額賀澪のレビュー一覧
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『世代を超えた青春スケートボード小説』
スケートボードの元オリンピック金メダリストと、不祥事で干されたカメラマンの物語。額賀澪さんの得意とする青春小説であり、スポーツ小説であり、バディ小説である。
物語は渋谷の街を中心に様々なトラブルに巻き込まれながらも、スケートボードへの情熱やカメラマンの意地が交錯しながら逆境に立ち向かっていく様子が描かれる。2021年の東京オリンピックより正式競技となったスケートボードの魅力や課題が存分に伝わってきた。
本作の見どころは主役の二人に年齢差があるところ。自由奔放な今どきのスケーターと、バツイチで人情味のあるおじさんカメラマン。この二人の掛け合いが抜群に -
匿名
ネタバレ良い
「タスキメシ」は、主人公である高校生の太郎が、料理を通じて人々との絆を深めて成長していく物語です。太郎は、料理の腕前が優れていることに自信を持っており、将来は料理人になることを夢見ています。しかし、太郎の料理は単なる技術のみであり、人の心を動かすことはできませんでした。
そんな中、太郎は料理教室で出会った仲間たちと共に「タスキメシ」という料理クラブを結成します。仲間たちはそれぞれ個性的で、太郎とは異なる料理のスタイルを持っています。最初は意見の衝突もありましたが、徐々にお互いを尊重し合うようになり、絆が深まっていきます。
太郎たちは、タスキメシという料理を作り続ける中で、料理の本質とは何か -
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不祥事を起こし、仕事のなくなったスポーツカメラマンの与野丈太郎と、東京五輪で金メダルを取りながらもその後、五輪選考会にも出ず、パリ五輪にも出ない天才スケボー少年の大和エイジ。偶然にも二人は出会い、丈太郎はエイジを撮影するフィルマーとなる。
スケボーの如く、疾走感あるストーリー。
夜中の渋谷を走り抜けるエイジを最初は「危ないなー」と思いながらも、読んでいくうちに空き巣窃盗事件、丈太郎の不祥事がらみの事件、児童養護施設出身のエイジの出生についてなど、どんどん物語が展開されていき、あっという間に読み終わった。
ちょうど、パリ五輪が終わった時に読み終えてよかった。
最近、額賀さんはスポーツ青春も -
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2024/07/17
潮見島という小さな島での伝統的なお祭りを舞台にしたその島に住む中高生などをメインとしたお話。
離島の伝統行事が舞台の青春小説って感じだと思うのですが、ジャンルがピンポイントで尚且つ、このジャンルで青春小説として成立しているのが凄すぎるなと思いました。
農家の娘の深冬は附属高校がある大学のゼミに高校生ながら通う人で、その目的はゼミにいる優弥先輩に会うためだった。
ゼミの研究の一環で優弥の故郷でもある潮見島への調査ということで3週間島で暮らして調べることになるのだが、そこで出会う島の人々やその伝統に対する想いに、最初は深冬は嫌悪感で一杯だった。
その様子が徐々に解きほぐされて -
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面白かった!
スケートボードを扱った作品を読んだのは初めて。
渋谷を舞台に、突然姿を消したスケートボード金メダリスト・エイジと仕事を干されたスポーツカメラマン・丈太郎が繰り広げる物語。
年の差コンビが繰り広げる世界を、胸を熱くしながら読み終えました。
爽やかなスポーツ青春小説でありながら、スポーツカメラマンの世界も覗けてお仕事小説っぽくも楽しめました。
臨場感、疾走感のある展開にページをめくる手が止まらない!
エイジとの絆が深まっていく様子もいい。
スケートボードの魅力、いくつもの人間ドラマが詰まっていて面白かったです。
スケートボードへの興味も深まったし、スポーツカメラマンにも興味が -
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ネタバレ【俺の人生、もっと高く跳べるはず】
本屋で装丁を見て、「お、漫才師のシルエット!芸人の話だ!」と思い購入!
