額賀澪のレビュー一覧
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前作から、10年ぶりの復活となる本書は、創元推理文庫から2020年に発売された、「書き下ろし学園ミステリ・アンソロジー」の第二弾で、全て1990年代生まれの作家が書かれているのが特徴ですが、どちらかというと、その若さはあまり気にならず、バラエティに富んだ多種多様な作風を、一冊で体感できた喜びが強かったです。
武田綾乃 「その爪先を彩る赤」
演劇部の失くなった靴を捜索する話で、犯人や動機は分かりやすいものの、その後の探偵に絡む、謎解きの細やかな伏線が見事だと思いましたし、そこに潜んでいたのは、探偵と「僕」との間における、稀少な価値観の共有で、こうした自分を認めてくれるような喜びは、学園生活で -
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熱いです! 吹奏楽が熱い! 夢と希望に満ち溢れ、活力みなぎる若い時代‥そう、アオハルです! 大切な仲間と苦楽の時間を共有し、その初々しさが濃密に描かていて‥。そうです、青春は〝密〟なんです!(何処かで聞いたな)
受験、オーディション、家族‥、生徒も指導者も苦悩し葛藤しながら、進むべき道を自らに問い続ける物語です。こんなに大変でも、一途に困難に立ち向かう姿に感銘を受けます。一人一人の登場人物が生身の人として描かれ、それらの感情と奏でる音楽が絡み合い、共鳴・調和し、その響きが読み手に大きく伝わる描写です。まるで演奏後の拍手喝采のように、胸が打たれる読後感です。ブラボー! ぜひとも多くの中高生 -
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多分「タスキメシ五輪」が発売されたことをきっかけに平台にあった今作。
この前の作品の存在を知らずに、読んでしまったが、今作からでも十分に面白かった。
前作からの引き続きの登場人物であり、紫峰大学の駅伝部の栄養管理士兼コーチアシスタントの眞家早馬と、紫峰大学駅伝部主将の仙波千早の二人の目線で物語が描かれる。
箱根駅伝初出場を目指す千早たちと、怪我で思うようなランナー人生を送れなかった早馬が食事を通じて、本気で箱根駅伝を目指していく。
序盤は千早の早馬への得体の知れない悪意のようなものが理解出来なくて、イマイチかと思ったが、後半100ページ弱で描いた箱根駅伝の様子は圧巻だった。
他の駅伝小説よりも -
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息子が中学から駅伝をしていて、中3の時初めてレギュラーメンバーになり、地方大会で一位になり、コロナで全国大会が中止になった息子父です。
前作から、読んでますが、こんな素晴らしい作品に、コロナな話題を絡めないで欲しかった。
エンターテイメントとして楽しんで読んでいるし、素晴らしく楽しい作品なのに、新型コロナの話を終盤から匂わせ、エピローグで、主張しています。そんな事しなくても良くないですか?コロナでくじけた私達には、厳しすぎます。
エピローグさえなければ、一生大事にする本だと思いました。
作品に自信を持ってもらいたいです。時事問題とか絡めなくても、貴方の作品は素晴らしいと思います。
人生で一番泣 -
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一冊の本をもとに,それぞれの登場人物が,戦争について,どう考え,どう行動するかを考える連作小説。
第一話「きみがホロコーストを知った日へ」
第二話「戦略的保健室登校同盟」
第三話「平和教育の落ちこぼれ」
第四話「Remember」
作中作の『時をかける色彩』という,戦前戦時中のモノクロ写真をAIでカラー化するプロジェクトが組まれ,それを写真集化したものが出版された。
第一話では,主にカリスマ書店員の,第二話では保健室登校をする女子中学生二人の,第三話では広島出身のテレビディレクターの,第四話では日本の高校に転入してきた,アメリカ人と日本人のミックスの高校生の,それぞれの視点と -
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箱根駅伝までもう1ヶ月ちょっと!
毎年この時期が来ると三浦しをんさんの「風が強く吹いている」が読みたくなります。
…と今年は本書を見つけ、こんなの見つけちゃったら読まずにはいられないでしょ〜と即購入。
そっかそっか…タスキメシ!というくらいだからメシ主軸?と思わせる前半。
箱根を目指すランナーの熱い青春群像劇を想像していたので、あっ、思っていたのとちょっと違う…走りも料理もどっちつかずな感じが余計そんな思いに拍車をかけてしまったか?
いやいや…後半も後半、走りも料理もいい感じに熱くなってきた!
どっちつかずが一つになってきた!
