額賀澪のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
今どきの転職がテーマの話。
私達の若かった頃とは働き方がずいぶん、変わってきた。
正規で働くことが当たり前であり、生涯、同じ会社で働くことが当たり前だった。
転職エージェントなる職業があること自体、時代の変化を感じる。
来栖は敏腕転職エージェント、どこか冷めたところがある。杖をついていることからも何かありそう。
転職を希望してやってくるのは大企業だけどブラックな企業。そこで心を病みやっと異常に気づく人。
正義感が強すぎて会社を辞めざるを得ない人などなど。
しかし、世の中には正規の立場にもなれない人々も少なくない。
それを考えると転職を希望してやってくる人はまだ恵まれているのかも、なんて思って -
Posted by ブクログ
社会人の青春小説という感じで面白くよみやすかった。
仕事の挫折やできる人との差、それらにぶち当たる主人公が描かれている。
主な主人公は2人。
恋愛が「できない男」と覚悟が「できない男」。
2人ともそれぞれの「できない」を背負っているのだけど、共通点がある。
それはその「できない」の目的語を、他からの影響によってできるようになるのを待っているように感じるところだ。
要するに「できる/できない」というのは本人の考え方でそれ以前に自分たちがそれに向かって「やる」と決めきれないでいるということだ。
そこに気がつくまでがこの本の醍醐味であると思うが、そこはなんとなくリアルに感じて素敵だった。 -
Posted by ブクログ
転職エージェントのお話です。
このお話の中の転職希望者は、心身共に壊れる寸前まで自分を犠牲にして働いている人ばかり。
仕事とは何か?何のために働くのか?他人に評価してもらうために働くのか?誰かに必要としてもらいたいから働くのか?
個人的な話になりますが、体調を崩して2週間程仕事を休んだことがあります。でもどうしても締切日までにやらなけれないけない仕事があり、薬で症状を抑えつつ出勤した日に、夫に『仕事の代わりなんていくらでもいるんだよ。でも家族にとってのお前の代わりは誰もいないんだよ』とめっちゃ怒られました。その時のことを思い出しながらの読書になりました。実は言われた時は『私しか分からない仕事 -
Posted by ブクログ
ネタバレ女性作家8人による、「女ともだち」がテーマのアンソロジー。
うむむむ、女の友情はもろいというけれど、こんなにすごぉ〜く気持ち悪くて、べとっとするものばかりだろうか…
相手と『同じ』を競うような構図が、いくつもの作品に…あー、たしかに、『おそろい』スキだよなぁ…トイレ一緒に行ったりしてるよなぁ…
いやはや。下手なホラーより怖い。
どれも面白かった。
その中で、「ブータンの歌」は、くすっと笑えて、阿川佐和子さんらしい軽やかさだった。
「ラインのふたり」嶋津輝さんは初読。ちょっと山本文緒さんのような奇妙な迫力。
他の作品も読んでみたい。
「獣の夜」森絵都さん、爽やかな作品しか読んだことがな -
Posted by ブクログ
ネタバレ元吹奏楽部員ということもあり、すごく楽しめた。
席を変えて、暗闇で、そんな合奏やってみたいな。そこまで打ち込めてはいなかったけど。
単純に熱血部活もの!ではなく、拘束時間、将来、オーディション、大会……。取り巻く環境や問題についても触れているところがよかったです。
基と瑛太郎の二人の主人公、どちらの葛藤もいい。特に、瑛太郎がいい。大切だったあの時間を悔やんでしまうことがないなんて言えない。だからこそ、そうなってほしくない。最後に決めるのは自分だけど、無責任なことを言わず一つ一つ選びながら声を掛けるのがいい。
1年生を部長に大抜擢、その奮闘ぶりがもっと見たかったな。