額賀澪のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
2023/02/16
「タスキメシ」の続編。眞家早馬は大学を卒業後就職をしたが、管理栄養士への道を再び志して紫峰大学駅伝部の大学院生兼管理栄養士となる。
しかし、駅伝部はこれまでも箱根駅伝に出たこともなくて部員の志もそんなに高くない。
箱根駅伝を目指すためにサポートの面で奮闘する早馬と駅伝部の仙波千早を中心とした駅伝部の織りなす箱根駅伝への道のりを描いた話である。
読むととにかく手に汗握る展開にワクワクしたり、同じように悔しいなと思ったりと心を揺さぶられる場面が沢山ある。
決して自分が箱根駅伝に出場したわけではないし、あくまでも小説を読んでいるだけなのに伝わってくる臨場感や心理描写の細かさが凄 -
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「女ともだち」がテーマの短編小説アンソロジー
既に出尽くした感のあるテーマですが、昨今のSNSを取り入れた短編は8篇全て新鮮で面白かったです。
なんでも真似して来る女性を描いた村山由佳さんの「COPY」
女性あるあるです。
そしてそこに惹きつけておきながらのラストの急展開にはドキっとします。
坂井希久子さんの「ト・モ・ダ・チ」はイヤミスを連想させるどろどろした話で、もはやホラーの様にも思えて怖かった。
千早 茜さんの「卵の殻」は繊細な女性心理が描かれていて女性の執着がただただ恐ろしい。
「サバサバした女なんていないよ」のセリフが印象に残ります。
子供時代の競争意識、嫉妬心を描いた大崎 -
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1弾同様前半はなんとなくゆるりな感じ…そこからあれっ?という間に一気に湧き上がってきた…走りの熱が迫ってきた!
泣いたぁ〜泣いたぁ〜
1弾より全然泣いたぁ〜
いつもお正月に箱根を走るランナーを見てその背景に想いを馳せてしまう。
その走りを見て彼らの想いに触れて泣けてしまう。
でもそこはスポーツ!どんな想いを抱えていても結果が全てなのだ。
その残酷さと潔さがスポーツの良さなのかも知れない。
ここに書きたい事はたくさんあるのだけれど何を書いてもネタバレになってしまう^^;
後半数十ページはもうずっと泣きながらの読書になってしまったけれど、往路終了後の白須君の行動が涙のきっかけだったかな(^^;
そ -
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2022/11/26
額賀澪さんといえば青春小説というイメージが強く、「風に恋う」を読んだ時からその読後感の良さにハマってしまったように思います。
今回は陸上の話で、続編が最近発売されたり文庫化してることを知ってシリーズの最初から読んでみたいなと思い購入ました。
元々は陸上部の長距離選手として活躍していた眞家早馬は大会での無茶な走りが祟ってしまってのか長距離選手として致命的な長期間の怪我をしてしまい、選手ではない別の道(スポーツ栄養士?)へ向かうことになります。
同級生で同じ部活のメンバーである助川、選手としての才能を持ち合わせた弟の春馬、陸上を諦めかけていた早馬にさまざまな料理を教えた都、他 -
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タスキメシ
前作は高校駅伝で、今作は大学駅伝。
毎年、新年明けて1月2日、3日にある箱根駅伝に出場を目指して努力する学生たちが描かれています。
前作からの登場人物「眞家早馬」と、今作からの登場人物、駅伝部キャプテン「仙波千早」の二人の視点での物語が交互に進んでいく。
毎年、お正月には箱根駅伝をテレビで見ているので、往路の山登りが大変なのは知っている。そういうところの描写になると感情移入してしまい、こちらも大変でした。応援に力が入りました。
そして、物語の良い所(?)は結果がすぐに分かるというところです。(気になって先を飛ばして読んでしまいました。)
書きすぎるとネタバレになりそう -
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めちゃくちゃ良かった~♪♪
青春小説で爽やかなイメージの額賀さん。
最初はミステリー?と思いながら読みすすめ、どうなるんだろう…って思ってたけど、最高の家族物語でした!!
