額賀澪のレビュー一覧

  • タスキ彼方

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    ネタバレ

    今のところ今年イチ!
    読み終わってすぐには言葉にならないくらい。

    これで最後、と箱根を走る選手の気持ち、
    駅伝開催にむけて奔走する関東学連の仲間の気持ち、
    記録員、監督、記者、合宿所の女将、いろんな目線で丁寧に描写されている。

    鍛錬と必勝祈願という建前がないと走れなかった時代から、そして戦争に取られて走れなかった選手たちから、時代をこえてタスキが現在に繋がっている。
    べつに箱根駅伝でそんなに興味なかったけど、
    戦争なんてくだらないもののために途絶えさせてはだめだ。
    最後に宮野くんは及川くんに言ったことば。
    『あんな大きな戦争がやっと終わったんだ。もう絶対にない』
    安直だけど、そう、この思い

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    2024年04月30日
  • 青春をクビになって

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    研究者を志す若者たちの絶望。ポスドクはおろか生きることも閉ざされる。最後に夢を叶えましたって能天気な展開を拒絶し、学ぶ人々を支えられない諦念をしっかり描いている。力作だ。

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    2024年04月29日
  • 風に恋う

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    面白かった。
    先を飛ばして読みたくなるくらい面白かった。

    舞台は高校の吹奏楽部。
    そこの新入部員でいきなり部長に任命された茶園基と彼を部長に指名したOBの不破瑛太郎の二人が主人公。

    読み終えて思ったのは、額賀澪さんは青春ストーリーを描かれるのが本当に上手な方だな~と言うことです。
    今回もぐいぐいと物語の中に引っ張られて、惹きつけられて、物語の中で充実した時を過ごしました。
    彼らが自身の音楽に向き合い悩むところ、確定出来ていない将来から目を逸らしているところ。痛いほど伝わってきました。
    また、演奏シーンもとても良かったです。想像するだけでこちらも気分が高ぶりました。
    何か一つのことに夢中にな

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    2024年04月21日
  • 青春をクビになって

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    瀬川は本当にすごく強い人でした。
    人生における大きなイベントが重なってどうしようもないとなっていた時でも、前を向こうとする姿にすごく胸を打たれた。

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    2024年03月31日
  • タスキ彼方

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    箱根駅伝。毎年当たり前に見ている。それが当たり前ではなかった数年間。絶対に走る、走らせるんだと出征間近の大学生達が奔走して大会を実現するところに胸が熱くなった。
    戦後、大学に戻ってきた肇が生き残ったことに罪悪感から前向きになれない姿にあの戦争による犠牲の大きさに心がぎゅっとなった。
    今年の100回大会も無事にあった。彼らのためにも、この先もずっと続いて欲しい。

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    2024年03月31日
  • 青春をクビになって

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    まず日本での研究者の立場がこんなに過酷だとは知らなかった。
    そして夢と現実のギャップ。
    捨てられない大切なもの、切り替えられないもどかしさ。就職氷河期で人生を削られた人達。
    今後の瀬川朝彦35才を応援したい。


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    2024年03月31日
  • タスキ彼方

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    額賀さんのこのシリーズ全て読んでます。ランナーなので、共感できる部分が多く大好きです。
    そして、箱根駅伝が益々好きになりました。史実に基づいたフィクションで、戦前・戦後・現代とどれだけの人を箱根は魅了してきたのかよくわかりました。どれだけの人が動いて箱根駅伝が開催開催できたのか。今も開催されているのか。
    これからも大学生そして国民を魅了する大会として開催されていくんだろうなと思いました。
    やっぱり走るのは楽しいですね!

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    2024年03月29日
  • タスキ彼方

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    タスキメシシリーズが大好きな私。こちらももちろん素晴らしく、箱根駅伝の深いところを知ることができた一冊。
    あらゆる立場から、あらゆる捉え方で描かれていて、美談ではなく苦しみも悲しみもあり、その当時の息遣いや関東学連の彼らが走り回る熱量がそのまま伝わってくる。あの時があったから今がある。「100回の歴史」と一言で表せてしまうが、そこには一瞬一瞬を必死に向き合ってきた数えきれない人たちがいることを教えてくれた。
    後半、昭和と令和が繋がった瞬間には鳥肌が立った!

    選手と一緒に走りながら読み進めているこの感覚が大好きで、登場人物との連動感を感じさせてくれる。
    シリーズではないけど、タスキメシを読み返

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    2024年03月25日
  • 競歩王

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    2024/03/17
    競歩という競技を題材にした小説なんですが、ただの競歩小説じゃなかったのがこの小説の面白いところだと思います。
    高校生天才作家と持て囃されて、ライバル作家の存在によって創作活動に行き詰まっていた大学生作家の榛名忍、また、彼と同じ大学に所属している八千代篤彦は箱根駅伝を諦めて孤独に競歩という競技に挑む選手。彼らを引き合わせる新聞部の福本愛梨と彼らの周りの人達がだんだん競歩という競技にそれぞれの形で絡んでいく話(?)
    競歩に対して知識のない人でもとても読みやすくなってるし、読者目線の競歩初心者にも自然と解説が組み込まれていて競歩について知りながらその競技の醍醐味を味わうことがで

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    2024年03月17日
  • 沖晴くんの涙を殺して

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    ネタバレ

    自分が過去に失った大切な人や、今を取り巻く環境をひとつひとつしっかりと受け止めて、自分の異常性に向き合い一歩ずつ確実に成長していく沖晴くんがとても素敵でした。
    それに寄り添い僅かな余命を削ってまで沖晴くんに寄り添う京香さん自身もまた、美しかったです。
    お互いがお互いの関係性を声には出さずにいたけど、2人の関係性はどんな言葉でも言い表せない、どんな人でもなれないかけがえのない関係だったと思います。

