額賀澪のレビュー一覧
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息子が中学から駅伝をしていて、中3の時初めてレギュラーメンバーになり、地方大会で一位になり、コロナで全国大会が中止になった息子父です。
前作から、読んでますが、こんな素晴らしい作品に、コロナな話題を絡めないで欲しかった。
エンターテイメントとして楽しんで読んでいるし、素晴らしく楽しい作品なのに、新型コロナの話を終盤から匂わせ、エピローグで、主張しています。そんな事しなくても良くないですか?コロナでくじけた私達には、厳しすぎます。
エピローグさえなければ、一生大事にする本だと思いました。
作品に自信を持ってもらいたいです。時事問題とか絡めなくても、貴方の作品は素晴らしいと思います。
人生で一番泣いた本です。
ありがとうございます。 -
Posted by ブクログ
一冊の本をもとに,それぞれの登場人物が,戦争について,どう考え,どう行動するかを考える連作小説。
第一話「きみがホロコーストを知った日へ」
第二話「戦略的保健室登校同盟」
第三話「平和教育の落ちこぼれ」
第四話「Remember」
作中作の『時をかける色彩』という,戦前戦時中のモノクロ写真をAIでカラー化するプロジェクトが組まれ,それを写真集化したものが出版された。
第一話では,主にカリスマ書店員の,第二話では保健室登校をする女子中学生二人の,第三話では広島出身のテレビディレクターの,第四話では日本の高校に転入してきた,アメリカ人と日本人のミックスの高校生の,それぞれの視点と立場で,戦争について模索していく小説。
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様々な立場の人物を,それぞれの物語の主人公に据えて展開していく話は,額賀さんの作品には多いが,よくもまあこれだけ多視点で……と驚かされる。
おためごかしのように「戦争はするべきではない」「戦争の悲惨さを次世代に伝えねばならない」というだけではなく,それぞれの人物が戦争についてどう悩み,真摯に向き合って考えたのかを,心情にそって読み進められる作品だった。 -
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箱根駅伝までもう1ヶ月ちょっと!
毎年この時期が来ると三浦しをんさんの「風が強く吹いている」が読みたくなります。
…と今年は本書を見つけ、こんなの見つけちゃったら読まずにはいられないでしょ〜と即購入。
そっかそっか…タスキメシ!というくらいだからメシ主軸?と思わせる前半。
箱根を目指すランナーの熱い青春群像劇を想像していたので、あっ、思っていたのとちょっと違う…走りも料理もどっちつかずな感じが余計そんな思いに拍車をかけてしまったか?
いやいや…後半も後半、走りも料理もいい感じに熱くなってきた!
どっちつかずが一つになってきた!
泣けた!
箱根駅伝…どの大学にも、どのランナーにもそれぞれの背景がある。
走りの裏にある背景を、アナウンサーから語られる背景を勝手に想像して膨らまして彼らが今どんな想いで走っているのか、どんな想いで給水を手にして走ってくる仲間を迎え入れようとしてるのか…考えただけで心がじ〜んとしてしまう。
まさに青春!
いや〜彼らからしてみたらたくさんの犠牲と引き換えに手にした特権でしょうから「青春」の一言で括ってしまうのはいけない気がします。
実際のランナー達はこちらの想像が追い付かないくらい過酷、挫折、苦しみ、痛み、悲しみ、嫉妬…それを全てチャラにしてくれる喜び、たくさんのたくさんの感情を乗り越えて走り続けたり、諦めたりしているのでしょうね。
本書を読む事でそんな彼らに少し寄り添えた気分になっています。
後ひと月の間に是非「タスキメシ箱根」読まなくては!
