額賀澪のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
積読してた本を片っ端から読もうシリーズ34冊目。
久しぶりの額賀澪さんの作品。
テーマが良かった!
とある小さな島で受け継がれていく伝統や文化。
伝統を大事にし古い考え方に囚われがちな世代と、
伝統のこれからの在り方や意味に疑問を持ちながらも
しっかりと向き合い自分たちなりの答えを出そうとする若い世代。
世代間の価値観の違いや
親と子の間で交わされるやり取りは、
きっと本書のテーマになったような特殊な伝統だけではなく
深冬の家業の農家のように様々なところで起きていることだと思う。
けれど、ありきたりなテーマでそれを語られたら
多分印象には残らない話になっていた。
この独特な世界観が良かった -
Posted by ブクログ
兄 眞家早馬は高校陸上部の長距離走トップ選手だったが、膝の故障のリハビリ中に生物教師の担任の差し金で料理研究部の井坂都と出会う。
怪我を理由に陸上から離れようとする早馬は都に料理を教えてもらうことで心の穴を埋めようとしていた。同じく長距離走選手の早馬の弟の春馬はそんな兄を見て苛立っていた。そして早馬と同級生で陸上部キャプテンの助川亮介も早馬がランナーとして戻ってくることを願っていた。
都との料理を通じて少しずつ自分を受け入れていく早馬。都も早馬と一緒に料理を作ることで自分の心を安定させていた。
早馬が陸上を離れる本当の理由、そして兄の怪我を自分のせいだと思い詰める春馬、仲間として友として早馬の -
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2作目の「タスキメシ 箱根」を読んでから、この本を読んだので、個人的には眞家早馬の過去編という感覚で読んでいました。
陸上の駅伝を舞台にした物語ですが、走っているシーンはそんなになく、ダイジェストのようにサラッと流れていました。それよりも青年たちの心の動きを中心に描かれていました。読んでいて、青春だなあと終始思っていました。
怪我をした時、将来進もうと思っていた道が断たれたと思った時、自分だったら、どう判断するのか。
主人公の心情が、読んでいて辛かったです。表面では、こう決断したんだと明るく振る舞っていますが、心の中では、複雑な思いが入り混じっていて、何かを諦めた時の自分と重なりました。
てっ -
Posted by ブクログ
読み終わって、とってもさわやかな気分になった。
後味最高です。
大農家の一人娘、いずれは家業を継ぐように言い聞かせられて育ち、そんな親の考えに反発する深冬。
島の伝統のお祭りで神女になる権利を得るため、島を一歩も出ては行けないという決まりを頑なに守り続ける柑奈。
ある意味似たような環境だけど考え方が全然違う2人は、ケンカばっかり。
島で育った優弥、渚、憲兄ちゃん、どの人物も好感が持てて、その関係性も微笑ましい。
深冬は失恋したけど、素敵な島で素敵な仲間たちと出会い、忘れられない夏になっただろうな。
こんなに色んな意味で強烈な夏を経験したら、『夏なんてもういらない』って思えるのかもなぁ -
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もういらないというタイトルと帯に一生に一度の大失恋なんて書いてあるから、ネガティブな話なのかと思ったが、素晴らしい夏だったという話にわたしは感じた。
ただの恋愛小説ではない。
神、伝統、変えられないもどかしさ、逃げ出したい気持ち、変わらない人々、変わる人、人間関係。
正直恋愛は脇役だと思った。昔から受け継がれる伝統を通して、自分はどう受け止め変わっていくのか。はたまた変わらないのか。
深冬の、親への感情や好きな人への気持ち、好きな人が第一で祭りとかどうでもいい、好きな人と一緒にいたい知りたいって思いはめちゃくちゃ理解できました。
恋愛としては成就しなかったけど、みんな一歩前に進めたのでス -
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ネタバレ*村山由佳、坂井希久子、千早茜、大崎梢、額賀澪、阿川佐和子、嶋津輝、森絵都―当代きっての人気女性作家8人が「女ともだち」をテーマに豪華競作!「彼女」は敵か味方か…微妙であやうい女性同士の関係を、小説の名手たちが描きだす逸品ぞろいの短編小説集。コワくてせつなくて愛しい物語の世界をぜひご堪能ください*
前半は女同士の執着や束縛が続くありがちな展開でしたが、後半は力量のある作家さんの本領発揮で、一味違う物語を堪能しました。
特に気に入ったのは、森絵都さんの「獣の夜」。最初はハラハラしたものの、パプリカで大笑い出来る、いつでもあの頃に戻っていける、これこそが女の友情の真骨頂ですね。でも、これはひと歳 -
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いじめられてから後、一人でいる事を決めてそれを押しとおす。なかなか無い事と思う人もいるでしょうが、僕にはこの気持ち痛い程分かります。いじめの言葉や村八分の空気を全て無視し、実害があるような事が有れば徹底的に抗戦する。彼女とは違いますがそういう風に一人でいる事を主体的に選んだ時、最終的には自分の周りに出来るエアポケットのような孤独です。いじめというのは相手がやり返してこない事を前提にしているので、相手が弱くないと分かった時点で居ない物のように扱われます。気楽ではありますが、心がじくじく血を流すような寂しさがありました。
このような本を書けるという事は額賀さんもあまり楽しくない青春を送って来たので -
Posted by ブクログ
ネタバレ君はレフリィを読んで感動したのと小説の書き方を知りたくて読んだ。まぁ、世知辛い。作家になるには独りよがりな文章を排し、読者に伝える情報を焦点を絞って客観的に書かないとならない。エンタメ小説においては説明的であってもならない。自分はどうも説明に逃げてしまうのとテーマから物語を創造してしまうため、小説は向いてないんじゃないかと自信を失くしました。
小説家として生き残るには、読者に最小限の表現で舞台を立ち上がらせ、脳内に吹き込む言葉の的を絞り、読者と架空のコミュニケーションを取らないとならないと感じた。ビジネスマンのような感覚を持つ作家が現代作家に求められている資質なのではないかと身につまされた。