真梨幸子のレビュー一覧
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駅近34階タワマンの8階で暮らし一流企業の夫と中学受験を控えた娘を持つ麻美。妹の結婚前に住んでいたアパートを隠れ家に3人の男を飼い、関係を持った男たちが奇病で死んでいく。寄生虫感染の恐怖と娘の事故死でノイローゼとなり、ある日右手を切り落として失踪するという第一章。そして第二章は語り手が妹の奈未に切り替わり、麻美の不幸な生い立ちや周囲との関連が語られ徐々に紐付いていく。終始様々なドロドロが詰まった展開に引き込まれエログロバイオミステリーといった新ジャンルの中にどっぷり浸かれる。
書評に「こんなもの書きましたけど何か文句でもありますか」と紹介があり、とてもしっくりきてニヤけた。そしてこの孤虫症とい -
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NHKで放送している『ネコメンタリー猫も、杓子も』という番組をご存知ですか?
作家と猫の異色のドキュメンタリーの番組です。
何年か前に真梨幸子さんが番組出演されていて、はじめて存在を知りました。
本書のタイトルから、猫にまつわるエッセイかと思いきや、幼少期の思い出を綴ったブログや現在の体調不良などのエッセイが主で、猫さんのお話は少なかったです。
でも猫さん(まりもさん)の愛はしっかり伝わってきました。
このエッセイで、「執筆する上で自分に課している2つの戒めがある。殺人事件を描く以上その犯罪を美化しない、そして犯人に同情させない。」という言葉に感銘を受けました。イヤミス作家さんの作品に対す -
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ネタバレイヤミス読んだな〜という達成感はあった。
女が悪意に飲まれていく描写はさすが真梨さんといったところで、「どうなっちゃうの…」と読む手が止まらなくなった。
けど、全体的な感想としてはちょっと期待してたのと違ったというか、なんか物足りなかったなという感想。
この物語の軸となる「佐竹純子」。
第1章で語られる純子の人物像は、某死刑囚を彷彿とさせ、この先この純子を中心にジュンコたちはどう狂っていくのか?最終章でこの純子のルーツなんかが明かされるのか?とワクワクしたものの、
ジュンコたちはそれぞれ別ベクトルで狂ってたのが露呈しただけじゃんという印象だったし、純子が凶悪犯になったルーツや細かい人物像も掘 -
Posted by ブクログ
ネタバレ個人的には一作目『殺人鬼フジコの衝動』よりもおもしろかったかなぁ。
登場人物が広がる分、色々と動きがあって読みやすかったのかも。
ずーっとどんよりしてるし、痛いこと・怖いことのオンパレードだし、気持ちの良い要素は一切ないけど、なんか怖いもの見たさで読んじゃうんだよねぇ。
下田健太と茂子が殺されたので少しホッとしたのもつかの間、実は美也子にみんな踊らされてて、それは結局茂子の血がそうさせた、的な結末もやばいでしょ。
被害者面してるけど、結局血からは逃げられないんだね、みたいな。
あとは、人間関係がかなり複雑で(血縁関係とか、Q教団の絡みとか)、正直一回読んだだけでは理解しきれなかった。
『殺