額賀澪のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
音楽の名門校の卒業演奏会の最中に起こった、クラスメイトによる殺人事件。四年の時を経て二度も起こってしまったその悲劇の原因は何だったのか。哀切な読み心地の物語です。
お互いに切磋琢磨し和気藹々とした日々を過ごしていた六人のクラスメイト。冒頭でそのうち二人が殺され、二人が殺人者となることが明かされています。高校卒業時に起こった事件によりそれぞれにやりきれない思いを抱えたまま、四年後に再び卒業演奏会に挑む四人。その中の誰が誰に殺されてしまうことになるのか……それが気になってぐいぐい読み進みたい気持ちと同時に、読みたくない気分にもなりました。だって誰が殺されても、誰が殺してしまうことになっても、あまり -
Posted by ブクログ
ネタバレ
蓮見尚斗が自殺した理由は、結局謎に包まれたまま物語は終わる。
蓮見貴斗は、その理由をわかったふりをするより、わからないままでいい、わからないまま生きて行くという結論をした。
作品的には少しモヤモヤが残る、すっきりとしない気持ちを少しばかり感じてしまうが、それでも現実はそういうことなんだろう、というリアルさが表現されている。
自死した理由を探すことは、自分がそうであってほしいという、残された側のエゴだから。結局はわかっていないから。
とはいえ、さよならクリームソーダに引き続き、この世に残された側の描写がなんとも切ない。
蓮見尚斗が残した「綺麗なところに連れて行くよ」という
セリフは、彼 -
Posted by ブクログ
本を売るにはどうすればいいのだろう?という疑問から、本に関わる人達にインタビューを試みた本。結局は「面白い小説をつくる」が答えではあったけれど、色々と収穫のある話が聞けた。
ライトノベルというカテゴリは電車の行先表示のようなもの、ものが売れるのは誰かが人に薦めることによって起こる、映像化のボーダーラインは30万部、新潮文庫nexではCMYKにくわえて蛍光ピンクを加えることで人物の肌色を鮮やかにしている、などなど…。
単行本には新作の冒頭が載っていたらしいが文庫版にはなく、代わりにその後の経過も書かれていてこちらも面白かった。この本はかなり売れたらしい。 -
-
Posted by ブクログ
ネタバレ小説には、時間が経っても変わらずに読み続けられるものと、今、この時に読むからこそ輝くものがあって、一般的に前者が評価されがちなのだけれども、そういえば後者の作品も好きだったな、と思い出させてくれた本。
過去形なのは、最近、さっぱりそういう本を読んでいなかったから。
得てして、時間が経っても変わらない小説は、読んでた瞬間からノスタルジックというか、モヤがかかったような雰囲気を感じるんだけど(そのぼんやりした雰囲気がまた魅力)、この作品は、2024年の東京なんだということをどこまでもくっきりと、今、自分が生きている時代なんだと突き付けてくる感じがある。
渋谷に行ったら、エイジが滑ってるのに遭遇で -
Posted by ブクログ
ネタバレ題名とは逆に、
モノクロ写真に急に色が付いてきて、写真の中の人やモノが動き出すイメージ。
中編が4つあって、それぞれが2層構造。
全編、『時をかける色彩』(戦時中のモノクロ写真に色を付けた写真集)で貫かれていて、
全編、現代を生きている人がメインだが、各編の最後にちょっとだけ、戦時中を生きた人と、その心の中を登場させている。
「ある晴れた夏の朝」(小手鞠るいさん)と同じような読後感だが、構造が分かりやすい分、小手鞠さんの作品の方が僕にはよく伝わってきた。戦争を体験していない若い世代の、戦争の是非についての洞察が深いように感じた。もちろん、額賀さんのこの作品もとてもいい。