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Posted by ブクログ
素敵な本だった。
夏休みに、卒業した小学校の図書室に通う中学生のフミちゃん。そこへ、感想文用の本を借りにくる小6たち。感想文なんて苦手だと言う栄人、自分の気持ちに蓋をして周りに合わせている優衣、感想文を買おうとする虎太郎、感想文なんて読まなくても書けるから、先生達が喜びそうな本を選ぼうとする颯佑、可哀想な子と決めつけられて周りから気を遣われていることに辟易している千尋は、それぞれフミちゃんに本選びや感想文の書き方を教えてもらう。
5人が書き上げた感想文は、本音に満ちていて、自分と向き合って書き上げたことがわかる感想文だった。小学生に助言するフミちゃん自身も、実は悩みを抱えていて、図書室で毎日感想文を書いている。フミちゃんもまた自分と向き合い、気持ちを整理して、考えるために、図書室へと通っていたのだ。読書感想文の書き方にも触れながら、子ども達の悩みも解き明かしていく物語。小中学生にも、読書感想文を指導する先生達にも、子どもを取り巻くおとなにもぜひ読んでほしい一冊。
Posted by ブクログ
今回手にしたのは、読書YouTuberのオンライン読書会で感想を言い合う企画に参加した後に読んでみての振り返り、そして額賀さん御本人のSNSで知りました。
小学校のころの読書感想文、先生からも「自由に書いていい」と言われたことありませんか?
教え方がざっくりしすぎてて、何を書けばいいかわからなくて読書感想文が嫌になり、読書に忌避感を覚えたというルーツを持ってるので激しく共感(笑)
〈フミちゃん〉のような人に幼き頃に出会いたかったなと思いながら、小6の彼らに教えている〈フミちゃん〉は自身も自分を確かめてるのかななんて思ったりもした。
彼女の思いが垣間見れたのは颯祐くんに言い放った
「出題者じゃなくて、その本を読んだ自分を読みとくんだよ。」
これは本に対して言ってるけど、過去に彼女の身に何かがあったのかななんて(勝手に)感づいてしまった箇所。
もしかして過去の自分の心と対話しているのかな、いやどうだろうな…と。
そう考えると、読書って自分と向き合う時間に必要な、ある種の『禅』なのかな。自分と向き合い心を浄化させて、空っぽにして。
小中学生向けとはいえ、実用書なんじゃない?と思ってしまうほど、論点をついた教え方には目からウロコの連続でした。
改めて…読書感想文をうまく書けますか?
まだまだ精進のみです。永久的に。
非常に面白かったです。
Posted by ブクログ
夏っぽい「読書感想文が終わらない!」ってタイトルと爽やかな表紙のイラストに惹かれて手に取った☆
すごく良かった!
面白かったし、勉強になったし、共感した部分が多くて読んでてとても気持ちよかった☆(*´ω`*)
読んで気持ちがいい本ってなかなか出会わないけど、これは大人が読んでも十分楽しめる中身の濃い内容でした。
登場人物達の悩みも学生にあるあるの内容だったし、想像できる簡単な終わり方じゃないのもすごく良かった。
物語だからって、あからさまにハッピーエンドとかバッドエンドって落差ありすぎな話の持っていき方は冷めちゃうんだよなー。
だからこんなに瑞々しくリアルに感情や表現を文字で伝えられるこの作風好きだなって思った。
他の作品も読んでみたくなった!
学生には読書感想文の書き方を、物語を読みながら勉強できるとってもいい1冊!
大人にも自分の気持ちを表現するのに勉強になる1冊!
めっちゃおすすめ!
Posted by ブクログ
書店で読書感想文課題図書が平積みされているのを見て、その横に同じく平積みされた、青い色が目立つ表紙の本に目が留まった。
さらにその表紙の青いポロシャツが印象的な女の子のイラストが目に入る。私のように「メガネが似合う女の子だな」と思うだけなら平凡だ。だがもし表紙を見ただけで「あれ、この子のメガネってフレームは赤色だ、それに髪型も似合ってるけど、少しだけ髪の毛がちがう色になってない?」というところにまで気づいたあなた!
あなたのその鋭い観察眼ならば、きっといい読書感想文が書けると思う。(私は全然気にも留めませんでした。)
本の帯に「それなら、フミちゃんにおまかせ!」と書いてあるのを見れば、表紙の女の子の名前はフミちゃんだと推測がつく。そして本文を読みはじめれば、フミちゃんは“謎の少女”として登場する。見た目は中学生。でも夏休みの小学校の図書室にいる。なぜ?
そんなフミちゃんは、夏休みの宿題の読書感想文をどうしようかと悩みに悩んでなかば仕方なく小学校の図書室を訪れた小学生たちに、次々と解決の糸口を語る。そう、それはまるでミステリーの謎解きのよう。
「読書感想文って、本をしょうかいする作文じゃなくて、本を読んだ自分のことを書く作文だから、自分が好きなものとか、やってるスポーツとか、そういうものに関係した本のほうが書きやすいんだよ」(P21)。
ほかにもフミちゃんの読書感想文に関する金言が、この本にはいっぱい出てくる。そういうフミちゃんのひと言ひと言が、レビューを書こうとして悩んで立ち止まることが多い私の心にも響いてきた(笑い)。何といってもフミちゃんの、マウンド上で苦しむ投手に絶妙なサインを出せる名捕手のような当意即妙な答え方がすごく心地いい。だからはじめは警戒している小学生も、フミちゃんの言葉が、まるでトローチを口に含んだときのように、はじめは苦くても、じんわりと甘みが溶け出てきて染みてきているのがわかる。
それにしても、久しぶりに少年少女向けの小説を手に取ったけれど、このテンポのよさに、ここまで進化しているのか、と驚きをもって読んだ。いかに途中で飽きさせずに読んでもらうかという点での進化と思われるけれど、じっくりと長文を読ませたいという考えの人からは異論も出るだろうが、まあ、「進化」かなと私は考える。
最後にもう一度表紙を見てほしい。帯をめくったところの左下に、なぜかカニがいる。ここは図書室なのになぜカニが?と考える私なんかは典型的な頭の固い人間かもしれない。
この本の第3話に、宮沢賢治の短編『やまなし』が出てくる。「クラムボンはぷかぷかわらったよ」というカニの子どもたちの会話を思い出してほしい。『やまなし』の感想文を書いて「ぜんぜんうまく書けなかったよ。『やまなし』の話、ぜんぜんしてないし」と愚痴をこぼした虎太郎君に、フミちゃんはP115でこう答えている。「いいじゃん、無理にクラムボンの正体を考えたり、宮沢賢治の言いたいことを考えたりしたら、読書も作文も、もっときらいになるでしょ?それに、トラ太郎くんらしい感想文になったんじゃない?」
原稿用紙の上をカニが歩いている絵?単純におもしろいねと思ったあなた!あなたも、きっといい読書感想文が書けると思う。
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