額賀澪のレビュー一覧

  • ヒトリコ

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    「関わらなくてもいい人とは関わらない」というポリシーを曲げることなく、独りでいることを進んで選択できるヒトリコは強く、たくましいと思った。
    ただ、1日の大半を過ごす学校で誰にも頼れない辛さは相当なもの。例え孤独が苦にならない人間だとしても、何かあったときに頼れる友人の1人は作るべきだと感じた。

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    2022年03月20日
  • タスキメシ

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    額賀澪さんの描く、スポーツと料理を組み合わせた、青春小説。

    箱根駅伝の花の二区を走る大学三年生の春馬。
    彼を追うのは、かつての高校時代の先輩・助川、ライバル校の藤宮。

    駅伝のレースが進む傍ら、物語は4年前の過去へ。
    主人公は春馬の一つ上の兄、早馬へと移る。
    早馬は高校三年生。陸上部の長距離の期待されるランナーだったものの、右膝の怪我により、陸上部のサポートに回る。
    担任、稔の導きで、調理実習部の都と出会い、料理に没頭し始める。
    その様子を見ていて面白くないのは、弟であり次世代エースの春馬、そして同級生の助川。
    早馬はもう走らないのか?

    額賀澪さんを読むのは初。
    面白かった!イッキ読みして

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    2022年03月08日
  • 女ともだち

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    完全に個人的好みででいうと、前半の千早さんまではおもしろかった。
    (これは個人的趣味。女同士の業の深い話ばっかりが好みだったので、残りのお話は、結構すがすがしい話だったから)

    特にしょっぱなの村山さんの話は叙述トリック!という感じで「ぎゃー!そうだったのそういうことだったの騙された~~~~~!!!!」という、シンプルかつインパクトの強い驚きがあった。あれは絶対見破れない。

    坂井さんはやっぱり好きだ。前回BUTTERを読んだけど、短編の方が好きなのかも、と思った。坂井さんの短編があれば読んでみたい!

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    2022年03月01日
  • 転職の魔王様

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     労働観というものについてのクライアントの気づきと再生を描くヒューマンドラマ。
     プロローグとエピローグを除き5話からなる連作短編集。

          * * * * *

     『君たちに明日はない』 ( 垣根涼介 ) と比較して、テーマは対局にあるのですが、底に流れているものは近い作品でした。

     各話のクライアントたちへの転職についての助言を通し、彼らを「大人」としての自立や仕事に対するスタンスの確立へと導いていくとともに、見習い CA の千晴自身が業務を通して自立と再生を図るという二重構造の構成になっていました。

     設定がわかりやすく、軽めのタッチで読みやすいこともあって、まずまず楽し

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    2022年02月27日
  • 風は山から吹いている――Why climb mountains with me?

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     クライミングと向き合う男たちを描いた山岳ヒューマンミステリー。全5章とプロローグおよびエピローグからなる。
              ◇
     高校でスポーツクライミングのインターハイ選手だった筑波だが、ある理由から大学入学後は競技活動はせず、先輩とともに趣味程度の登山でお茶を濁す日々を送っていた。
     ある日、高校時代のコーチだった宝田が登山中に滑落死したと連絡があった。
     だが、まさに宝田が滑落したと推測される時間に、筑波の携帯には宝田からの着信があったのだ。
     はたして宝田の死は事故なのか、それとも自殺なのか。

          * * * * *
     
     額賀澪さんにしては珍しく、プロローグからミステ

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    2022年02月22日
  • 風は山から吹いている――Why climb mountains with me?

