額賀澪のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ俳優であり、双子の弟でもある尚斗の自殺の報道始まる物語。遺された片割れ 貴斗の、尚人の苦悩に気づいてやれなかったという苦しみと後悔、絶望に胸が締め付けられた。
弟の死後に届いた、1通の飛行機の予約メール。それをきっかけに北海道、マルタ、台中、ロンドン、ワシントンDC、ニューヨーク…と旅をしていくが、どの景色にも尚斗を感じられた。ずっと心のどこかが欠けているはずなのに、どの景色も色彩に満ちていて香りが瑞々しくて、貴斗と一緒に旅をしている気分になった。実際に行ったことのある場所は自分の記憶と照らし合わせながら、行ったことのない場所は貴斗を通じて一緒にその地に降り立った感覚を味わえた。ボリビアの墓地 -
購入済み
個人的にずっとずっと気になってた本。可愛い表紙からほのぼのした家族の話かと思いきや想像の斜め上をいく衝撃的な内容で読みごたえがあった。あたたかくて少しあついくらいの家族の愛。守るべき存在の為ならなんだってできるしどんな損な役回りにもなれるという覚悟。最後にみーちゃんがちゃんと周作のそばに居続けられることになって本当によかった。
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購入済み
映画作りに熱を注ぐ青春物語。主人公は2人いて、切実に映画に力を入れられる安原と器用で優秀な北川が手を組んで相乗効果を生んでいて良かった。安原の切ない想いや北原の覚悟が見れる終盤は熱い。
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Posted by ブクログ
「競歩」
決して走ってはいけない人間らしい"歩く"という行為を人間らしいルールで凝り固めた競技
長くつらい道のりをゴールを目指して1人で歩く
その中で本当に辛い瞬間があって、応援してくれる人がいて、少しの乱れが自分を苦しめて、やりきってもやりきれない時もあって、それでもゴールテープを切る爽快感は何事にも変え難い
本当にまるで人生みたいな競技だ
そんな競技に結果がふるわずとも真剣に打ち込む八千代と挫折を知った主人公の出会い
お互いの中に負け続ける自分を見てお互いのできることをぶつけ合うことで進んでいく
劇的なことは起きない
この小説はまさに主人公の書いている上手に夢を見れ