あらすじ
この会社で、この仕事で、この生き方のままで――いいんだろうか。若手注目作家が未来の見えない大人たちに捧ぐ、渾身のお仕事小説! 大学卒業後に入社した大手広告代理店でパワハラに遭い、三年たたずに退職してしまった未谷千晴。働く自信と希望をすっかり無くしてしまった千晴だが、どうにか「普通の大人」に戻りたいと、叔母が経営する人材紹介会社を活用しながら転職活動をすることに。彼女はその会社で、「転職の魔王様」という異名を持つ凄腕キャリアアドバイザー・来栖嵐と出会う。「仕事内容なんて何でもいいから、とにかく履歴書の空白期間を埋めたい。それが未谷さんのご希望ですか」面談初日から不躾な態度で接してくる来栖に、千晴は戸惑うが……。人気漫画家、おかざき真里氏、推薦!
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Posted by ブクログ
自分の選んだ仕事が必ずしも幸せに繋がるとは限らない。
子供の為、パートナーの為、親族の為、働く理由はそれぞれだけど皆、少しでも自分の望む環境で仕事をしたい。
転職エージェントは求職者の人生がより良いものになるように導くが、そこまでの道のりは決して簡単ではない。
しかし、彼らがいてくれるからこそ取捨選択が困難でより複雑化した今の時代では正しい選択ができるのかもしれない。
Posted by ブクログ
仕事環境について、“転職エージェント”視点で展開していくストーリー。
必ずどこかに自分も感じてる様なあるあるがある。
転職したり、しなかったりする登場人物達をみて、また「仕事、頑張るか。」と気負わずに思える。
Posted by ブクログ
大手の広告代理店で働いていた千晴だったが、過労で倒れて辞職した。そんな千晴に、叔母の経営する転職コンサルティング会社でアルバイトをしてみないかと誘われて…
ブラック企業で働いていたが故に人の顔色を伺う千晴にはズバズバと暴言に近い物言いの来栖の存在は本当に荒療治となったんだと思います。頑張って上司のご機嫌を取る事で自分の存在意義を取ろうとしてた千晴が切なかったです。
転職希望者にも色々いて、良い方向へ向かえて良かったです。来栖の神秘眼が冴え渡ってましたが、自分だったらこんなエージェントは御免ですがそれでも受かったから許す!ってのは言い得て妙でした。
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面白い!
それぞれの求職者の言い分や、未谷の広告代理店での働き方など・・・第2話の新人がいつも言い訳したりやりたがらない雑用を押し付けられるのでやるけどセレは全く評価されず目に見える表立った仕事の評価だけで納得のいく評価を得れず給与に反映されないところとかすーごくわかる!と思って読んでいた。第3話の営業職男性の、体育会系で細々セッティングしたことに対して上司は文句は言えど感謝や労いの言葉ひとつもないのも既視感。
一方で、シェパードキャリアやキャリアアドバイザーに対して、今後自分はどうすれば良いのか、どういうことが向いているのか人生の分岐点の「答え」が欲しくてくる人も現実多いと思う。
「必要とされる自分」を求職に求めるのは、「なりたい自分を考ず」という甘えで自分軸がないということ。
でも結局は自分で選んで自分で歩む道。
それにしても転職の魔王様の言い分は私に刺さる言葉も多く面白かった。
ただひとつ、未谷が叔母の経営するシェパードキャリアで仮雇いしてもらい、その間に転職先を考えてみる。で。結局、そのままシャパー度キャリアで正社員として働くことになるという流れは、プロローグで想像できる結末だった。仮期間にやりたいこと見つけてどこか等想像外の展開も期待していた。
Posted by ブクログ
転職を考えていたためなんとなく手に取って読んでみた。スラスラと読みやすい文章で、エージェントの裏側を知ることができ面白かった。失敗したから転職するのではなく自分自身をさらに幸せにするために転職する、という言葉にハッとさせられた。
