額賀澪のレビュー一覧
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今回手にしたのは、読書YouTuberのオンライン読書会で感想を言い合う企画に参加した後に読んでみての振り返り、そして額賀さん御本人のSNSで知りました。
小学校のころの読書感想文、先生からも「自由に書いていい」と言われたことありませんか?
教え方がざっくりしすぎてて、何を書けばいいかわからなくて読書感想文が嫌になり、読書に忌避感を覚えたというルーツを持ってるので激しく共感(笑)
〈フミちゃん〉のような人に幼き頃に出会いたかったなと思いながら、小6の彼らに教えている〈フミちゃん〉は自身も自分を確かめてるのかななんて思ったりもした。
彼女の思いが垣間見れたのは颯祐くんに言い放った
「出題者じゃなくて、その本を読んだ自分を読みとくんだよ。」
これは本に対して言ってるけど、過去に彼女の身に何かがあったのかななんて(勝手に)感づいてしまった箇所。
もしかして過去の自分の心と対話しているのかな、いやどうだろうな…と。
そう考えると、読書って自分と向き合う時間に必要な、ある種の『禅』なのかな。自分と向き合い心を浄化させて、空っぽにして。
小中学生向けとはいえ、実用書なんじゃない?と思ってしまうほど、論点をついた教え方には目からウロコの連続でした。
改めて…読書感想文をうまく書けますか?
まだまだ精進のみです。永久的に。
非常に面白かったです。 -
Posted by ブクログ
労働観というものについてのクライアントの気づきと再生を描くヒューマンドラマ。
また、サポートする CA を描くお仕事小説としての側面もある。
物語は、3話目までは主に主人公の千晴と各話のクライアントの視点で語られるが、第4話は魔王・来栖とクライアントの視点で、最終話は千晴と来栖の視点で、それぞれ語られていく。シリーズ3作目。
◇
早朝。無人のフロアに杖の音が響く。オフィスに一番乗りした来栖嵐は自席でノートPC を立ち上げた。その日の面談予定について、求職者や面談内容をチェックするのが朝のルーティンだ。
予定確認が終わり、新規登録者リストを開きざっと見ていた来栖の目が、ある求職者のところで止まった。氏名と現在の勤務先に目が釘付けになる。
来栖は思わずPCの蓋を閉じ、無人のオフィスを見回した。そのときエントランスの扉が開く音がした。誰か出勤してきたようだ。足音がオフィスに近づいてくる。
そっとPCを開いた来栖は、速やかに先ほどの求職者情報をデータベース上から削除したのだった。 (「プロローグ」) ※全5話とプロローグおよびエピローグからなる。
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これまでの3作品の中で、個人的にいちばんおもしろいと感じたのが本作です。その理由は3つあります。
1つ目は、プロローグのうまさです。
あの常に冷静沈着な来栖の見せた一瞬の動揺と、その後の謎めいた行動。新規登録してきた人物とは誰なのか。そして来栖はどのように対処していくのか。展開がとても気になって仕方ありません。
そんな不穏さが漂うサスペンス調のスタートにさっそくのめり込みました。
2つ目は、各話ともよくできた短編になっていたことです。
特に第1話。千晴と来栖のコンビネーションが絶妙でした。2人の連携はこれまででもあったのですが、今回は東京 ( 来栖 ) と大阪 ( 千晴 ) に別れての転職支援。( 前巻最後で千晴は大阪支社へ異動したのでした。) 2人はもちろん個別で求職者に当たることになりますが……。
その他にも、パワハラ問題や有能で人のよい社員の便利使い問題、専業主婦の求職活動問題などのほか、姉妹関係の難しさにまでテーマを広げてストーリーが構成されていて、考えさせられる内容になっています。
そして、どのお話もうまい落とし所に収まっていて、よくできたお話が好きな私には、おおいに楽しめる展開でした。
3つ目は、千晴と来栖の関係に決着がついたことです。
2人きりのときの千晴と来栖が何ともおもしろい。
