森絵都のレビュー一覧

  • つきのふね

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    同じグループで親友同士だった梨利とさくら。でもさくらは、グループを抜けたことでハブられている。ハブられたさくらの心の拠り所となったのは24歳の智だった。そこに梨利に付きまとっていた勝田が現れて、、、
    最小限の登場人物で無理なくストーリーが展開されます。
    そしてカタストロフィを感じさせる終盤の畳み掛け方も見事でした。

    勝田には全く感情移入出来ないけど、彼が「一人になるのが怖いんだ」と告白するシーンは好き。

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    2024年02月07日
  • 出会いなおし

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    意外にも表題作以外が好き。

    ママ
    ムーミンのママに会いたくなるときは、私にもある。
    森さんの描写によって、あったような気持ちになれた。

    むすびめ
    子供だったからこその切ない記憶も雪解けするときがくることも、
    そうだよなぁと、心にずっと溶け込む。そんな森さんの小説が好き。

    テールライト
    想像力をくすぐられる。楽しかった笑

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    2024年02月03日
  • 女ともだち

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    女ともだちをテーマにしたアンソロジー

    どの作品も、女性だからこそわかる女性同士の複雑な関係性と感情を描き出していて面白かった。
    知らなかった作家さんもいたけど、この本で知ることができてよかった!

    特に印象に残っているのは村山由佳さんの『COPY』
    ラストが衝撃すぎて、もう一度読み返さずにはいられない。

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    2024年01月28日
  • 獣の夜

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     自分なりに一所懸命に生きてきたつもりだったのに……。

     何かのはずみで日常が変化してしまった人たちを描く、ファンタジー要素が強めの短編集。
              ◇
     コロナ禍の最中のある日。永井タクは、妻からフットマッサージに行くことを勧められた。それもかなり強く。
     在宅ワークの妻は間もなくオンライン会議の時間だ。夫がいては仕事の邪魔なのだろうと思い、永井は妻の提案に従うことにした。
     マッサージ店でズボンを脱がなくてもいいように短パンを探したが、なかったので海パンを履いて駅前のマッサージ店に向かう。

     だが駅が近づくに連れ、永井の気持ちに変化が生じてきた。
     今日でリフレッシュ休暇が

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    2024年01月19日
  • 風に舞いあがるビニールシート

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    作者は根が真面目で善い人なんだろうな…と、作者の心が伝わってくるような短編集でした。
    表題作の「風に舞いあがるビニールシート」は確かに巧みで、響くものがあった。それでも個人的には「犬の散歩」が一番好きだった。自分なりの牛丼を通して世界を捉えたい。

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    2025年08月16日
  • つきのふね

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    みんなそれぞれ弱さを抱えていて、それを周りの人たちの力で乗り越えていけるということが伝えたかったのかなと思った。

    失敗してもやり直せるし何度でも時間をかけて前に進むことができる。

    決して1人では生きていけない。周りの人の大切さ、支えられて生きているということ、いろいろなことを学ばせてもらえた。

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    2023年12月17日
  • リズム/ゴールド・フィッシュ

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    ネタバレ

    なんだかほっこり元気になった。
    社会人になって忙しさを言い訳に送らなくなってた親戚のおばちゃんへの手紙を、この本を読み終わって直ぐに書きました。

    素敵だなと思った言葉
    ・もうこれでお別れかと思うと「実はみんないい人かも」と思えてきて、いきなり好きになってしまったりするから困る

    ・心の中でリズムをとるんだ

    ・じゃーな。みんなによろしく。愛していると伝えてくれ。

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    2023年11月26日
  • いつかパラソルの下で

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    父から厳格に育てられたが故に、絶縁状態だった息子と娘、そして厳格さの中でしっかり育ったもう1人の娘。
    父の死をきっかけに、父の知らなかった面やルーツを探る。
    ルーツ探しはちゃんとその頃を知ってる人がいないところが実際っぽくて面白い。そして、そういったことを通しての、それぞれ子どもたちや奥さんの着地点もなんだか面白かった。

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    2023年11月15日
  • 架空の球を追う

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    およそ十年ぶりに再読。

    覚えているフレーズが
    ところどころに。

    うーーーん、あの頃は
    どう感じていたのかな。

    十年前の自分と感想を
    交わしてみたいような。

    まあきっと感想なんて
    そこそこに積もる話が
    あれこれと。

    盛り上がるんだろうな
    ・・・

    数頁の短篇に綴られた
    人々のなにげない日常。

    ドラマティックな展開
    はないけれど、

    現実ってそういうもの。

    十年後の私は言いたい。

    十年前の自分に向けて。

    その平凡なる毎日こそ
    幸せそのものなんだよ、
    と。

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    2023年11月14日
  • 宇宙のみなしご

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    中学生の冒険小説思えば腕白純粋お転婆で許される楽しい物語。今、子供を主人公にした小説が流行り(?)だが確信犯か?
    そんな馬鹿なと、ツッコミたくても子供相手では大人げないと一蹴されそうだし!私の好きな 宮部みゆきもこの手を・・・・