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    さらさらと、とても読みやすかった。
    青春山岳小説といった感じ。
    アスリートの引退後のセカンドキャリアについてもテーマの一つになっていて、興味深い。
    個人的には、元フィギュアスケート選手の町田樹さんが講演されているセカンドキャリア問題の本質の話なども思い出して、考えさせられた。
    作品の中の岳と穂高が、それぞれの痛みを抱えながら、良い関係になっていくのが心地良い。

    やっぱり山岳小説は好きだなぁ。
    「日常から離れることで自分にこびりついている余計なものを引き剥がしていくのが登山」「下山するときに引き剥がした余計なものを全部拾い集めて帰る」「そうやってまた日常に帰って行くんだよ」
    この辺りが印象的で

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    2022年02月20日
  • タスキメシ

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    長距離走をテーマにした物語はおもしろい!そこに料理がからんでくるわけだから、おもしろくないはずがない。長距離ランナーの孤独な心の内が、とても伝わってきます。

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    2022年01月25日
  • 転職の魔王様

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    終身雇用も今は昔。転職をする人も多くいる現代。足が不自由な凄腕キャリアカウンセラー、元エリート広告代理店社員の見習いキャリアカウンセラー。どこかに傷を抱えた求職者たち。連作短編集。今一度、仕事とキャリアについて考えさせられる本だった。実写化するなら魔王はなんとなく中村倫也かな。(別に好きなわけではないけど)※追記 魔王は成田凌でしたね!

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    2024年11月02日
  • ウズタマ

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    父が倒れた意識を失くしそこから自分と父の過去を調べ始めた周作。結婚を考えている紫織とその娘の真結とのこと、過去を遡り思い出す一人の男性のこと。それぞれとの付き合いの中で見つめる自分のことや家族の形。気負いや迷い、不安。それを軽くしてくれるのも家族。取るに足らないことから大きな出来事まで色々とあるけれどその都度支えてくれる人がいることは尊いし素敵。血のつながりとかそういうものを越えて家族になろうとする周作たちの希望が読み手にも届く。それにしても作中に出てくるウズラの卵ののったなんてことのないラーメンがとても美味しそう。

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    2022年01月12日
  • 風は山から吹いている――Why climb mountains with me?

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    ネタバレ

    スポーツ青春ものかと思いきや、アスリートの引退後のセカンドキャリアの難しさや、山岳小説、ミステリなどなど、色々な試みが詰め込まれていて楽しく読んだ。

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    2022年01月07日
  • 女ともだち

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    女性作家たちが描く、「女ともだち」のアンソロジー。
    やさしかったり、ヒリヒリしたり。離れたりくっついたり。女同士だから分かり合えること、女同士だから叶わないこと。

    どれも絶妙な距離感がたまらない作品ばかりだった。

    初めの2作はゾッとする感じ。

    額賀澪さんと嶋津輝さんは初めましてだったけど好きな感じだった〜‪

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    2021年12月17日
  • ウズタマ

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    母親は幼い頃に亡くなったということで、父子家庭として育った周作。28歳になり、結婚を目前に控えていたが、突然父親が脳梗塞で倒れた。今も昏睡状態だったが、倒れる前、父親から通帳を託されていた。誰から送金されたのか?不明のまま倒れたので、周作は父親について調べることにした。
    すると、25年前の傷害致死事件にたどり着いた。被害者は周作の母。犯人は母の不倫相手⁉︎病気で亡くなっていたと思ったのに母は殺されていた。
    衝撃の事実を知ることになった周作はその後も事件の真相を探っていく。そこで見えてくる本当の真実とは?加害者は今どうなっているのか?


    内容だけ見ていくと、ミステリー小説なのかなと思いましたが

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    2021年12月14日
  • 完パケ!

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    映像大学に通い映画監督を目指している安原と北川。卒業制作の映画を撮れるのは一人だけ。そこから始まる。お互いにないものを持っているもの同士。制作が始まり監督とプロデューサーという関係で撮り始める。撮影のひとつひとつへのこだわりとその先を見つめる二人の想いがとても良くて青春小説の面白さが存分に出ている。二人の友人として日々と、監督とプロデューサーとしての日々の葛藤。同じ目標を見つけた時の喜び。ラストまで構成が良くて一気読み。額賀さんの作品は初めて読んだけれど他の作品も読みたくなった。

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    2021年12月06日
  • 風は山から吹いている――Why climb mountains with me?

