額賀澪のレビュー一覧

  • 天才望遠鏡

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    人は一定以上の才能を持つ人を天才と呼び自分とは違うもの、時には神のように称えるが、
    その一握りの天才もまた人であり、色々なことに悩んだり、偶像化される事に苦悩したりするのだ。
    そんな一般人には遠い世界で活躍する(していく、していた)天才たちをタイトル通り、望遠鏡で覗き込むように描いている素敵な作品。

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    2025年10月13日
  • ほろよい読書

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    ネタバレ

    ほっこりするお話の短編集だった。
    それぞれ、
    お酒にまつわる話で、ついお酒を手を伸ばしたお話もあった。
    特に、柚木麻子さんの「bar きりん組」は、面白いし、まるで自分もZoom飲み会に参加してる気がして、それぞれの飲み方を(カクテル)を真似して飲みたくなってしまった。
    翌日には、ガリガリ君のサイダーとコーラ味も購入して割ってみたり…。
    (サイダー味のほうが好きで、コーラ味を何十年かぶりに買った気がする。)
    どれも食やお酒に関しての美味しいお話だった。

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    2025年10月08日
  • 願わくば海の底で

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    東日本大震災を題材にしたもの。当事者ではないが、すごく胸に響くお話だった。行方不明の方に対してどこかで区切りを付けないといけない、というのはとても共感する。また、死亡届を出しても99%しか受け入れられていない、本には99%と書かれてあったが、人によっては80%だったりもっと低かったりするのだろうなと思う。私自身は姉を病気で亡くし、姉の亡骸を見て火葬もしたが、同じような感覚でいる。まだどこかで生きているような、生きていてほしいような、真の意味でまだ姉の死を受け入れられていないんだなと、この本を読んで改めて感じた。「願わくば海の底で」読後は胸を締め付けられるが、良い書名だと感じた。いつか震災跡地を

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    2025年10月05日
  • 天才望遠鏡

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    短編が5つ。
    「エスペランサの子供たち」は続きを知りたくなった。
    周囲との関係性の中で天才や才能に向き合うストーリー。

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    2025年09月30日
  • タスキメシ

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    眞家早馬は膝の怪我をきっかけにアスリートの限界を感じる。そこで教師の稔の畑の収穫をきっかけに調理実習部の唯一の部員、井坂都に料理の世界に目覚め、スポーツ栄養士を目指そうとするが、部員も助川と弟の春馬は引退に納得せず、慰留に努める
    そして都大路を目指すため茨城県大会で優勝を目指す
    そこに立ち憚るのはライバル藤宮
    友情、兄弟愛
    早馬はどんな答えを出すのか?

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    2025年09月29日
  • 天才望遠鏡

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    「天才」と呼ばれる人たちの輝かしい活躍ではなく、プロとしての人生を終えようとしている、またはこれから挑もうとしている様子を、遠くから眺めているようでした。
    「始まり」があれば「終わり」がある。
    天才と、側でその軌跡を眺めてきた人たちを描いたストーリー。

    スポーツカメラマンから始まり、フィギュアスケーター、棋士、歌のオーディションに挑戦する少年、陸上選手、小説家。

    華々しい活躍の裏にある厳しい世界に触れながら、天才と、その活躍と奮闘を側で見守ってきた人たちの胸の内を感じさせてくれました。

    お気に入りは、
    棋士を描いた「星の盤側」
    フィギュアスケーターを描いた「妖精の引き際」

    無料塾に通う

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    2025年09月27日
  • 願わくば海の底で

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     人が日頃感じている生きづらさ、突然の災害が人に与える苦しみ。これらを背景に、本人以外の周囲が語り手となって、多角的に本人の人物像を浮かび上がらせていきます。明らかにミステリーの範疇を超越し、胸に響く慈しみと祈りの物語でした。

     2020年、5人の作家による学園ミステリ・アンソロジー『放課後探偵団2』が10年ぶりに刊行。この中に、額賀澪さんの「願わくば海の底で」が収録されていたとのこと。もともと学園ミステリーだったのですね。
     本作は、上記既出作を改稿して第5話とし、印象的な男子生徒を強調して取り上げ、彼とつながりのある人物たちとのエピソードを第1〜4話・最終話として書き下ろして補完されてい

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    2025年09月25日
  • 読書感想文が終わらない!