Posted by ブクログ
初めての作家さん。
とても読みやすく、いくつかのエピソードで構成される形式。
終身雇用が当たり前でなくなった現代では、転職は人生の分岐点。
よりよい待遇を望む人、
今の仕事は向いていないんじゃないかと思う人、
経済的な部分を含めて将来に漠然とした不安がある人、
今の仕事で体を壊した人、
会社の人間関係に疲れている人、
1日でも早く別の仕事に就きたい人、
今すぐじゃなくてもいいけれど、なんかいいのがあれば変わりたいかもの人…。
いろんなタイプがあると思うけれど、共通しているのは些細なことも含めて
《現状に不安や違和感がある》ことだと思う。
とりあえず《幸せな毎日を送っている人》は転職なんて思いつかないもの。
どんな状況に置かれている人でも
自分で納得して自分で決める。
そういうことが大事だとこの物語は言っている。
そうだよ。そうなんだよ。分かってるけれどさ。
自分なんかでもいいと言ってくれる会社があればどこでも行きます。(=自分に自信がない。そうなのか。無意識だった。)
これ、自分もだけど結構そう考える人珍しくないんじゃないかと思ったり。
でも、失敗を糧にして次に行くとか、欠点を長所と捉えてみるとか、そういうことがやりやすい社会であってほしい。いろんな視点があるからね。
誰もが自分のために、自分のやりたいことを、自分で決断する。
そんな理想を現実にできる人が増えるといいな。
スーパーエリートの爽やかイケメンもいつ何が起こるか分からない。リタイアの年齢まで心身ともに安泰とは限らない。
来栖はすごい。
冷たいような淡々としているようなどこかしれっと暗い部分があるように描かれているけれど、実は思慮深くてあったかい人だ。
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今私自身転職活動中です。
どんな仕事に就こうか日々考えていたところこの本に出会いました。参考にはならないだろうと思い読み始めました。しかし仕事への考え方が少しだけ見つかった気がします。もう少し自分に自信を持って転職活動するべきではないかと考えを改められました。
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就職エージェント。来栖、末谷。
魔王と呼ばれ、末谷を一人前のエージェントに育てるストーリーが痛快であり、心が打たれた。
それぞれに問題を抱え、転職を希望し来栖、末谷の所へやってくる。アドバイスを求めるが、逆に魔王来栖が大人なのだから自分で決断しろと突き放す。
そのことで自分自身を振り返り、何がしたいのか?
どういう会社で何がしたいのかをそれぞれが考え悩み、再就職をする。
就職エージェントという職の深さを考えました。
Posted by ブクログ
ドラマがとても面白かったから読んでみた!
小説も面白かった!
『私の人生』を、好きだと思える、命を燃やせる仕事をしながら彩り豊かにしていきたいなぁとしみじみ感じた本でした。
なんか、明日からまた仕事がんばろーっと思えた!
Posted by ブクログ
転職エージェントのキャリアアドバイザーとして働く来栖嵐は、魔王様と呼ばれている。
------が、最後までこの「魔王様」がしっくりこなかったーっ!笑
そんなに魔王感あったかな???!
次はどんな転職希望者が来るのかな?と期待できて、内容は面白かった。
特に最後の松戸さんの話はよかったな。
でも、最後に進むにつれて来栖さんの人間味が強く出てくるから、さらに魔王感が消えたな…(笑)
タイトル&本の装丁と中身の印象が違うため、いい意味でギャップがある本でした。
Posted by ブクログ
自分の利益と自分が楽になること、を
仕事において考えないようにしようって
この仕事はじめてから何回も思ってるのに。
フィクションでも真っ直ぐな人間をみたら
自分の汚さを実感しちゃう。
まっすぐにやる、やったら良さそうなことはする!!これだけ?
