岸本佐知子のレビュー一覧

  • 気になる部分

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    翻訳者としての岸本さんしか知らないので、はじめて本書エッセイを読んで、へー、こんな人だったのかと思った。
    細かいこと、みんなが気にしないことがやたら気になるひとが言葉づくしで書いたエッセイである。
    テイストは、昨年読んだ三浦しをんの昔のエッセイにちょっと似ている。
    それは20年前のエッセイだったので、さすがに古いなと思った。
    本書も初出は20年ほど前のもの。
    三浦しをんほどの共時性ニーズはないものの、やはりこの手の本は出版されてから、5年以内に読まないと鮮度が落ちてしまう。
    今回は00年代以降の倫理観価値観の変化を大きく感じた。
    いまの岸本さんが同じ内容を書くなら、書き方がかなり変わるだろうと

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    2024年09月29日
  • ねにもつタイプ

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    「さいきんのわたくし」オチ笑った!

    ひとつひとつ短く読みやすかった
    頭の中で思う事を書き出してみたくなった

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    2024年09月27日
  • 短くて恐ろしいフィルの時代

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    問題作。
    あとがきにもあるが、ジョージ・オーウェルの「動物農場」を引き合い出されて書評が多く語られているそう。
    家畜を擬人化して、独裁体制的な政治を批判しているが、こちらの擬人化されているものは、もっと過激で何が何だか分からない奇妙な物となっている。
    ちなみに登場する大統領の姿は「小柄で貫録たっぷり、たくさんの腹、白い口髭、二重顎が小山のように積み重なり、細く頼りない三本脚で支えてる」だそうだ。
    どんな生き物だか想像が出来ない。他の登場人物はもっと分からない。
    何となく気が付かない内に、どんどん恐怖政治が実行されて行き、気が付くと理不尽な理由で自由が奪われ、ちょっとした事で殺される(物語では解

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    2024年09月26日
  • わからない

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    ネタバレ

    本の感想で『銀座ママが教える「できる男」「できない男」の見分け方』の書評が特に面白かった。
    書評の項はところどころ岸本さんの優しさみたいなものが見え隠れしてほのぼのさせられた。
    「あなたを危機から救う 一分間謝罪法」では、謝ることについて日米の違いを鋭く指摘。私も岸本さんの考えに近いので最後の方は笑いながら共感。

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    2024年09月19日
  • わからない

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    一回も著者の本を読んでいないくせに手に取ったこの本。想像以上に著者は変な人だという印象を受けた。特に最後の日記はカオス。しかし、日記なんて人に見せる前提のものではないからカオスで何が悪いと言われそうだ。

    さて、エッセイで好きだったのは、テロップについて書かれていたところ。最近テレビ番組を観ていると、必ずテロップが出てくるとのこと。著者はこれをあまり快く思っていない。確かに聞く力はどんどん衰えてしまうかもしれないが、私はテロップ結構ありがたいと思っている。耳が悪いのか聞きとれないことが割とあり、イライラするからだ。でも著者もテロップを場合によっては認めている。心が広い。

    また、ゴキブリに対す

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    2024年09月11日
  • 分解する

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    岸本さんのエッセイで薦めていたので。
    もちろん、岸本訳。

    不思議な盛りだくさんの短編集といった印象。
    良くわからないけれど、なぜか止められない中毒性のあるお話ばかり。

    あとがき解説を読んで、なるほどと更に読み返すものもあり(骨、フランス語講座その1・・・)。

    また、著者の作品を読んでみたくなる。

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    2024年08月27日
  • ねにもつタイプ

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    ネタバレ

    雑誌に連載していた文章をまとめた一冊。エッセイだけれど、時々違うものが混ざる。エッセイの顔をして居座っているのは、創作というよりも空想と言ったほうが感覚的に近くて、枠にとらわれずこの上なく自由なところがこの本の魅力のひとつだ。当人が感じていることなら現実なんじゃないかとすら思えてくる。
    思わず吹き出してしまったのは、プリティ・ウーマンのズンドコ。仕事の実況も面白かった。
    おしゃれな挿画はクラフト・エディング商會。ウィットに富んでいてよかった。

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    2024年08月26日
  • ねにもつタイプ

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    菊池亜希子とAマッソ加納の好きな本を紹介するという番組で紹介された本。翻訳家の岸本佐知子さんのエッセイというか、妄想というか。いたってまともなエッセイもあれば、荒唐無稽のことばかり書いてある部分もある。翻訳のかたわらでこんなに色んなことが頭の中を駆け巡っている不思議。ところどころ吹き出し笑いをしてしまった。でも荒唐無稽すぎて、読み疲れる感じもあった。

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    2024年08月24日
  • 気になる部分

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    ネタバレ

    不思議な言葉のセンスが炸裂していて、妙な臨場感もあり、愉快な気持ちで読める本だった。少し時代を感じる箇所もあったが、やはり翻訳について書いてあるエッセイは興味があった。こういう話をもっと読んでみたい。
    どこまでもひとりで飛んでいってしまいそうな自由な発想と想像力の豊かさが眩しかった。
    会ったこともないらしい川上弘美さんの思い出が綴ってあるのが怖い。ここに書かれているのはとてもミステリアスな魅力溢れた「カワカミさん」だ。ここだけ短編小説を読んでいるような味わいがある。