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    2024年03月16日
  • タスキ彼方

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    毎年恒例、当たり前のように開かれる箱根駅伝。
    戦時中の箱根駅伝の事なんて考えた事もなかったけど、タスキを繋いだ仲間が戦争で亡くなっていく。とても残酷で信じられない話でした。
    生き残った人達の辛さややりきれなさも、胸がいっぱいになりました。
    箱根駅伝にかける思いがタスキとなって100回まで繋がっていく、これからもずっと続いて欲しいなと思いました。

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    2024年03月15日
  • 転職の魔王様

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    全ての働いている人にも読んでほしい。
    転職でなくても、アルバイトでも就職でも、
    働こうと思った人も読んでみてはいかがでしょうか!
    周りに、働こうと思っているいる人がいたら、この本を読んで寄り添える心持ちを気付けます。

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    2024年03月14日
  • 風に恋う

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    熱い!眩しい!
    高校生の青春吹奏楽物語!
    部活、オーディション、受験、塾、、
    生徒も親も指導者もそれぞれに葛藤がある。
    やりたいこととやるべきことの間で揺れ動く高校生の心が手に取るように分かった。
    でも、大人になった今だから言えるのは、好きなことにあそこまで時間をかけれるのはあの時代だけ。
    えー。また練習かーーってその当時は思っても、
    それはほんとうにほんとうに尊い時間だったんだって、大人になってから分かる。
    でも、ブラック部活問題もある。生徒の好きなものがやりすぎて嫌いにならないように、好きなものをずっと好きでいられるように指導者には導いてほしい。

    学生時代に読みたかったって想いと、大人に

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    2024年03月06日
  • タスキ彼方

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    マラソンや駅伝書かせると輝く額田澪だが、これは過去と現在和田うまくパラレルに描きながら、うまく最後に収斂させたいい作品でした。おもしろい。

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    2024年03月05日
  • ウズタマ

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    ウズラの卵 こんなにも美しく、優しい物語ありがとう、こちらこそだよ。あの事件の時に真っ先に考えたのは周作を自分と同じ親のいない子供にはしない事で、何より家族だからこそ行き着いた 。物凄い嫌な解決方法だけど、最後に一緒に水族館行けてこれからも繋がる家族なんだなと思ったら心から嬉しく思ったよ。でもこんな簡単な感想文では申し訳ない位に職場を転々として恋人に打ち明けたら倍返しされて、本当のお母さんにも会っていたんだな~って。出だしから皆瀬を追って行くだけのサスペンスと疑ってたら麻結ちゃんに紫織にグッと近付けたし、ウズタマのタイトルが素敵でした。額賀澪さん直ぐに読まなきゃって事

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    2024年03月02日
  • 青春をクビになって

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    言葉にならないけど読んでよかった。
    小柳先輩を通して10年後の自分と向き合う辛さ。
    瀬川を通して夢を託す栗山。
    青春と年齢の狭間で選択を迫られる瀬川。
    初めて読む作家さんでしたが、一気読みでした。
    違う作品も読んでみたい。

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    2024年02月21日
  • 青春をクビになって

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    研究者を諦めて一般企業で働いている人を何人か知っているが、適当に大学に入って就職した自分とは比べ物にならない葛藤を経て社会人になったのかもしれないと思った。

    自分自身は、命をかけられるくらいに没頭したこともなく、なんとなく働いているので、いろいろと考えさせられた。

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    2024年01月30日
  • 青春をクビになって

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    新聞の本の紹介コーナーに載っていた作品。
    古事記の研究をしてる、35歳でポスドクの主人公が自分の進むべき道を探るお話。

    ポストドクター略してポスドク。博士課程を修了し、常勤研究職になる前の研究者のことを指す言葉。全く知らない世界の話しだけど、身につまされるシーンが何度もあったな。学生でもないのに、大学にお金払ってまでも自分の研究を突き詰めるって、小説だから主人公達に気持ち入るけど、自分の身内にいたら理解してやれないかもな。

    古事記に出てくる「色」の話はとても興味深かった。赤いとは言うけど、緑いとは言わない理由。日本人って凄いよな。

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    2024年01月17日
  • 転職の魔王様2.0

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    2024/01/10
    転職の魔王様の続編にあたる小説。相変わらずの来栖と、部下の未谷のキャリアアドバイザー(CA)としての様子を描いた話。
    今回も色々なバラエティーに富んだ転職者がシェパードキャリアにやってきて、その相談に乗ったりするのだが、一人ひとりの内容がとてもリアルで転職ってこんな感じなのかなあとか相談とかもこんな感じで展開されるのかなぁなんて容易に想像できてしまう話が盛りだくさんとなっています。
    相談に来る人たちだけでなく、来栖自身のこと、未谷自身のことにも少し踏み込んだ話もあって、とても面白く読み進められました。
    続編あってほしいなぁって思ってます。

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    2024年01月11日
  • 競歩王

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    あなたは、『競歩』のルールを知っているでしょうか?

    キョ、キョ、競歩?と思わず呟きもするのが『競歩』というスポーツの立ち位置だと思います。『よくわかんないよねえ、早歩きの競争なんてさ』。競技に携わられている方には恐縮ですが、多くの方にとってそれは事実だと思います。『快晴の青空の下を歩く選手のフォームは、人間っぽくない』という通り、その歩みはどこか芝居がかっているようにさえ感じます。『普通の人間の《歩く》とは根本的に何かが違う。作りものめいている』。それも『競歩』というスポーツの見え方だと思います。そもそも私たちが急ぐ時、それは『走る』という行動となって現れます。全力で目標に向かって走るという

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    2023年12月27日