泣けた!
箱根駅伝…どの大学にも、どのランナーにもそれぞれの背 -
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第二次世界大戦中の写真をAIを使ってカラー写真にした写真集、この写真集から様々な若者が繋がっていく。
日本が戦争していたことなど遠い昔のこととして捉えているであろう若者たち。
そんな若者たちに読んでほしい1冊だ。
モノクロでみている戦前の写真だからか、昭和の前半は暗い時代として捉えてしまっている。しかし、この時代だってちゃんと色があって笑顔ももちろんあったのだ。だからって平和ではなかったけど、人々は懸命に生きていたんだと改めて認識した。
歴史、特に国と国との争いの歴史はそれぞれの国によって見方は変わる。そのことをきちんと認識することが一番大切なのではないかと思う。
そして一方に偏ることのない理 -
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ネタバレ若いから、知らないから綺麗事で済ませて良いのか?
第二次世界大戦中のモノクロ写真をカラーにした本を中心に、それぞれの人達の視点からの戦争への想いを綴ったオムニバス短編集。
色々刺さりましたが、一番はラストの「remember」。
アメリカと日本のミックスの少年・レオ。親の仕事の都合で日本の高校へ編入したが、日本人は自己主張しすぎるのを嫌うから、おバカなフリをするってのは何となく解る気がしました。そして、原爆についてのアメリカと日本の解釈の違い。歴史はそれぞれの国の視点で大きく変わるってのも痛感させられました。
クラスメイトから浮いていた桜太は福島の原発によって移住した一人。 -
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私がずっと大好きな脚本家に坂元裕二がいる。彼のドラマでずっとテーマになっているのは、「血がつながっていれば家族なのか?」ということ。血がつながっていても「家族」とは呼べない関係もあるし、血がつながっていなくても、たとえば一緒にご飯を食べた回数だけ、家族に近づいていくということもある。本著を読んで、改めてそれを考えさせられた。
読み始めはミステリー風味で、完全に癒しを求めて読み始めた私は、あれ、ちょっと違ったかな?と思ってしまったのだけれど、読み終えてみれば、まごうかたなき「家族小説」だったなと。
ちょうど休日のお昼ご飯に、『きのう何食べた?』のケンジの味噌ラーメン(サッ○ロ一番。野菜たっぷり! -
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天才高校生作家としてデビューした小説家の忍が出会った競歩選手の八千代篤彦。小説家としてデビューしてから徐々に部数を減らし行き詰まっていた忍とオリンピックを目指しながらもタイムが出ない篤彦。お互いのなかに自分を見、共感するようになって協力していく二人。小説家を競歩を続けていく難しさや苦しさを認め合いながら、競歩を題材に小説を描く覚悟を決めた忍とその思いを知った篤彦の二人の気持ちが臨場感たっぷりに描かれている。競歩のルールや難しさ、面白さが忍と篤彦のやりとりから存分に伝わってくる。夢見たものとは違うところで始まったものがいつしかそれが夢そのものになっていて周りの人を巻き込んで大きな力になっていく過
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「家族から離れる」事のお話
何とも説明がしにくいので、公式のあらすじを貼付
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美大合格を機に上京した友親に、やさしく接する先輩・若菜。しかし、二人はそれぞれに問題を抱えており――みずみずしい青春の日々。
恋をした。とても悲しい恋を。
美大に入学したての友親は、知り合った先輩の若菜と親交を深めるうちに、自らの中にある問題に向き合うことになる。一方、若菜も心に傷と秘密を抱えていて……。友親の前に現れた少女・恭子は何を知っているのか。かつての悲恋、家族との軋轢、才能への渇望と絶望――美大生たちがすごす、瑞々しくも痛切な日々を描いた、額賀澪の青 -
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高校の吹奏楽部のお話
松本清張賞を受賞したくらいの作品なので、あらすじは割愛
ストーリーとしては、過去の自分からの脱却や失敗した事への悩みながらの再挑戦というのが描かれていて、青春小説としてはよく出来ている
まぁ、結末としてもリアルだしね
若い頃の人間関係の悩み
誰かの庇護下にいるからこその不安感、過去の失敗に囚われて自分の本心を出せない悩み、誰かを庇護することが自分の使命と思い込むとかね
文庫の表紙は明らかにラノベ風だし
読者の対象層としてはそっち向きの方が合ってると思う
吹奏楽ものとしては、上位の大会出場を目指す部活を取り扱った小説として、「吹部!」(赤澤竜也)、「ハルチカシリー