額賀澪のレビュー一覧
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ネタバレ
この本を通して、作者が伝えたいことを私なりに解釈したつもりだが、自分の性格上、ネガティブな感情に支配されやすいので、ネガティブな感情は無い方が、生きやすいんだろうと、なお感じた。
ただ、他者には、人間らしさを求めてしまっている。
感情に揺らぎがない人って、京香が沖晴に最初に感じたように不気味だし、なんとなく安心感ない。
私自身、怒りや悲しみ、苦しみといった感情を他者に曝け出すのが苦手で、人間らしいというより人間臭いなと思ってしまうので、よくその感情を自分の中に留めておくことが多いが、私が他者に人間らしさを求めるように、他者も私に人間らしさを求めているのかもしれない。
京香を思い続けなが -
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自分もフミちゃん流の書き方で感想文を書いてみたかったかも。毎年書いてただろうに自分がなんの本でどんな感想文を書いてたかなんて全然覚えてない。夏休みの宿題なんて全部、面倒なことぐらいにしか思ってなかっただろうし。
どの章も良かったけど、受験する子の考え方が気に食わなくて、この子みたいに子どもたちがどんどん効率主義に毒されていく社会になったら嫌だなと思った。でもそれって、こちらが勝手に思い描いてる子ども像と合わないからって勝手に寂しがってるだけなのかもね。それに読んでいくうちに自分にも思いあたる節が結構あって、なんだかんだで一番感情移入していたかも知れない。
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ネタバレ舞台が学生の卒業演奏会で高校の卒業演奏会では6人が殺人事件に関わり、四年後の大学の卒業演奏会で4人が殺人事件に関わるといった芸術を伴った青春ミステリーでした。才能・嫉妬・友情がまさに事件に絡みあっていくところが面白かったです。
自分もピアノを習っていたこともあって小さなコンクールに出た経験はあるからなんとなくわかるんですが、ピアニストやその他の音楽家、さらに言うと芸術家という人たちの性格は「負けず嫌い」が多いです。自分もそうです。そうなると、人の才能を凄いという一方で、その人の才能に嫉妬することがよくありました。
この小説では「青春音楽ミステリー」と帯に書いてあって、人の才能を認める一方 -
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ネタバレ父親の死(行方不明)から始まる物語。
暗く暗く、どん底のような場面から始まってもおかしくない。しかし切なさは残しつつも、叔父と甥のコンビは比較的ふつう、どちらかといえば、前向きな日々を過ごしていく。
人が亡くなる物語(ミステリーとホラー以外)って、かなり悲しみの場面が多く、悲しみにどう対処したか、そこからどう立ち直っていったのかが多いと思います。
けれど現実には、たしかに悲しみに浸る時もあるけれど、それ以外の感情がないかというとそんなことはない。優しくされたら嬉しいし、驚くようなことがあればもちろん驚くこともあると思うのです。その中で、やはり死と向き合う時間がある。悲しくもなる。
そんな人間 -
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東日本大震災を題材にしたもの。当事者ではないが、すごく胸に響くお話だった。行方不明の方に対してどこかで区切りを付けないといけない、というのはとても共感する。また、死亡届を出しても99%しか受け入れられていない、本には99%と書かれてあったが、人によっては80%だったりもっと低かったりするのだろうなと思う。私自身は姉を病気で亡くし、姉の亡骸を見て火葬もしたが、同じような感覚でいる。まだどこかで生きているような、生きていてほしいような、真の意味でまだ姉の死を受け入れられていないんだなと、この本を読んで改めて感じた。「願わくば海の底で」読後は胸を締め付けられるが、良い書名だと感じた。いつか震災跡地を
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「天才」と呼ばれる人たちの輝かしい活躍ではなく、プロとしての人生を終えようとしている、またはこれから挑もうとしている様子を、遠くから眺めているようでした。
「始まり」があれば「終わり」がある。
天才と、側でその軌跡を眺めてきた人たちを描いたストーリー。
スポーツカメラマンから始まり、フィギュアスケーター、棋士、歌のオーディションに挑戦する少年、陸上選手、小説家。
華々しい活躍の裏にある厳しい世界に触れながら、天才と、その活躍と奮闘を側で見守ってきた人たちの胸の内を感じさせてくれました。
お気に入りは、
棋士を描いた「星の盤側」
フィギュアスケーターを描いた「妖精の引き際」
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人が日頃感じている生きづらさ、突然の災害が人に与える苦しみ。これらを背景に、本人以外の周囲が語り手となって、多角的に本人の人物像を浮かび上がらせていきます。明らかにミステリーの範疇を超越し、胸に響く慈しみと祈りの物語でした。
2020年、5人の作家による学園ミステリ・アンソロジー『放課後探偵団2』が10年ぶりに刊行。この中に、額賀澪さんの「願わくば海の底で」が収録されていたとのこと。もともと学園ミステリーだったのですね。
本作は、上記既出作を改稿して第5話とし、印象的な男子生徒を強調して取り上げ、彼とつながりのある人物たちとのエピソードを第1〜4話・最終話として書き下ろして補完されてい -
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「風に恋う」というタイトルに惹かれ、少年がサックスを吹く表紙を見て、購入を即決した本書。作者さんのお名前を拝見して、「タスキメシ」や「さよならクリームソーダ」の方だと気がつき、物語への期待が高まる中読み進めた。
熱い、厚い、篤い。
高校生らしい燃え上がるような青春の物語。吹奏楽というハードな部活に、将来の進路に向けた勉強に。ただ部活だけに向き合うのではなく、未来から振り返っても部活をやっていなかったら…と後悔しないように、真剣に日々向き合っていく。
出てくる人々に血が通っていて、飾り立てない等身大の自分と向き合って、仲間とぶつかりあって重厚な、それでいて爽快な音を奏でている。
そして、様々な