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    共感できない賛成できないことがあっても良いのだ。あらすじではなく、自分がどう思ったかを語るのが楽しいんだから!

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    2025年09月24日
  • 風に恋う

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    「風に恋う」というタイトルに惹かれ、少年がサックスを吹く表紙を見て、購入を即決した本書。作者さんのお名前を拝見して、「タスキメシ」や「さよならクリームソーダ」の方だと気がつき、物語への期待が高まる中読み進めた。

    熱い、厚い、篤い。
    高校生らしい燃え上がるような青春の物語。吹奏楽というハードな部活に、将来の進路に向けた勉強に。ただ部活だけに向き合うのではなく、未来から振り返っても部活をやっていなかったら…と後悔しないように、真剣に日々向き合っていく。
    出てくる人々に血が通っていて、飾り立てない等身大の自分と向き合って、仲間とぶつかりあって重厚な、それでいて爽快な音を奏でている。
    そして、様々な

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    2025年09月20日
  • ウズタマ

    匿名

    購入済み

    複雑なストーリーでした。父が倒れてから自分の生い立ちを探り、とんでもない事件にいき当たる。血縁者が誰1人いないのは想像以上に孤独なんだと感じました。血が繋がっていても、関わりがなく孤独な人も沢山いるが、こんな人が自分の身内にはいるんだと知ってる事と全く知らない事では孤独の感じ方も違うのかもしれない。優しい人が多くて、それぞれ悲しみを抱えている。何が正しかったのかは、わからないが、彼らが幸せであってほしい。

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    2025年09月15日
  • モノクロの夏に帰る

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    額賀さんの本をずっと読んでみたいと思いつつ、
    タイミングを逃し続けていましたが、
    お盆に行った書店で新刊を見つけ手に取りました。
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    戦後80年。
    近い将来戦争を経験している人が
    いなくなる日本で
    若い僕達に何ができるのだろう。

    古い1枚の写真が
    色づくことで
    世界の見え方が変わる

    一歩踏み出す勇気を
    与えてくれる
    感動の青春小説!
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    本作はずっと読みかけになっていて、
    通勤中に読んでたんですが、なかなか手が進まず。

    暑くて電車通勤も辛くて、
    本を読める余

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    2025年09月15日
  • 願わくば海の底で

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    すごく切ない。
    実際のあの日にもこんな事があったのかもしれない。

    彼はもうこの世にいないのに、彼について詳しくなっていく。

    こんな弔いは切なすぎるけれど、こうやって皆んなの記憶に残り時折思い出してもらえるのは幸せなことだな。と思いました。
    けどやっぱり生きててほしかったな。

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    2025年09月14日
  • 天才望遠鏡

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    今まで会った人の中で「これは天才だ!」と思った人が一人だけいる。
    本人は無自覚な感じだったけど、周りの人はみんなそう思っていたはず。
    久しぶりにその人のことを思い出してしまった。
    凡人から見ると、才能溢れる人のことはただただ羨ましいけど、天才故の苦悩や葛藤があるんだろうな。そして、天才の近くにいる人も違った苦しみがある。
    5つの短編全てに切なさが感じられて、どれも好みのだった。特に好きなのは「エスペランサの子供たち」。
    10周年記念に相応しい素敵な物語。

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    2025年09月11日
  • 天才望遠鏡

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    それでも人は前に進まなきゃいけないんですね。今日はもう前に進みたくない気分でいっぱいですが、この登場人物たちのように頑張っていけるといいな。翔琉とズットカケルのお話が一番好きです。可能性や希望がある。そして馬の癒しの力を感じる。癒しが欲しいと心から思いました。それでも明日からも頑張らないと。

