あらすじ
青春小説の旗手デビュー作、待望の文庫化!
深作日都子は小学5年生の時、教師から金魚を殺した濡れ衣を着せられ、熾烈ないじめの対象となった。そのときから日都子は、誰にも心を閉ざし、「みんな」には加わらない「ヒトリコ」として生きていく決心をする。
田舎の小学校の生徒達はそのまま中学校へ持ち上がる。ヒトリコの心の支えは、ピアノとピアノを教えてくれる偏屈なキューばあちゃんだけ。合唱の盛んな中学では生徒の間にカースト制度が生まれ、激しいいじめや陰口が横行する。「みんな」に属している限り生徒間の闘いは続く・・・。
地元の高校の入学式。小5で転校した冬希の姿がそこにあった。モンスターペアレントの母親との暮らしに疲れ切った冬希は、母親を棄て、父親の地元に戻ってきたのだった。何も変わらぬ故郷、仲間。ただ、一人だけ全く変わってしまった日都子の姿に冬希は驚く。そしてその原因が自分が飼い、置いてきた金魚と知り・・・。
誰もの心に突き刺さる、青春の残酷さ、閉塞感・・・・・・。絶望的な孤独の末に見えてくるうっすらとした光。必ず誰もの心の奥の奥に入り込み、内側からあなたの心を揺さぶる、苦くて新しい青春小説です。
※この作品は過去に単行本として配信されていた『ヒトリコ』 の文庫版となります。
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Posted by ブクログ
小学校5年生で起こった飼っていた金魚が亡くなったことをきっかけに、壊れた関係。
小学校から高校にかけて、ずっと狭い人間関係で一緒という息苦しさが伝わって来た。
そして、悪意の子。(嫉妬)
相手に合わせ、群れとして強要しようとする子。
人の嫌な面を感じさせる内容だった。
Posted by ブクログ
深作日都子
生き物係。冬希が転校して一人で世話をする。
大都嘉穂
幼稚園から5年生の九月まで親友だった。
山野智代
同じ仲良しグループにいた。
海老澤冬希
小学六年の夏休み中に東京に転校した。高校で戻ってくる。
薫
冬希の母。
キュー婆ちゃん
苗字が給前。屋号が久兵衛。ピアノを教えている。
堀越明仁
中学三年の合唱委員。
片岡美香子
中学三年の合唱委員。
君和田哲哉
冬希友達。
瀬尾佳乃
文化祭実行委員長。
Posted by ブクログ
合唱がでてきます。
合唱は大好きで特に「心の瞳」には思い入れがあったので懐かしいなあと感じながら読みました。
途中(額賀先生はもしかして合唱に恨みでもあるんじゃ…??)とかなり不穏な気持ちになりましたが最終的には合唱ってよいね、の空気に落ち着いたのでほっとしました。
合唱に限らず、人から強制されてやるのと自分の意思で楽しくやるのとは景色が全く変わりますよね。
(団体競技とかね)
このお話は、額賀先生がとある本から受けた影響の入ったものだと聞いたので、なるほど~とつぶやきながら読みました。
また新しい読書の仕方ができて楽しかったです。