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    2024年08月10日
  • 掃除婦のための手引き書 ――ルシア・ベルリン作品集

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    人の歴史が駆け巡っていく。そして時々逆戻りして跳ね回る。短編ひとつひとつのエネルギーが凄くって読み終わるたびにどっと疲れる!きっと読んでいる間力が入っているんだと思う。それくらい力を入れないと読みきれない。
    バス通り、人々の流れ、コインランドリー、etc
    中古の本から時々タバコの匂いがした。本そのものかもしれないが、きっと話しのエネルギーがそうさせたのかもしれないと思わせた。

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    2024年08月01日
  • なんらかの事情

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    飛びすぎててついていけないところ多し。
    「ねにもつタイプ」のほうがいい。
    挿絵はやはりとてもハマってる。

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    2024年07月21日
  • ひみつのしつもん

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    ネタバレ

    著者の名前は存じ上げていたが、今回はじめて文章を読んだ。
    きっかけはSNSで有名な人が好きだと言っていたから。

    最初はよくある(?)自分の生活や老いを面白おかしく書くタイプのエッセイだ、と思ったら「羊羹」あたりからおや?となった。
    短いテーマの文章を読み終えるたび、いろんな種類の不思議な気持ちになった。
    エッセイというより創作の短編集を読んでいる気持ちになった。
    小さい頃、今よりもっと世界が狭くて面白いものも少なかったとき、身の回りにあるものともっと距離が近くて、いろいろ考えていたことを思い出した。
    著者はずっとずーっとその感覚を持って大人の頭で考えて唯一無二の感覚を磨いてきたんだな、と思っ

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    2024年07月17日
  • ねにもつタイプ

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    岸本さんの頭の中を覗いてるような
    エッセイがとても面白かった。

    4〜5ページで1つの話があって全部で50以上。

    声出して笑っちゃうくらい面白くて
    「分かる!分かる!」って話もあれば
    「なんじゃそりゃ!」って呆れ笑いする話もあって
    ホントに飽きずに読める!

    絶対に他のエッセイも読む!

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    2024年07月10日
  • ねにもつタイプ

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    やらないといけないことが目の前にあるのに脳内トリップしちゃう、あの感じ。頭の中ぐらい自由でいてもいいんじゃないかと思った。

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    2024年06月16日
  • エドウィン・マルハウス

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    #河出文庫 #ミルハウザー 著 「 #エドウィンマルハウス 」

    ジェフリー著 の伝記「エドウィンマルハウス」を まるごと入れてしまう入れ子構造。「復刻版によせて」や「初版へのまえがき」も入れた遊び心のある構成

    芸術家の人生が終わらなければ、芸術に結びつく 中間点や始点が定まらず、伝記作家は伝記が書けない一方で、芸術家を見出す伝記作家がいないと、芸術家が誕生しないという、芸術家と伝記作家の表裏一体性は なるほどと思う

    著者は、子供の執着心に芸術性の萌芽を見出している
    「何かに執着できる能力を天才と呼ぶ〜誰もかっては天才だった」

    ジェフリー著の伝記は、予定調和的に出来事をプロットしていく狂

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    2024年06月10日
  • 『罪と罰』を読まない

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    読書会の発言に4人の作家それぞれの性格が現れていて面白かった。
    読書会に参加するなら違う性格のタイプの人達とすると面白そうだと勝手に妄想してました。

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    2024年05月11日
  • ほとんど記憶のない女

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    内容とは関係ないのだが、作者とポール・オースターとのご子息のダニエル・オースターに関するNYTの記事が悲しくて。本書を読みかけで記事を読んで、まだ本に戻ると、見る目が変わってしまう。

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    2024年05月05日
  • 掃除婦のための手引き書 ――ルシア・ベルリン作品集

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    表紙の写真の影響もあると思いますが、どの短編もモノクロの映像が思い浮かぶような文だと感じました。

    またどの物語もあらゆる形の疵(「傷」ではない字のきず)を描いているような印象を受けました。でも、暗さの中にも不思議な明るさも見え隠れして、独特な文体だと思います。

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    2024年04月20日
  • ほとんど記憶のない女

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    ネタバレ

    物事を突き詰めて考える話が多かった。
    言葉の意味について、感情について、ひとつひとつ解明していくような文章が多く、こういう視点で内側を見つめていくことで整理されていくのが興味深かった。
    感情的ではなく淡々とつづられていて、その手触りはまるで実験のようでもあり独特な雰囲気を醸し出している。
    表題作の「ほとんど記憶のない女」は共感する点が多い。そのほか「大学教師」「話の中心」「エレイン牧師の会報」などが好みだった。

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    2024年04月14日
  • ひみつのしつもん

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    翻訳家のエッセイ。たまたま手に取り1編読んでみて面白そうだったので読んでみた。面白いといっても爆笑というのではなく、クスッと微笑するような感じ。著者がどれだけ自分を滑稽に無様にドジに描いても、描いても知的な感じがそこはかとなく漂う。

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    2024年04月03日