森絵都のレビュー一覧
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バッハの音楽が物語になっていると知り、手にした本。森絵都さんのことは名前しか知らなかった。本当に何気なく手にした本だったので、期待は良くも悪くもなかったのだけれど、読んでとても良かった!中学生くらいの、あの感じを思い出す。懐かしいだけではなく、あの頃の苦しさも楽しさも、二度と味わえない、あの感じ。3つとも良かったが、彼女のアリアが私は1番心に残った。不眠症、虚言癖。淡い恋心。ともすると、ただの淡い初恋物語になってしまうと思うけど、そうはいかない。そんな簡単で単純ではないのが、あの頃のあの感じ、なのだ。彼の苦しさも彼女の苦しさも分かる。だけど、分かったつもりになっていることが、つまらぬ大人になってしまった証なんだろうな。なんとも言えぬ読後感を味わえた。
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小学生ならではの言葉を飲み込む瞬間が、あるよね〜と思いながら読んだ。けれど舞台が学校、目線が小学生なだけで、大人社会にも当てはまると思った。子ども目線だからこそよりシンプルで、ほっこりする話ばかりだった。
学校が嫌な時期は、「またあした」って言葉は憂鬱だったけど、大人になると「またあした」っていう機会がほとんど無いから、学校は「またあした」が保証されている貴重なコミュニティだったんだな。たとえ言葉を飲み込んでも、言い過ぎて後悔しても、また伝えるチャンスがあるっていうこと。
社交辞令じゃない「また」が保証される居場所がいくつかあったら幸せなのだと思った。 -
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前半、あまり好みでない作品が続きましたが、後半すごく良かったです!
おもしろかった3作品
「こっちを向いて。」
分かるー‼︎って話でした。大人になってから友達作るのって難しい。こちらと向こうに友達を作ろうという願望が、まさに同じタイミングで存在しないと成立しない。
自分が今までに経験した感情が言語化されてる感じで気持ちよくて、そして切なかったです。
「ラインのふたり」
いたずらして笑ってはいけないのに全身で笑い出したくなる感じ。笑いすぎてお腹痛くて涙出る、みたいな。そういう時の女子同士の連帯感を思い出しました。
終わり方も良かった。
「獣の夜」
一番好きです。ジビエ、全然興味なかったけど描写が素晴らしくてフェスタに行きたくなりました。ハラハラする展開とさっぱりした友情に肉とアルコール!血腥い夜のデザートも堪能しまくってほしい! -
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第9章とエピローグがとても好きだな…。
「永遠」という存在は自分にとっても、そうありたいと考えてしまうものである。例えば、富士山や星、宇宙などどこか特別感があるからである。また、無くなることは恐ろしいことだとも思ってしまうからだろう。
しかし恋をしている時であったり、趣味に没頭しているときであったり、勉学に励む年だったりは、「永遠」ではなく、比較してしまうと「一瞬」である。そんな一瞬一瞬を私も主人公と同じように愛おしく感じる。なぜなら有限である人生の中に数回しかない一瞬もまた、特別なものであるから。
永遠を憧れるのではなく、一瞬を愛することをこの本を読んだことで大事にしたいなと思いました。 -
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ネタバレ「このからくりを知るのに必要なのは一定の時間だけだったのに、夫にはそれが待てなかった。そして、私は夫が待てるようになるまで待てなかったのだ。」p15
「いつもいつも無駄のない動きをする大人たちが、あたしにはときどきうらやましい。おもしろみはなさそうだけど、迷って立ちどまらずにすむ。」p58
「これだけは肝に銘じなさい。幸福など断じて恐れてはいけない。びくびくしている人間を幸福は見くびり、もてあそんだ末に身をひるがえす。」p140
名前の呪縛に人生を翻弄されたからこそ、自分の子供に宛てた手紙、「外の世界に踏み出せばごまんと他人がいる。何者にも縛られることはありません。」という言葉の重みが感じられた。
「彼らは絶えず死を見つめ、生きることに集中していない。なぜ死者よりも生きている人間の伸びやかな躍動を大事にできないのか?」p171
「身内にはなりえない他者として切り離す、それが彼らにとって最大の防御であり攻撃なのである。」p177
「言葉ってのはチャリのチェーンと一緒で、使ってないとさびついてくるもんだ。」p238 -
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とある女の子の小学生から高校生までのお話
以下、公式のあらすじ
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「私は、“永遠”という響きにめっぽう弱い子供だった。」誕生日会をめぐる小さな事件。黒魔女のように恐ろしい担任との闘い。ぐれかかった中学時代。バイト料で買った苺のケーキ。こてんぱんにくだけちった高校での初恋…。どこにでもいる普通の少女、紀子。小学三年から高校三年までの九年間を、七十年代、八十年代のエッセンスをちりばめて描いたベストセラー。第一回本屋大賞第四位作品。
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小学生のときの浮いた子の話は何とも苦々しい気持ちになる
そんなテイストの小説かと思って読んでいると、中学生では不良少女になるし
高校生になるとこじらせた恋愛話になる
なので、何ともまとめにくいお話だけど、当時の時代背景を鑑みると頷ける面もある
中学3年ではいきなり家族旅行に行く
自分への何かかと思いきや、実は両親の離婚危機を姉が防ごうとして計画したものだったとか
高校1年生ではレストランでアルバイトを初め、社会の嫌な面を知ったりとか
学校の事だけでもない
全編通して感じる時代のノスタルジー
私は紀子より少し年下ではあるけれども、時代の雰囲気はわかっているので、その辺の空気感が懐かしかったな
こんな少女時代を過ごした紀子がどうなったかというエピローグのすかしっぷりも、物語の定番というフリを勝手に想像してしまっていたので、まんまとハマってしまった
まぁでも、この世代はそんなもんだよなーとも思う