額賀澪のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレドラマ化もされた「転職の魔王様」の続編。短編連作で、転職エージェントを題材に、働くとは、生きるとはを考えされられる作品。
前作で未谷千晴は、新卒で就職したブラックな広告代理店を退職した。その後、叔母が社長を務める転職エージェントの『シェパード・キャリア』社でキャリアアドバイザー見習いから、正式にキャリアアドバイザーとして働くようになった。
転職の魔王様2.0でも、来栖嵐の歯に衣を着せない毒舌ぶりは健在。
毒舌ながらも、転職希望者に現実を突きつけ、働くことについて否応なく考えさせてから、適した職に再就職させる手腕は確か。
さらに、シェパード・キャリアに転職の天使様こと天間聖司がやってきた。来栖とは反対に、手取り足取り丁寧に世話を焼き、紹介先の企業で一日職場体験までしてくる過保護ぶり。
個性豊かな仲間に囲まれて、千晴はキャリアアドバイザーの仕事に向き合っていく。
◇
自分の仕事観について考えさせられた。
働くことも大変だと感じるし、仕事との距離感を考えた。
この小説の第四話「優等生は、社会に出たら気をつけないといけないんですよ」が自分にも刺さってしまった。
真面目に努力すれば、できると評価される。けれどそれが当たり前になって次々と仕事の負担が増えてくる。できて当然の空気になって誰からも感謝されなくなる。ストレスだけが溜まっていく。
なんか仕事してるとき辛かったなあって思い返してしまった。
仕事について、考えさせてくれる作品でした。
ドラマも楽しんで見ています。
2.0に出てきた転職王子の話もあるとは。 -
Posted by ブクログ
2023/07/11
転職をテーマにした額賀澪さんの社会派小説。魔王様というのは、この話の中で出てくるキャリアアドバイザーの来栖嵐という人物のこと。
最初の転職希望者としてやってくる未谷をはじめとして、世の中には転借を考える人が数多く存在している。そして転職の理由も人それぞれ。
それぞれの人物の転職にフォーカスを当てつつ、来栖をはじめとしたキャリアアドバイザーの動きを絡めて進んでいくこの物語は、書いてあるそれぞれの話がとてもリアリティある内容となっています。
ポジティブな転職もあればネガティブな転職もある現代だと思うのですが、それぞれの転職状況をキャリアアドバイザーがアドバイスを重ねる中で見えてくる転職の背景にある物語がこの本の主な内容です。
「転職」というテーマを扱っていてとても重たそうな話にも見受けられるのですが、全然そんなことはなくて、むしろ社会人の人こそ、自分のことと近づけて読めるのではないかなと思います。
社会派の小説なのに読みやすい言葉で構成されていて内容が把握しやすいと思います。
ドラマ化もされて、続編の文庫も出ているので続編も読みたいなと思います。 -
Posted by ブクログ
ある一冊の本をきっかけに、書店員、女子中学生、ドキュメンタリー番組のディレクター、アメリカで教育を受けた男子高校生、といったさまざまな立場から戦争を考える連作小説。戦争モノを読んだり観たりして「戦争は絶対にしてはいけない」と片付けてしまいがちな私たちに、作者は登場人物たちを通して鋭い言葉を投げかけてくる。私たちは第二次世界大戦やウクライナ侵攻、3.11など、世界に起こるあらゆる出来事をどう受け取り、どんな行動してきただろうかと突きつけられる。彼らなりの結論を見届けて、自分でも考えてみる機会となった。それぞれが葛藤し行動したことが影響し合っているというのが嬉しい連作。
-
Posted by ブクログ
2023/02/16
「タスキメシ」の続編。眞家早馬は大学を卒業後就職をしたが、管理栄養士への道を再び志して紫峰大学駅伝部の大学院生兼管理栄養士となる。
しかし、駅伝部はこれまでも箱根駅伝に出たこともなくて部員の志もそんなに高くない。
箱根駅伝を目指すためにサポートの面で奮闘する早馬と駅伝部の仙波千早を中心とした駅伝部の織りなす箱根駅伝への道のりを描いた話である。
読むととにかく手に汗握る展開にワクワクしたり、同じように悔しいなと思ったりと心を揺さぶられる場面が沢山ある。
決して自分が箱根駅伝に出場したわけではないし、あくまでも小説を読んでいるだけなのに伝わってくる臨場感や心理描写の細かさが凄くて、なんとなくでも情景がイメージしやすい。そこに駅伝部員と早馬たちの関係までも入ってくるもんだから人間臭さも相まってこの小説の読み応えを増しているような気がする。
何かに全力で取り組んで、それでもダメで、それでも食らいついてどうするか、自分の底力をどうやって出すか、どうやってそれを支えるのか…と言ったところの熱くなる気持ちを箱根駅伝というものを通して感じることができる小説だと思います。 -
Posted by ブクログ
「女ともだち」がテーマの短編小説アンソロジー
既に出尽くした感のあるテーマですが、昨今のSNSを取り入れた短編は8篇全て新鮮で面白かったです。
なんでも真似して来る女性を描いた村山由佳さんの「COPY」
女性あるあるです。
そしてそこに惹きつけておきながらのラストの急展開にはドキっとします。
坂井希久子さんの「ト・モ・ダ・チ」はイヤミスを連想させるどろどろした話で、もはやホラーの様にも思えて怖かった。
千早 茜さんの「卵の殻」は繊細な女性心理が描かれていて女性の執着がただただ恐ろしい。
「サバサバした女なんていないよ」のセリフが印象に残ります。
子供時代の競争意識、嫉妬心を描いた大崎 梢さんの「水底の星」
大人になってからの友人作り、在り方を繊細に描いた額賀 澪さんの「こっちを向いて」読み終えてタイトルを見るとなるほどと思えます。
柔らかい気持ちになれた阿川 佐和子さんの「ブータンの歌」
情景が絶えず浮かび、二人の女性の微妙でありながらイイ感じの距離感を感じた嶋津 輝さんの「ラインのふたり」
ややこしい人間関係ながら、こういうのも有りなのかと妙に女同士のリアルを感じた森 絵都さんの「獣の夜」タイトルがナイスマッチです。
怖さあり、優しさあり、嫉妬、憎悪、女ともだちには様々な感情が蠢いている事を改めて実感すると共に、親友、本当の意味で真友に出会うのは伴侶を見つけるより大変かも知れないと思った短編集。 -
Posted by ブクログ
1弾同様前半はなんとなくゆるりな感じ…そこからあれっ?という間に一気に湧き上がってきた…走りの熱が迫ってきた!