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    2023年10月30日
  • ラン

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    ネタバレ

    「さらば皆の衆、42.195キロ先でまた会おう」

    どんなに大切な人でも別れは否応なしにやってくる。それならば初めから関わらない様にと予防線を張っていた主人公が、人と関わり成長していく姿は素直に応援したくなった。

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    2023年10月11日
  • 宇宙のみなしご

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    年子の姉やってますが、甘え甘えられってほどの年の差がない分、やっぱり友達感覚に近いときはある。そりゃもう毎日喧嘩してきたけど、年子も存外悪くない。

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    2023年10月09日
  • できない相談 piece of resistance

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    ははは、っと、乾いた笑い声のようなものがつい出てしまう。
    そんな、ちょっとずつ、スパイスを隠し味にしたような、短編集。
    スパイス、ガツーン!じゃないところが心地よい。

    満場一致が多すぎる が、一番大きな声のははは、が出てしまった。

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    2023年10月07日
  • リズム/ゴールド・フィッシュ

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    主人公さゆきの
    「わたし、テツや真ちゃんみたいに立派な夢はまだないけど、そういう小さなこと、ひとつひとつ楽しみながらやっていきたいの」
    という言葉がいいなと思った。

    そしてテツに
    「楽しい魚屋さんになってね」
    という。

    人生を楽しむっていうのが1番だよなと
    歳を重ねた今だからこそ共感してしまった。

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    2023年09月29日
  • カザアナ

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    森絵都によるアットホームでシニカルな長編近未来ディストピアSFコメディ。

    短編ではSFっぽい作品も読んだことはあったけど、こんな物語も描けるのか、と20年以上追いかけて読んできた身としては驚いた。

    現代社会への風刺や昨今の日本政府への皮肉が込められているような内容。
    今までどんな弱さも惨めさも掬い取ってくれるような懐の深さと力強さを感じる作品をたくさん書いていた著者だけに、これが著者の政治的なイデオロギーの発露だったらどうしよう…(作者の人間性と作品を同一視するのは違うだろという意見もあるけど)好きな作家の作品を素直に読めなくなるかも怖いな〜…と途中までは思っていたのですが、最後の30ペー

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    2023年09月28日
  • 宇宙のみなしご

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    ちょっぴり寂しいけれど、それが現実で、でも前へ進む勇気をもらえる一冊です。

    富塚先生、いい先生だなあー。自分でがんばることを伝えながらも、さりげなく友達の大切さを教えてくれる。

    悩み多き、思春期の子どもたちにおすすめです。


    私が心に残った言葉を抜粋します。

    「一番しんどいときはだれでもひとり」
     
    「ぼくたちはみんな宇宙のみなしごだから。ばらばらに生まれてばらばらにしんでいくみなしごだから。自分の力できらきら輝いてないと、宇宙の暗闇に飲み込まれて消えちゃうんだよ。」

    「頭と体の使いかた次第で、この世界はどんなに明るいものにもさみしいものにもなる」

    「ひとりでやってかなきゃならない

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    2023年09月03日
  • アーモンド入りチョコレートのワルツ

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    大人になるということ。

    生きるということは、変化の連続。
    さみしくても切なくても、やるせなくても。
    戸惑いながらも、自分自身や周りの変化をしなやかに受け入れて大人になっていく過程が垣間見えた。

    肯定するということ。
    否定することよりも、もっともっと難しい。
    私自身の永遠の課題でもある、と感じた。
    ありのままを受け止める。自分自身も、相手も。
    どんな状況でも。
    難解で難題だ。

    「アーモンド入りチョコレートのように生きていきなさい。」とても素敵な言葉。
    どんなことがあっても、チョコレートのように優しく包み込んでいける大きな自分になれたらいいな。

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    2023年08月31日
  • 気分上々

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    さまざまな短編集です。読んでるときの気分と一致するとラッキーです。表題おもしろかったです。気楽に読める本でした。

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    2023年08月22日
  • ラン

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    ファンタジーとスポ根を織り交ぜたお話。森絵都さんらしく生と死もテーマになって、力強いです。少しスタートが冗長だった分、星一個減です。

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    2023年08月10日
  • おいで、一緒に行こう

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    ネタバレ

    東日本大震災にまつわるペット救助の話。
    私はこういうときボランティアに動けないから、まず行動できることがすごい。

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    2023年08月09日