あらすじ
「自由ホンポウな女になりたい!」「その方、カツラですの」「やっぱり罠にはまった。そんな気がする」
あなたの心を揺るがす物語がきっとある。ようこそ魅惑の〈森絵都ワールド〉へ!
何気ない言葉に傷ついたり、理想と現実のギャップに嫌気がさしたり、いきなり頭をもたげてくる過剰な自意識にとまどったり……。
生きているかぎり面倒は起こるのだけれど、それも案外わるくないと思える瞬間がある。
ふとした光景から“静かな苦笑いのひととき”を抽出した、読むとちょっと元気になる小説集。
解説・白石公子
※この電子書籍は2009年1月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
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最後はなぜか涙が・・・。
どの話も、何気ない日常の一コマという感じで、大きな事件が起こるわけではありません。
なのに、読み終わったあとに目次を読むと、どれがどんな話だったかきちんと思い出せるのです。
お気に入りは「パパイヤと五家宝」、そして「彼らが失ったものと失わなかったもの」です。「パパイヤ」は人生が楽しくなってくるし、「彼ら」はなぜか涙が出ました。
でも、どの話も本当に良かったです。
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森絵都さんの他の短編が面白かったのでこちらも購入。
この作品集では、大きな事件や非現実的なことは起きないし、拗れきった人間関係があるわけでもない。話の流れだけで言ってしまえば、読んだ後興奮して誰かに話したくなるような、そんな感じではない。
でも、そんな凡庸な日々に潜む物語も「悪くないな」と思えて、読み終わったらなんとなく元気をもらえる。
紹介文ではこれが「静かな苦笑いのひととき」と表現されていたし、私は「ささやかな人生賛歌」だなぁと思った。
本腰を入れて架空の世界に没頭するよりも、日常の延長で気楽に読むほうが向いてると思う。
それから、この方の作品の題名が好きだ。表題作の「架空の球を追う」もそうだし、「パパイヤと五家宝」「ドバイ@建設中」、他の本ではあるが「異国のおじさんを伴う」「母の北上」等々、なんというか、ヘンテコで気が抜けてしまうものが多い。
何だ?と思って読み始めて、あーなるほどな笑、となるのが楽しかった。
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夕日のグラウンドと少年野球
アラフォー女子たちの同窓会
勤め帰りのスーパー etc
ごく普通の日常を鮮やか、かつユーモラスに切り取った短編集
極上のキャンディーボックスのような1冊
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森絵都の架空の球を追うを読みました。
30代から40代の女性たちの日常のひとこまを描いた短編集でした。
もう若くはないその世代の女性たちが輝く瞬間が描かれています。
本人たちはたぶんそうは思っていないだろうけど、とても幸せな心温まる瞬間なのでした。
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森絵都さんは好きな作家さんのひとり。
中でも森絵都さんの短編集が好き。
この『架空の球を追う』は本当にワクワクして一気に読み終えました。
『ドバイ@建設中』のラストでの見事などんでん返し。
『あの角を過ぎたところで』はほっこりした内容が続いていたのにラストの衝撃にはドキドキが止まらず。
長さもテイストも異なる11話の作品にハラハラドキドキニヤニヤさせられっぱなしでした。
彼女の作品は全部読みたいです。
早くも今年出会えて良かった1冊になりそう。
Posted by ブクログ
2014.10.21
アルジャーノンが全然読み進めれないから息抜きに。
短編集だから比較的楽に読み進めれた。しかも女の作者さんだからか、この気持ちすごいよくわかるわー!ってなった。来年社会人だし、ここに描かれている女の人たちにあたしもなっていくんだなぁと思うと、ただただ切ないし少しでも抗いたくなる(笑)
フクちゃんのお店のお話が、まさかあれで終わるとはなぁって感じ。運命って怖いし、見えない罠はどこにでもはられてるのね。
特に好きなのは蜂の巣退治する話!前向きになれるお話だったなー。
てか驚くほど全部すきだった。
カツラの石油王、恋に落ちたホームレス、必死に生きる女、40手前の女子会、結局は子供に従う女、カブトムシを放す女、高級スーパーの女、二人姉妹の結末、、、
あーー面白かった!!!!
