額賀澪のレビュー一覧
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ネタバレ毎年同じ日に弁天島駅の入場券を購入している恋人が突然いなくなり、その日に弁天島駅へ向かう一話目。
私は自分を高く見せるような嘘を吐く人はものすごい勢いで冷めてしまうだろうな。
東京駅が戦闘ロボットになる突然のSFには危うく振り落とされそうになったけど、段々二人を応援する気持ちがうまれた。私は結構好き。
北海道にある夫の実家へ、義姉妹で乗り込む話も良かった。一緒に過ごすのに心地よい自分になれたらいいなあ。
額賀さんの明洞の話も良かった。おさまるべきところへおさまった。
最後の話でポルトガル行きたくなった。なんだろう、読んでいてイメージするポルトガルの雰囲気がすごく良かったな。 -
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天才を撮るカメラマン、引退する五輪王者のフィギュアスケーターなど、「天才」たちのその後を追った5篇の連作短篇集。読みやすく心温まる読後感。「天才」たちも皆それぞれの絶望や挫折を味わってゆくのだが、各話、最後は希望のもてる終わり方なのがよかった。一方でこれといった推しどころというものはない気も。「短篇集は、どう読んでほしいかという読み方を固定してしまう」という意見を聞いたが、まさにその通りという感じで、良くも悪くも裏切られるような展開はなく、たぶんそのうち、これがどんな本だったかは忘れてしまうと思う。「こんな”天才”の姿を描くのだ」という意図がまず最初に強く感じられるので、人物がその型にあとから
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モノクロの戦争関連の写真集をカラーに。
写真集を手に取った人の思想を追っていくお話。
アウシュヴィッツ、パールハーバー、神風特攻隊、そして原爆等。
アメリカでは原爆を投下した事により
戦争を終わらせる事ができたと教えられる。
一方、日本は特攻隊や原爆の被爆者など日本は一見、かっこいい&可哀想と教えられる。
けどバターン死の行進など、日本が捕虜にしてきた迫害は意外と知られていない。
美化される部分も大事だと思うが、きちんと日本が世界にしてきた酷いことも知るべきだと思う。
私は、戦争はどっちが正しいとかど間違ってるを知るのではなく、戦争そのものの知識をきちんと身につける事が大事だと、これを -
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タイトルの通り、駅と旅をテーマにした6人の作家によるアンソロジー。
と言いつつもテーマの縛りは緩めで、アンソロジーとしての統一感は中途半端な印象。
始めの2編、『きみは湖』と『そこに、私はいなかった。』は、いずれも若い女性を主人公にした青春小説。他愛もないと言ってしまえばそれまでだが、どことなく尖った感性が仄かに感じられて悪くない。
次の『雪花の下』は、自意識過剰で家族との関係を壊しかけている中年女性が正気を取り戻していくお話。よくある話ではあるが、旅に同行する義妹の造形が絶妙でなかなか面白い。
ここまでは連作の雰囲気が保たれていたのだが、次の『東京駅、残すべし』で一変。ぶっ飛んだ世界観と作 -
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本の帯に「山岳ミステリー」とあるけれど、ミステリーではないと個人的には思います。
高校時代スポーツクライミング部に所属しインターハイにも出場したことのある筑波岳。大学に行っても、スポーツクライミングを続ければというクラブのコーチに心ない言葉をぶつけてしまっていた。
大学で偶然知り合った山岳部部長の梓川穂高と登山している最中に、そのコーチから携帯に電話がくる。応答したのに、返答はなく、聞こえてくるのは風の音だけ。だから電話を切った。
翌日、そのコーチが山から滑落死したことを知る。事故ではなく自殺ではないかとの噂があることを知り、自分がコーチにぶつけたあの言葉が原因なのではないかと思い悩