【感想・ネタバレ】気になる部分のレビュー

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

初っ端から心を鷲掴み。著者の頭の中を覗かせてもらっている感じが楽しい。「あ、そういうふうに感じます?」ってのが随所にあって面白い。ぷぷっと笑いつつ、共感しつつの、めっちゃ好みのエッセイだった。個人的に著者にとっても親近感で、私、岸本先生が好きです。

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2023年07月13日

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ネタバレ

岸本佐知子さんが某洋酒メーカーを辞めて翻訳家となり何年か経った33~39歳の時のエッセイで、最初のエッセイ集がこの本です。
しょっぱなから、「リニアモーターカーは根性とか念力で動いている」と密かに感じているとのたまう岸本佐知子さん。
最初のエッセイを最後に読むことになってしまったが、この本も、岸本ワールドが期待できそう♪と確信。

とは言え、遠慮して抑えている感も伝わってきて、円熟した岸本ワールドをさらけ出すまでには至っていない。
一番面白かったのは、新書版で追加された最後のエッセイで、これだけが2006年(46歳)に書かれたものだから遠慮なく自由だ。
一度も会ったことのない川上弘美さんとの思い出話を詳しく書いている。
差し向かいで飲み屋でお酒を飲んだこと、歳も住まいも違うのに小学生の時同級生だったこと、高校の時も同じクラスにいたこと。
その時々の様子が鮮明に記憶されていて、絶対にあり得ないことが具体的に次から次へと思い出され筆が止まらない。

岸本さんのエッセイは楽しい!

ロールシャッハ・テストの絵がどれも「骨盤」に見えてテストにならない。
「お騒がせ」を「おさがわせ」と言う人がかなりいることに密かに気づいた。
人体で不要なもの、男の乳首問題。「乳首あてゲーム」という使い道くらいしかない。
売れ残り商品を完売させるには「福袋」にすればいい。
一卵性双生児の片方に素敵な名前を、片方にひどい名前をつけたら人間性に違いが出るか?
大人になってやらなくなることは、スキップ、ジュースのストローをブクブク吹く、月に向かって懐中電灯を照らす、クワガタに触った手を嗅いでみる、
まあ、こんな話題で埋め尽くされている。

"気になる部分"は、どうでもいい「部分」ばかりで、
トラックの車輪の後ろにぶら下がっている、あのビラビラしたものや、
ダイヤル式の電話の指止め金具や、
勤めていた会社の社長の額のホクロや、
工場見学に行った時の天井のパイプなど。

新書で200ページは少し物足りないが、期待どおり面白かった。
だけど、これで、楽しみに残しておいた岸本佐知子さんのエッセイがなくなってしまった。
これからしばらくは、何冊か残っている三浦しをんさんだな(^^♪

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2022年10月15日

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前回の「ねにもつタイプ」に引き続き、ひとりで吹き出しながら読んでしまった。電車で読むのは危険だ。みんなが知っている、知っていて当然のメジャーな話が苦手、の部分にうなずきすぎる。そうなんです、べつに自分だけ特別だとかそうではなくて、みんなが知ってるなら自分は知らなくてもいっか、という感覚なんです。そしてニコルソンベイカー、すごく読んでみたくなりました。

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2021年01月11日

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岸本氏の着眼点は相変わらず興味深いです。そっちの方向?とか、そこまで深く?など。「石のありか」は小学生のときのことを思い出しました。あったなぁ、そういえば。
それにしても、記憶力がすごいです。幼稚園の頃の一人遊びのことを克明に覚えているのはすごい。
「シュワルツェネッガー」、勉強になりました。

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2020年07月23日

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三冊のうちで、一番好きかも知れない。ビザールな(奇妙な)本に挙げられているものが私も特に好きだ。
最近読もうとした(最後まで読んでないけど)藤枝静雄、昔から読んできた筒井康隆(特に虚人たち)それに吉田知子、村田喜代子、それに、それに、奥泉光が(嬉)怖さがドッペルゲンガーのそれだ、と書いてある。私が好きなのもそのあたりか、裸で書割の窓に向かってサックスを吹くカフカかぶれの男など。なんとも言えず奇妙で面白い。
後、笙野 頼子(残念ながら未読、Wikiでは緊密な文体で鬱屈した観念・心理表現と澄明な幻想描写の融和を試行した、とある、読まねば)そして、川上弘美さんと酒を飲む夢。

