【感想・ネタバレ】風は山から吹いている――Why climb mountains with me?のレビュー

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ネタバレ

額賀澪さん、2冊目。
「世界の美しさを思い知れ」に続いて、この作品も自分にとって大切なものになるんだと思う。

2冊ともに似た要素が入っている。
取り扱っている小説って、なかなかないし、
あっても自分の解釈とは違うものだったり、
「そういうことに未経験の人が想像だけで文を書いたんだろうな」ってくらいの内容が薄っぺらくて軽いものがほとんど。

一方でこの2冊は、描写や心情の変化もリアル。
とても身近なものに感じてる。
休み時間に大声で笑いあってる周りのクラスメイトに対して、不安でたまらないなんて感覚、全くわかんないんだろうな。って思えてきて、そのうち教室にいるのも辛くなった。
....そんなことを、今改めて思い出した。
この時感じた苦しさ、やるせなさは必ず忘れない。
あの頃の私と同じような子を助けられるように強くなりたい。

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2023年06月18日

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穂高のキズ〜
岳のキズ〜
キズ同士がそれぞれを引き合っていた❢
岳は山から受けたキズを山で癒やした。
宝剣岳で全てが明らかになる。
感動しました。

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2022年01月17日

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筑波岳、梓川穂高、登場人物の名前、こりゃ私の好きな登山の話しかない。
思った通りだった。
大学生の登山部の二人なんだが、それぞれ、山に関係した秘密を抱えている。
外界では話せないことを山の頂上でお互いに告白する。
穂高の過去は重い、岳も自分が高校の時のコーチの死に心穏やかではない。
大変な思いをして登った頂上での達成感は半端ではない。そんなところだからこそ心の中を素直に語れるのかもしれない。
色んな思いを持って山を登る人々がいる。それを迎えてくれる大自然、登山はやっぱりいいね。

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2023年08月04日

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登山をしたことが無いけど、山に行きたくなる。

筑波岳はスポーツクライミングでインターハイにも出たこともあるが、大学ではスポーツクライミングは続けないと決めていた。しかし、大学の部の勧誘がしつこくてウンザリしていたところ、今度は登山部から勧誘される。登山部は梓川穂高1人しか部員がいない。1回だけと誘われた岳は筑波山に登り、結局、登山部に入る。
2人には人には言えない過去があった。物語が進むにつれて明かされていく秘密。2人とも辛く苦しい気持ちを抱えていたのだ。
そんな苦しみを忘れさせてくれる登山、やってみたくなる。そこまで本格的なのではなくてもいいから。

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2023年03月17日

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色んな思いを抱えながら、人は山を登るんだなぁとしみじみと感じました。親戚のおじさんに小学生の頃に八ヶ岳に連れて行ってもらいました。それ以来、山らしい山には登ったことはなかったのですが、もうすぐ50歳。近場の低山に妻と一緒に行きたいなあって思いました。

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2022年05月16日

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 クライミングと向き合う男たちを描いた山岳ヒューマンミステリー。全5章とプロローグおよびエピローグからなる。
          ◇
 高校でスポーツクライミングのインターハイ選手だった筑波だが、ある理由から大学入学後は競技活動はせず、先輩とともに趣味程度の登山でお茶を濁す日々を送っていた。
 ある日、高校時代のコーチだった宝田が登山中に滑落死したと連絡があった。
 だが、まさに宝田が滑落したと推測される時間に、筑波の携帯には宝田からの着信があったのだ。
 はたして宝田の死は事故なのか、それとも自殺なのか。

      * * * * *
 
 額賀澪さんにしては珍しく、プロローグからミステリーめいた展開。それがなければ、ただの山岳男子青春ストーリーと思って読み始めたと思います。

 けれど、筑波の携帯に滑落時のコーチから着信があったときの描写がミステリアスです。筑波が出たものの聞こえてきたのはコーチの声ではなく風の音だけ。なぜ無言電話だったのか?

 俄然、展開がおもしろくなりました。おまけにコーチの死に絡んで、筑波は屈託を抱えているらしい。それはいったい何なのか?

