あらすじ
朝里学園大学附属高校の卒業演奏会の最中に、出場者の恵利原柊が音楽科クラスメイトの雪川織彦を殺してしまう。
作曲家アントニオ・サリエリがモーツァルトの才能に嫉妬して毒殺を企てた説にちなんで、事件は「サリエリ事件」と呼ばれた。
卒業演奏会に出た残りのクラスメイト4人は朝里学園大学に進学し、四年後、同じ卒業演奏会で再び顔を合わせることに。
そして、演奏会の最中に、再びクラスメイトを殺す事件が起こってしまう。何故、二度も殺人事件は起きたのか。週刊現実の記者である石神幹生は二つの事件を追っていた。
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Posted by ブクログ
舞台が学生の卒業演奏会で高校の卒業演奏会では6人が殺人事件に関わり、四年後の大学の卒業演奏会で4人が殺人事件に関わるといった芸術を伴った青春ミステリーでした。才能・嫉妬・友情がまさに事件に絡みあっていくところが面白かったです。
自分もピアノを習っていたこともあって小さなコンクールに出た経験はあるからなんとなくわかるんですが、ピアニストやその他の音楽家、さらに言うと芸術家という人たちの性格は「負けず嫌い」が多いです。自分もそうです。そうなると、人の才能を凄いという一方で、その人の才能に嫉妬することがよくありました。
この小説では「青春音楽ミステリー」と帯に書いてあって、人の才能を認める一方で妬み、ついには一線を越えて殺人事件を起こしてしまう、青春ならではのいろんな感情を上手く描いていて面白かったです。
Posted by ブクログ
好きになれそうだったキャラクターから死んでいく。苦しい。
「三度目なんて、ごめんなんだ」 最後の台詞を読んで本を閉じた後に目に入るタイトル。題名付けのセンスが逸脱している……
Posted by ブクログ
週刊誌の記者が事件を引っ掻き回しているのだが、そう単純でもなかった。若者たちが豹変するきっかけは些細な一言なので、それだけピアノに対し張り詰めているということか。
Posted by ブクログ
タイトルの「サリエリ」と言うのが言い得て妙でした。
名門音大付属高校で起きた殺人事件。根底にあるのは「嫉妬」。
ほんの些細な嫉妬が、衝動的に事件を起こしているのがなんとも言えませんでした。
そして、第三のサリエリ事件。これもとても何とも言えず後味の悪いものでした。
Posted by ブクログ
好みじゃないかも…?と思いながら読み進めたけれど、ラストの余韻が良かったです
これからは、どこかの空でナギ君がオムライスをたくさん食べられれば良いな
Posted by ブクログ
朝里学園大学附属高校音楽科の卒業公演の最中に出演者の男子生徒がクラスメイト1名を殺害した。通称「サリエリ事件」。当時代表に選ばれていた他の4名は大学に進学し、4年後卒業公演のメンバーに選ばれた。卒業公演の最中またも同様の事件が起こり、クラスメイトが殺害された。サリエリ事件を追う週刊誌の記者・石神が辿り着いた真相とは…。
正直初めはいまいち乗り切れないというか読み進まなかったが、章を重ねていくとだんだん乗ってきた。
音楽科というある種特殊な環境の中で起こる事件。他人の経済状況なんてわからないし、そもそもがお金のかかる世界のこと。テストの点数みたいにわかりやすい形ではなく才能を競い合うが故に、やっぱり単なる高校生や大学生のクラスメイトとは違った複雑さがあるんだろうなと思った。
サリエリ事件の犯人である恵利原柊からの手記の中でメッセージが1人だけなかったのが気になったけれど、結末まで読んで理由がわかった。クラスメイト視点で見ると怪しい記者にしか見えないが、事情が明かされていくことで調べ続けた石神の気持ちがわかる。みんなサリエリ事件を引きずっていて、救いはあまりない。正直結末は復讐なのかと思うぐらい。口にする言葉には気をつけよう。
この本に登場する犯人達にとって、事件を起こすか起こさないかが本当に表面張力のようなものでギリギリのところで溢れてしまった結果、というのがなんとも言えずリアルな気がする。
Posted by ブクログ
読み終わった直後の感想は「なんで!?」でした。
ナギ君、なんで話してしまったの?
真相を伝えることがシュウ君のためと思ったのか。「何かわかったら教えてよ」と言われたことを守ったのか。
シュウ君を殺人に駆り立てたのは自分の言葉ではないと分かったから、本当に背中を押した人物にその重さを分からせたかったのか。
そのわりに庇ったのは解せない。悪意のある見方をすると、苦しんでいた自分の恨みもぶつけたのかなーと(自分は楽になる&相手はこれも自分のせいだと苦しむ)
加害者、被害者はもちろん、残った2人も本当に救われない結末でした。
Posted by ブクログ
なんとも言えない、救いのないラストでした。
こういった芸術的な世界は努力だけではどうにもならない上に、金銭的な基盤がないと続けられないというのが現実。そうでなくても不安定な彼らの精神状態に嫉妬心も加わって、何が殺意の引き金になるのか分からない恐ろしい世界。
額賀さんの作品ではあまりない感じの作品。作品の内容からすると、こういうアニメっぽい表紙はそぐわないように思えました。
Posted by ブクログ
額賀澪さんは、新刊を毎回待ちかねて読む作家さんの一人。
でも、今回は、ダメ。生理的に受け付けない。
時々、額賀さんの作品は、こういうことがある