Posted by ブクログ
転職エージェントと転職希望者の物語。
エージェントについてはほとんど知識がなかったので、面白かった。仕組みとか。転職についての話も。
今の仕事に満足していない私には、登場人物たちの言葉はいろいろ耳が痛いなぁ。でも転職限界年齢はとっくに超えてるしなぁ。超えた人がそれでも転職活動を頑張る話なんかも、読んでみたいな。
若い頃にこんなエージェントに出会っていたら、人生変わっていたかも。
でも魔王は怖すぎ。あんな言い方されたら他社使うよね。
Posted by ブクログ
テレビドラマ化されていた事には気が付きませんでしたが、たしかにテレビ映えしそうなストーリー展開だなと思います。
パワハラ上司のもと、身を粉にして働き続けて体を壊す、という主人公の境遇は、今でも「ありそう」というリアリティを感じさせます。広告代理店を辞めた彼女が叔母さんの警衛する転職エージェント会社で働き、そこで「魔王様」と呼ばれる上司に出合う、というあたりは小説らしい展開ですが、魔王様もその周囲の同僚たちも親近感を持ちやすいキャラクターとして描かれています。
転職をめぐる人間ドラマは、「働く」ということだけでなく、「どう生きるのか」ということを考えるきっかけにもなります。まだ若い社会人や、これから就職を考えてゆく大学生・高校生の方々にお勧めしたい一冊です。
すでに文庫化もされており、続編も発売されているようなので、第二巻も手に取ってみたいと思います。
Posted by ブクログ
理不尽な環境で働いている人達が1人でも少なくなるといいです。自分の仕事についても考えてしまった。「誰かに必要とされるから働くんじゃなくて、私がこの仕事を好きだなと思えたから、働き続けたいです」くー、こんなこと思えたら最高ですよね。程遠い…。続編も読みたいです。
Posted by ブクログ
額賀澪の転職の魔王様を読みました。
内容は、ドラマと同じで、同じ映画をもう一度観るような感じです。
ドラマの映像が、本を読んでいると甦ってきます。
ドラマを観てストーリーをしっているのですが、結構面白かったです。
他の作品も読んでみたいですね。
Posted by ブクログ
今どきの転職がテーマの話。
私達の若かった頃とは働き方がずいぶん、変わってきた。
正規で働くことが当たり前であり、生涯、同じ会社で働くことが当たり前だった。
転職エージェントなる職業があること自体、時代の変化を感じる。
来栖は敏腕転職エージェント、どこか冷めたところがある。杖をついていることからも何かありそう。
転職を希望してやってくるのは大企業だけどブラックな企業。そこで心を病みやっと異常に気づく人。
正義感が強すぎて会社を辞めざるを得ない人などなど。
しかし、世の中には正規の立場にもなれない人々も少なくない。
それを考えると転職を希望してやってくる人はまだ恵まれているのかも、なんて思ってしまった。
会社もお店も少しSNSの評価を参考にしてしまうなんて今どきの若者だ。
来栖の転職エージェントへの姿勢の根底にあるものが少し分かった気がするが、ちょっと態度と一致しないような、でもまあ面白かった。
Posted by ブクログ
転職エージェントのお話です。
このお話の中の転職希望者は、心身共に壊れる寸前まで自分を犠牲にして働いている人ばかり。
仕事とは何か?何のために働くのか?他人に評価してもらうために働くのか?誰かに必要としてもらいたいから働くのか?
個人的な話になりますが、体調を崩して2週間程仕事を休んだことがあります。でもどうしても締切日までにやらなけれないけない仕事があり、薬で症状を抑えつつ出勤した日に、夫に『仕事の代わりなんていくらでもいるんだよ。でも家族にとってのお前の代わりは誰もいないんだよ』とめっちゃ怒られました。その時のことを思い出しながらの読書になりました。実は言われた時は『私しか分からない仕事なんだよ!誰も代わってくれないんだよ!』なんて、ちょっとムッとしたりもしてたのですが、本書を読んで、あの時の夫の言葉はめちゃくちゃ真実だなぁと今更ながら実感してます。夫よ、なかなかいいこと言うじゃないか、と思ったのでした。ちょっとタイムラグはありましたが、気付かせてくれた「転職の魔王様」に感謝w
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まもなく(2023年7月)から成田凌、小芝風花らで連ドラとなるそうなので、読んでみた。読み物としては面白いが実写化で見ると、千晴にイラつくのが目に見えるようでドラマはパスかな。しかし、充て書きしたかのように配役がピッタシやわ。石田ゆり子も山口沙也加も。繰り返しになるが、読み物としては面白い
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広告代理店での激務に心身を壊し休職した主人公羊谷が、転職エージェントでキャリアアドバイザー「魔王様」こと来栖と出会い、来栖のもとでキャリアアドバイザー見習いをするお話。
主人公の広告代理店での上司が、◯通で過労自殺した東大卒の女性に起こった出来事の引用が多くてね(広告代理店って時点で少し予想はついたけどさ)。
仕事は死んでも離すな!とか、オリジナルで言える人間がそう何人もいてはたまらない。
なので、この本、最初の印象は良くなかった…。
人によってはフラッシュバックするようなセリフを、そのまま引用しちゃうの…?って。私も、あの件を思い出して苦しくなっちゃったし。
でも、読み進めたらなかなか良いなって思うような、転職というより「学生シューカツ」の真理だなと思えるような、共感できる記述が結構あった。
体育会系の爽やかでやる気のある若者を演じて就職した会社では、そのキャラを演じ続けるのがつらくない。
一箇所に3年も勤められない人間はどこでも通用しないという言葉の呪い。
じゃあ3年勤めたらその先どーなるの。
これらは、若者仕事あるあるなんじゃなかろうか??