言葉に拘って想像があらぬほうに飛んでいく話は、相変わらず突き抜けている。


* おかしな童謡編、「コガネムシンの子供に水あめをなめさせる」「山から小僧が下りてきた」短すぎるし何で小僧か。(私はこの小僧は冬将軍の孫で冬の前触れに偵察に来たのだと思っていた)

* 「根掘り 葉掘り」の「葉掘り」ってなんだ。

* 「おおよその見当がつけられない」
(私もこの先300Mで右折、と言われても車で走っていてみなさんは距離が分かるの?と思っていたら 今度の車は3.2.1と色が変わっていく。1になれば鼻の先で曲がるのだ。それでもタイミングが合わないことがあり信号を通過する)

* 「気になる部分」子供の頃社会見学でも、気になる部分にだけ目が行った。大人になって社長のほくろに気をとられた。

* 「透明人間」子どもの頃は自分の存在が希薄だったそうだ。
(最近読みたてなのに原典は忘れたが、透明人間は網膜も透明なので、盲目ではないかという疑問、なるほどと記憶)

* 「サルマタケ」はどう訳すか。辞書にもない、まして逆に「サルマタケ」を英訳する人はどうするのだろうと煩悶する。

---つね日ごろ英語で書かれた文章と向き合って、言語のちがいと文化の違いと言う薄いヴェール越しに、なんとかそこに表現されているものを感覚としてとらえようと四苦八苦しているせいなのだろうか。仕事と関係なく日本語の本を読んでいても、いつの間にか”もし自分が日本語以外の言葉を母国語としている翻訳者で今読んでいるこの文章を訳すとしたら”という視点で読んでいる自分に気づくのである。(略)頭の中で邪念の小人たちが勝手に苦悩し出してうるさいことこの上ない。---

* 数年前のアンケートあなたの夫になる男性にい一番望むものは、日本では「優しさ」アメリカの女性は「ユーモアのセンス」だったそうだ。


そんなこんなで興味深い話題が満載、一部を引いてみたが、こんなものだけではなく、こどものころの思い出、経験した不思議な出来事、いまでも折にふれて感じているあれこれが、私にも思い当たることが多くて一気に読んでしまえた。

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2020年01月05日

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⭐️108個

とにかく岸本さんの感性が大好き
ツボが似ているのかわかるわかると思いながら読んだ
あまりに好きすぎて毎日バッグに入れて持ち歩いた

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2019年01月20日

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たいして読んでないのに言うのもなんだけど、岸本さんのエッセイ、面白すぎ。さくらももこのエッセイを好んで読んでいた頃と同等の満足度を感じてます。もちろん褒め言葉。”ねにもつタイプ”も素晴らしかったけど、本作はもうちょっと現実寄り。翻訳家としてのコラムみたいなのも掲載されていて、それはそれで興味津々。岸本さんの翻訳本を、もっと読みたくなりました。

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2018年03月08日

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この人の生きている世界はとても不気味で、すごく羨ましい気持ちにさせられた。こんな目で世界を見てみたい。

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2015年02月08日

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HONZの東えりかさんがラジオで岸本さんのエッセイをベタ褒めされてたので、まずはこちらから。
一人で読んでて良かった。何度もぷふぷふ吹き出してしまった。
翻訳文学に苦手意識があり、なんじゃかんじゃゆうて余り読めておらず、そういえば翻訳家から入ってみようとしていたのだった。
好きなエッセイスト→好きな翻訳家とシフトできようか。
読もうニコルソン・ベイカー!ミルハウザー!などなど!