1作目では気弱で頼りなげだった千晴が、2作目3作目と進むに従ってとってもパワフルに。しかも意外にも来栖に対して肉食系の押しの強さを発揮したりします。
一方の来栖。鉄仮面をかぶったような冷徹無比な普段と比べ、千晴に対しては微笑ましいツンデレぶり。随所で千晴に押し切られるような柔らかさも見せます。
ちょっぴりラブコメディ仕立てで描かれる2人の恋。デザートとしてどうぞ。
シリーズ最終巻となるみたいですが、3作セット読みで満足度がアップする作品だと思いました。 -
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わたしの祖父母は戦後生まれで、身近な人からリアルな戦争体験を聞いたことがありません
作中にあった「戦争を知る世代から直接バトンを受け取ることができる、最後の世代」ということに、そうだよなと深く頷きました
正直戦争のことはよく分からず、歴史上の話と認識してしまいます 今でも当事者の方は沢山いるのに…
戦争や震災についてどんな風に触れたらいいのかわからない漠然とした感情を作中の登場人物がほどいてくれました
「未来にしか約束をすることができない」けれど、これからは寄り添える人でありたいと思います
戦後80年のタイミングでこの作品を読めてよかったです -
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戦時中のモノクロ写真をカラー化した「時をかける色彩」という写真集を中心に描かれる5つの物語。
私たち20代ぐらいの若者を指して「戦争を知らない世代」と呼ばれることがある。あれが私はすごく苦手だった。
この前、日本では終戦記念日だったけど現在進行形で戦争は世界中で起きていて、そして今この瞬間も沢山の人が死んでいる。それなのに、どうして知らない世代と区切られて、知ろうとすれば偉いと言われ、平和を願えば偽善と批判されるんだろう。今生きている人はみんな戦争の時代を生きる当事者じゃないのかと私は思う。
この本はそんな心のモヤモヤを具現化したような一冊だった。
生まれた環境や経験、立場によって戦争へのイメージ、平和学習への意識は違う。全員で向き合おうと叫ぶには戦争は怖くて、辛くて、しんどすぎるから押し付けることは出来ない。温度差がある。
偽善、自己満、戦争を知らないくせにと他人から揶揄されることもあるかもしれない。それに自分自身が1番分かっている。私たちは戦争を知らない。少し勉強をしたぐらいで知った気になって、終戦記念日の報道特集を少し見てやめて、すぐ日常に戻る。そんな私たちが戦争を語る意味はあるのか。
だけど、そんな葛藤きっと誰だって抱えてる。
「時をかける色彩」と出会った物語上の彼らが、自身を省みながら、時に周囲に批判されながら、それでも動き出すのは、それが彼らの意志だからに他ならない。
私たちは戦争を知らない世代だ。だけど、この意志は私自身のもの。だから、もしも私が、あなたが、平和を願う時代の当事者でありたいと思うなら出来ることから始めてみるのは悪くない。
そんなふうに背中を押してくれる本だった。より多くの人に読んでほしい。 -
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夏っぽい「読書感想文が終わらない!」ってタイトルと爽やかな表紙のイラストに惹かれて手に取った☆
すごく良かった!
面白かったし、勉強になったし、共感した部分が多くて読んでてとても気持ちよかった☆(*´ω`*)
読んで気持ちがいい本ってなかなか出会わないけど、これは大人が読んでも十分楽しめる中身の濃い内容でした。
登場人物達の悩みも学生にあるあるの内容だったし、想像できる簡単な終わり方じゃないのもすごく良かった。
物語だからって、あからさまにハッピーエンドとかバッドエンドって落差ありすぎな話の持っていき方は冷めちゃうんだよなー。
だからこんなに瑞々しくリアルに感情や表現を文字で伝えられるこの作風好きだなって思った。
他の作品も読んでみたくなった!
学生には読書感想文の書き方を、物語を読みながら勉強できるとってもいい1冊!
大人にも自分の気持ちを表現するのに勉強になる1冊!