どんな時も食べるって大事ですね! -
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第二次世界大戦中の写真をAIを使ってカラー写真にした写真集、この写真集から様々な若者が繋がっていく。
日本が戦争していたことなど遠い昔のこととして捉えているであろう若者たち。
そんな若者たちに読んでほしい1冊だ。
モノクロでみている戦前の写真だからか、昭和の前半は暗い時代として捉えてしまっている。しかし、この時代だってちゃんと色があって笑顔ももちろんあったのだ。だからって平和ではなかったけど、人々は懸命に生きていたんだと改めて認識した。
歴史、特に国と国との争いの歴史はそれぞれの国によって見方は変わる。そのことをきちんと認識することが一番大切なのではないかと思う。
そして一方に偏ることのない理解ができる人間にならなければならないと思う。中々難しいけれど。
東日本大震災、LGBT、人種差別等々、様々な現在の問題も盛り込まれていて内容は盛り沢山だ。
だからこそ若者にも、そして色んな世代に読んでほしい。 -
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ネタバレ若いから、知らないから綺麗事で済ませて良いのか?
第二次世界大戦中のモノクロ写真をカラーにした本を中心に、それぞれの人達の視点からの戦争への想いを綴ったオムニバス短編集。
色々刺さりましたが、一番はラストの「remember」。
アメリカと日本のミックスの少年・レオ。親の仕事の都合で日本の高校へ編入したが、日本人は自己主張しすぎるのを嫌うから、おバカなフリをするってのは何となく解る気がしました。そして、原爆についてのアメリカと日本の解釈の違い。歴史はそれぞれの国の視点で大きく変わるってのも痛感させられました。
クラスメイトから浮いていた桜太は福島の原発によって移住した一人。その話もとても刺さるものがありました。
読み終えた後、ふと考えてしまう、そんな一冊でした。 -
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私がずっと大好きな脚本家に坂元裕二がいる。彼のドラマでずっとテーマになっているのは、「血がつながっていれば家族なのか?」ということ。血がつながっていても「家族」とは呼べない関係もあるし、血がつながっていなくても、たとえば一緒にご飯を食べた回数だけ、家族に近づいていくということもある。本著を読んで、改めてそれを考えさせられた。
読み始めはミステリー風味で、完全に癒しを求めて読み始めた私は、あれ、ちょっと違ったかな?と思ってしまったのだけれど、読み終えてみれば、まごうかたなき「家族小説」だったなと。
ちょうど休日のお昼ご飯に、『きのう何食べた?』のケンジの味噌ラーメン(サッ○ロ一番。野菜たっぷり!)を食べたあとに読んだのだが、この本を読むと今度は塩ラーメンが食べたくなる!
『泣いた赤鬼』をほんのり思い出したが、青鬼さんも幸せになれたようで嬉しかった。 -
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天才高校生作家としてデビューした小説家の忍が出会った競歩選手の八千代篤彦。小説家としてデビューしてから徐々に部数を減らし行き詰まっていた忍とオリンピックを目指しながらもタイムが出ない篤彦。お互いのなかに自分を見、共感するようになって協力していく二人。小説家を競歩を続けていく難しさや苦しさを認め合いながら、競歩を題材に小説を描く覚悟を決めた忍とその思いを知った篤彦の二人の気持ちが臨場感たっぷりに描かれている。競歩のルールや難しさ、面白さが忍と篤彦のやりとりから存分に伝わってくる。夢見たものとは違うところで始まったものがいつしかそれが夢そのものになっていて周りの人を巻き込んで大きな力になっていく過程にグッとくる。競歩選手の小林快さんの解説も素晴らしくて解説も含めてひとつの作品になっていると思う。
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「家族から離れる」事のお話
何とも説明がしにくいので、公式のあらすじを貼付
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美大合格を機に上京した友親に、やさしく接する先輩・若菜。しかし、二人はそれぞれに問題を抱えており――みずみずしい青春の日々。
恋をした。とても悲しい恋を。