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2013年02月17日

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翻訳家の岸本佐知子さんによる、エッセイ集。90年代に書かれたもの。
著者はクセが強く変わり者という印象だが、普遍的にみんなが感じているだろうこともたくさん言葉にしており、共感できる部分もある。翻訳の苦労話のようなものはほとんど書いていない。子ども時代に不思議に思っていたことや、会社勤めをしていたころの話などが中心である。
かなりたくさんの本を訳しているようだが、彼女の翻訳書は読んだことがない。売れているのだろうか。

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2023年05月12日

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予想を超えて面白かった。
収録されているエッセイの初出は、一番古いものだと1993年。だけど、時代を感じさせるものは少なく、普遍的な日常や記憶の中からお題を取り上げて深く考える過程が、上手く、面白く文章化されている、と感じる。
元々人間的にも魅力を感じていて、この本を読んで言語感覚も好きなことを確認できた。

岸本さんは、元々はショーン・タンの絵本の訳者として知り、その後、アトロクで翻訳者のお仕事の話だったか日本翻訳大賞の審査員としてだったか、とにかく出演し話しているのを聞き、話し方や話す内容、会話の反応から「この人、なんかちょっと気になるな……」と思っていた(そのとき一緒に出演していた柴田元幸さんも斎藤真理子さんも、みんな翻訳した本を読んでいたので、すごく面白い話を聞けたという記憶がある)。

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2022年08月31日

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 スティーブン・ミルハウザーやニコルソン・ベイカーの翻訳で知られる岸本佐知子女史のエッセイ集。
 1993年から1999年にかけて、色々な雑誌に掲載されたものを集めたとのこと。
 テンポがよく、押しつけがましいところがなく、とにかく面白い。
 ちょっと話を盛っているなと思えるもの、虚実が入り混じっているもの、それどころか虚しかないもの、と内容は色々だが、どれをとっても面白い。
 この方の好きな作家や好きな作品などが、僕の嗜好と重なることが多く、まるで昔から知っているちょっと変わり者の女友達と会話しているような気分にさえなった。
 この方の他のエッセイもぜひ読んでみたいと思う。

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2018年01月04日

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p34
「私には、ロールシャッハ・テストの絵がどれも「骨盤」に見えるのだが、異常だろうか。」

珍しくエッセイを読んでみた。
「考えてしまう」「ひとりあそび」「軽い妄想癖」「翻訳家の生活と意見」の4パートに分かれていて、それぞれ子供の頃の思い出やめくるめく妄想ワールドやら、毛色の違うエッセイ。
ぐうたらでデタラメと見せかけて、語彙センスと表現力が豊富で、しかも翻訳家の生活を垣間見られたのが良かった。
最後二、三文のオチが素敵なのです。

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2016年11月08日

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「穂村弘が好きなら岸本佐知子はいかがですか」、とすすめられた一冊。
読んでて言葉のチョイスがうまいなあと思いました。
そしたらなんと彼女、穂村弘と同じ上智大学文学部英文科。
よくよく考えたらわたしたちのゼミの先生も上智英文科だった。
上智英文科、強者ばかりじゃないか。
できるならわたしも行きたいぞ。

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2015年12月13日

Posted by ブクログ

通勤電車で読むのは危険だと知りつつ、読んでしまった。
案の定、吹き出すのを我慢したエピソード、クスッと笑ってしまったエピソードが多々あり楽しませてもらった。
岸本さんのエッセイを読むと、妙に共感をおぼえて自己肯定感が増す。

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2014年11月12日

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ある日の午後,車でFMラジオをつけると,作家と翻訳家の会話が流れてきて,翻訳の苦労話などとてもおもしろくて聴き入ってしまった.あとで番組表を調べて見ると,作家は西加奈子さん,翻訳家は岸本佐知子さんだった.

というわけで岸本さんのエッセイを読んでみた.本を読んでこんなに笑ったのは久しぶり.この方の周りでは常に何か変なことが起こっているような錯覚を引き起こす.ほとんど自虐ネタで,妄想の虜になって,一般世間とずれが生じるというパターン.それと言葉の音に対する感覚が独特で,これまた妄想のネタになる.私はこれを電車の中で読み始めてしまい笑いをかみ殺すあやしいおじさんになってしまった.こういうハチャメチャぶりは山下洋輔以来かな.そうすると,岸本さんも傾倒していらっしゃる筒井康隆つながりもでてくる.