タイトルも「鳥人王」だし、笑い飯さんのネタ「鳥人」になんか関係あるのかなと。
読んでみてびっくり。鳥人王は「ちょうじんおう」と読み、漫才師が棒高跳びに挑戦する話だった。
あらすじ。
主人公は漫才コンビ、パセリパーティの御子柴陸。
コンビ活動はM-1一回戦落ちと、うだつが上がらない。
30歳がきたら芸人を辞めることも視野に入れていた。
しかし運動神経抜群の御子柴は、ピンで「アスリートチャレンジ」という番組に抜擢される。
番組では陸上、水泳、クリケットなどなど、いろいろなことに挑戦さ -
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第100回箱根駅伝を機会に描かれた作品。
戦時中の箱根駅伝にかける大学生たちの想いを、現代の回想と交互に描く。
日東大に監督に就任したばかりの成竹は、ボストンマラソンで3位に入賞した神原と一緒にいる時に、戦時中に書かれた古い日記を外国人から受け取る。
そこには戦時中に箱根駅伝開催に向けて、必死に戦った人たちの様子が描かれていた。
昭和15年、戦前最後の箱根駅伝が行われていた。
まだ太平洋戦争は始まっていなかったとは言え、中国と戦火を交えていた日本は、駅伝が終わった学生たちを戦地へと送り出していた。
「箱根を走って、戦争へ行く」
それが当時の学生たちの心に決めたことだったが、翌年以降、箱根駅伝が -
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いやあ凄かった。これは映画化しても良いのではないかと思った。難しいか、、?
ただの駅伝のお話ではない。初読みの作家さん。
昭和十五年、真珠湾攻撃前の日本から物語は始まる。
その後開戦。戦火の色が濃くなり、中止になってしまった箱根駅伝。
学生の意地と根性で、昭和十八年、最後の箱根駅伝という思いで復活させる。
多くの学生が自分たちがこれを最後に、直に戦争に動員されることを覚悟していたからだ。
開催に至るまでの奮闘、最後の箱根駅伝の様子を令和五年の現代の箱根駅伝の物語も混ぜながら描かれる。
なぜ箱根駅伝で走りたいのか、なんで観てしまうのか。
走者、補佐、補欠、運営側、記者、いろんな目線で描 -
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箱根駅伝の歴史に基づくフィクションということで、あの大学この大学を連想させる架空の大学名やチームカラー、大学駅伝好きとしてマニアックな点にいちいち反応しながら読む。
第二次世界大戦によって中止を余儀なくされた箱根駅伝、その代替となる青梅駅伝、第22回としてカウントされながらも異質の箱根駅伝……。戦争が日本の学生に与えた深い傷を描き、読んでいる私も胸が痛くなる。
スポーツを楽しむことが禁じられ、鍛錬や戦技としてのスポーツのみ許される。そんな窮屈な世界で、それでも箱根駅伝を走りたいという学生の強い想いが生み出した第22回箱根駅伝。「走れてよかった、これで後悔なく死ねる」と思いながら走る。そんな悲 -
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絶妙なタイトル、、いいトシして自分のことだけしか意識が向いてない夢追い人たちの厳しい現実、経済状況や心理状況が赤裸々に描かれていて、、、
・・・私自身は、大人になることが当たり前だった最後の世代(?)で、30半ば過ぎても青春の終わらせ方がわからないとか、正直、いい加減にせーよクソ甘えてるよね、と切り捨ててしまいたい、と思うところもなきにしもあらず、とはいえ、子どもたちの世代をはたから見るに、今ってこうなんだよねー、理解を示さんといかんのかね、となんとなく日和ってしまう、、、
(我ながら、どんな立ち位置やねん⁉︎)
自由が認められ過ぎて、敢えて大人にならなくてもいいから、かえって悩み多いんかな