泣いたぁ〜泣いたぁ〜
1弾より全然泣いたぁ〜
いつもお正月に箱根を走るランナーを見てその背景に想いを馳せてしまう。
その走りを見て彼らの想いに触れて泣けてしまう。
でもそこはスポーツ!どんな想いを抱えていても結果が全てなのだ。
その残酷さと潔さがスポーツの良さなのかも知れない。
ここに書きたい事はたくさんあるのだけれど何を書いてもネタバレになってしまう^^;
後半数十ページはもうずっと泣きながらの読書になってしまったけれど、往路終了後の白須君の行動が涙のきっかけだったかな(^^;
そこからはもう鼻啜りっぱなし!
「タスキメシ」から箱根への想いを受け取り…実際の箱根駅伝迄1ヶ月を切りました!
箱根駅伝を見る心の準備は整ったので各校の走る人、走らない人、走れない人、支える人、祈る人、応援する人…
全ての立場の人の想いをしっかり感じながらお正月2日間テレビにかじりつこうと思っています!
また、全然本書の感想になってない(ーー;)
いつもこうなってしまう‥ -
Posted by ブクログ
2022/11/26
額賀澪さんといえば青春小説というイメージが強く、「風に恋う」を読んだ時からその読後感の良さにハマってしまったように思います。
今回は陸上の話で、続編が最近発売されたり文庫化してることを知ってシリーズの最初から読んでみたいなと思い購入ました。
元々は陸上部の長距離選手として活躍していた眞家早馬は大会での無茶な走りが祟ってしまってのか長距離選手として致命的な長期間の怪我をしてしまい、選手ではない別の道(スポーツ栄養士?)へ向かうことになります。
同級生で同じ部活のメンバーである助川、選手としての才能を持ち合わせた弟の春馬、陸上を諦めかけていた早馬にさまざまな料理を教えた都、他校のライバル選手たち。
自分とどう向き合うのかという早馬の葛藤を中心としつつ、何かに打ち込むことの良さとかライバルキャラの存在とか、青春ってこんな感じだ!
というものがこの一冊に詰まってると思います。 -
Posted by ブクログ
タスキメシ
前作は高校駅伝で、今作は大学駅伝。
毎年、新年明けて1月2日、3日にある箱根駅伝に出場を目指して努力する学生たちが描かれています。
前作からの登場人物「眞家早馬」と、今作からの登場人物、駅伝部キャプテン「仙波千早」の二人の視点での物語が交互に進んでいく。
毎年、お正月には箱根駅伝をテレビで見ているので、往路の山登りが大変なのは知っている。そういうところの描写になると感情移入してしまい、こちらも大変でした。応援に力が入りました。
そして、物語の良い所(?)は結果がすぐに分かるというところです。(気になって先を飛ばして読んでしまいました。)
書きすぎるとネタバレになりそうなので。
前作からの登場人物、眞家早馬が肩の荷を下ろすような感じで幸せになれたのには、もらい泣きをしてしまいました。
彼は、ずっと辛い思いをしてきたので。
いっぱい努力をしてきた。でも、報われることはなかった。泣いてしまいました。
前作に続いて、本当によかった。
青春!
一緒に走ることは出来ないけれど、それくらい熱くなって面白くて、あっという間に読み終えました。
苦しかったし、楽しかった。 -
Posted by ブクログ
めちゃくちゃ良かった~♪♪
青春小説で爽やかなイメージの額賀さん。
最初はミステリー?と思いながら読みすすめ、どうなるんだろう…って思ってたけど、最高の家族物語でした!!
いっぱい感情を揺らし、ラストは温かいもので心が満たされました。
「正義」とは誰にとっての正義なのかーー。
真実より正義より、もっと守りたいものがある。
少しずつ明らかになっていく真実。
決断に込められた想いの強さ、愛情に涙が止まらない…。
激しく感情を揺さぶられ、読後は軽い放心状態。しばらく余韻に浸りました。
表紙を眺め、表題の意味を噛みしめる。
素敵な作品に出会えて幸せな気分でいっぱいです。