額賀澪のレビュー一覧
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面白い!
それぞれの求職者の言い分や、未谷の広告代理店での働き方など・・・第2話の新人がいつも言い訳したりやりたがらない雑用を押し付けられるのでやるけどセレは全く評価されず目に見える表立った仕事の評価だけで納得のいく評価を得れず給与に反映されないところとかすーごくわかる!と思って読んでいた。第3話の営業職男性の、体育会系で細々セッティングしたことに対して上司は文句は言えど感謝や労いの言葉ひとつもないのも既視感。
一方で、シェパードキャリアやキャリアアドバイザーに対して、今後自分はどうすれば良いのか、どういうことが向いているのか人生の分岐点の「答え」が欲しくてくる人も現実多いと思う。
「必要とされる自分」を求職に求めるのは、「なりたい自分を考ず」という甘えで自分軸がないということ。
でも結局は自分で選んで自分で歩む道。
それにしても転職の魔王様の言い分は私に刺さる言葉も多く面白かった。
ただひとつ、未谷が叔母の経営するシェパードキャリアで仮雇いしてもらい、その間に転職先を考えてみる。で。結局、そのままシャパー度キャリアで正社員として働くことになるという流れは、プロローグで想像できる結末だった。仮期間にやりたいこと見つけてどこか等想像外の展開も期待していた。 -
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ネタバレ会えなくなってもずっと忘れられない人っていますよね。 いまどうしてるかな、会いたいな、って。
美術部の仲間や顧問、同級生から語られる高校生の菅原晋也という人物は、飄々としていて掴みどころがなく しかしなぜか憎めない そんな存在でした。
高校から美術を始めたにも関わらず、美大に現役合格してしまう菅原晋也。
彼はある人にとっては嫉妬の対象であり、またある人にとっては淡い恋心を抱く異性であったり…。
そんな菅原晋也本人は、「大事な物ほど持ち帰るのを忘れてしまう」という悪癖に悩まされる ごく普通の高校生でした。
第三者から語られる菅原晋也の姿には いつも「日常の謎」がセットとなっていて、ほろ苦青春 日常系ミステリーの雰囲気で話は進んでいきます。
ささやかな日常を根こそぎ奪い去っていった『あの日』を迎えるまでは…。
大切な人との突然の別れ。
東日本大震災の行方不明者数は2500人を超えます。
年月は人の心を癒すのでしょうか。
行方の知れない人との「別れ」は、何年経てば生きているという希望に区切りをつけられるのでしょうか。
最終章で解かれた謎は あまりにも辛いものでした。
牙を剥いた自然の脅威に 人は為す術もないのでしょう。
菅原晋也はあの日 どこで何を思っていたのかな
共に過したあの場所で、
一緒に青春を謳歌するはずだったあの場所で、
今日も穏やかな海を眺めて。
何度でも思いだそう。
そしてあなたは願わくば…
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ネタバレ
この本を通して、作者が伝えたいことを私なりに解釈したつもりだが、自分の性格上、ネガティブな感情に支配されやすいので、ネガティブな感情は無い方が、生きやすいんだろうと、なお感じた。
ただ、他者には、人間らしさを求めてしまっている。
感情に揺らぎがない人って、京香が沖晴に最初に感じたように不気味だし、なんとなく安心感ない。
私自身、怒りや悲しみ、苦しみといった感情を他者に曝け出すのが苦手で、人間らしいというより人間臭いなと思ってしまうので、よくその感情を自分の中に留めておくことが多いが、私が他者に人間らしさを求めるように、他者も私に人間らしさを求めているのかもしれない。
京香を思い続けながらも、かと言って執着しすぎず、沖晴が人生を生きている姿にグッと来ました。
京香も人を失う悲しみを知っているからこそ、沖晴含めた登場人物に、そっと寄り添う人間性が素敵で、そんな人間になりたいと思いました。 -
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自分もフミちゃん流の書き方で感想文を書いてみたかったかも。毎年書いてただろうに自分がなんの本でどんな感想文を書いてたかなんて全然覚えてない。夏休みの宿題なんて全部、面倒なことぐらいにしか思ってなかっただろうし。
どの章も良かったけど、受験する子の考え方が気に食わなくて、この子みたいに子どもたちがどんどん効率主義に毒されていく社会になったら嫌だなと思った。でもそれって、こちらが勝手に思い描いてる子ども像と合わないからって勝手に寂しがってるだけなのかもね。それに読んでいくうちに自分にも思いあたる節が結構あって、なんだかんだで一番感情移入していたかも知れない。
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ネタバレ舞台が学生の卒業演奏会で高校の卒業演奏会では6人が殺人事件に関わり、四年後の大学の卒業演奏会で4人が殺人事件に関わるといった芸術を伴った青春ミステリーでした。才能・嫉妬・友情がまさに事件に絡みあっていくところが面白かったです。
自分もピアノを習っていたこともあって小さなコンクールに出た経験はあるからなんとなくわかるんですが、ピアニストやその他の音楽家、さらに言うと芸術家という人たちの性格は「負けず嫌い」が多いです。自分もそうです。そうなると、人の才能を凄いという一方で、その人の才能に嫉妬することがよくありました。
この小説では「青春音楽ミステリー」と帯に書いてあって、人の才能を認める一方で妬み、ついには一線を越えて殺人事件を起こしてしまう、青春ならではのいろんな感情を上手く描いていて面白かったです。 -
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東日本大震災を題材にしたもの。当事者ではないが、すごく胸に響くお話だった。行方不明の方に対してどこかで区切りを付けないといけない、というのはとても共感する。また、死亡届を出しても99%しか受け入れられていない、本には99%と書かれてあったが、人によっては80%だったりもっと低かったりするのだろうなと思う。私自身は姉を病気で亡くし、姉の亡骸を見て火葬もしたが、同じような感覚でいる。まだどこかで生きているような、生きていてほしいような、真の意味でまだ姉の死を受け入れられていないんだなと、この本を読んで改めて感じた。「願わくば海の底で」読後は胸を締め付けられるが、良い書名だと感じた。いつか震災跡地を訪れて、いろいろな人の声に耳を傾けたい。
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Posted by ブクログ
人が日頃感じている生きづらさ、突然の災害が人に与える苦しみ。これらを背景に、本人以外の周囲が語り手となって、多角的に本人の人物像を浮かび上がらせていきます。明らかにミステリーの範疇を超越し、胸に響く慈しみと祈りの物語でした。
2020年、5人の作家による学園ミステリ・アンソロジー『放課後探偵団2』が10年ぶりに刊行。この中に、額賀澪さんの「願わくば海の底で」が収録されていたとのこと。もともと学園ミステリーだったのですね。
本作は、上記既出作を改稿して第5話とし、印象的な男子生徒を強調して取り上げ、彼とつながりのある人物たちとのエピソードを第1〜4話・最終話として書き下ろして補完されています。
改めて同名で連作小説としたようですが、数段格調高い作品になっていると感じました。
人間の諸々の感情を飲み込む災害には、誰もが決めつけられない区切りと諦念、それでも生きていく苦悩と覚悟がつきまといます。失った人を単に美化するのではなく、苦悩を含めて「彼がそこにいた日々」を辿ることが弔いとなり、祈りとなるのでしょう。
スポーツや吹奏楽など、幅広い青春ドラマを描き続ける額賀澪さん。日常や人との関わりを見直し、大切にしたくなる物語でした。震災を知らない若者にはとりわけ共感が得られるのではと思いました。