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日常の何気無い風景を切り取った作品と書かれているが、あながち間違いではないのかも。
私が1番印象に残った場面は、ハチの巣退治が終わったあと主人公が母親に手紙を出す。その中の言葉。「例え頭蓋骨大の性悪な不運がへばりついていたって、その気になればシュッと一息で吹きとばしてやれそうな気がしてきたの。」
なんだかすごく元気がでてきます。
きっと上司に盛大に怒られた後だからかも。
きっと自分にとってのお気に入りの日常の一コマが見つかります。
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「でも許しちゃうんだろうな、うん許しちゃうんだろうね」に激しく同意し、牛脂と、御曹司にクスッとして、一転「明日には、また東から太陽が昇りこの荒れ果てた大地を照らすよ」に答えをもらったように思え、そして紳士は、黙って何も残さないのです。
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およそ十年ぶりに再読。
覚えているフレーズが
ところどころに。
うーーーん、あの頃は
どう感じていたのかな。
十年前の自分と感想を
交わしてみたいような。
まあきっと感想なんて
そこそこに積もる話が
あれこれと。
盛り上がるんだろうな
・・・
数頁の短篇に綴られた
人々のなにげない日常。
ドラマティックな展開
はないけれど、
現実ってそういうもの。
十年後の私は言いたい。
十年前の自分に向けて。
その平凡なる毎日こそ
幸せそのものなんだよ、
と。
Posted by ブクログ
普通の人の日常を切り取った中にある幸せを見せてくれる魅力的な短編集。特に最初の2作にはやられてしまった。
うまいよ。誰もが持つ何気ない生活でのシーンに、こんな幸せがあったなんて。大変満足しました。
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人生色々、何気ない一場面を切り取った小作品集。
どこかユーモラスだったり、冷めていたり、一人で空回りしてみたり、過酷だったり、ほのぼのしたり。それぞれが抱える事情も場面も全然違うけど、でもみんな自分なりに一生懸命、確かに生きている。スペクタルとは無縁だし感涙モノでもないけれど、読者に何かをしっかり残してくれる、そんなちょっと素敵な1冊です。
とりあえずこの本で、水菜は原価がやたら安いという事を知りました(笑)。あと、藤の牛島って絶対言葉の響きだけで選んだよなあ。
Posted by ブクログ
日常の何でもない場面を切り取ったような短編集。
中にはほんの数ページのホントに短い作品もあるけど、その短さの中に良さがギュッと詰まっている。
「蜂の巣退治」と「ドバイ@建設中」が好き。
「あの角を過ぎたところに」は私の心までザワザワしてしまい、苦手でした。
Posted by ブクログ
最近、森絵都を連続で読んで失敗していたがこの短編集は良い。
日常の気まずい時間を切り取って、独特の居心地の悪さや緊張感、でも続いていくあるいは断絶する関係性を鮮明に描いてる。
気まずさの中にある笑っちゃう感じがうまい。
女友だちが離婚したのにそんな話そっちのけで飲むには「新宿と銀座どっちがいいか」と永遠と議論する話とか、
ヅラの金持ち婚約者との婚前旅行での緊張感あるやり取りとか(結局婚約者はヅラを取り、きゅうりを食べてる姿に「お前はカッパか!」と思わずつっこむ。)
日常における緊張と緩和がとても上手に描けている。
Posted by ブクログ
短編集。2年前に読んだ本の再読となります。
本書の内容は少年野球の練習風景であったり、スーパーでの買い物であったりと、日常の些細な出来事です。そんな日常を非日常的な表現で綴る森絵都さんの表現力がただただ素晴らしいです。
Posted by ブクログ
色んな人の日常を切り取ったような短編集だった。結構好き。
「銀座か、あるいは新宿か」が良かった。分かるなー。なんだかんだいって変わんない感じ。
最後の話も好きー。
Posted by ブクログ
たまたま手に取って読んだ。たぶん思わせぶりなタイトルと素敵な絵に釣られて。
11の短篇はどれもよかったけど、記憶に残るのは、
『パパイヤの五家宝』、『ドバイ@建設中』、『あの角を過ぎたところに』の3篇。
『パパイヤ』ラストの牛脂のくだりがクスッと笑える。
『ドバイ』石油会社の御曹司の描写は、ジョジョ8部の田最環を想像してしまった。発狂したドイツ人の子どもを庇う場面がカッコいい。それで惚れ直す女性の方も。
