かされるのだが寝てしまう。僕は章くんにいろいろ押し付けられるのが嫌になってきた。章くんへのモヤモヤがどんどん大きくなる。
第2話 中学の卒業式の日、机にごめんねと書かれた手紙が入っていた。9月の球技大会の時に不眠症だった。元音楽室に避難したら、藤谷がピアノを弾いていた。藤谷も眠れないという。母が愛人のアパートに行ってしまったのがキッカケらしい。藤谷の祖父が死に、家庭内騒動がひどくなっていく。でも藤谷は虚言癖があったのだ。
第3話 ピアノの先生の絹子先生はエリック・サティの音楽と人生を愛している。ステファンが現れる。 -
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ネタバレ戦後の日本において、これまで軍国主義と家父長制とで自分を抑圧してきた女性たちに民主主義を教えることで、それぞれが自分の人生を生きるようになる。
彼女たちは民主主義を知らなかったら知らなかったで、さほど人生に不満もなく人生を生きていたのではないかと思うと、わざわざ民主主義を教えるのは壮大なお節介なんじゃないかとも思う。ただ、彼女たちは民主主義を知ったことで、別の物語を生きられることを知り、その中から自分の生き方を選択した訳だから、この壮大なお節介にも意義があったのだろう。それに、(ヤエのセリフでも出てくるが)何が正しいかは時代の変遷とともに変わるわけで、それがお節介だったりありがた迷惑だったとしても、今自分が信じていることを伝えたり、実施するしかできることはない。
価値観は人ぞれぞれで他人との距離を詰めにくい風潮も昨今あるが、意図のあるお節介の必要性のようなものを感じた。
話としても、後半に驚きの展開があるが最後は丸く収まって、読後感もよかった。 -
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これは本とコさんにオススメしていただいた1冊。
オススメしてもらわなかったら手にとることすらなかったかもしれません。
ありがとうございます。
この本、手元に届いたときにちょっと驚きました。
600ページ超のまるで辞書本!
しかも紙も薄めで読んでも読んでも減る気がしない!
でも面白くて気付けば3日くらいで読み終えた。
書きたいことが多すぎて雑多になりそうだけど、頭に浮かんだことを順番に。
あのね、この物語の大事な場面に我らが栃木の誇る金谷ホテルが!
そうです、春休みに5,000円の百年カレーを食べたあの金谷ホテルです。
勿論、この物語の中の人たちも食べます百年カレー。もう、うふふですね。
それに金谷ホテルがどんな所なのかも知っているからレストランもロビーもありありと想像できるんですね。めっちゃ楽しい。
でもこの物語の本質はそこじゃない!
デモクラシーなんですよ。民主主義。
戦後の日本に突如としてやってきた民主主義。
私気付いちゃったんですよ。日本が民主主義の国になってまだ80年くらいしか経っていないことに。
戦後の時代の80年前ってまだ江戸時代だったんだって。ちょうど大政奉還くらいの頃。
戦後を挟んで80年ってどえりゃあ世の中が変わっていてびっくり。
で思ったんです。
私達って日本において民主主義2世か3世くらいなのよね。
民主主義化する過渡期にいた祖父母や両親の世代に育てられた私達。
そりゃ男尊女卑の精神も残るわな。
妙に納得してしまったのよ。
でね、さらに気付いてしまったの。
きょうだい児って民主主義化してない家庭多くない⁉︎って。
親の顔色伺って自分の意見を飲み込んでいい子でいることが美しい!みたいな。
自分の意思は一切持たず、欲しがりません勝つまでは!みたいな。
で、ふとしたタイミングで気付くのよ。なんかおかしくない⁉︎って。気付いてからが地獄なんですよ。だって軍国主義の中を生き抜いてきたらある日突然民主主義になります!って言われた戦後の人たちとの同じなんだもん。
時代は違えども、なんか近しいものを感じたのでございます。
まぁね、障害児を育てる親の苦労も分かるのでどうのこうの言うつもりはない。
で、なんだっけ。
えーっと、民主主義化するってアレに似てると思ったの。
他人軸と自分軸。
今まで他人軸で生きてきたけど、これからは自分軸で自分が楽しいと思う生き方をしていきましょう!自分がしたい生き方をしましょう!って。
その段階を踏んでいく彼女たちを見ているのはとても面白かった。
咽び泣いたりはしなかったけど、とても勉強にもなったしとても面白かった。 -
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ネタバレGHQは、日本に民主主義を広めるため、ある実験を始めた。
その実験とは、東京の屋敷に集められた四人の女性に「民主主義のレッスン」を施すことである。日本に新たな価値観が浸透し得るのか見極めるため、日系二世の青年・サクラギが奮闘する。
堅苦しくなく、よみやすいエンタメ小説。
お固そうなテーマでこのボリューム。歯応えのある読書になりそう、と身構えて取りかかったが、かなり読みやすい。美央子、吉乃、孝子、ヤエ、クニと、いずれも個性豊かで、かなり良いキャラクターが揃っている。とても一筋縄ではいかない彼女たちを御しきれず、右往左往するサクラギ先生の当惑顔も癖になる。物語に散見される笑いどころは、まさに朝ドラのそれで、どこか品のあるコミカルさだ。
