森絵都のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
第二次世界大戦後の東京、GHQ指導のもとに民主主義レッスンの教師役となった日系二世のリュウと生徒の20歳前後の女性5名が、戦争の傷跡残るなか、それぞれの道を見つけていくお話。孝子がマッカーサー元帥に宛てた手紙がとても辛く心に響いた。戦争で家族も持ち物も全て失った孝子が、戦後雇われたお屋敷では豪華な宝石、食器、家族がそろっていて、『若しかして、戦争に負けたのは私達貧乏人だけだったのではないかしら。・・自分達の力で自分達を守ってゆきたい。もう二度と騙されたくない。』と胸の内を打ち明けている。戦後同じような思いを抱いた人は多かっただろう。戦後の日本から希望が生まれてくる過程を描いており前向きになれる
-
Posted by ブクログ
全話面白かった!
周りにこういう女の子居たなぁって
どれも身に馴染みのあるお話で、サクサク読めた!
特に刺さったのは
「こっちを向いて」というお話。
仕事の取引先のお姉さんが転職するからもう会えなくなる。寂しい。できればこれからは友達として付き合っていきたいと思ってる主人公。
でも相手がそれを望んでなかったら?とか、ごちゃごちゃ余計なことを考えて結局何も言い出せなかった。って内容なんやけど、
めちゃくちゃわかる、、、!私も過去に全く同じ経験したし、他にも経験された方は意外と多いのかなと思う!
大人になってからの友達作りって考えてみれば難しいかも(´-`).。oO
最後の「獣の夜」は、臨場 -
Posted by ブクログ
最初はファンタジー系か?重大な罪?と
あまり好きな類では無いかもと思って読み始めましたが、読後感が本当に良くて大好きな作品になりました。
ヤングアダルトの金字塔と称されるだけあり、
小中高を生きる子供たちに是非読んで欲しいと感じました。明日への活力が湧いてきたり、不安や肩の荷が少し減るような素敵な作品です。
自分の人生は辛いとかつまらないとか
思う事が時々あるけど、
客観的に自分の人生を見た時に
きっとそんなに悪く無いのかもと思いました。
自分の人生を無理に良いものにしようとしなくても良いのかなと、もっとリラックスして生きたい。
自分にも周りの人にも感謝しなくちゃな〜 -
Posted by ブクログ
ネタバレ「うち、知りたいんです。民主主義って何なのか」
戦後80周年。
そんな2025年のうちに読みたかった作品をやっと読めました!
「民主主義とは何か」
これが、最大の問いであったように思う。
民主主義に正解はない。
「十人に聞けば十通りの民主主義がある」
「日本には日本らしい民主主義の花が、いつか咲くんじゃないでしょうか。」
確かにそのとおりだなと思う。
私も読みながら、リュウのレッスンを受けてる気分になった。
第6章の終わりからの伏線回収の展開にはかなり驚かされたが、ほんとうに面白い1冊だった!
本作は何年か経てば、ドラマ化するんじゃないかなと思った!
是非、楽しみな作品です
分厚 -
Posted by ブクログ
ネタバレ短編集
・出会いなおし
人と何度も出会いなおす
時間が経てばそれぞれ色んな人生を歩んでいくなかで、自分の知っている相手ではなくなることもある。
それは悪いことではなく、同じ人に何度も出会い直し、そうして立体的になっていくんだと思った。
・カブとセロリ
顧客対応と重ねてしまった。
時には正直に、相手と向き合うことが大事だとおもった
・むすびめ
物事の感じ方は人それぞれ。些細なことでも深く傷ついたり後悔していることってあるよな、と。
それで勘違いしていることもある。
昔のこと、気にしていたこと、言いにくなったこと、今だと言葉にできることもある気がする。伝えられる人には伝えていこうかな。 -
Posted by ブクログ
戦後の混乱期、日系2世の主人公がGHQの一員として、日本に民主主義を定着させるための実験で教師役を引き受けることになる。集められた4人の女性たち。育った背景も性格も違う。教師役の主人公でさえ、とらえどころがないと思っている民主主義を、6ヶ月の実験期間の中でどう教えるのか?実際問題として、戦後80年経った今の日本でさえ、民主主義を完全に消化できていないというのに。教師と生徒だけでなく、彼らを取り巻く人々もさまざまで、それぞれの思惑があってこの実験に関与してくる。単なる授業のはずが、予期せぬ方向に動いていくのが面白く、読んでいてワクワクさせられた。
-
Posted by ブクログ
戦後間もない日本。敵が敵ではなくなった今、どう生きていくのか?迷う日本人を導くべく、GHQに選ばれし四人の若い女性たち。四人は育った環境も性格もバラバラですが、みんな戦争で家族や大切なものを失い深く傷ついて、、、
そんな彼女たちの教師となった日系2世のリュウ・サクラギさんと彼女たちの悪戦苦闘の日々に、私は笑ったり涙ぐんだりしながら、物語に惹き込まれていきました。
レッスンの期間として与えられた半年間で、様々な事件や体験を経て彼女たちの心が一つになっていく姿や、夢に向かって進もうとする姿、サクラギ先生との絆が強くなっていく様子がジワジワと伝わってきました。
そして、最後の1行まで目が離せ -
Posted by ブクログ
ネタバレ第二次大戦後、GHQ統治下の日本。この国を民主化するための一つの試みとして、半年間4人の日本人女性をひと処に住まわせ、民主主義の教育を施すという実験が行われた。それぞれがそれぞれに大戦で色々なものを失ってきた美央子、孝子、ヤエ、吉乃の4人が集められ実験対象となり、また彼女らの教師を、在米日本人2世としてアメリカで生まれ育ち、戦後日本にて通訳官を勤めていたリュウ・サクラギが務めることになる。
基本的に物語はリュウの視点から語られる。はじめは彼女らともウマが合わず、教育も上手くいかず試行錯誤を繰り返すが、次第にそれぞれと心を通わせるようになっていく。
物語がリュウの視点から描かれる分、読者はリュ