めっちゃおすすめ! -
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書店で読書感想文課題図書が平積みされているのを見て、その横に同じく平積みされた、青い色が目立つ表紙の本に目が留まった。
さらにその表紙の青いポロシャツが印象的な女の子のイラストが目に入る。私のように「メガネが似合う女の子だな」と思うだけなら平凡だ。だがもし表紙を見ただけで「あれ、この子のメガネってフレームは赤色だ、それに髪型も似合ってるけど、少しだけ髪の毛がちがう色になってない?」というところにまで気づいたあなた!
あなたのその鋭い観察眼ならば、きっといい読書感想文が書けると思う。(私は全然気にも留めませんでした。)
本の帯に「それなら、フミちゃんにおまかせ!」と書いてあるのを見れば、表紙の女の子の名前はフミちゃんだと推測がつく。そして本文を読みはじめれば、フミちゃんは“謎の少女”として登場する。見た目は中学生。でも夏休みの小学校の図書室にいる。なぜ?
そんなフミちゃんは、夏休みの宿題の読書感想文をどうしようかと悩みに悩んでなかば仕方なく小学校の図書室を訪れた小学生たちに、次々と解決の糸口を語る。そう、それはまるでミステリーの謎解きのよう。
「読書感想文って、本をしょうかいする作文じゃなくて、本を読んだ自分のことを書く作文だから、自分が好きなものとか、やってるスポーツとか、そういうものに関係した本のほうが書きやすいんだよ」(P21)。
ほかにもフミちゃんの読書感想文に関する金言が、この本にはいっぱい出てくる。そういうフミちゃんのひと言ひと言が、レビューを書こうとして悩んで立ち止まることが多い私の心にも響いてきた(笑い)。何といってもフミちゃんの、マウンド上で苦しむ投手に絶妙なサインを出せる名捕手のような当意即妙な答え方がすごく心地いい。だからはじめは警戒している小学生も、フミちゃんの言葉が、まるでトローチを口に含んだときのように、はじめは苦くても、じんわりと甘みが溶け出てきて染みてきているのがわかる。
それにしても、久しぶりに少年少女向けの小説を手に取ったけれど、このテンポのよさに、ここまで進化しているのか、と驚きをもって読んだ。いかに途中で飽きさせずに読んでもらうかという点での進化と思われるけれど、じっくりと長文を読ませたいという考えの人からは異論も出るだろうが、まあ、「進化」かなと私は考える。
最後にもう一度表紙を見てほしい。帯をめくったところの左下に、なぜかカニがいる。ここは図書室なのになぜカニが?と考える私なんかは典型的な頭の固い人間かもしれない。
この本の第3話に、宮沢賢治の短編『やまなし』が出てくる。「クラムボンはぷかぷかわらったよ」というカニの子どもたちの会話を思い出してほしい。『やまなし』の感想文を書いて「ぜんぜんうまく書けなかったよ。『やまなし』の話、ぜんぜんしてないし」と愚痴をこぼした虎太郎君に、フミちゃんはP115でこう答えている。「いいじゃん、無理にクラムボンの正体を考えたり、宮沢賢治の言いたいことを考えたりしたら、読書も作文も、もっときらいになるでしょ?それに、トラ太郎くんらしい感想文になったんじゃない?」
原稿用紙の上をカニが歩いている絵?単純におもしろいねと思ったあなた!あなたも、きっといい読書感想文が書けると思う。 -
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ネタバレ器が小さくて、臆病で、残酷。他人から憎まれ、疎まれ、嫌われながら、恐らく1番傷ついていた菅原晋也に深く感情移入してしまった。
東日本大震災で行方不明になってしまった彼の記憶が、生き残った彼の周りの人々の人生に織り込まれ、浄化されていくのが切ないが妙に現実的だと思った。彼に対して、もっと複雑な感情を抱いていたはずの人たちも、罪悪感と後悔と苛立ちに疲れ、やがて彼を記憶の底に沈めてしまうのかもしれない。
それでも目を閉じて彼を思い出す、その幕間の一瞬に、愛されたいと願っていた菅原晋也という人間に対する祈りが少しでも含まれていたなら救いだと思う。今年読んだ中では1番好きです。
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スケートボード小説第2弾。
東京五輪の金メダリスト・エイジ
パリ五輪の金メダリスト・マシュー
因縁の二人がロスオリンピック予選大会で火花を散らす──。
あー、もう最高!!
