【感想・ネタバレ】風に舞いあがるビニールシートのレビュー

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Posted by ブクログ

文学書評
読書レベル 中級
ボリューム 342頁
ストーリー ★★★★★★!
読みやすさ ★★★
ハマリ度  ★★★★★
世界観   ★★★★★
知識・教養 ★★★★★★!
読後の余韻 ★★★★★
第135回直木賞受賞
一言感想:
読書初心者だけど直木賞受賞に挑戦したい方、短編集が好きな方、じっくり読み込んで激変する世界観を味わいたい方に超オススメです!

本書はいろんな方がオススメしていたので読みたいなーと思いつつ、後回しにしていましたが、読んで良かった!これはスゴイ!唸りました(笑。

本書で本当に不思議な読書体験ができました。6つの短編集で構成されていますが、各短編集で抱かされる感情が「全く理解できん!→ん?まあそういう考えもあるかも、、、→その気持ちめちゃわかる!」というように悉くガラリと変わります。

私のおすすめの短編はダントツで「ジェネレーションX」です!読み始めはどう足掻いても100%理解できない「石津」というキャラが登場しますが、読み終わる頃には「石津」を応援してました(笑。読書でここまで感情を弄ばれたのは初ですよ、はい。本当に面白い体験ができると思うのでオススメです!

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2024年05月15日

Posted by ブクログ

ネタバレ

一つ一つを編むように紡がれた6編で良かった。
読むにつれ、どんどん期待を超えてきた。
表題作は価値観の違いやそれによる別れが本当の意味で2人を分つものではないと感じさせられた。
読んで良かった。

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2024年03月07日

Posted by ブクログ

それぞれの短編集がまるで1冊ずつの本を読んだように物語が編まれていて引き込まれたし、世界観が全部独特で素晴らしい。

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2024年02月08日

Posted by ブクログ

なんとも爽やかな気持ちにさせる短編集でした。重松清の読後感に似ている感じがしました。
特に、「ジェネレーションx」には、完璧にやられました。ほとんど車の中で物語は進行していき、、良くできた映画を思い起こさせるような作品でした。
早速、他の作品を購入してみようと思います。

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2023年12月18日

Posted by ブクログ

「みかづき」も読んで、これも読んで森絵都いいなぁってなった。

特にタイトルになってる「風に舞い上がるビニールシート」がよかった。
いろんな感情を嫌に湿っぽくなく、でも情熱的に描かれている印象。
劇的な展開ではなくても、日常の中のいろんな出来事にきちんと心を動かしている感じがして健康的な気分…とでもいうのかな笑

最後の「平和ボケ万歳だ」がいい。

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2023年10月12日

Posted by ブクログ

なかなか濃厚な6つの短編集でした。

表題作の風に舞上がるビニールシートを読み終わったあと、「はーっっ。」と深く大きな吐息が出たあと、胸がいっぱいになりました。

ほんとは色々書きたいのですが、言葉に表すと安っぽくて、つまらない文章になるので諦めます。

弥生も、恵利子も、祐介も、潔も、健一と石津も、里佳とエドも、みんな懸命に生きる姿が印象的で人間臭く、力強さを感じられました。

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2023年10月05日

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こんなに粒揃いの短編集に久しぶりに出会いました。どの物語の主人公にも感情移入でき、最後のオチにはクスッと笑わせてもらいました。その中でも、一つ毛色が違ったものが、表題作の「風に舞い上がるビニールシート」でした。エドのようには生きれませんが、日本の平和が永久に続きますようにと、願わずにはいられませんでした。

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2023年09月18日

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心が揺さぶられ、読み終えた頃には、きっと何とかなるだろうという思いになることができた。
人の信念や手放せない価値観は、他人からは分からないところにあったりする。当たり前のことを、改めて深掘りされたような気持ち。

題名にもなっている「風に舞い上がるビニールシート」は、読み終えるまで緊張感が解けない。恐怖や不安はとても大きい、でも離れられない。人生における大事なものってそういうものかもしれない。きっと時々思い出す作品になるだろう。

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2023年09月15日

購入済み

自己実現に潜む危うさを描く

 6短編全て、自己実現に潜む危うさを描きつつも、読後の余韻は爽やかという名作揃いであった。
 冒頭作「器を探して」が、最も印象に残る。主人公弥生が、仕事にうんざりしつつも、いつの間にやら仕事に酷くのめり込んでいるさまは、働き盛り世代として到底他人事とは感じられなかった。
 また、短編集の最後を飾る表題作「風に舞いあがるビニールシート」は、締めに相応しい圧巻のラスト1行が心に響いた。