 重い設定ですが、額賀さん特有の淡々としたタッチのおかげで、スムーズに読み進めることができました。しかも決して浮ついた展開ではなく、緊迫感さえ感じるほどです。

 また、当初から用意されていた謎が終盤になって次々と明かされていくのですが、どれも物語を根底で支えられるほどのウエイトを持っており、期待以上の出来映えです。

 エンディングはさすが額賀さんらしく未来に希望を感じさせるもので、読後感が非常に爽やかでした。

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2022年02月22日

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さらさらと、とても読みやすかった。
青春山岳小説といった感じ。
アスリートの引退後のセカンドキャリアについてもテーマの一つになっていて、興味深い。
個人的には、元フィギュアスケート選手の町田樹さんが講演されているセカンドキャリア問題の本質の話なども思い出して、考えさせられた。
作品の中の岳と穂高が、それぞれの痛みを抱えながら、良い関係になっていくのが心地良い。

やっぱり山岳小説は好きだなぁ。
「日常から離れることで自分にこびりついている余計なものを引き剥がしていくのが登山」「下山するときに引き剥がした余計なものを全部拾い集めて帰る」「そうやってまた日常に帰って行くんだよ」
この辺りが印象的でした。

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2022年02月20日

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ネタバレ

スポーツ青春ものかと思いきや、アスリートの引退後のセカンドキャリアの難しさや、山岳小説、ミステリなどなど、色々な試みが詰め込まれていて楽しく読んだ。

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2022年01月07日

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サラっと一気読み。ちょうど先月筑波山に登ったばかりなので、1章目から光景を思い浮かべて読んだ。「険しい山を何時間もかけて登って、日常から離れることで自分にこびりついてる余計なものを引き剥がしていくのが登山」という言葉が心に残った。

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2021年11月29日

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登山って、すごい浄化作用あるんだな。
インドア派の私でさえ、
ちょっと登ってみたいと思う。
本当に登るのは…だけど。

もう一つの話の軸は、
スポーツに打ち込んだ人のセカンドキャリア。
オリパラ終わった今、
なんだか複雑な気持ちで読み終えた。

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2021年09月06日

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岳が抱える罪悪感に穂高と一緒に向き合うクライマックスが迫真。それぞれが自分だったら、と色々考えたラストでした。2人が登った山を読後に検索したら楽しさ倍増。装丁も内容と合ってて素敵すぎる!トロルの舌にも寄ったのかな。

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2021年08月15日

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ネタバレ

高校時代にスポーツクライミング部で活躍し、インターハイ出場経験もある筑波岳。
進学した慶安大学でもクライミング部に勧誘されるが、岳は勧誘を断り続けていた。
そんなある日、ひょんなことから変わり者の三年生・梓川穂高に「同じ名前だから」と筑波山への登山に誘われ、初めての登山を経験し、登山部に入ることに。

登山の楽しみを知り始めた岳に、高校時代のコーチ・宝田からの着信があったが、聞こえてきたのは風の音だけだった。
そしてその翌日、宝田が宝剣岳への登山中、岳への電話の直後に滑落死したと知らされ…


“額賀澪がおくる山岳ミステリ”と帯にあったが、ミステリ色よりも、山の頂の、冷たく爽やかな風に洗われる感覚が素晴らしかった。

心無い言葉で宝田を傷つけ、自らも傷ついていた岳にも、飄々としているように見える穂高にも、洗い落とせない痛みと、答えのない問いがあった。
ただ、日常から遠く切り離された山の上でだけは、心の奥をさらけ出すことができる。
それをさせる山と、そこに吹く風が、また次の山へと駆り立てるのだろう。

蒸し暑い下界にいながら、爽やかな気分になれる。
とことん運動音痴な私でも、山に登ってみたくなる。
夏休みの楽しみに取っておいて良かった。
気分爽快です。

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2021年08月11日

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登山って身体は本当にシンドくてツラい。わかってるんだけど、高山植物とか壮大な景色、気持のイイ風、小川の冷たくて美味しい水、何より登頂した達成感に中毒性がある。やっと下山してすぐに次どこの山登ろうか?ってなる。木曽駒ヶ岳の千畳敷カール行ってみたい。

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2021年07月11日

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ネタバレ

 高校時代、スポーツクライミング部でそこそこの成績を出していた岳だったが、大学では競技を続けないと決めていた。だが、ひょんな事から変人と噂されていた登山部部長の穂高に誘われて、登山をするハメになった。そんな中、高校の部活コーチから登山中に無言電話が掛かってきて…

 コーチは事故なのか、自殺なのか。
 岳にとって、コーチの宝田は良くも悪くも人生に影を落とした恩師。その死の真相を探るべく登山し続けていると、今まで見えなかった物が見えてきて、とても切なかったです。
 穂高も岳も心に闇を抱えいて、心の何処かで許しを欲しているけれど、他人からすれば責められる事ではなくて。それを二人で登り続けていけば、いずれ心の枷もなくなる気がしました。

