額賀澪のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ「もしかしたら」という望みを持ち合わせ続ける辛さが身に沁みました。生きていて欲しいのに、そうじゃないと分かった時、悲しみはもちろんあるけれど、少し安心感もあったのかな。心苦しいけど、消化もできないけど、よかったって、何とも表現できない感情。残酷だけど、温かい気持ちにもなる。
個人的に「空っぽのロッカーで」が好きでした。言ってしまえば、超他人の佐藤美咲が思いを馳せるエピソードを書くってすごいと思いました。他の章より短いのに、非常に心に残りました。
額賀澪さんは、どこか掴みどころがない、目を惹く儚い人物の描き方が本当にうまいと思います。
菅原晋也という人物が、非常に心に刻まれた感覚があります。 -
Posted by ブクログ
感想
タイトルから完全に競歩選手に焦点を当てた作品だと思ったが、売れない作家と伸び悩む競歩選手を重ね合わせて物語が進行していくところは新しかった。
少し恋愛要素のようなものも入ってたような入っていないような。そこはハッキリさせて結末もビシッと書いて欲しかった。
あらすじ
元天才高校生作家である榛名忍は、慶安大に入ってデビュー作以来、ヒットがなくモヤモヤした日々を過ごしていた。
オリンピックを3年後に控え、編集者の提案と自分がふと見た競歩を題材に小説を書くことになった。同じ大学の八千代を対象に取材を始める。
人見知りの八千代と今ひとつ吹っ切れない忍は、時が経つにつれて心を通わせていく。 -
Posted by ブクログ
初めての作家さん。
とても読みやすく、いくつかのエピソードで構成される形式。
終身雇用が当たり前でなくなった現代では、転職は人生の分岐点。
よりよい待遇を望む人、
今の仕事は向いていないんじゃないかと思う人、
経済的な部分を含めて将来に漠然とした不安がある人、
今の仕事で体を壊した人、
会社の人間関係に疲れている人、
1日でも早く別の仕事に就きたい人、
今すぐじゃなくてもいいけれど、なんかいいのがあれば変わりたいかもの人…。
いろんなタイプがあると思うけれど、共通しているのは些細なことも含めて
《現状に不安や違和感がある》ことだと思う。
とりあえず《幸せな毎日を送っている人》は転職なん