森絵都のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ上巻一通りのキャラ把握はできていると思いますが、下巻ではさらにさらに面白くなります。
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下巻でもゴールはオリンピックです。ただ、すんなりとはいきません。
心情描写的には下巻のメインは要一でしょうか。彼の極限状態での演技は手に汗を握ります。
また、下巻の後半では章ごとに一人称が変化します。ある章は幸也(中一の才能もやる気もなさめダイバー)、またある章は恭子(飛沫の彼女)から登場人物や状況を語らせ、物語にさらなる奥行を与えています。
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そして最後の最後、物語にもひねりにひねりが加わり、結末がまたいい。驚くとともに素敵な満足感ある結末だと思います。
上巻だけで終わらず、ぜひとも -
Posted by ブクログ
ネタバレぼくたちのオリンピックじゃない。
知季のもらした一言に、要一はどきんとした。これまでもやもやと胸に抱えていたものの核心を、ずばり言いあてられた気がした。
「だってさ、メダルをとれたとしてもとれなかったとしても、それって本当はぼくたちの問題のはずじゃない。死ぬほど練習してきたのはぼくたちとコーチで、オリンピックにでるのもぼくたちで、だからぼくたちが喜んだり、がっかりしたりすればいいだけじゃない。けど、ちがうんだよね。結局、オリンピックの真ん中にいるのは顔も見たことないような大人たちなんだって、そう思ったら急にいろんなことがつまんなくなっちゃって・・・」
知季のゴールと、自分のゴールはちがう。だ -
Posted by ブクログ
ネタバレスポーツの世界でも、美しい花を咲かせようとすればするほどに、どこかにゆがみが生じるものかもしれない、と知季はこのごろ思う。そのゆがみは選手自身の体だとか、心だとか、周囲との人間関係だとかに反映し、何かを損なわせる。何かを奪い去る。テレビで活躍する一流の選手たち。彼らもあの満面の笑顔や、りりしいまなざしや、まばゆい白い歯の下に、激しくよじれた大木を秘めているのだろうか。
「で、なんだおまえ、クラブの仲間にうらまれたのか」
「友達だと思ってたのに、せちがらいよね」
「友達だからだろ。友達だから先こされるとくやしいしうらめしいし、嫉妬もするんだよ。赤の他人ならどうってこともないさ」
三回半にも歯 -
Posted by ブクログ
ネタバレ短編や映像化作品には触れたことがある中で、初めて読んだ長編の森絵都作品。
捉えどころのない前半と急転直下の後半。
「なんで家族にならなあかんのか。他人のままでええ感じにおられんのか」
「言わへんかったから、わからへん。人間、嘘でもなんでも、言わへんよりは言うたほうがええねんで」
家族になること、恋人になること、他人のままでいること、幸せになること、お金を持つこと、全て捨てること、
それぞれの幸せに説得力と責任を持たせるために、静かに地道に物語を積み重ねていくところに好感が持てた。
ラストシーン、尻切れとんぼのように終わっているようにも感じるけれど、
この2人の物語はここでおしまいという -
Posted by ブクログ
ネタバレ坂井知季(さかいともき)
MDC(ミズキダイビングクラブ)に在籍している。中学生。飛込み歴は6年。ダイヤモンドの瞳を持っている。
丸山レイジ(まるやまレイジ)
MDCのクラブメイトで知季と同い年。同じ頃に飛込みを始めた。
大広陵(おおひろりょう)
MDCのクラブメイトで知季と同い年。半年遅れで飛込みを始めた。飛込みを辞めてバスケ 部に入る。
富士谷敬介(ふじたにけいすけ)
MDCで中学生と小学生の両方のコーチ。要一の父。元飛込みのオリンピック選手。
水城真之介(みずきしんのすけ)
MDCを創設。元飛び込み選手。持病の肝炎が悪化し志半ばで死んでしまった。夏陽子の祖父。大手スポーツメーカー -
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ネタバレ坂井知季(さかいともき)
MDC(ミズキダイビングクラブ)に在籍している。中学生。飛込み歴は6年。ダイヤモンドの瞳を持っている。
丸山レイジ(まるやまレイジ)
MDCのクラブメイトで知季と同い年。同じ頃に飛込みを始めた。
大広陵(おおひろりょう)
MDCのクラブメイトで知季と同い年。半年遅れで飛込みを始めた。
富士谷敬介(ふじたにけいすけ)
MDCで中学生と小学生の両方のコーチ。要一の父。元飛込みのオリンピック選手。
中西
元コーチ。クラブが潰れそうだから他に移った。と思われている。
水城真之介(みずきしんのすけ)
MDCを創設。元飛び込み選手。持病の肝炎が悪化し志半ばで死んでしまっ