額賀澪のレビュー一覧
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「ヒトリコ」「さよならクリームソーダ」の額賀澪さんによる、出版業界と作家を巡るルポルタージュです。
読んでいて感じたのは、「おまけ」で著者自ら述べているのと同じく、「売れたい」という焦りが全面に出ているということ。目を爛々と輝かせ、作家として地に足をつけるべく、目標を立てて取材をする……そういう著者の姿が(見たこともないのに)目に浮かぶようでした。
内容で面白かったのは、装幀のところと書店のくだりでした。
確かに最近の本の装幀ってイラストが多くて鮮やかな、構図も工夫されているものが多いなー、とか、業界に関わった人しか知らない「プルーフ」にまつわる色々な話など、読んでいて楽しかったです。
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額賀澪さんの作品はかなり前に「ヒトリコ」を読んだことに引き続き、2作目です。
クリームソーダと聞いて思い浮かぶのは、個々人に差はあれど、丸いバニラアイスの乗った緑色のアレ、ではないでしょうか。見るも鮮やかでさわやかなあの佇まい。
しかし、本作に登場するのは同じクリームソーダでも、少し趣が違っています。
舞台となるのは、花房美術大学。通称ハナビ。登場するのは一人の新入生・友親と、その周囲を取り巻く面々。主に対比して描かれているのは、若菜という4年生の男子学生です。
あらすじを読んだ感じでは全く想像できないでしょう(実際、私もそうでした)が、私が読後に感じた本作のテーマは
・家族
・死
・偽 -
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私のなかで、額賀さんといえば「青春小説」のイメージ♪
著者の作品は読後の爽快感がたまらない。
これまで見たことのある映画やドラマのメイキング映像が次々と思い出され、いろいろ想像しながら楽しく読みました。
短いワンカットにつぎこむ情熱と技術、時間、お金、制作に関わる人員も手間もすごい。
人付き合いが苦手で気持ちを言葉にするのに時間がかかる安原と要領のいい北川。対照的な二人が一緒に映画を撮ることになります。
お互いが自分にないものを相手に見つけ羨ましく思う。
家庭環境は全く違うけど好きなことに真っ直ぐに打ち込む姿は一緒で、悩みながら成長する二人の姿がとても良かった。
映画を撮る側、撮られる側の -
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『音だけでわかる。みんなが笑いながらそれぞれの楽器を演奏しているのが。音にそれが滲んでいる。音に一人ひとりの顔が見える』。
あなたは、何か楽器を演奏したことはあるでしょうか?小さい頃からピアノを習っていた方、バンドを組んでいた方、一方で小・中学校時代にリコーダーを吹いただけ…と人によって楽器に触れた経験はマチマチだと思います。そんな私は中学時代に吹奏楽部に所属していた過去を持ちます。”運動部”ではなく、”文化部”である吹奏楽部。当時、私の通った中学校では、圧倒的に”運動部”がメジャーだったこともあって、友達からも親からも、どうして吹奏楽部なんだとかなり詰られました。今となってはなんでそんな -
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ネタバレ読んでいて森絵都さん作の「カラフル」という作品を思い出した。
自らの魂が過去に戻りやり直すチャンスを得る。しかしそれは今まで自分が生きてきた人生の時間軸に影響はない。
「やり直し事業とか言ってたのに変えられないのか!」と主人公と一緒に苛立った部分もあったけど、確かに「未来を変えられるかも」とは言ってたけど「過去を変えられる」とは言ってなかったのよね。これはミスリードやったわ。
人生生きていく中でやり直したいって思うことは色々とあるだろう。
自分は部活での行動とか細々した事と学生時代恋愛とか位で、主人公の用に人生に影響する程度の事ではないのだけど、大小の差はあれどやり直しを願うのは誰もがあるは -
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額賀澪さんの描く、スポーツと料理を組み合わせた、青春小説。
箱根駅伝の花の二区を走る大学三年生の春馬。
彼を追うのは、かつての高校時代の先輩・助川、ライバル校の藤宮。
駅伝のレースが進む傍ら、物語は4年前の過去へ。
主人公は春馬の一つ上の兄、早馬へと移る。
早馬は高校三年生。陸上部の長距離の期待されるランナーだったものの、右膝の怪我により、陸上部のサポートに回る。
担任、稔の導きで、調理実習部の都と出会い、料理に没頭し始める。
その様子を見ていて面白くないのは、弟であり次世代エースの春馬、そして同級生の助川。
早馬はもう走らないのか?
額賀澪さんを読むのは初。
面白かった!イッキ読みして -
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労働観というものについてのクライアントの気づきと再生を描くヒューマンドラマ。
プロローグとエピローグを除き5話からなる連作短編集。
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『君たちに明日はない』 ( 垣根涼介 ) と比較して、テーマは対局にあるのですが、底に流れているものは近い作品でした。
各話のクライアントたちへの転職についての助言を通し、彼らを「大人」としての自立や仕事に対するスタンスの確立へと導いていくとともに、見習い CA の千晴自身が業務を通して自立と再生を図るという二重構造の構成になっていました。
設定がわかりやすく、軽めのタッチで読みやすいこともあって、まずまず楽し -
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クライミングと向き合う男たちを描いた山岳ヒューマンミステリー。全5章とプロローグおよびエピローグからなる。
◇
高校でスポーツクライミングのインターハイ選手だった筑波だが、ある理由から大学入学後は競技活動はせず、先輩とともに趣味程度の登山でお茶を濁す日々を送っていた。
ある日、高校時代のコーチだった宝田が登山中に滑落死したと連絡があった。
だが、まさに宝田が滑落したと推測される時間に、筑波の携帯には宝田からの着信があったのだ。
はたして宝田の死は事故なのか、それとも自殺なのか。
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額賀澪さんにしては珍しく、プロローグからミステ -
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さらさらと、とても読みやすかった。
青春山岳小説といった感じ。
アスリートの引退後のセカンドキャリアについてもテーマの一つになっていて、興味深い。
個人的には、元フィギュアスケート選手の町田樹さんが講演されているセカンドキャリア問題の本質の話なども思い出して、考えさせられた。
作品の中の岳と穂高が、それぞれの痛みを抱えながら、良い関係になっていくのが心地良い。
やっぱり山岳小説は好きだなぁ。
「日常から離れることで自分にこびりついている余計なものを引き剥がしていくのが登山」「下山するときに引き剥がした余計なものを全部拾い集めて帰る」「そうやってまた日常に帰って行くんだよ」
この辺りが印象的で -
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母親は幼い頃に亡くなったということで、父子家庭として育った周作。28歳になり、結婚を目前に控えていたが、突然父親が脳梗塞で倒れた。今も昏睡状態だったが、倒れる前、父親から通帳を託されていた。誰から送金されたのか?不明のまま倒れたので、周作は父親について調べることにした。
すると、25年前の傷害致死事件にたどり着いた。被害者は周作の母。犯人は母の不倫相手⁉︎病気で亡くなっていたと思ったのに母は殺されていた。
衝撃の事実を知ることになった周作はその後も事件の真相を探っていく。そこで見えてくる本当の真実とは?加害者は今どうなっているのか?
内容だけ見ていくと、ミステリー小説なのかなと思いましたが