なんて爽やかで、熱くて、スリル満点のスポーツ小説なの!
エイジとトモ、丈太郎にまた会えて嬉しい。
読み終えて心地よい余韻に浸っています。
スケートボードのスポーツ小説ですが、エイジと彼のフィルマー・丈太郎との絆も熱い!
大人というにはかなり無鉄砲でお人好しな丈太郎も、ツンデレなエイジもいいなぁ。
ホントこの二人好きだし、良いコンビ。
児童養護施設出身のエイジとトモ。
家族以外に信頼できる大人がいるって大事。それはどんな環境で育った子どもでもそう。
その存在は、時として子どもの未来を左右するくらいに大きい。
エイジやトモが丈太郎に出会えて良かった。
本作ではハラハラしながら読みました。
疾走感があってずっと目が離せないストーリー。続編が楽しみで仕方がない。
著者の「タスキメシシリーズ」も好きだけど、もっと好きかも。
胸熱で面白いので多くの人に読んでみて欲しい。 -
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かつて全日本吹奏楽コンクールで金賞受賞するも、今は県大会も通過できない千学吹奏楽部。
今年入部した基、同級生の堂林、基の幼なじみで先輩の玲於奈、そしてコーチの瑛太郎。
部活と大学受験の両立に悩む部員。
コンクールで全国を目指してただただ部活を頑張るだけでなく、勉強や将来に悩む姿も描かれているところにリアリティを感じました。
部員一人一人の思いをもっと掘り下げて読みたいのはもちろん、瑛太郎の同級生の話しや基の家族の話しもももっと読みたかったなぁ。
だからと言って物足りないというわけではなく。
この世界観がすごく好きだからずっと読んでいたい、そんな一冊でした。 -
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ネタバレネガティブな感情なんてなくなったらどんだけラクかっておもってきた
なければないほどいいし、ポジティブに憧れながらこれからも苦しむんやろうなぁと
でも、ネガティブもないと、人間は壊れちゃうし
それこそが人間らしさやったりして
感情があることって、感受性豊かなじぶんって
しあわせなのかもってプラスにおもえた
人の何倍も痛みを知っとる沖春くんは
ほんとはとてつもなく優しくて
だれよりも人がすきで、人間らしくて、
そんな感情を取り戻した沖春くんも、
どんな沖春くんにも寄り添うことができた京香も
ふたりともまっすぐで、愛おしくてだいすき
ずっとなみだ堪えるくらい
切なくて寂しくて、でも終始あったかくて
めちゃくちゃ心揺さぶられた
どんな人でも何か抱えるものがあって
ひとつやふたつの悲しいことがあるわけで
そう思うと誰にでもやさしくなれる気がする
死ぬのも怖いけど残されるのも怖いなぁ -
Posted by ブクログ
シリーズ3冊目。
今回もシェパード・キャリアにやってくる求職者はそもそも「(何で)転職したいのか」が見当たらない…という転職したい理由が何なのか、肝心な軸がなくて表向きの目線でしか見えてないから辞めたい、10人に1人、そういうタイプがいるんじゃなかろうかと思える。
働き方改革が進んで、自分が20代の頃のような精神論を唱えるような企業は大幅に減ってて。
その中で自分軸を身につけ企業とのコミュニケーションが必要になってくる時代なんですよね。と第三話の『職場がホワイトすぎてぬるい〜』で共感。
転職って人生の通過点。少しでも求職者が理想的な企業に就業できるようサポートするCAのみなさんには感謝しかないと、改めて思いながら読み終えました。
作者の額賀さんは念密にこの業界のことを調べたんだなと素晴らしいです。
まだまだ続きが観たい…。
転職活動をしていた身として、来栖嵐の求職者に対する(猛毒で心を抉る)言葉は突き刺さることばかりなのに終わるのがもったいないなぁ…。