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    サラっと一気読み。ちょうど先月筑波山に登ったばかりなので、1章目から光景を思い浮かべて読んだ。「険しい山を何時間もかけて登って、日常から離れることで自分にこびりついてる余計なものを引き剥がしていくのが登山」という言葉が心に残った。

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    2021年11月29日
  • タスキメシ

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    「青春小説×スポーツ小説×食べ物小説」
    表題は「タスキメシ」。「メシ」と言うだけあって、ご飯の描写が美味しそう♪

    不安や葛藤、挫折、兄弟関係。苦しむ早馬にひょんなことから料理を教えることになった都との関係。早馬の復帰を心待にしているライバル校の藤宮や兄にあこがれる弟。
    いろんな立場の人、それぞれの思いがある。
    繊細な心理描写に感情移入して、登場人物と一緒に一喜一憂した。

    終盤の助川、春馬、藤宮が競い合うシーンでは胸がいっぱいになった。いいなぁ~、青春。
    爽やかな読後感で面白かったです。
    続編の「箱根編」も楽しみ♪
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    2021年11月19日
  • さよならクリームソーダ

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    ネタバレ

    私も母から「裁縫上手ね」と褒められて服飾専門に進んだ。ずっと服づくりしてきたから、この道に進むのが私のためであり親孝行でもあると信じていた。
    それが入学してから思い知った、自分にはなにもない、アイディアもないし情熱もない。才能なんか勿論ない。
    周りが輝いて見えて、自分なんかここに居ちゃいけない人間だろうと思えて毎日毎日苦しいだけだった。夢や目標ひとつも捻りだせぬまま4年通い卒業。全く関係のない業種に就いた。惨めで情けなくてしょうがない思い出。

    この物語の主人公が、そんな当時の私の気持ちを代弁してくれて少しだけ救われた気もする。
    正直いまだに引きずっていたし、自分だけが辛いと思っていたから。

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    2021年10月07日
  • 風は山から吹いている――Why climb mountains with me?

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    登山って、すごい浄化作用あるんだな。
    インドア派の私でさえ、
    ちょっと登ってみたいと思う。
    本当に登るのは…だけど。

    もう一つの話の軸は、
    スポーツに打ち込んだ人のセカンドキャリア。
    オリパラ終わった今、
    なんだか複雑な気持ちで読み終えた。

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    2021年09月06日
  • さよならクリームソーダ

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    美大で、自分を探す若い人たちの物語。

    圧倒的な才能をもち、人当たりもいい柚木若葉。
    頭もよく、見た目も整っている。
    入学し、彼と同じ寮に入った後輩の寺脇友親は、そんな彼にひきつけられながらも、違和感がぬぐえない。
    何か後ろ暗いバイトもしているようだ。

    友親も、家族の中で自分の位置を捕えかねている。
    母は再婚したばかり。
    義父、義姉と、何とかいい家族になろうと努めてきたが、義姉の手ひどい拒絶を受けた過去がある。

    若葉がなぜ今のような空虚を抱えることになったのか。
    若葉を追い回し、友親に接近してくる恭子は何者か。
    油絵科の先輩、明石小夜子は、高校まで輝かしい受賞歴を持つ実力者なのに、描けなく

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    2021年08月15日
  • 女ともだち

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    千早茜さんが書く小説が好きで買ってみたけど
    正しい女たちに出てくる読んだ事ある短編小説でした( ¨̮ )

    他の作家さんも面白いと思うのがあって
    他にも読んで見ようと思った。

    ゾッとしたりお前かーいて思ったりできて
    面白かったです。

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    2021年08月15日
  • 風は山から吹いている――Why climb mountains with me?

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    岳が抱える罪悪感に穂高と一緒に向き合うクライマックスが迫真。それぞれが自分だったら、と色々考えたラストでした。2人が登った山を読後に検索したら楽しさ倍増。装丁も内容と合ってて素敵すぎる!トロルの舌にも寄ったのかな。

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    2021年08月15日