岸本佐知子のレビュー一覧
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頭くらくら、胸どきどき、腰がくがく、おどる言葉、はしる妄想、ゆがみだす世界は、なんだか愉快。 奇想天外 抱腹絶倒のキシモトワールド。 ――帯より拝借――
岸本さんはまた多少自虐的に面白い日常を話してくれる。そこのところが同病持ちの私にグッとくる、思い当たる節々が多い。
博識でエピソードが笑える。読者にはそういう所がうけるのかも。読めば読むほど妙に嬉しくなり、相憐れむ心地よい気分になる。
あるあるぅ~という日常の出来事に、えへへ笑いを隠して読む。
時々読み返すように机の隅に置いてある岸本本も四冊目。これを読んで納得したり同じ世界に行ってみて煙に巻かれたり、日ごろ -
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一度に1人しか入ることのできない『内ホーナー国』と、その国を取り囲む大きな『外ホーナー国』の話。内ホーナー国に1人が入っている間、他の住人は外ホーナー国の領土内にある『一時滞在ゾーン』で身を寄せ合って立って待っている…。
両国の住民として登場するのは、機械の部品や植物を組み合わせたような何とも形容し難い生き物たち。
お互いに睨み合いながら暮らしていたが、ある日、一時滞在ゾーンからはみ出してしまったことがきっかけで騒動に。
そこにフィルが出てきて税を取ると言い出し…。
まさに近代の戦争やジェノサイドを表現していて、それが不変的であることに悲しみを覚える。ちょっと頭の回転が速くて声が大きく、もっ -
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2000年ごろからの、あちこちに書いたものをまとめた、というエッセイ。今年は『死ぬまでに行きたい海』に続いて2冊目になるが、それまでの5年間はエッセイの出版はなかった・・・。なしたの?(調べたら、キシモトさんはこのペースでしかエッセイを出していなかった。「それでいい」とまで書いていた、自分・・・)
それにほら、まとめて出すから、370ページにもなっちゃって。半分ずつ、2冊でもよかったのに。でも、ボリュームの割に2300円(本体)でお値打ちかな?
中身を読みはじめたら、たいへんお買い得でした。
1ページと少しくらいの文章が多いので、他の本を読みながら、ちょっとお菓子をつまむように、ひとつ、ふた -
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ネタバレ12月になったら読もうと思っていたけどあえてクリスマスシーズンに読む本ではなかったかも…(汗)原書刊行は2013年。短篇集。
バッドエンドの中に少しのハッピーエンド、それはまさに人生じゃないだろうか。
個人的に気になった作品↓
子犬
救いたい形をしていない人の話。
センプリカ・ガール日記
「読み落とした?」って混乱しました。調べちゃいますよね、SG。普通の格差のある生活の中のディストピア。
わが騎士道、轟沈せり
途中までは面白く読んでいたらあっという間に社会的に死んでいた、怖い
十二月の十日
読み終わって少しホッとした。本書の最後がこの作品で良かった。 -
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【火星から来た男 = The man from Mars】
こういうタイトルだが、別に宇宙人は登場しない。大学に通う主人公が、西欧系ではない男性に出会って、友達認定される。無下にもしないで適当にあしらっていたら、家にまで訪問される。これまで男性に見向きもされない、男性とはお友達関係しか築けないと思われてきた主人公は、にわかにモテるようにもなるが。
北と南という語句が登場するので、おそらく男性は朝鮮半島の出身。確かに、行くところ行くところどこにでも現れたら気持ち悪いかもしれないが、暴力をふるったわけではない。にもかかわらず、警察を呼ぶのは、彼の国籍が潜在的な差別意識に繋がったのでは。
【ベ -
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ネタバレアメリカの小説家ジョージ・ソーンダーズの中編小説。原書は2005年に発行。本書は2011年に出版された単行本を、2021年に文庫化したもの。
あらすじとしては、一人しか入れないほど小さい「内ホーナー国」と、それなりに広い「外ホーナー国」との間に起こるいざこざと、国境の監視役(自称)であるフィルが暴走し独裁者となる顛末を描いた「おとぎ話」となっている。軽快なユーモアはあるが、正直に言ってつまらないと思いながら読んでいたが、読後しばらく考えてみるとあることに気づく。確かに背筋が寒くなった。
登場人物はどれも奇妙な造形をしており、脳がラックに入っているものや、枝や鹿の角が突き出たもの、シャベ -
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「技能の未熟な者がうかつに手を出せば、よくて空振り、悪くすればデッドボールとなり、手指の骨折や皿の破損、寿司ネタおよび酢飯の店内への飛散といった事態を招く結果となる。」
p.110 ここ行ったことない①回転寿司 から引用
行ったことのない回転寿司を勝手に想像してここまで書けるのがすごい。寿司のデッドボールって何なんだよ。おかげでカフェで1人で吹き出す羽目になった。好きだ、岸本佐知子。
過去刊行されているエッセイ集はたぶんほぼ全部読んでいる。今回は20年以上前に寄稿されたもの、日記、書評などなどバラエティに富み様々な角度から岸本さんの文章が読めてお得。
日記を読むと本当にたくさん映画や舞台