#エモい

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2023年09月08日

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ある共通点でつながっている短編集。
表題作はほんとうに胸が熱くなる。
泣いたり、じーんとしたり、いい読書時間だった。

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2023年08月06日

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犬の散歩、守護神、風に舞いあがるビニールシートが好きでした。私も登場人物たちみたいにちゃんとがんばらないとな。

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2024年04月01日

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カラフルの印象が強い著者がUNHCRに関連する話を書いていることを知って読んだ。人道に対する信念と夫婦のあり方についてのお話だったけど、「風に舞いあがるビニールシート」という言葉選びが秀逸で、この単語がずっと胸に残っている。

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2024年03月26日

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数年前に読んだこの本のことをふと思い出して書店へ向かい、購入。なぜ思い出したかというと、つい先日マニラの貧困地区でボランティアをしたからだ。ボランティアに参加したのはほんの数日なのに日本に戻ってきて、綺麗で、治安が良くて、安全で、清潔なこの環境に少し戸惑っているから、この本を改めて読みたくなった。そして、以前読んだ時は独身だったけれど、今は夫がいる。夫婦とは何か、自分が大切にする価値観とはなにか、時間が経って読み返すとまた感じ方が違う。本当に読書は心を救ってくれるなと思った。

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2024年03月24日

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「大切な何かのために懸命に生きる人たちの、6つの物語」
人生は選択することの繰り返し。
何が正しいかなんてわからない。
結果に囚われず前向きに生きていこうとする姿が清々しい。
人間らしさを生々しくさらけ出す著者の表現力が印象的。

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2024年02月25日

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守護神、鐘の音、風に舞いあがるビニールシートの3つが特に印象に残りました。守護神では、佑介がただの不真面目な学生かと思いきや、しっかりと参考資料を読み込む勤勉な学生で、不器用な人なんだろうなと思いました。鐘の音では潔が仏像に取り憑かれている様がなんだか怖く感じましたがある日の出来事をきっかけに祓われたように別の生きる道を進んで行きました。なぜだか何かに取り憑かれるように時間や熱意を注ぎ込むことってあるよなぁと思って読みました。風に舞い上がるビニールシートでは自分にとっての幸せとは何かを考えさせられました。自分はエドのような生き方はできないなと思ったし、自分の大切な人がそういった環境にいるとしたらはやっぱり嫌だなと思ってしまいます。
6つの物語を通して、自分にとって譲れない大切なものは何か、それを改めて意識してこれからの時間を過ごしたいなと思いました。

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2024年02月24日

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・風に舞い上がるビニールシート
『「いや、里佳だとわかってた」
その瞬間、里佳はエドと出会って以来最も大きな幸福に包まれ、声をあげて泣いた。』
この文章を読んだ時、私も里佳と同じように泣きたくなった。愛しているけれど、分かり合えない。お互いにとって真剣に向き合いたいものやどうしても譲れない、優先したいものが違うと、こんなにも苦しくなるのかと思った。本当にある話なんじゃないかと思えるくらい、感情移入して泣きそうになった。
私は里佳のようだと思った。私はかつては国際機関で働くことに憧れがあった。けれど、現地で危険な環境に身を置くことよりも、平和な場所で暖かい家庭を築くことの方が、自分の人生における優先順位が高かった。だから、私はエドのような人とは分かり合えないのだと思うと、少し悲しくなった。

・ジェネレーションX
『残念ながら人間、そうそうひと思いに大人にはなれないものだと、健一は興奮にかられながら思った。昔日の青臭かった自分との決別を図りつつ、失われていく青臭さにどこかで焦がれている。』
大人だって、時にはバカなことがしたくなる。そういう瞬間が、とてつもなく楽しい。どんな世代だって、かつては未熟な子供だったのだ。その少し恥ずかしい、キラキラした日々を思い出すことくらい、したっていいじゃないか。すごくスッキリする作品だった。

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2024年01月25日

Posted by ブクログ

野球大好きなので、ジェネレーションXの話にすごく引き込まれた。読み終わった後、ココロ晴れやかになった。
風に舞うビニールシートは、1本の映画を観終わった後のような余韻。里佳とエドの最後の夜のシーンが好き。
どの物語も世界観が確立されていて、完成度が高くてすごい!

