あらすじ
青春小説の旗手デビュー作、待望の文庫化!
深作日都子は小学5年生の時、教師から金魚を殺した濡れ衣を着せられ、熾烈ないじめの対象となった。そのときから日都子は、誰にも心を閉ざし、「みんな」には加わらない「ヒトリコ」として生きていく決心をする。
田舎の小学校の生徒達はそのまま中学校へ持ち上がる。ヒトリコの心の支えは、ピアノとピアノを教えてくれる偏屈なキューばあちゃんだけ。合唱の盛んな中学では生徒の間にカースト制度が生まれ、激しいいじめや陰口が横行する。「みんな」に属している限り生徒間の闘いは続く・・・。
地元の高校の入学式。小5で転校した冬希の姿がそこにあった。モンスターペアレントの母親との暮らしに疲れ切った冬希は、母親を棄て、父親の地元に戻ってきたのだった。何も変わらぬ故郷、仲間。ただ、一人だけ全く変わってしまった日都子の姿に冬希は驚く。そしてその原因が自分が飼い、置いてきた金魚と知り・・・。
誰もの心に突き刺さる、青春の残酷さ、閉塞感・・・・・・。絶望的な孤独の末に見えてくるうっすらとした光。必ず誰もの心の奥の奥に入り込み、内側からあなたの心を揺さぶる、苦くて新しい青春小説です。
※この作品は過去に単行本として配信されていた『ヒトリコ』 の文庫版となります。
感情タグBEST3
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日都子が痛々しいほどヒトリコとしての役割を全うしていて、いじめがどれほど彼女の心を砕いたのかと考えてしまうほどだった
でもきっとヒトリコとして感情を抑圧しているだけで本当は信じたいと思っているはず周りの友達に支えられて彼女が少し脱皮していく様子はとても感動した
Posted by ブクログ
2025/11/29
10年前に刊行された本ですが、機会があって今になって読んでみました。
青春系の小説イメージが自分の中で強かった額賀澪さんですが、この「ヒトリコ」という作品は青春のキラキラした世界の裏側の人間模様に焦点を当てたような内容になっています。
主人公の深作日都子は小学校のときに起きたできごとがきっかけで人と関わることをやめ、1人でいることで学校生活を過ごすようになりました。
その件に関わっていた海老澤冬希という男の子は小学校のときに転校。
幼馴染の堀越明仁は日都子に寄り添おうとしますがシャットアウトされる…というのを高校まで繰り返します。
無理に人と関わる必要がない人が主人公なので、小説としてどう展開していくのか不思議だったのですが、そこが上手く描かれているのがこの作品のすごいところだと思います。
Posted by ブクログ
心無い大人の言動が子供に及ぼす影響の大きさをリアルに感じたお話でした。自分に置き換えて心情を察するも孤高を貫く芯の強さは真似できようもなく、環境に見切りをつけて逃げだしていたに違いありません。文庫化にあたり追加された後日譚は必読の価値ありです。
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「関わらなくてもいい人とは関わらない」というポリシーを曲げることなく、独りでいることを進んで選択できるヒトリコは強く、たくましいと思った。
ただ、1日の大半を過ごす学校で誰にも頼れない辛さは相当なもの。例え孤独が苦にならない人間だとしても、何かあったときに頼れる友人の1人は作るべきだと感じた。
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小学校5年生で起こった飼っていた金魚が亡くなったことをきっかけに、壊れた関係。
小学校から高校にかけて、ずっと狭い人間関係で一緒という息苦しさが伝わって来た。
そして、悪意の子。(嫉妬)
相手に合わせ、群れとして強要しようとする子。
人の嫌な面を感じさせる内容だった。
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いじめられてから後、一人でいる事を決めてそれを押しとおす。なかなか無い事と思う人もいるでしょうが、僕にはこの気持ち痛い程分かります。いじめの言葉や村八分の空気を全て無視し、実害があるような事が有れば徹底的に抗戦する。彼女とは違いますがそういう風に一人でいる事を主体的に選んだ時、最終的には自分の周りに出来るエアポケットのような孤独です。いじめというのは相手がやり返してこない事を前提にしているので、相手が弱くないと分かった時点で居ない物のように扱われます。気楽ではありますが、心がじくじく血を流すような寂しさがありました。
このような本を書けるという事は額賀さんもあまり楽しくない青春を送って来たのでしょうか。なんとなく親近感。
でもこの「ヒトリコ」ちゃん、絶対美少女でしょう。でないとこういう展開にならないですよね。もてもてじゃないっすか。
すらっとして真っ黒なストレートヘア、多分色白なんでしょう。結局美形には勝てないぜ、けっ!とは思いますが彼女の選択は好きです。潔いし、多数に同調して弱いものを虐げる事に比べたらマイノリティーでいた方が100マシです。
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深作日都子
生き物係。冬希が転校して一人で世話をする。
大都嘉穂
幼稚園から5年生の九月まで親友だった。
山野智代
同じ仲良しグループにいた。
海老澤冬希
小学六年の夏休み中に東京に転校した。高校で戻ってくる。
薫
冬希の母。
キュー婆ちゃん
苗字が給前。屋号が久兵衛。ピアノを教えている。
堀越明仁
中学三年の合唱委員。
片岡美香子
中学三年の合唱委員。
君和田哲哉
冬希友達。
瀬尾佳乃
文化祭実行委員長。
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合唱がでてきます。
合唱は大好きで特に「心の瞳」には思い入れがあったので懐かしいなあと感じながら読みました。
途中(額賀先生はもしかして合唱に恨みでもあるんじゃ…??)とかなり不穏な気持ちになりましたが最終的には合唱ってよいね、の空気に落ち着いたのでほっとしました。
合唱に限らず、人から強制されてやるのと自分の意思で楽しくやるのとは景色が全く変わりますよね。
(団体競技とかね)
このお話は、額賀先生がとある本から受けた影響の入ったものだと聞いたので、なるほど~とつぶやきながら読みました。
また新しい読書の仕方ができて楽しかったです。