美大に入学したての友親は、知り合った先輩の若菜と親交を深めるうちに、自らの中にある問題に向き合うことになる。一方、若菜も心に傷と秘密を抱えていて……。友親の前に現れた少女・恭子は何を知っているのか。かつての悲恋、家族との軋轢、才能への渇望と絶望――美大生たちがすごす、瑞々しくも痛切な日々を描いた、額賀澪の青春小説。
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子連れ同士の再婚でできた新しい家族って難しいでしょうねぇ
特に子の立場や新しい親との接し方とかね
新しい家族というイメージを皆が共有できればいいんでしょうけど
どんな年齢であれ、反発する気持ちや家族から距離を置く気持ちはあるだろうし
それを飲み込むかどうかも人それぞれ
私の実体験として
子連れのシングルマザーとの結婚で上手くいくかどうかは、子供がどうやってどこまで新しい環境を受け入れるかなんだと思う
この物語では二組の再婚家族が描かれているけれども
家族を統合しようとする子と離れようとする子どっちもいて
親目線としては自分の連れ子であれ相手のの連れ子であれ、子供の本心をちゃんと理解してあげなきゃいけないのでしょうね
でも、それが中々難しいんですよねぇ……
まぁ、私の場合は娘に助けられましたねぇ
そして今もね
ストーリーの本質は違うけど、設定のところどころに羽海野チカっぽさを感じる
美大、才能があって何故かお金を稼げるバイトをしている不思議な存在の先輩、母の再婚による義理の父親とのあれこれはハチミツとクローバー
義理姉とのあれこれは3月のライオン
あと、終盤の明石小夜子と対峙するところは、戸田誠司のマンガ「説得ゲーム」を思い出した
作中でも友親自信が自覚している通り、言葉が一般的な事ばかりで薄っぺらい
そんなんで説得されるかぁ?と思ってしまう
それに対して、若菜さんの行動がちょっとぞくっとした
この人ならそうするだろうなという感じと、あの言葉をかけるために三宅先生との設定があったんだなぁと思った
主人公の二人は家族との関係で悩み
一人はかけがえのない人に出会って失い、もう一人はそんな経験をした彼に出会う
涼もそんな誰かに出会えればよかったのでしょうけど
まぁ、あそこまでさせたのは友親が原因でもあるんですけどねー -
Posted by ブクログ
高校の吹奏楽部のお話
松本清張賞を受賞したくらいの作品なので、あらすじは割愛
ストーリーとしては、過去の自分からの脱却や失敗した事への悩みながらの再挑戦というのが描かれていて、青春小説としてはよく出来ている
まぁ、結末としてもリアルだしね
若い頃の人間関係の悩み
誰かの庇護下にいるからこその不安感、過去の失敗に囚われて自分の本心を出せない悩み、誰かを庇護することが自分の使命と思い込むとかね
文庫の表紙は明らかにラノベ風だし
読者の対象層としてはそっち向きの方が合ってると思う
吹奏楽ものとしては、上位の大会出場を目指す部活を取り扱った小説として、「吹部!」(赤澤竜也)、「ハルチカシリーズ」(初野晴)、アニメなら「響け! ユーフォニアム 」は履修済み
なので、東日本大会がどんな位置づけなのかとか、A部門とかB部門とかどの程度の難易度なのかという知識はあるつもり
ま、元々の知識がまったくないので何とも信頼性がないのだけれども、奇跡的な事が起こるわけでも偶然性が重なるわけでもなくリアル路線の展開ということでよいのではなかろうか
「あんた経験ないもんね。頑張って頑張って、汗水垂らして練習して、それでも思った通りにいかないなんて」
という言葉を読んではっとした
私自身も、涙がでるほど悔しがった経験ってこの歳まで生きてきてなかったかもと思い知らされる
もしできない事があったとしても、自分には「こんなものだ」とどこか諦めの感情を抱いていたように思える
うーん、私の向上心のなさはこんなところの起因するものなのでしょうねぇ
さて、「拝啓、本が売れません」で触れられていた「キャラが弱い」という件について
特にキャラが特別弱いとは思わなかった
主人公の二人、給前志音、日向寺大志に関しては、女性なのに一人称がおれだったり、人たらしのように思えるけれども気になる過去の失敗とか特徴はあると思う
でも、同じ吹奏楽部を取り扱った作品と比べると弱いかもとも思える
「吹部!」は先生の自由奔放さと独善的なところが面白いし、ハルチカシリーズは主人公どころか周囲のキャラまで特徴的だし、ユーフォニアムもメインの人たちはクセが強いなぁと思えるキャラだしね
それらに比べると、やはり弱いとも思うけど、その辺は作品としてリアリティのチューニングをリアル寄りにしているだけだとも思える
多分、「キャラが弱い」と感じるのは人物描写が少ないからではなかろうか?