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2024年01月18日

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久しぶりに森絵都さんの本を。どのお話も何かを犠牲にしても大切なものを守る人が出てきて心動かされ、温かい気持ちになった。特に表題作は胸が熱くなった。私はまだそんな風に心惹かれるものに出会えていないけれど、いつか犬の散歩の主人公のようにふと巡り合うのかもしれないと思えた。個人的にはジェネレーションXがお気に入り。

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2023年12月12日

Posted by ブクログ

作品は良かった。






最後の解説がヒドイ。『お金よりも大切な物』と言ってるが、どの作品にもお金と比較している様な表現はない。(『犬の散歩』はお金が出てくるが、別に比べてる訳ではない)
書評家の勝手な解釈を付加し、読者を誤らせるような書き方はやめた方が良いと思います。

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2023年11月04日

Posted by ブクログ

「犬の散歩」
牛丼中心の世界が眩しく見える気持ちにとても共感しました。

「器を探して」
最後の数ページで主人公に対する印象が変わっておもしろかったです。見当違いな応援をしながら読み進めてました。笑

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2023年08月08日

Posted by ブクログ

直木賞受賞の短編集。
表題作が一番好き。世界の悲劇を自分ごとにすることの恐ろしさを受け止める主人公が眩しく、読後感が良い。
次いで「鐘の音」が好き。仏像修復の重厚な世界観を背景に、短編とは思えない読み応えがある。
逆に「器を探して」が一番苦手。登場人物全員のベタついた雰囲気にのまれてしまい、他の作品も同じ方向性だったら嫌だなと思いながら読み進めた。
「犬の散歩」「守り神」「ジェネレーションX」は軽く読めた。

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2023年08月07日

Posted by ブクログ

短編集とは思えない内容の濃さ。
私は1番最初の話が好きで、元々長編だと思っていたので続きがないことが残念だった。絶対にこの話だけで一冊できるし、そのくらい面白かった。
他の話も身の回りにはいないような人たちが多くて、設定も面白かったし、内容も満足感のあるものが多かった。

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2023年07月23日

Posted by ブクログ

森絵都さんの作品は
『みかづき』に続き本作で2作目。
前回超長編だったが今回は短編集で6つの物語。
これはきっとサクッと読めるだろう。
なんて軽い気持ちで読み始めたものの、どうやらその予想が大きく裏切られたと2章目あたりから気付いた…

自分の価値観を大切にし、そのために懸命に生きる人々を描いた6編

こんなにも6編全てが異色で、其々に個性を放ち主人公の価値観に魅了され翻弄され…気付けばとっぷりと森絵都さんの世界にはまっていた。
とりわけ読後の短編らしからぬ満足感に敬服した。

どの物語も所謂分かりやすい良い話ではない。
人間の醜さや狡さや滑稽さを真っ向から描きながらも、その一方で人の強さや優しさを伝えてくれる。その分、読み手側も心して受け取らなくては怯んでしまうほど圧倒的な力を秘めていた。

特に「ジェネレーションX」「風に舞いあがるビニールシート」が印象的だった。

人それぞれ価値観は違う。
何を大切にどう生きるのか…
誰しも様々な経験や周りの方とのご縁を通じて、自分でも気付かないうちに少しずつ変化を繰り返しながら、自分の軸となる部分を形成しているのだろう。

一度きりの人生…
自分と大切な人の価値観を、まるごと愛せるような生き方ができたら幸せだと思った。

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2023年07月09日

Posted by ブクログ

 6つの短編。
 奥田英朗の短編作品にテイストが似ているものもあった。それはあまり好みじゃない。
 「器を探して」「犬の散歩」「守護神」「鐘の音」「ジェネレーションX」「風に舞いあがるビニールシート」

 主人公に共感できたのは「鐘の音」の潔。無愛想で人当たりが悪くて執着心が強い。ストーリーのラストはちょっと軽くて違和感がある。
 
「守護神」の裕介には共感しないけど、こういう人面白いなーと思う。結局オタクだ。実際に古典文学を専攻している学生はこんなに読み込んでるのかな。私は古典文学にはまったく疎いが、ちょっと読んでみようかなと思う。

 短編集は読み終えても達成感というか充実した読後感をなかなか持てないなあ。

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2023年06月30日

Posted by ブクログ

森絵都さんの短編六話、森さんの小説はお初で、この本は友人からもらったものでした。
自分では短編ものを読んだ事は皆無に近く、それはなぜだかというと「どれも似た感じなのでは...」という思い込みがあったからです。

解説によると〈大切な何かのために懸命に生きる人たちの6つの物語〉となっていました。
らの「大切なもの」は一様ではなく、それに気付く過程も、対峙する姿勢も違います。
迷い、葛藤、そして決意が、主人公たちが過ごす日常のなかで描かれていて、その姿に心強さを感じました。

私が特に気に入った物語は「器を探して」
これは未婚女性が仕事と恋人を天秤にかける話で「女子の人生迷い道小説」との事。
それから「守護神」
これは高卒と大卒の生涯賃金の差を知り一念発起して、時間に追われるフリーター生活の傍ら大学の二部に通っている、すでに三十路を迎えた裕介の物語。

