森絵都のレビュー一覧

  • つきのふね

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    思春期特有の閉塞感や罪悪感が生々しく描かれた作品。けれど筆致は冷たくはなく、ささやかな救いと成長の兆しを静かに残す。壊れやすい心に生まれついた人間は、それでも生きていくだけの強さも同時に生まれ持っている。

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    2025年09月17日
  • 永遠の出口

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    学生時代を駆け抜ける、ごくごく普通の少女の物語。その時々の友人同士の微妙なやり取りや距離感、すれ違い、、、などなどすべてがリアルで、とても読みやすかった!大人になったら、なんてことのない小さなことも、その時の本人からしたらとてつもなく重大で大切なものなんだよなぁ。昔思い描いた大人に似つかない今を生きていても、これから先どうなるかわからない。視野が狭くて全力だった少年時代が羨ましくもある。アイスの当たりの棒を、アイスと引き換えに店まで行かなくならないようにしたい。

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    2025年08月13日
  • 永遠の出口

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    小中高と一人の女の子が思春期を成長していく物語。

    家庭、学校、バイト先で巻き起こる数々のイベント・事件を経て、失敗も重ねながら逞しくなっていく様子に、もどかしく感じたり、応援したくなったり、ほのぼのした読後感でした。

    上記のように感じたのは成人後に読んだためだと思います。真っ只中にいる中高生として手に取っていたら、どんな感想を持っただろうか。

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    2025年08月03日
  • できない相談 piece of resistance

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    こういうのあるよな〜っていう話からちょっとよくわからない話まで、クスッと笑えて、ひねりも効いて、時々毒気もある40作の掌編集。

    隙間時間にするっと読めて、何気に満足度も高い。さすが森絵都さん。
    変に笑いをとりにいかないところも好みでした。

    一番好きなのは「電球を帰るのはあなた」これはわかりみが深い。

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    2025年08月03日
  • 気分上々

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     様々な年代、国を超えた恋愛を描いた短編集。
     前半は私にとっていまいち現実的ではなく、かと言ってファンタジーでもなく、消化しきれなかった。
     終盤の「ヨハネスブルグのマフィア」と「気分上々」は情景描写や登場人物の心情が伝わってきて楽しく読めた。

     森絵都さんの作品はいつも物語の舞台の描写が細かくて驚かされる。相当深く研究して作品に落とし込んでいるんだろう。

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    2025年08月01日
  • 永遠の出口

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    まさに紀子の成長の歴史!(黒歴史も?)

    表面的なキレイ事の話ではなく、すごく赤裸々で、私もそうだった!と思うようなシーンがたくさんあった。

    小学生時代の話は、ちょうど私と同じ世代で、「たのきんトリオ」の誰派だとか、サンリオの文房具でマウントを取りあったりとか、あそこの家のお姉ちゃんが暴走族と知り合いだとか違うとか。懐かしい。

    いつになるかは人それぞれだけど、どの子も、いつかのタイミングで大人への階段を登り始めるんだよね。

    タイムリーなことに、30年来の友人と会ったばかりだったから、昔を振り返るきっかけになったよ。友人たち、みんな来た道も行く道も違うけど、自分なりの幸せに向かっていて、すごく尊敬できる!

    紀子が言ってたように、永遠なんてないんだから、もっと今を生きなきゃね。

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    2025年07月28日
  • 宇宙のみなしご

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    初めましての作家さん

    両親が不規則シフトで帰ってこないことが時々ある家庭で、
    中2の姉と中1の弟が、自分たちで作り上げた遊びを決行する。

    そこに同級生で、仲間から無視されはじめた七瀬さんが
    加わり、更にクラスのいじめられっこのキオスクも加わる。
    ところが、キオスクの不登校から、ある事件が発生するが・・・

    事件が起こると、学校側含めて当事者たちは
    火消しにやっきにんるんだなぁ
    あくまでも自分たちは「いい人」であり続けたいんだなぁ~

    そういう意味でも、これから立ち向かうぞ!って
    ところで終わるのがいい。
    元担任の先生が、そういうのをわかっている先生で
    ちゃんと大切なアドバイスをくれる人でよかった。
    新しい担任がいい人だとは限らないからね。

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    2025年07月20日
  • 永遠の出口

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     主人公、紀子の小学生から高校までの連作短編集。
     私と年代が同じで、授業中チョークを飛ばす先生や不良生徒の格好など、身近に感じた。
     学校というひとつの世界を基盤としながら、小学生での友情、中学生での反抗期、高校生での恋愛と、人間関係を深めながら成長していく紀子。
     「時の雨」での両親の姿にほっこりした。
     ひょうひょうとしながらも上手に世の中を渡っていく紀子が少し羨ましくもあった。

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    2025年07月10日
  • 宇宙のみなしご

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    ネタバレ

    学生青春小説的な。
    なんか、夏休みの読書感想文対象本みたいな印象(笑)。あまりにそういう感じで、子どもがしばらくしたら読めるようになるだろうし取っとこうかな、みたいな(笑)。
    ものすごいサクッと読める。
    とりあえず、屋根に登る、という尖った冒険譚?を持つ、青少年のお話。

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    2025年06月26日
  • つきのふね

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    「人より壊れやすい人間に生まれついた人間は、それでも生きていくだけの強さも同時に生まれ持ってるもんなんだよ。」この本、わたしの親友。