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2021年06月22日

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高校時代はスポーツクライミング部に所属していた岳。ある理由で、大学は所属しないことを決めていたが、変人と呼ばれている登山部の穂高に流されるまま、一緒に山を登ることに。そんな時、高校時代のコーチから着信が。そして・・・。


額賀さんの最新作で、山岳ミステリーと紹介されていますが、本格的というよりはライトなミステリーになっています。

なぜコーチが滑落死したのか?事故か?自殺なのか?その謎を解くために山に立ち向かいます。
もしかしたら、岳が自殺の種を蒔いたのか?はたまた、別の理由があるのか?自分自身と戦いながらも、山に登っていく姿に壮大な山の情景も相まって、爽やかさや澄み渡る風を感じました。

額賀さんの描く男性像は、負の感情がありつつも、男臭さがなく、クリーンな印象が伺えるので、全体的に爽やかさを放っています。なので、読後感もすっきりとした感覚にさせてくれます。

ミステリーとしても楽しめますが、青春小説としても楽しめました。一つ一つの行動に意味があるかのように後半では、その行動に隠された裏側を描かれています。ミステリーとしての伏線が楽しめましたし、そんなことまでと思うくらい色んな出来事が後に意外な真実が隠されていたことに驚きでした。

また、この作品では様々な山を紹介し、その描写が描かれていますが、雄大な自然の開放感がなんとも言えませんでした。
私も山を登ったことがありますが、モヤモヤした気持ちを解放してくれます。登場人物たちも素直な気持ちになって語りますが、心の奥に隠された思いが、なんとも胸に締め付けるような気持ちになりました。

でも、きちんと自分と向き合うことで、心の棘がとれ、より自分が強くなるかもしれません。
山の美しさ、澄んだ空気を感じられましたし、心に迷いを生じたら、ちょっと山に登ってみようかなと思ってみたくなった作品でした。

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2021年04月28日

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心地良い風を感じながら読めた気がしました。登山とミステリー映画ではよくあるパターンだと思いますが小説で読むと登山をしている気分で心地良かったです。主人公2人の山に関するネーミングもいいですね。身近にある筑波山を登って見たくなりました。あなたも山から吹く風を感じながら読んで下さい。

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2021年04月26日

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山は人を洗う場所。

高校時代にスポーツクライミング選手としてインターハイにも出場した筑波岳。
自分の中で区切りをつけ大学ではクライミングは続けないと決めた。
ある時、登山部の部長・梓川穂高と出会う。
P152「山は不思議だ。下界だと聞けないことや言えないことが、何故か聞けちゃうし言えちゃう」これは穂高の言葉。
心に小さな傷を抱えた二人は
出会えたことで互いに救われたのだと思う。
山の描写に心惹かれ息を大きく吸っていた。
岳の高校時代のコーチの滑落死も物語の重要な鍵となる。
それにしても登場人物すべてが魅力的で
さすが、額賀澪さんと嬉しくなった。

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2022年07月04日

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大学1年生になった筑波岳は、コンビニにでも行くような感覚でいつも山に登っている3年生の梓川穂高に出合う。そんなとき、岳の高校時代のクライミング部のコーチが、宝剣岳での滑落事故で亡くなる。ふたりは、クライミング部のコーチの事故の真相を、滑落事故か自殺かを追求することになる。

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2021年09月25日

Posted by ブクログ

景色の描写がとても気持ちよいので、
見てみたいと思い、
インスタで山の名前を入れて検索したら、たくさん出てきた。
すごい景色。
これは本当にすごい気持ちよさそう。

高校の時のクライミングのコーチが、自殺したのだとしたら、
背中を押したものや人の中に、間違いなく俺がいる。
だから事実を直視する責任がある。
そして登った宝剣岳にはちゃんと答えがあった。
穂高先輩の話も呼吸が止まるほど壮絶で、仲間を見つけることができて本当に良かったと思った。

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2021年07月23日

Posted by ブクログ

山岳ミステリーというより日常のちょっとした謎解きと登山の楽しさをプラスしたような流れ。主人公の葛藤より変わり者の穂高さんの優しさとトラウマが気になって読んでいたが、最後には解決するものの、全体的に軽く何となく不完全燃焼。

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2021年07月11日

Posted by ブクログ

ネタバレ

爽やかな読後ですが、それぞれ背負っているものが重かったです。まだまだ二人とも人生これからなので、どうか前を向いて顔を上げて人生の乱高下激しい山を登り切っていってほしい。多分、彼ら二人なら出来るのでしょう。登山をテーマにした作品を読むと、絶対登りたくなる。今回もそうでした。近場の幼稚園児でも登れる山に行ってみようかしら。

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2021年06月15日

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