6つの物語の登場人物たちは「大切な何か」のために「懸命に生きている」のですが、だからといって「清く正しく立派な人物」として描かれているわけではないところが人間臭い感じがして共感が持てました。
また、1つの物語を読み終わり、次の物語はどうかというと、色が変わり、景色が変わり、気持ちの整理がつかないままに、また別の世界へと引き込まれる...そんな物語が6つ。
冒頭の私の思い込みはやはり間違いであって、全く別の質感をもつ6篇の物語でした。

文章は読みやすく、ふっとその場面の情景が浮かびやすい、私の好きな文体のひとつでした。

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2023年06月23日

Posted by ブクログ

文庫解説を読みました
“児童文学から一般文芸へ、10代の世界から自分と同世代の日常へ、変化を続けてきた”森絵都さんの小説。いろんな森絵都さんに興味を持ちました。

内容さくっと振り返っただけでも表題作が大好きでぐっと胸にくるというかうるっときてしまう感情が思い出されました。

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2024年05月16日

Posted by ブクログ

ジェネーレーションX、守護神が好みだった。
どの話も読後感が良かった。
表題作は最後のセリフがちょっと唐突に感じたかなぁ。

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2024年01月28日

Posted by ブクログ

ネタバレ

『器を探して』
タイトルから「そよ風みたいな爽やかな短編集なんだろうな」
と勝手に思っていたため、少々面食らった。
ぶっ飛んでいるのは、ヒロミじゃなくて弥生だったとは。

『犬の散歩』
保護犬活動の話。
ボランティアをしている人には頭が上がらない。
そのために仕事までして何かに奉仕しようって
自分はこれから先思えることはあるんだろうか。

『守護神』
一気に読んでしまった。
一見すると社会を舐めたかのようなフリーター男性が
実は文学青年で、レポートも書く内容が思いつかないのではなく、
『色々調べすぎて時間がない』ときた。
こういう人がまっすぐ生きられたのならば、
寄り道せずにすんだのだろうか。
いや、寄り道したからこそ、この人は素敵なのだろう。
金次郎ストラップ、今なら売れそう。

『鐘の音』
仏像修復師の話。
あそこまで仕事に入れ込めるって、羨ましいと思いつつ、
本人からすると要らぬこだわりまで出てきてしんどいのかな。

『ジェネレーションX』
石津くんより野田さんの方の気持ちがわかってしまうのは
自分が『そっち側』になってしまったからなんだなぁ…
何にもしないまま、そっち行ってしまったよ…
最近青春とか精一杯とか、そういう言葉に弱いもんなぁ…

『風に舞いあがるビニールシート』
表題作。
タイトルの爽やかさな感じとは全然違っていて
難民救済のために奔走する夫を亡くした元妻が
立ち直るきっかけを掴むまでのおはなし。
そういう活動している人って本当にあんな暮らしなのかな。
そりゃ家族も持てないよね。
ただ子供を持たない理由はちょっと良くわからなかった。
そして彼女自身も最後は同じ道を選ぶわけなんだけど、
なんか元夫みたいに無茶しそうな感じがして
最後怖かった。命は大事にしてほしい。
こういう感想が出るあたり、
私も安全な国に暮らす平和ボケした人間なんだろうな。

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2023年11月18日

Posted by ブクログ

表題作、涙が止まらないという感想に釣られて読んだがどこで泣くかわからない。エドは素晴らしいが、じゃあ結婚しなきゃいいのにと思う。奥さんも。文章自体は読みやすく内容も様々で、おもしろくないことはないが、変わった専門家が多く、共感はしない。少しクレーム対策の健一くらいか。
夜学の文学好きの人は変だ。犬のボランティアの話は犬飼ってくれていい結末だが、根本は解決しないし。パティシエ秘書の人は、実はやばいやつ。
修復師は変態。直木賞取ったの知らなかった。
全般的に好みではない。

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2023年09月08日

Posted by ブクログ

全編通して、自分の大切なものを突き通す人の話で考えさせられました。
特に犬の散歩と表題作は、自分とは遠い問題だと思って考えなかった事に向き合っている話で思う事が沢山ありました。
話としては、ジェネレーションXと守護神が読みやすく面白かったです。

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2023年08月16日

Posted by ブクログ

どうしても譲れない物事ってある。矜持、こだわり、思い入れ、信念、いろいろな言葉で表現されるけど、その原流って何だろう。交差する自分と他人の譲れない何か。人間関係の面白さと難しさを実感できるお話しでした。

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2023年06月29日

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