いっぱい感情を揺らし、ラストは温かいもので心が満たされました。
「正義」とは誰にとっての正義なのかーー。
真実より正義より、もっと守りたいものがある。
少しずつ明らかになっていく真実。
決断に込められた想いの強さ、愛情に涙が止まらない…。
激しく感情を揺さぶられ、読後は軽い放心状態。しばらく余韻に浸りました。
表紙を眺め、表題の意味を噛みしめる。
素敵な作品に出会えて幸せな気分でいっぱいです。 -
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ネタバレめちゃめちゃ良かった。何度も涙腺にきたし最後はほっこりしました。
基よりも瑛太郎先生の方が主人公に見えてしまうのは驚くほど歳が近くて1度社会をリタイアしている等共感する点が多いせいかもしれません。学生たち目線だけの物語だったらキラッキラで最後まで読めなかったかも。でも玲於奈や越谷先輩、池辺先輩をはじめとした部員たち全員に人生があるという重みを感じました。
コンクールメンバーやソロのオーディションの緊張感を思いだしました。吹奏楽以外にもオーディションの経験があるのですが、あの特有の、独特な感情が入り乱れるのは吹奏楽部での経験ぐらいだと思っています。
吹奏楽の密着ドキュメンタリー懐かしい!吹 -
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全国大会を目指す吹奏楽部のお話
公式のあらずじ
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かつては全国大会金賞、マスコミにも頻繁に取り上げられた、名門高校吹奏楽部。
幼馴染の基(もとき)と玲於奈(れおな)は入部したものの、現在の部にかつての栄光は見る影もない。
そこへ、黄金時代の部長だったレジェンド・瑛太郎がコーチとして戻ってきて、あろうことか3年生たちを差し置いて、1年の基を部長に指名する。
選抜オーディション、受験との両立。嫉妬とプライド渦巻く部で孤立する新入生男子の部長は果たして、全国大会開催地・名古屋国際へ行くことができるのかー―
かつての輝きを懐かしむすべての大人たち、
部活動に青春 -
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2022/5/8
売れる本を作るためには一体どうしたらいいのかという、出版社や本の原作者にとっての永遠の課題となるこの問いを、著者が自らが色々と検証していく、出版業界の裏側や、本が書店に並ぶまでの細かな過程、書店に並んでからの本の扱いについてなど、出版というものの全体について知ることができるものです。
出版業界で使われる用語も丁寧に解説してくれていますし、著者の自らの出版経験がベースとなって実際の資料なども使いながら、どういう形で本が出版されるのか、出版された後重版になるにはどうなったら良いのか、文庫と単行本の違いは何なのか、帯コメントの書店員のコメントなどがどうやって集まるのか、そもそも小説 -
Posted by ブクログ
2022/5/3
千間学院高校の吹奏楽部は、かつて全国大会へ出場するほどの強豪校だったのだが、それから7年経って入学した茶園基きの頃には県大会出場すらままならないくらいに弱体化してしまっていた。
中学の時に吹奏楽部で全国大会を目指していた茶園も関東大会?に進むことができず、高校では進学を目指して、吹奏楽はやらないつもりでいたのだが、同じ学年には、中学時代に他校で競い合っていた堂林がいて、吹奏楽部には、2個上の幼馴染の玲於奈が部長を務めていて、何かと吹奏楽から逃れたい、やる気ないと思っていた。
そんな矢先、7年前に千間学院吹奏楽部が全国大会に出たときの部長である、瑛太郎がコーチとしてやってきた。 -
Posted by ブクログ
吹奏楽が舞台の青春小説。個人的には「タスキメシ」に続いて本作も最高の“青春小説”でした。
吹奏楽を始めるきっかけになった憧れの人に出会ってしまった基。
嬉しい、悔しい、悲しい、苛立ち、戸惑い、焦燥、不安…。目指すものに辿り着くまで色んな感情を揺らし、悩みながらも切磋琢磨する吹奏楽部の部員たち。
額賀さんの作品は、心を動かされる言葉やシーンが作品に散りばめられていて胸が熱くなります。
主人公の基が眩しすぎる!!
「素直な熱の固まり」という表現に納得。基が瑛太郞先生にかけたある言葉に私もグッときてしまいました。高校生のピュアで真っ直ぐな言葉が深く刺さる。先生と一緒に私まで胸を打たれてしまいまし