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    2025年09月10日
  • 天才望遠鏡

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    “天才”を軸に、その周辺の人々を描いた5篇を収録した連作短篇集。初出は4篇がオール讀物で、最終話は書き下ろしだ。タイトルは駄洒落のようだがちゃんと意味がある。
    5篇にはそれぞれ活躍するジャンルの異なる天才が登場するが、彼らは頂点を掴み取った者ばかりではない。挫折した者、上りつめたあと落ちた者、現在進行中の者などそれぞれだ。彼らの心の声を直接書かずに周辺の人々に語らせる。うまいなと唸った。
    天才という言葉は好きではない。なんの努力もせずに結果を出していると思わせてしまうからだ。エジソンの名言を思い出す。

    額賀さん、デビュー10周年おめでとうございます。

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    2025年09月04日
  • 読書感想文が終わらない!

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    もう若干年長向けの作者というイメージでしたが、小学校高学年から中学生対象くらいで非常にうまくできた作でした。1話1話もさわやかだし趣向もあり、長く広く読まれるタイプの名作になると思います。個人的には読書の感想に己の内面の振り返りは求めてないんだけど。

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    2025年08月31日
  • 天才望遠鏡

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     「同じ姿形をしているのに、到底、同じ生き物ではない。そういう人間を凡人と区別するのに、「天才」という言葉がある。天から才を与えられたとしか、言いようがない。」
     スポーツカメラマンの多々良 智司(たたら さとし)(30歳)は、陸上男子100メートル決勝を走り切った優勝選手を見ながら思います。

     そんな「天才」と言われるスポーツ選手たちの輝く一瞬をカメラに収めて、スポーツ雑誌「ゴールドスピリッツ」の表紙を飾ってきた多々良は、ある日、編集部に呼ばれます。そこには新しく(同誌史上初の女性)編集長になった小倉 香菜(おぐら かな)が待っていました。
     
     彼女は、多々良に新しい仕事を依頼します。

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    2025年08月31日
  • 天才望遠鏡

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    世間に見つかる前の、すでに注目の的になっている、翳りを見せはじめた、過去の人と扱われる、でも誰かにとっての天才たちの短編集

    『星の盤側』…将棋
    『妖精の引き際』…フィギュアスケート
    『エスペランサの子供たち』…歌
    『カケルの蹄音』…陸上と乗馬
    『星原の観測者』…小説

    短編集だけど作中通して登場する多々良さん。
    きっと素敵な写真を撮るんだろうなぁ。
    光の大きさに違いはあれど、みんなキラキラしていて素敵な作品でした。

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    2025年08月28日
  • 天才望遠鏡

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    将棋、フィギュアスケート、歌手、陸上、小説家···それぞれ天才と言われる人がいて、脚光を浴びています。その才能が花開いた後も、しっかりと見ていてくれる人がいることに、色々な想いを感じる連作短編集でした。タイトルの『天才望遠鏡』という言葉が、ぴったりでした。

    【星の盤側】
    藤井聡太を上回る天才少年と、かつての天才少年の対局を、プロカメラマンの目からみての思いが語られていました。彼が願うことを思う人は、きっと多いと思いました。もう少し長編で読みたいと思わせてくれました。

    【妖精の引き際】
    オリンピックで金メダルをとったフィギュアスケーターの女の子への幼馴染みの思いが書かれていました。前述のカメ

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    2025年08月25日
  • 天才望遠鏡

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    いろんな分野で「天才」と呼ばれた人、そのピークを過ぎた人、そしてそんな彼らを観測し続けた人たち描いた連作短編集。どの話も完成度が高くて、すごく面白かった。
    「才能を持った人間をきちんと育む親や環境が、その人を天才にするの。」という一文が特に心に響いた。才能を持った人を取り巻く環境は大切だと思った。
    一番好きなのはラストの「星原の観測者」。カメラマン・多々良のことも、もっと知りたくなった。世代を問わず楽しめる作品だと思う。

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    2025年08月25日