森絵都のレビュー一覧
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森絵都によるアットホームでシニカルな長編近未来ディストピアSFコメディ。
短編ではSFっぽい作品も読んだことはあったけど、こんな物語も描けるのか、と20年以上追いかけて読んできた身としては驚いた。
現代社会への風刺や昨今の日本政府への皮肉が込められているような内容。
今までどんな弱さも惨めさも掬い取ってくれるような懐の深さと力強さを感じる作品をたくさん書いていた著者だけに、これが著者の政治的なイデオロギーの発露だったらどうしよう…(作者の人間性と作品を同一視するのは違うだろという意見もあるけど)好きな作家の作品を素直に読めなくなるかも怖いな〜…と途中までは思っていたのですが、最後の30ペー -
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ちょっぴり寂しいけれど、それが現実で、でも前へ進む勇気をもらえる一冊です。
富塚先生、いい先生だなあー。自分でがんばることを伝えながらも、さりげなく友達の大切さを教えてくれる。
悩み多き、思春期の子どもたちにおすすめです。
私が心に残った言葉を抜粋します。
「一番しんどいときはだれでもひとり」
「ぼくたちはみんな宇宙のみなしごだから。ばらばらに生まれてばらばらにしんでいくみなしごだから。自分の力できらきら輝いてないと、宇宙の暗闇に飲み込まれて消えちゃうんだよ。」
「頭と体の使いかた次第で、この世界はどんなに明るいものにもさみしいものにもなる」
「ひとりでやってかなきゃならない -
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大人になるということ。
生きるということは、変化の連続。
さみしくても切なくても、やるせなくても。
戸惑いながらも、自分自身や周りの変化をしなやかに受け入れて大人になっていく過程が垣間見えた。
肯定するということ。
否定することよりも、もっともっと難しい。
私自身の永遠の課題でもある、と感じた。
ありのままを受け止める。自分自身も、相手も。
どんな状況でも。
難解で難題だ。
「アーモンド入りチョコレートのように生きていきなさい。」とても素敵な言葉。
どんなことがあっても、チョコレートのように優しく包み込んでいける大きな自分になれたらいいな。 -
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ネタバレ家族であってもそれぞれが色んな感情を持っていて様々な形があると感じた。
自分の親のルーツを知ることで何か分かるかもしれないって思う気持ちに同感した。
私の親は離婚していて、父の顔をよく覚えていない。この作品では、父と娘が互いに理解し合えないまま、父は亡くなった。その後父の故郷を訪れてルーツを辿っていた。
細かい状況は違うものの、私も自分の父の故郷に行ってみたい。勇気はまだ出ていないが、自分の父親がどんな環境で育ったのかには興味がある。
この作品を読んで、自分の父親について考えるきっかけになったし、今一緒に暮らしている家族をもっと大事にしたいと思った。 -
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ネタバレ女性作家8人による、「女ともだち」がテーマのアンソロジー。
うむむむ、女の友情はもろいというけれど、こんなにすごぉ〜く気持ち悪くて、べとっとするものばかりだろうか…
相手と『同じ』を競うような構図が、いくつもの作品に…あー、たしかに、『おそろい』スキだよなぁ…トイレ一緒に行ったりしてるよなぁ…
いやはや。下手なホラーより怖い。
どれも面白かった。
その中で、「ブータンの歌」は、くすっと笑えて、阿川佐和子さんらしい軽やかさだった。
「ラインのふたり」嶋津輝さんは初読。ちょっと山本文緒さんのような奇妙な迫力。
他の作品も読んでみたい。
「獣の夜」森絵都さん、爽やかな作品しか読んだことがな -
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森絵都さんの作品は大好きで、「カラフル」、「リズム」、「ゴールド・フィッシュ」、「風に舞い上がるビニールシート」、「永遠の出口」、「宇宙のみなしご」、「ラン」、「つきのふね」、「クラスメイツ」「みかづき」「いつかパラソルの下で」に続く12作目でした。(↑読んだ順に書いてます)
今まで読んだ森さんのどの作品よりも一番好きな作品でした。森さん初読の方には「風に舞い上がる~」を読んだあとに読むことをおすすめします。かなり好みは分かれると思います…。コント好きにはたまらない。映画「半径1メートルの君」が好きな人には特にお勧めできます
おすすめの読み方
①一日一つずつ読む。
②ランダムに読まないで順番に -
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短い物語38篇。文庫版には書き下ろしも2篇入っててちょっとお得(笑)。
生活していく上でどうしてもこだわってしまうこと、どうしても許せないこと、気になってしまうこと。主人公たちはそれぞれそんな何かを持っている。
わかるわーというものもあるし、わからないけど共感できるものもある。大抵はこだわり過ぎて間が抜けた結果になっているので、心の中でニヤリと悪い笑いを浮かべてしまう。好みのテイスト。
ひとつひとつ短いからテンポ良くすぐに読めるし、飽きずに楽しめた。
中でも好きなのは、「島田祐一」、「スモールトーク」、「ヒデちゃんの当たり棒」、「時が流してくれないもの」、「書かされる立場」、「コンビニの -
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ネタバレいとこたちと別荘で過ごす夏の恒例行事の最後を描いた「子どもは眠る」。不眠症となり、虚言癖のある彼女と過ごした中学3年生、最後の半年を描いた「彼女のアリア」。友達と、ピアノの先生と、謎のフランス人の3人とワルツを踊った中1のを描いた「アーモンド入りチョコレートのワルツ」。3つの短編が入った短編集。それぞれに、テーマとなるクラシックのピアノ曲の副題が付けられている。
3作は共通して、主人公である中学生たちの、特別だった時間の終わりを描いている。個人的には、「彼女のアリア」が1番好きだった。
「ぼく」は、同じ不眠症だと思って一緒に話していた「藤谷」の話が、実は全て嘘だったことを知り仲違いしてしまう