【感想・ネタバレ】サリエリはクラスメイトを二度殺すのレビュー

あらすじ

朝里学園大学附属高校の卒業演奏会の最中に、出場者の恵利原柊が音楽科クラスメイトの雪川織彦を殺してしまう。
作曲家アントニオ・サリエリがモーツァルトの才能に嫉妬して毒殺を企てた説にちなんで、事件は「サリエリ事件」と呼ばれた。
卒業演奏会に出た残りのクラスメイト4人は朝里学園大学に進学し、四年後、同じ卒業演奏会で再び顔を合わせることに。
そして、演奏会の最中に、再びクラスメイトを殺す事件が起こってしまう。何故、二度も殺人事件は起きたのか。週刊現実の記者である石神幹生は二つの事件を追っていた。

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ネタバレ

 舞台が学生の卒業演奏会で高校の卒業演奏会では6人が殺人事件に関わり、四年後の大学の卒業演奏会で4人が殺人事件に関わるといった芸術を伴った青春ミステリーでした。才能・嫉妬・友情がまさに事件に絡みあっていくところが面白かったです。
 自分もピアノを習っていたこともあって小さなコンクールに出た経験はあるからなんとなくわかるんですが、ピアニストやその他の音楽家、さらに言うと芸術家という人たちの性格は「負けず嫌い」が多いです。自分もそうです。そうなると、人の才能を凄いという一方で、その人の才能に嫉妬することがよくありました。
 この小説では「青春音楽ミステリー」と帯に書いてあって、人の才能を認める一方で妬み、ついには一線を越えて殺人事件を起こしてしまう、青春ならではのいろんな感情を上手く描いていて面白かったです。

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2025年10月24日

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ネタバレ

好きになれそうだったキャラクターから死んでいく。苦しい。
「三度目なんて、ごめんなんだ」 最後の台詞を読んで本を閉じた後に目に入るタイトル。題名付けのセンスが逸脱している……

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2025年08月09日

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演奏会中にクラスメイトが殺される……高校の卒園でも起きたことがなぜ大学でも?というホワイダニット。表紙から受けるのとは結構違う印象の小説でびっくりした。最後まで気を抜かずに読んで欲しい。

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2025年04月29日

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音楽を志す若者による殺人事件。
しかも同じ舞台で二度目も起こる。

関係者たちと、事件を追う記者による視点で語られる物語。

最後怖かったー。
終盤の拘置所のあたりで、残りのページ数が少なく、これはもしかしてすっきりしない終わり方なのでは、と思ったのだけど、なんともいえないもやもや感。
理由が明かされたといえばそうだけど、どうしてそんなことで?という、納得できない感じが強い。衝動的に殺人に及ぶ人の理由なんて、そんなものなのかもしれないけれど。
なんだか、被害者も加害者も関係者も、みんな報われない。この子たちみんな呪われてたんだな、という印象の終わり方。

経済的な理由で、才能ある若者が音楽を諦めなきゃいけないのは、切ない。

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2025年03月13日

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ネタバレ

週刊誌の記者が事件を引っ掻き回しているのだが、そう単純でもなかった。若者たちが豹変するきっかけは些細な一言なので、それだけピアノに対し張り詰めているということか。

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2025年02月01日

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ネタバレ

タイトルの「サリエリ」と言うのが言い得て妙でした。

名門音大付属高校で起きた殺人事件。根底にあるのは「嫉妬」。
ほんの些細な嫉妬が、衝動的に事件を起こしているのがなんとも言えませんでした。

そして、第三のサリエリ事件。これもとても何とも言えず後味の悪いものでした。

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2024年12月11日

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音楽の名門校の卒業演奏会の最中に起こった、クラスメイトによる殺人事件。四年の時を経て二度も起こってしまったその悲劇の原因は何だったのか。哀切な読み心地の物語です。
お互いに切磋琢磨し和気藹々とした日々を過ごしていた六人のクラスメイト。冒頭でそのうち二人が殺され、二人が殺人者となることが明かされています。高校卒業時に起こった事件によりそれぞれにやりきれない思いを抱えたまま、四年後に再び卒業演奏会に挑む四人。その中の誰が誰に殺されてしまうことになるのか……それが気になってぐいぐい読み進みたい気持ちと同時に、読みたくない気分にもなりました。だって誰が殺されても、誰が殺してしまうことになっても、あまりにつらすぎるのだもの。
音楽を続けるために必要なのは、才能だけではないという厳しい現実。その一方で、やはり才能というものに打ちのめされてしまう苦痛。やり場のない思いはどこへ向かってしまうのか。そして誰もが危惧する、事件に自分の言動が影響を及ぼしたのではないかという惧れ。なにもかもがあまりに苦しく、痛々しい物語でした。だけど惹きつけられる物語でもあります。

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2024年11月13日

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ネタバレ

好みじゃないかも…?と思いながら読み進めたけれど、ラストの余韻が良かったです
これからは、どこかの空でナギ君がオムライスをたくさん食べられれば良いな

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2025年08月30日

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高校の卒業演奏会の最中に起きた殺人事件。その場にいた4人が四年後に同じ卒業演奏会で再び顔を合わせることからまた新しい事件が始まる…。イヤミス、の部類に入るかな?芸術の世界の厳しさ、技術だけでのし上がれないもどかしさが物語全体に渦巻いているが、ドロドロしすぎず読みやすかった。最後の展開には少し驚いた…

