額賀澪のレビュー一覧
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早急にドラマ化したほうがいい。
過労死した吹奏楽部顧問の音楽教師をきっかけに始まった本格的な『働き方改革』
最初は懐疑的だった若手の英語教師も学校の抱え続ける問題に向き合っていく。
内情を知っている人なら寒気がするほどリアルな吹奏楽部の保護者会
教員になるつもりのない教育実習生の冷めた目から見た現場
部活絶対の野球部顧問とボランティア指導員の元教え子
定時帰り
部活動廃止
完全週休二日制
教育庁から来た新校長は、実現する事が出来るのだろうか?
当事者でもある中学生、それも私立へ行かなかった『下位七割』の葛藤や確立しかけている自我の純粋さも分け隔てなく描かれている。
そして今読み終えた事で抱えた課題について
、私達は考え続けなくてはならないと思った。
もう、先生を失わないためにも。
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ネタバレ読み終わった後、しばらくぼーっと動くことができなかった。まるで凄い映画を観終わったあと、エンドクレジットが流れる中で深い余韻に浸ってしまうような、観客の感情を強く揺さぶる作品だった。
菅原晋也という人物に関わった人々の、さまざまな思いが最後に一つへと繋がっていく。誰もが「彼が生きて描くはずだった人生」を見たかったに違いないし、生きていてほしかったという切実な願いが胸に刺さる。
そして、3月11日に起きた出来事の凄まじさと残酷さ。読んでいて恐怖を覚えるほどの描写を通して、改めて自然の無情さを突きつけられた。深く考えさせられ、心に重く残る一作だった。 -
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いろいろ考えさせられた本だった。
私自身が子どもの頃、部活動が大好きで、部活動があったから、それまでの授業をなんとか過ごしてきた。退屈な休み時間もなんとかやり過ごしてきた。確かに、指導教師の負担を考えもせず、当たり前の学校の仕組みだと思っていた。
しかし、教育実習に行ってみて、こんなに長時間教育現場に縛られながら生きることは、私にはできないと思い、教師という職業は選ばなかった。選ばなくて良かったと今でも思っている。
教師を続けていた友人は、教頭になった頃、定時で早く帰ってしまう教師に対して愚痴をこぼしていたが、私は、残業代が出る訳でもないのに残って仕事するそんな現場、「それはおかしいだろ」って思っていた。
それくらい、長く現場にいる人達は、時間外の奉仕のような仕事を当たり前のように思い、それをおかしいと考える人に対して、批判的な目を向けていたように思う。
部活動という課題を解決することは、大変難しいことだが、変えていかないと教師になりたいと思う人は、減る一方だと思う。教師に集中しているいろんな責任を多方面に分散させるような仕組みができることを、孫の時代には少しできていることを願いたい。
そういう簡単には解決できないが、今、なんとかしないといけない問題について、考えさせられた本だった。 -
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都内の公立中学校で、音楽教師が過労死した。
働き方改革の命を受けて、教育庁から赴任した新校長は、校訓の「自由・自立・協調」と書かれた額縁を放り投げて、【定時帰り】【部活動廃止】【完全週休二日制】と書かれた額縁を掲げた。
学校はアップデートできるのか⁈
直ぐに部活動廃止が通用するわけでもなく、週5あった部活を週2にしたバレー部顧問の藤木は、生徒との間に立ちながら、校長のやり方がどこまで通るのか⁈様子見するしかなかった。
吹奏楽部の新人教師と保護者や野球部のコーチの話など問題は山積みである。
部活動には教室で得られない経験と学びがあると思ってはいても、部活動の顧問で疲弊しては…となる。
部活動を地域移行にしても苦しみが、学校教師から時間の余裕と熱意と優しさを持った地域の大人に移るだけになるのもどうなのか…と。
これは現実問題としても、それぞれの立場からもっと考えていくべきだと痛感した。
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東京都東むさし野市立南中学校の校内で、36歳の吹奏楽部の顧問で音楽教師の福田芳野が倒れ、そのまま亡くなった。過労死だった。そのことがきっかけとなり、働き方改革の命を受け、教育庁から赴任した新校長の宇佐崎栄一が掲げたのは、「定時帰り」「部活動廃止」「完全週休二日制」。果たして、学校教育の現場に働き方改革はもたらされるのか。27歳の英語教師藤木亜梨子(ありす)を中心に、物語は進んでいく。
先生方を間近に見てる身としては、なかなかリアルに描かれているなぁと感じた。