私もときどき使う私鉄のO線の話「キテレツさんたち」.私もキテレツさんを見てみたいが,残念ながら私には見えないらしい.

ラジオでも話題になっていた,ニコルソン・ベイカーが読みたくなった.この本のそでの著者紹介には「あんな本を訳したのは,やっぱりこんな人でした」と書いてある.

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2014年02月11日

Posted by ブクログ

とにかく、読みながら吹き出していた。笑っていた。
いやなことも忘れるくらい、岸本ワールドに
ひきこまれてしまった。

とにかく面白いと、あちこちでレビューを目にし、
友だちも「きっと好きだよ」と勧めてくれて、
ずっと気になっていたエッセイ。

楽しい読書時間だった。

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2014年02月10日

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岸本さんの「気になる部分」に共感できるのは、私自身もきっとマイナー者だからなのだろうなぁ。
でも自分と同じようなことを考えている人がここにもいたんだ、とうれしい気持ちになった。

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2013年08月30日

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あ…
このエッセイは、今読んでる、『本のおかわりもう一冊』、『必読書150』、『小川洋子の偏愛短篇箱』とつながってる…
本の世界も案外狭いのかもしれない。

本というのは、各人それぞれに、いろいろな食べ物や飲み物に例えることができると思うが、私にとって岸本佐知子のエッセイは、鰻の肝焼きのポジションに近い。
日本酒をちびちびとやりながらいただく肝焼きと、夜寝る前にお酒を飲みながら、あるいはベッドに横になりながら岸本佐知子のエッセイを読む時間というのは、共にとても嬉しくて、ただし、毎日味わうのはちょっと厳しいかな…と感じるポジションのものだ。

毎日は要らないけれどたまに欲しい…だなんて、とても人間らしくて贅沢な欲である。

2013.05.16 再読

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2013年06月29日

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最高に面白かった!
残念な人の残念な話ほど楽しめるものはない。

ほむほむや安住紳一郎を連想する。

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2013年03月20日

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さいしょのエッセイ集だろうか
面白いネタが多く
結果おもしろいエッセイ集になっている
女性版穂村弘というにふさわしい

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2013年01月16日

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寝るためのひとり尻取りから脳内論争が勃発。
ゴキブリが怖いのはその見た目、感触、そして味。
人々の願い事を覗き見る七夕観測が好き。
人々が殺到する福袋は兵器になるのでは。
コピーの一文字埋めクイズで間違えるマイナーな人々。
夜中の3時に訪れた小さな客人。
食べながらスキップするとおいしくなる説。
訳中のニコルソン・ベイカーの作品の機微。
ちょっと変わった翻訳家の妄想エッセイです。
ブックデザイン:田中一光/片山真佐志
カバーイラスト:土谷尚武

薬関係のコマーシャルで悪い部分をちょっと残す、
私も気になってたんです!歯磨き粉のCMとか。
あと絶対全員正解するだろう、っていうクイズに
間違えちゃう人々の存在とか。
わかるわかる、と思いながら読めるエピソードと
この人の頭の中を覗いてみたいと思うエピソードと
半々くらいで飽きさせません。

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2019年01月16日

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ネタバレ

これまた「私の本棚」で知った作家(本業は翻訳家)で、紹介されていた本より前に出されたエッセイ集。・・とにかく変! 読んでいるうちに?が次々と生まれてくる。特に「日記より」なんて、いったいこれのどこが日記なの?と不思議でならないが、だんだん癖になってくる感じが芽生えてくる。このあとのエッセイ集はもちろん、翻訳本(これもかなり変らしい)も手に取ってみたい。

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2013年04月16日

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この知的好奇心の高さが筆者の独特な魅力を創り上げてるな、と
知的好奇心、こんなんなんぼあっても良いですからね