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2025年04月23日

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視点人物を変えることで、ちょっとした違和感が関係性の亀裂だったことを開示していくのはうまかった。事件が突発的すぎてあまり好みでなかった。

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2025年04月07日

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額賀澪さんのミステリー初めて読みました。前に読んだのはスポーツ小説。
今回の小説は音楽が舞台だったけど、どっちも狭き門で抜け落ちていく人がいるのが辛い世界だなぁとおもった。
色々とどうして殺人が起こったか?ということを探っていったけど、誰が何を言おうと、事を起こした人が悪いんだと思う。

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2025年02月28日

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ネタバレ

朝里学園大学附属高校音楽科の卒業公演の最中に出演者の男子生徒がクラスメイト1名を殺害した。通称「サリエリ事件」。当時代表に選ばれていた他の4名は大学に進学し、4年後卒業公演のメンバーに選ばれた。卒業公演の最中またも同様の事件が起こり、クラスメイトが殺害された。サリエリ事件を追う週刊誌の記者・石神が辿り着いた真相とは…。
正直初めはいまいち乗り切れないというか読み進まなかったが、章を重ねていくとだんだん乗ってきた。
音楽科というある種特殊な環境の中で起こる事件。他人の経済状況なんてわからないし、そもそもがお金のかかる世界のこと。テストの点数みたいにわかりやすい形ではなく才能を競い合うが故に、やっぱり単なる高校生や大学生のクラスメイトとは違った複雑さがあるんだろうなと思った。
サリエリ事件の犯人である恵利原柊からの手記の中でメッセージが1人だけなかったのが気になったけれど、結末まで読んで理由がわかった。クラスメイト視点で見ると怪しい記者にしか見えないが、事情が明かされていくことで調べ続けた石神の気持ちがわかる。みんなサリエリ事件を引きずっていて、救いはあまりない。正直結末は復讐なのかと思うぐらい。口にする言葉には気をつけよう。
この本に登場する犯人達にとって、事件を起こすか起こさないかが本当に表面張力のようなものでギリギリのところで溢れてしまった結果、というのがなんとも言えずリアルな気がする。

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2025年02月09日

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ネタバレ

読み終わった直後の感想は「なんで!?」でした。
ナギ君、なんで話してしまったの?
真相を伝えることがシュウ君のためと思ったのか。「何かわかったら教えてよ」と言われたことを守ったのか。
シュウ君を殺人に駆り立てたのは自分の言葉ではないと分かったから、本当に背中を押した人物にその重さを分からせたかったのか。
そのわりに庇ったのは解せない。悪意のある見方をすると、苦しんでいた自分の恨みもぶつけたのかなーと(自分は楽になる&相手はこれも自分のせいだと苦しむ)
加害者、被害者はもちろん、残った2人も本当に救われない結末でした。

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2025年01月27日

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ネタバレ

なんとも言えない、救いのないラストでした。
こういった芸術的な世界は努力だけではどうにもならない上に、金銭的な基盤がないと続けられないというのが現実。そうでなくても不安定な彼らの精神状態に嫉妬心も加わって、何が殺意の引き金になるのか分からない恐ろしい世界。
額賀さんの作品ではあまりない感じの作品。作品の内容からすると、こういうアニメっぽい表紙はそぐわないように思えました。

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2024年12月22日

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クラスメイトによる殺人事件。その4年後にまた同じ関係者で新たな殺人事件が。その動機を巡っての物語。週刊誌の記者が絡んでくるが彼も含めてそれぞれの視点で語られる真相。結局は嫉妬心が1番恐ろしいと感じた。
音楽大学生だけあっていろんな楽曲の解釈が面白かったです。

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2024年12月13日

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なんとも言えない負の連鎖。
人は弱いから、ちょっとしたきっかけで壊れる。
そのきっかけを作ってしまったのは私では無いのかと、疑心暗鬼になってしまう気持ちもよく分かる。
けどなんだかなぁ…
モヤっとするんだよなぁ…

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2024年12月06日

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ネタバレ

額賀澪さんは、新刊を毎回待ちかねて読む作家さんの一人。
でも、今回は、ダメ。生理的に受け付けない。
時々、額賀さんの作品は、こういうことがある

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2024年11月21日

Posted by ブクログ

ネタバレ

はじめて読む作家さん。
ピアノの道に進むにはお金がかかる。
分かってはいたけど、才能のある若者が経済事情が理由で夢を追えないのは悲しいな、とおもった。
ピアノの世界に限らずだろうけど。

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2024年11月08日

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音楽大学附属高校の卒業演奏会で、出演者がもう1人の出演者を殺し、1人の腕に傷を負わせる事件が発生する。マスコミはこの事件を「サリエリ事件」と命名し、曖昧な動機を追及する。その4年後、同じ卒業演奏会で再び殺人事件が発生した……。
最初の事件は犯人も被害者もわかっているので動機が焦点となる。第2の殺人事件は「誰が、なぜ」に拡大する。この動機がくせもので、週刊誌記者の取材で徐々に真相が明らかになるけれど、到底納得できるものではなかった。最終章に至ってはもはやホラーだ。
雰囲気はよかっただけに残念だった。

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2024年11月02日

Posted by ブクログ

あまりクラシックに馴染みのないので
世界観をつかみにくかったが
心理描写が丁寧に書かれていていたと思いました
作中に出てくる曲がどんなのだろうと思って調べてしまいました

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2024年10月26日

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