額賀澪のレビュー一覧
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ネタバレ今のところ今年イチ!
読み終わってすぐには言葉にならないくらい。
これで最後、と箱根を走る選手の気持ち、
駅伝開催にむけて奔走する関東学連の仲間の気持ち、
記録員、監督、記者、合宿所の女将、いろんな目線で丁寧に描写されている。
鍛錬と必勝祈願という建前がないと走れなかった時代から、そして戦争に取られて走れなかった選手たちから、時代をこえてタスキが現在に繋がっている。
べつに箱根駅伝でそんなに興味なかったけど、
戦争なんてくだらないもののために途絶えさせてはだめだ。
最後に宮野くんは及川くんに言ったことば。
『あんな大きな戦争がやっと終わったんだ。もう絶対にない』
安直だけど、そう、この思い -
Posted by ブクログ
面白かった。
先を飛ばして読みたくなるくらい面白かった。
舞台は高校の吹奏楽部。
そこの新入部員でいきなり部長に任命された茶園基と彼を部長に指名したOBの不破瑛太郎の二人が主人公。
読み終えて思ったのは、額賀澪さんは青春ストーリーを描かれるのが本当に上手な方だな~と言うことです。
今回もぐいぐいと物語の中に引っ張られて、惹きつけられて、物語の中で充実した時を過ごしました。
彼らが自身の音楽に向き合い悩むところ、確定出来ていない将来から目を逸らしているところ。痛いほど伝わってきました。
また、演奏シーンもとても良かったです。想像するだけでこちらも気分が高ぶりました。
何か一つのことに夢中にな -
Posted by ブクログ
タスキメシシリーズが大好きな私。こちらももちろん素晴らしく、箱根駅伝の深いところを知ることができた一冊。
あらゆる立場から、あらゆる捉え方で描かれていて、美談ではなく苦しみも悲しみもあり、その当時の息遣いや関東学連の彼らが走り回る熱量がそのまま伝わってくる。あの時があったから今がある。「100回の歴史」と一言で表せてしまうが、そこには一瞬一瞬を必死に向き合ってきた数えきれない人たちがいることを教えてくれた。
後半、昭和と令和が繋がった瞬間には鳥肌が立った!
選手と一緒に走りながら読み進めているこの感覚が大好きで、登場人物との連動感を感じさせてくれる。
シリーズではないけど、タスキメシを読み返 -
Posted by ブクログ
2024/03/17
競歩という競技を題材にした小説なんですが、ただの競歩小説じゃなかったのがこの小説の面白いところだと思います。
高校生天才作家と持て囃されて、ライバル作家の存在によって創作活動に行き詰まっていた大学生作家の榛名忍、また、彼と同じ大学に所属している八千代篤彦は箱根駅伝を諦めて孤独に競歩という競技に挑む選手。彼らを引き合わせる新聞部の福本愛梨と彼らの周りの人達がだんだん競歩という競技にそれぞれの形で絡んでいく話(?)
競歩に対して知識のない人でもとても読みやすくなってるし、読者目線の競歩初心者にも自然と解説が組み込まれていて競歩について知りながらその競技の醍醐味を味わうことがで -
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熱い!眩しい!
高校生の青春吹奏楽物語!
部活、オーディション、受験、塾、、
生徒も親も指導者もそれぞれに葛藤がある。
やりたいこととやるべきことの間で揺れ動く高校生の心が手に取るように分かった。
でも、大人になった今だから言えるのは、好きなことにあそこまで時間をかけれるのはあの時代だけ。
えー。また練習かーーってその当時は思っても、
それはほんとうにほんとうに尊い時間だったんだって、大人になってから分かる。
でも、ブラック部活問題もある。生徒の好きなものがやりすぎて嫌いにならないように、好きなものをずっと好きでいられるように指導者には導いてほしい。
学生時代に読みたかったって想いと、大人に -
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ウズラの卵 こんなにも美しく、優しい物語ありがとう、こちらこそだよ。あの事件の時に真っ先に考えたのは周作を自分と同じ親のいない子供にはしない事で、何より家族だからこそ行き着いた 。物凄い嫌な解決方法だけど、最後に一緒に水族館行けてこれからも繋がる家族なんだなと思ったら心から嬉しく思ったよ。でもこんな簡単な感想文では申し訳ない位に職場を転々として恋人に打ち明けたら倍返しされて、本当のお母さんにも会っていたんだな~って。出だしから皆瀬を追って行くだけのサスペンスと疑ってたら麻結ちゃんに紫織にグッと近付けたし、ウズタマのタイトルが素敵でした。額賀澪さん直ぐに読まなきゃって事
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2024/01/10
転職の魔王様の続編にあたる小説。相変わらずの来栖と、部下の未谷のキャリアアドバイザー(CA)としての様子を描いた話。
今回も色々なバラエティーに富んだ転職者がシェパードキャリアにやってきて、その相談に乗ったりするのだが、一人ひとりの内容がとてもリアルで転職ってこんな感じなのかなあとか相談とかもこんな感じで展開されるのかなぁなんて容易に想像できてしまう話が盛りだくさんとなっています。
相談に来る人たちだけでなく、来栖自身のこと、未谷自身のことにも少し踏み込んだ話もあって、とても面白く読み進められました。
続編あってほしいなぁって思ってます。 -
Posted by ブクログ
あなたは、『競歩』のルールを知っているでしょうか?
キョ、キョ、競歩?と思わず呟きもするのが『競歩』というスポーツの立ち位置だと思います。『よくわかんないよねえ、早歩きの競争なんてさ』。競技に携わられている方には恐縮ですが、多くの方にとってそれは事実だと思います。『快晴の青空の下を歩く選手のフォームは、人間っぽくない』という通り、その歩みはどこか芝居がかっているようにさえ感じます。『普通の人間の《歩く》とは根本的に何かが違う。作りものめいている』。それも『競歩』というスポーツの見え方だと思います。そもそも私たちが急ぐ時、それは『走る』という行動となって現れます。全力で目標に向かって走るという