森絵都のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
途中までは、人物描写が多くなかなか読み進まなかったけど、中盤から俄然面白くなり、一気読み。
デモクラシーを学びながら成長してゆくシスターフッドの物語かなぁ、ぐらいに思ってたけど、いい意味で予想を裏切られる展開。
最後まで息もつかせぬストーリーだった。
わかりやすい悪玉キャラがいても誰も傷つかない痛快な逆転劇。
和太鼓に付いて来た師匠とかには笑った。
えっ終わっちゃうの?のラストからのホッとするエンディングで幸せな気持ちになった。
舞台は戦後なので戦争の悲惨さも描きつつ、ユーモアも交えながらの爽快な描き方は見事。
現代にも通じる民主主義の問題に考えさせられた。考え続け、話し合い続ける事が大事。
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Posted by ブクログ
森絵都さんの作品を読むのはたぶん『◯年ぶり』くらいのほんとそれくらいすごく久しぶりでした。
ことばを中心とした9つのお話。
出てくるのは主に小学生くらいの子どもたちなんですけど、大人の自分にも共通するようなことばかりでした。
どのお話もすごくよかったんですけど、僕が個人的に好きだったのは『風と雨』の瑠雨ちゃんのお話。
大なわとびのくだりがめちゃくちゃ響きました。
あと最後の『%』の短いお話も。
一つのことばから広がっていく展開がすごくおもしろかったですし、ことばの難しさも感じました。
感想はいっぱいあって尽きないです。
それくらい素敵な作品でした。
ありがとうございました! -
Posted by ブクログ
ネタバレ物語の序盤・中盤とはサクラギ先生視点でレッスンの様子が語られており、このまま生徒の一人ひとりのバックボーンとそれにまつわるトラブルが解決されていって終わりかと思いきや、終盤になってレッスンの裏で計画があったことが種明かされすごく驚きました。
日本にルーツを持ちながら生まれも育ちもアメリカでどちらにも属しきれないとい複雑な立場・心境を抱える日系アメリカ人二世を主人公に据えることで、読者に当時の日本を客観的に捉えさせてくれる物語でした。そのため、物語の登場人物が所々で鋭いセリフを放っているところが印象深かったです。
「与えられた物語を信じてはいけない」
「たしかにアメリカ人は自由と平等がお好 -
Posted by ブクログ
出会いなおしたい、と思った。
でもきっと出会っている時のあの時の空気はもうもたらされない。
重ねた年月は酷く重厚な高い壁で、絶対にそれは越えられない。
だからこそ、出会いなおしたい。
あなたを忘れて過ごした年月のなかでの
積み重ねた間違いや喜怒哀楽の果てで
例えばそれぞれの経験値のようなものがあれば
30が40になったわたしと
50が55になったあなたは
もはや全く別人格で、もう惹かれ合わないかもしれないけど、それはそれできっと温かく柔らかく解される感覚になると思う。
根拠はなくて、なんとなくだけどそう思う。
そして一方で、いま出会っていて
言葉を交わす間柄のあなたも
いつかきっと別れの時 -
Posted by ブクログ
はじめは少し話のテンポが自分に合わず、ザクザクと話は進むのにダラダラとまどろっこしい感じがしたが、塾が段々と成り上がっていくにつれて俄然面白くなってきて、最後はこの3〜4世代続く一大叙情詩に読み終わった後、感嘆の声を上げずにはいられなかった。
こんなに登場人物が出てくるのに、1人1人のキャラクターが際立っていて、一度も確認することなく読み切れたのは久しぶりだった。
また津田沼塾戦争は、まさに自分が第2ベビーブームドンピシャ世代で、この話に出てくる塾の成り立ちは、自分の地元だったせいもあり、あぁこれは市進かな、栄光ゼミナールかな、俺は研数学館だったなとか、勝手に当てはめて興味深く読むこともでき