ここ10年で先生方の有休取得も増えたし、定時帰宅を勧める動きは進んではいるが、不登校の子どもたちは増えているし、保護者がちょっとしたことでも学校側に頼ることも増えている。教育現場の働き方改革と同時に保護者の教育も必要なのでは、と考えてしまう。
週7日部活が当たり前の世代だったけど、上を目指すためにそこまでしなくてもと思いつつ、それが当たり前と考えていた。親となり、顧問の先生は大変だなと思いつつ、親目線で子供達が週末に部活に行くことは良いことだとも思っていた。
先生方にもプライベートな時間は必要だけど、部活動を地域移行するのもなかなかハードルが高い気がする。そして、週末何もしないでスマホばかり見ていたり、繁華街をフラフラする生徒が増えるのではないかと危惧している。
いろいろ考えさせられる作品だった。
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ネタバレいよいよ今年度も駅伝シーズンがもうすぐ始まるので、自分の中の前哨戦として今年はこの本をチョイス。
今まで読んできた箱根駅伝題材の小説とは違い、現在と戦争下を行ったり来たりしながら話は進んでいく。
戦争で2年間箱根駅伝が開催されなかった年があることは知っていた。ただ、青梅駅伝や靖国が発着点だった駅伝については知らなかった。
ただ平穏に暮らしたいだけなのに、ただ勉強したいだけなのに、ただスポーツがしたいだけなのに。いつの時代も平穏な日常を奪われるのは何の罪もない一般市民である。当たり前が当たり前でなくなる恐ろしさ。生き残ったものたちの苦悩。目に見えるものだけでなく、たくさんのものを奪い、あちこちに傷跡を残す戦争。
令和の時代も厳しい戦争下の昭和時代も、学生たちの箱根駅伝への想いは同じだった。
ずっと別々の物語で進んでいた令和と昭和の物語が、一進の実家で繋がった時には『!!!』だった笑
額賀さんの[タスキメシ]シリーズも好きで3作読んだけれど、今回も走っているシーンは、時には観客、時には選手と同じ息づかいで走っている感覚になり、すごくワクワクさせられた。 -
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僕自身は大学を中退した分際なのでポスドクの気持ちはわからないはずなんだけど、勝手に主人公に感情移入をした結果、エモいってのはこの感情なのか!と初めて感じさせてくれる本だった。
好きな分野で研究職を続けていくうちにどん詰まりの環境にゆっくり追い込まれていく主人公、主人公の10年先を進んでしまってて後がない状況の尊敬してた先輩、研究職を諦めて社会的には成功を収めつつあるけど自分の中ではしっくりきてない友人の3者それぞれが進んでいく道は、果たしてどれ正解なんだろうと考えさせられる内容だった。
主人公が経済的に困窮して始めたバイトで出会う人にもそれぞれの事情があって、その有様が主人公にも影響を与えた結果、最後の決断に至ったのかなと思う。
面白かった。また必ず読みたい。 -
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心を、熱く爽やかな風が吹き流れて、文字が音符になって弾ける。
本作は高校生と将来を悩む20代フリーターコーチと吹奏楽の物語。
社会人にも通ずるものがある。
全力で仕事をやりぬいた経験がある人間は、強い。
その後も自律的に限界値を超え続けることができる。困難にぶつかったとき、自分が頼れる自分を持っている、という意味も持つ。過去に全力でやったという体験が、今、明日の自分を生かす。生かされるという表現もできる。
主人公は叫ぶ。
「『あのとき違う選択をしていれば』って思うような場所で奏でた音楽なんて、美しくも何ともない」
コーチも悟り、高校生に語る。
「今日という時間がどれだけいいものだったかを決めるのは、明日以降の自分だ」
最高到達点に届いた経験が、また、人を突き動かす。頑張ることに、無駄なことなんて一切無い。
今を攻めて攻めて、攻め続ける。
これからもそういう大人でありたい。
風。
背中を押してくれる、爽やかな風。
彼らはすっと吹き始めて、ざらっと留まり、ふわっと駆け抜けていった。
身体中を何かが巡る。
読み終えてすぐ「感想を書きたい」、そんな感情を残した傑作。 -
Posted by ブクログ
面白くてシリーズ一気読み。読み終わるのが寂しくなる作品に出会えて感謝です。
箱根ランナーではあっても、その後実業団にはすすまない人のリアルを描く。仙波千早がんばってるなぁ。と母の気持ちで読んだ。
学生スポーツの【その後】を描く力量に、漫画ハイキューに通じる感動があり、大人としてはそちらに心を動かされた。
かなり緻密な取材をもとにして描かれた無観客東京オリンピック、選手村の舞台裏。2021年から5年経過した現在、あの頃の報道、なんともいえない空気感は忘れてしまっていたが、リアルに思い出すことができた。
改めて東京オリンピック、残念だったなとも思った。
作中で早馬28歳、春馬27歳とあり、そんなに時が流れていたのかと驚いた。大好きな作品になったタスキメシシリーズ、次回作はあるのだろうか…