シューカツ面接ではなくても、面接で取り繕ってしまった過去は誰しもあるだろう。わたしもある。
そういう人には、響くものがあると思う。
来栖さんの過去にさほど興味をもてなかった私は、後半2作はちょっと蛇足が多く感じてしまったけどな。
装画はおかざきまりさん。
表紙は多分、主人公羊谷。
で、裏表紙の白髪のセクシーイケメンは、魔王様こと来栖?
来栖さんはこんなセクシーイケメンですか?!
読んでる限り、もうちょいクールで神経質なところのある人なのかな?と思ったんだけど。
裏表紙見るたびになんとなく恥ずかしくなってしまう…そんな裏表紙。
Posted by ブクログ
ちょうど転職を終え、人材業界へ転身したので勉強のために読みました。
自分の人生は自分の頭で考え、決断する。
エージェントはその決断のサポートをする仕事であること。
その他、人材業界で働く上で大事な言葉を多く知る機会になりました。
Posted by ブクログ
労働観というものについてのクライアントの気づきと再生を描くヒューマンドラマ。
プロローグとエピローグを除き5話からなる連作短編集。
* * * * *
『君たちに明日はない』 ( 垣根涼介 ) と比較して、テーマは対局にあるのですが、底に流れているものは近い作品でした。
各話のクライアントたちへの転職についての助言を通し、彼らを「大人」としての自立や仕事に対するスタンスの確立へと導いていくとともに、見習い CA の千晴自身が業務を通して自立と再生を図るという二重構造の構成になっていました。
設定がわかりやすく、軽めのタッチで読みやすいこともあって、まずまず楽しめる作品でした。NHKの夜ドラ向きだと思います。
Posted by ブクログ
終身雇用も今は昔。転職をする人も多くいる現代。足が不自由な凄腕キャリアカウンセラー、元エリート広告代理店社員の見習いキャリアカウンセラー。どこかに傷を抱えた求職者たち。連作短編集。今一度、仕事とキャリアについて考えさせられる本だった。実写化するなら魔王はなんとなく中村倫也かな。(別に好きなわけではないけど)※追記 魔王は成田凌でしたね!
Posted by ブクログ
仕事とは何か?を深く考えさせられる話だった。
転職先を斡旋する会社で働く人たちの話。
人が転職しようと思う時、ふと立ち止まって今までの自分自身をみつめなおす。生き方やこれからの未来。
自分の働き方は正しい?しんどい?どうしたい?
それを自分自身で答えを出せるよう導いていく魔王様。私自身の日常もいろいろ見直すきっかけになりそう。
Posted by ブクログ
パワハラで仕事を辞めた社畜の主人公がキャリアアドバイザーの仕事に関わる中で、転職とは、働くとは何かを知っていく物語。
来栖の厳しくも的確な言葉やそれぞれの求職者の選択を通して、私自身が自分のことを自分で決められているのかなとか、どう生きたいかに真剣かなとか色んなことを考えた。
☆3.7
Posted by ブクログ
テレビドラマを観ていたのでドラマは原作とかなり同じ内容で作られていると思う。額賀さんのお話しは好きです。
頑張ってる全ての人にエールを送りたくなる。
仕事とか転職とか本当に難しいし、大変!幸せな選択ができるように考えていかないといけないなぁと思う。