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2023年10月19日

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外国文学を読む時、最近は訳者が気になるんです。エドウィン・マルハウスという本を読んでみたいと思っているのですが、その訳者さんが岸本さん。というわけでエドウィンに行く前に岸本さんのエッセーにて彼女をチェック。
いやはや、なんというか、ぶっとんでおります。
幼少期の自分語りを読んでいると、え、なんかかなりへんてこな子だったのね、、、と思うのと同時に自分もそういや同じような事普通にしておったぞと気付き、強烈なショックを受けるという。
そしてどうやらご自身の変態さ(失礼過ぎる)に完全にお気づきのようで、そのなんというか自分の趣向というのか、好きな本を訳したいという感じでお仕事をされているのかなと勝手に想像。
III章「軽い妄想癖」では、今までのキテレツぶりから一転してちょっとなんというかゾッとする小話が続くんですよ・・・
いやはや、懐が深くてビックリです。彼女がお好きな本を何冊も紹介されているのですが、なんというか読むのが恐い(笑

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2022年11月24日

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勧められて読んだがこの独特な感性。言葉のセンス。良い意味で変人ですね。
思わず笑ってしまうネタがほとんどで基本面白い、んだけど正直「ん?」と思った描写もあったので、手放しで「好きなエッセイ」とは言えないです。でも岸本さんの他のエッセイや翻訳本も順に読んでみるつもり。

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2022年01月04日

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翻訳家である岸本佐知子の主に90年代のエッセイ。

岸本佐知子という翻訳家の名を初めて認識したのは恐らく高校時代のこと、それは例の『中二階』という奇妙な小説の存在を知ったのと同時であったと思う。しかしそのときは、『中二階』も彼女の他の翻訳も手に取ることはなかった。その後、大学生となった2000年代初め、朝日新聞の「ベストセラー快読」という書評コーナーで初めて彼女の文章を読むようになった。それ以外にも、確か白水社だったか筑摩書房だったかが出していた出版情報誌に連載されていたエッセイなどにも目を通していた。

当時と云えば、小泉政権下、人の生を「勝ち/負け」という思慮の陰翳を欠いた暴力的な記号で序列化可能なほどに平板化してしまえると浅ましくも思い上がった即物的な(無)価値観に社会それ自体が同一化し始めていた頃、そんな卑しい世相を軽妙なユーモアと皮肉とで茶化してくれていたのがこの岸本佐知子の書評だった。私は毎週その文章に大いに笑いながら、彼女のいつも的確な標的を選定してくるセンスと毒気を笑いに包むユーモアとのおかげで、なんとか当該の社会の中で正気を保てているように感じていた。そのくらいに、当時の私は社会というものによって精神的に参っていた。だからいまでも、彼女の感性は信じられるものだと、どこかで思っている節がある。

そんな彼女の文章を書籍で読むのはこれが初めてだった。ただし冒頭の「空即是色」を読むのは二度目で、一度目がどの媒体だったのかははっきりと覚えてはいないが、やはり何度読んでも面白い。

今度ようやく『中二階』を読んでみようと思っている。朝日新聞の「ベストセラー快読」は、どこかで書籍化されているのだろうか。もしそうなら読んでみたいし、もしそうでないならどこかから出版されることを期待している。

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2018年02月04日

Posted by ブクログ

変な人って変なんだなぁとしみじみ感じいった。
私の好きな作家翻訳家の皆さんはだいたい通して世界を見るフィルターの具合がずいぶんおかいしいので、それをちらりと覗くと本当に面白い。

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2015年12月23日

Posted by ブクログ

翻訳家岸本佐知子さんのエッセイ。こんなに面白い人がいたなんて!今まで知らずに損した‼子供の頃の実験話に、宙に浮くと思って腕を振り回していた自分を思い出し、妄想癖の話に小3で小説を書いていた自分を思い出した。誰でも内緒でしていることがあるんだよね?常に客観的に自分を観る眼があることが必要だとつくづく思った。

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2014年01月26日

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ネタバレ

岸本佐知子さんのエッセイ集。

どんなに一般社会で上手に生きられなくても、人は一芸に秀でていれば世の中生き抜いていけるんだなぁ、なんて思ったり…。

「社長がどんなことを言おうが、怒ろうが笑おうが、ホクロはいつも超然としてそこにある」
電車の中で読みながら、必死で笑いをこらえた。

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2013年04月21日

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