『あの角』思いがけないことがあってもいいんだよな、って、9年同棲した彼女をそんな理由で振っちゃだめだしょうよ。。。
Posted by ブクログ
様々な場面を切り取って削ぎ落した11の短編集。“ハチの巣退治”や“パパイヤと五家宝”のような軽妙なタッチの著者作品には触れたことがなかったので新鮮。“太陽のうた”が若干異色だが、配置の妙で際立たない。“静かな苦笑い”...納得の一冊でした。
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架空の球を追う
銀座か、あるいは新宿か
チェリーブロッサム
ハチの巣退治
パパイヤと五家宝(ごかぼう)
夏の森
ドバイ@建設中
あの角を過ぎたところに
二人姉妹
太陽のうた
彼らが失ったものと失わなかったもの
からなる11編。
銀座か、あるいは新宿か、ドバイ@建設中、あの角を過ぎたところに、太陽のうたが好みだった。あらすじの「静かな苦笑いのひととき」の言葉通り、読み終わったあとに思わず苦笑してしまうような話が詰め込まれている。
大人になって散り散りになった仲間内で集まるとなった時、どうしても考えなければならない飲み会の場所選び。「銀座か、あるいは新宿か」で描かれているのは30代の女性たちの飲み会の様子だ。高校時代の友人だった彼女たちは、女性社員としてでもなく、母親としてでもない人間として、後から思い出せばくだらないと一笑してしまうかもしれない話で盛り上がる。主人公が若い女性たちの会話を聞いて心の内で返した言葉が好き。
「ドバイ@建設中」は御曹司と玉の輿を虎視眈々と狙う女性が婚前旅行にドバイを訪れる話だ。ドバイで解放的になる御曹司とは反対にだんだん機嫌を損ねていく女性。レストランでの家族を描写したなんとも言えない気まずい空気は胃を押さえた。ラストの応酬がなんともかっこいい。
「あの角を過ぎた頃に」は巧みな短編。カップルが乗車したタクシーがある場所を通ったことで話が展開していく。展開される人情話とリフレインがバッチリ決まっていてしびれる。
「太陽のうた」はある民族の老女が主人公だ。仲間内から強く頼まれるものの、外から訪れた客を冷たく拒絶する老女。余所者を受け付けたくない頑なな人なのかと思いきや、彼女が誰に何を晒したくないのかを知ることで、老女に対する見方ががらりと変わる。どんな夜があったとしても、必ず昇る太陽のうたを彼女は口ずさむ。あきらめの先にある生きる力強さにじんわりとした感動があった。
腹に重いものがずしりと沈み込むような瞬間であったり、沈みすぎて覚悟を決める瞬間であったり、苦笑といえどその種類は多様だった。夢を見るような甘い話も好きだけど、人生の苦さの方が寄り添ってくれる日もある。この11編の掌編はそういう日に気軽に手に取れる本だった。
Posted by ブクログ
一番よかったのは、「あの角を過ぎたところに」。
「蜂の巣」と「パパイヤ」と「ドバイ」が次点。
あっさり読み終わったけれど、あとからじわじわくる。
短編はたくさん想像させられて、ちょっと消化不良で好きではない。
読者にお任せは基本いやだ。
ちゃんと結果を教えてほしい。
でも、「あの角」が一番気になる終わり方で一番心に残る。
卑怯だなと思う。
Posted by ブクログ
短編集というより、もっと、もっと短くてふっと溶けていくような話が多く詰め込まれた一冊。
全体的には日常のワンシーンが多く、あんまり残る話はなかったのだけど……。
パパイヤ夫人なるセレブが買っていくカゴの中身と釣り合わせようと奮闘する主婦の話が、とても面白い。
パパイヤは勿論、クレソンもパプリカも食卓にはのぼらなくて良いかな。
そんな、分かる分かる、をストーリーとして収めて行った、リズムよく読める一冊だった。
Posted by ブクログ
日常きりとりが好きな私にも、ちょっと淡白すぎる印象が強かった。
あと、これは身勝手な話ではあるけど、中高生のときにどっぷり森絵都さんのYA作品で育ったからなのか、一般文芸書は、これまでも、はまるものがなかなかない。
Posted by ブクログ
人生とは理屈ではない。真面目な善人が不幸に堕ちたり、強欲な悪人が生涯を苦労する事なく終えたりする。
だからこそ、小説や映画作品で、良い人が幸せになり、悪い人が報いを受けると満足感を得る。
ふと目にした風景や一緒にいる人の何気ない言葉が、自分の行動や考えを変える。理屈ではない、神様の悪戯のような一瞬が、この短編集に収められている。
Posted by ブクログ
これといって特別ではない。
日常に散在していて拾いあげる事も焦点を合わす事も無く通りすぎてしまうような。
小さな小さな優しさや幸せ、美しい瞬間、表情、心情。
読み手1人1人に違う印象を味わわせてくれる作品。