名字なのか名前なのかわかりにくく、男女を間違えそうな人名だとか(特に土子先生)
容姿や各キャラクターの性格を想像できる描写が少ないように感じた
なので、追加情報があるたびにイメージしていた人物像がブレブレになっていった気がする
例えば、土子先生は最初はそこそこ若い女性だと思っていたけど、途中で男だとわかり、退職云々のあたりでは結構年上なのか?と疑問に思った
容姿の描写も殆どないので、わかりにくかったですね
本質ではない部分は読者の想像に委ねるという小説のテクニックがあるけど、最初にある程度の想像ができる情報は欲しいですね -
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「ヒトリコ」「さよならクリームソーダ」の額賀澪さんによる、出版業界と作家を巡るルポルタージュです。
読んでいて感じたのは、「おまけ」で著者自ら述べているのと同じく、「売れたい」という焦りが全面に出ているということ。目を爛々と輝かせ、作家として地に足をつけるべく、目標を立てて取材をする……そういう著者の姿が(見たこともないのに)目に浮かぶようでした。
内容で面白かったのは、装幀のところと書店のくだりでした。
確かに最近の本の装幀ってイラストが多くて鮮やかな、構図も工夫されているものが多いなー、とか、業界に関わった人しか知らない「プルーフ」にまつわる色々な話など、読んでいて楽しかったです。
作家志望もそうでない人も、さらっと読めて軽く楽しめる内容だと思います。 -
Posted by ブクログ
額賀澪さんの作品はかなり前に「ヒトリコ」を読んだことに引き続き、2作目です。
クリームソーダと聞いて思い浮かぶのは、個々人に差はあれど、丸いバニラアイスの乗った緑色のアレ、ではないでしょうか。見るも鮮やかでさわやかなあの佇まい。
しかし、本作に登場するのは同じクリームソーダでも、少し趣が違っています。
舞台となるのは、花房美術大学。通称ハナビ。登場するのは一人の新入生・友親と、その周囲を取り巻く面々。主に対比して描かれているのは、若菜という4年生の男子学生です。
あらすじを読んだ感じでは全く想像できないでしょう(実際、私もそうでした)が、私が読後に感じた本作のテーマは
・家族
・死
・偽り
・芸術を究める人たち
というものです。
末尾にある解説にもあるように、学問である「芸術」を究めようと門戸を叩き、その内側に入った人たちの壮絶かつコミカルな生活ぶりと、本作の二本の柱となる友親、若菜の二人の抱える問題について描いた本作は、目まぐるしいスピードで過ぎ去っていきます。
表紙の爽やかな装丁に惑わされてはいけません。
クリームソーダは『甘くて辛くて、少し苦い。そしてちょっと痛い』。青春の甘酸っぱさの裏には、どろどろとした蟠りや過ち、死に肉薄するような苦悩が秘められているのです。
青春小説なんだけど、大人もしっかり味わえるように作られている。
この作品はまるで、大人のプリンのようなほろ苦い味わいに仕上がっている、と感じました。(喫茶店の定番メニューにかけてみましたが、伝わったでしょうか……?)