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    2025年06月22日
  • アーモンド入りチョコレートのワルツ

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    中学生の娘に買った本だけど、つい読んでしまった。『子供は眠る』と『彼女のアリア』が良かった。音楽を聴きたくなった。

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    2025年05月24日
  • 宇宙のみなしご

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    ネタバレ

    感受性の豊かな中学生たちの物語。
    うらやましい気持ちでイッキに読みました。
    屋根に登ろうとかおもしろい。
    たしかに人の家の屋根に登るなんて良い事ではないけれど発想、行動力に驚きました。
    それぞれの子たちの考えていること、とても理解できて応援したくなりました。

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    2025年05月20日
  • アーモンド入りチョコレートのワルツ

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    ネタバレ

    「風に舞いあがるビニールシート」「ダイブ」など傑作を書いた森絵都の短編集。
    多感な中学生目線で語られる3作品は、特に不眠症の少年と虚言癖のある少女との淡い恋心を描いた「彼女のマリア」と子供のやりたい事を優先させる優しいピアノ教室のリアルな状況を書いた「アーモンド入りチョコレートのワルツ」が良かった。
    ちなみに、バッハ「ゴルドベルグ変奏曲」は不眠症に悩むパトロン向けに書かれた作品だそうです。
    解説は門田光代で、本作は第20回路傍の石文学賞受賞作。

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    2025年05月20日
  • ショート・トリップ

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    ネタバレ

    短編集で1話分がすべて4ページ(うち1ページはイラスト)。
    読むことに負担がないので言ったら悪いけどすごく軽い気持ちで読める。空想上の話が多くて、理解に及ばない内容もあったけど旅の奥深さを知れる。
    唯一付箋貼ったのが『 究極の選択』。
    水が尽きて死にそうな少年の前に現れた4種の動物を連れた老人。1頭だけどれを度の友にするか問われ、少年が牛と答える。老人は『 牛を選んだそなたは、何事も緻密で計算する現実主義者じゃ…』と動物占いのように答える。少年は生まれて初めて舌打ちをして、人も動物もあてにならない、自分だけが頼りと気づき不思議なエネルギーを感じる。

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    2025年05月18日
  • 宇宙のみなしご

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    ネタバレ

    優しいジュブナイル小説。中学生が瑞々しく、友だちっていいね、という話。主人公が爽やかで、ちょっとめずらしい気がした。悩みを抱えた子を持ってきがちだけど、それは周りで。

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    2025年03月06日
  • つきのふね

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    ネタバレ

    「人間、良くなるよりも悪くなる方が楽だもんなあ」p131

    「誰だって自分の中になんか怖いもんがあって、それでもなんとかやってるんじゃないのかよ」p144

    「ぼくわとうといものですか?」p216

    今まで、自分の救いだった大人の智さんが、薄々気づいてはいたが心の病だった。
    中学生なりに試行錯誤して救おうとする。
    みんなが〝疲れ〟はじめる中盤。
    どんな言葉が智さんに響くのか。
    露木さんを救った手紙のように拙くとも真っ直ぐに飾らない言葉で気持ちを伝える事は、当時小学生だった智さんにしか出来ない救いであったのだと思う。

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    2025年02月20日
  • できない相談 piece of resistance

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    「こういうこと、あるよなあ」とか、「あるかもしれないなあ」というような、身近に転がっていそうな隙間を覗くような短編集だった。最近ちょっと脳が煮詰まっている傾向があったので、物凄く丁度良い読み心地。何冊か文庫本を並べて4歳児に「おかーちゃん次に何読むと良いと思う?」と選んでもらって本当にナイスタイミングな選書でした。
    「サービスの落とし穴」「誰がために貴方は進化し続けるのか」あたりは身に覚えがありすぎたなあ……。

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    2025年02月07日
  • 永遠の出口

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    みずみずしい青春小説でした。
    子ども時代は、はるか昔ですが、あの頃の甘酸っぱい記憶が蘇りました。
    時々クスッとできる読みやすい物語でした。

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    2025年02月04日
  • 宇宙のみなしご

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    たぶん再読ではなかったと思う
    スタンドバイミーぽく、そして読みやすさの安心感は自分が読書好きになったのを思い出す
    前に雑誌のインタビューで現実に嫌なことがあって物語では辛い思いをしないようにそういう描写は描かないようにと言ってた、この作品はそれより前の作品だけど、そこも好きだ、ゆっくりと流れる時間を贅沢に感じれる

    物語は中学生が屋根で遊ぶ話〜
    大人になったら友達のことを考える時間も少なくなってく、この時期の思い出は色褪せないものがあるよな
    個人的にキオスクの返しでどーゆーお笑い?な場面を見つけてしまったw

    好きなフレーズ引用
    そうやって越えようとさなきゃなんにもできないの わたし
    カイロよりぽかぽかした感触だった
    今後の反省材料にするんだよ

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    2024年11月23日
  • アーモンド入りチョコレートのワルツ

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    少年少女時代のキラキラした部分と闇を彷徨っていることは表裏一体と感じた。どちらの部分も背負って彼らは明日を生きていく
    奈緒を真ん中に、生きづらさを抱えた3人は、ワルツを踊っていたのかもしれない。

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    2024年11月22日