小難しい所に切り込みたくないのだが。
デモクラシーを根付かせるってすごく難しい。作中でもサクラギ先生が何度か取り上げていたが、目に見える成果が出るものではない。「基本的人権の尊重」だとか「思想の自由」だとか、色々な角度から掘り下げることが可能であるが、「多様性の受容」という面から鑑みるに、仁藤夫人をとっちめるエンドで良かったのかなあ、というわだかまりは残る。小説としては、デモクラシーを真の意味で解さない分かりやすい敵役がいて…というのは盛り上がるし、実際に面白かったのだが、多様性の受容という観点からすると、仁藤夫人の考えだって、まああってしかるべきなのだ。しかし、物語としては非常に面白かったので、重箱の隅をつつくようなつまんない指摘は無粋というものだ。
卒業旅行が良かった。
教室でデモクラシーについて学び、東京の町に出て考え、進駐軍から本場の風を感じた生徒たちは、日光の小学校に社会科の授業参観に赴く。放課後、校長宅で女性蔑視の発言を受け、戦後デモクラシーの現実を知るというシーン。
デモクラシーを知っていても、受容する土台が全くなっていない。舞台が東京であったからうまくいっていたことなのだと突き付けられた。サクラギ先生の悔しさを思うと、胸が痛んだ。
旧態依然とした教員たちの価値観を変えるのは難しいと思ったが、その価値観をデモクラシーに染めるということも、なんとなくデモクラシーに反する気がする。デモクラシーって難しいな。新しい価値観を教えるというのは少し違って、知識として吸収して、自分の価値観と違うものだったら、反発せずにそっと置いておくというのが多様性の受容なのかな、と思った。やー、、難しい。 -
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やはり小説は面白い。
いや、森絵都さんの小説は面白いと強く感じる作品だった。物語はフィクションであるが、戦後初期にワープしたかのような臨場感がある作品。以前新聞で見た上野孤児の写真が目の前に広がるかのような鮮明な描写もあって面白かった。小説はその世界に没頭できるのが醍醐味だと思うが、まさにタイムスリップしてまた令和に戻ってきたような読後感だった。
民主主義を教える教師、和田や教頭が美央子達の意見に豹変するシーン。生々しく思えた。そりゃ、そんなすぐ変わらないよな。。
この終戦80年で日本はよくここまで成長したなと思う。女性初の首相誕生に沸いた令和に生きる自分。
上野の桜は外国人観光客で賑わい、駅ナカはスーパーも食事もスイーツも揃う。カルティエ展が催される程、煌びやかな一面も見える街になった。
孝子達は今95歳以上の設定だろうか。戦争で家族や家、何もかもを失った彼女達、いや世の男性も含めて、何かに没頭することで心を強くし、戦後を生き伸び、それが日本の経済を作ってきたのだと考えた。やはりこの時代を生きてきた人たちの反骨精神や学びへの意識の高さは、戦争を経験した人ではないと持ち得ない、そんな気もしている。 -
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「宇宙のみなしご」や「カラフル」「DIVE!!」「ラン」などで有名な児童文学を中心とする小説家の短編集。紀子(のりこ)の小学三年生から高校三年生までの10年間を、10の短編で描いており、姉妹、親、学校の先生、友達との関係、恋、卒業など青春時代の多くのテーマに触れている。子どもが大人になっていく激動の10年間を一人称視点で追体験し、またその過程のいろんな葛藤や気持ちをなぞりながら、自分自身をかえりみることもできる、貴重な経験をさせてもらえる本だと思う。これは、多くの名作児童文学がそうであるように、子どもにも大人にもわかる共通のテーマと、シンプルな構成や文体をとりつつも、背後にある人生の様々な側面の複雑さを感じさせる内容になっているからなのではないかと思った。
とはいえ、実は自分は大人になる前の、中学生くらいの頃に読んでいた。当時からすれば高校三年生のことは分からずじまいであった。
その頃から、表題作であり第一編の「永遠の出口」がずっと自分の中に残り続けている。取り返しのつかないこと、もう永遠に経験できない逃した機会を追い求め続けてしまう心についての作品である。主人公は10歳にしてこの「永遠」への執着の出口をみつけるような描かれ方がされているのだが、これはなぜなのかずっと気になっている。私自身が30歳近くになったいま、自分は永遠の出口を見つけられていないが、ときどき考える参照軸にしたいと思っている。
なお、最近の森絵都の作品である「出会いなおし」を読んでみると、こんな一節があった。
年を重ねるということは、同じ相手に、何回も出会いなおすということだ。会うたびに知らない顔を見せ、人は立体的になる。
ーーー『出会いなおし』(森絵都,2017)
長い目で人を立体的に見ていく、というのがこの人(森絵都)とって大切なテーマなのではないかと想像させられた。「永遠の出口」も主人公紀子を様々な時代から様々な側面で立体的に描き、良いところも悪いところも温かい色合いで映している。時代を経て想像しない形に変わっていく人のあり方に人生の深みや面白みがあるというものの見方のように見えた。