岸本佐知子のレビュー一覧

  • エドウィン・マルハウス

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    描写がくどくて読むのがつらい小説だった。

    しかし、途中、エドウィンの死が決まり、これは小説を覆す反小説だと確信できたところ、全てがスルスルと飲み込めた。

    なんと野心的な作品だろうか。
    晦渋な小説内小説、小説内批評などを駆使しながら、死をも虚構する小説の見えざる虚構性を突き崩してしまっている。

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    2018年07月14日
  • エドウィン・マルハウス

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    ある天才少年が、夭折した親友の少年の伝記を書いた、という体裁。更には、その著者たる少年もどうやら行方不明になっているらしき導入部分があるんだけど、そこを二重にしている意義はちょっと不明(自分的に、最後までそこが気になったんだから仕方ない)。それはともかく、書かれているのはほんの10歳ちょいまでの短い一生なんだけど、内容はとても濃密。ちょっと気難しそうで、何を考えているのかも分かりづらいマルハウスくんだけど、そのせいで素っ頓狂な行動に出てしまう場面も多く、結構にシリアスな人生ながら、思わず微笑ましくなる部分もちらほら。マルハウスくんを悩ませる脇キャラも個性的で、読んでて飽きさせられない。評判通り

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    2018年06月10日
  • 気になる部分

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    たいして読んでないのに言うのもなんだけど、岸本さんのエッセイ、面白すぎ。さくらももこのエッセイを好んで読んでいた頃と同等の満足度を感じてます。もちろん褒め言葉。”ねにもつタイプ”も素晴らしかったけど、本作はもうちょっと現実寄り。翻訳家としてのコラムみたいなのも掲載されていて、それはそれで興味津々。岸本さんの翻訳本を、もっと読みたくなりました。

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    2018年03月08日
  • エドウィン・マルハウス

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    ネタバレ

    すげえなこれ。いやまったく騙された。第一部 幼年期 がいまいちピンとこなかったので中断しそうになったが、あるキャラの登場から俄然おもしろくなり… 表紙はのほほんとしてるが、読後は印象が一変する。子供向けじゃない大人向けの本です。いやほんとにw

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    2017年05月25日
  • いちばんここに似合う人

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    他人の生きざまを知るということが、これほど自分を、そして自分と関わってくれるすべての人を救ってくれるとは。孤独に、けれど「何か」を追い求めるそれぞれの主人公が、目の前を通り過ぎていく。私には彼らが何をしたいのか、何が目的なのか分かっている。自分のことは分からないくせに。
    それでも、そのヒントを垣間見た気がする。今日も、いちばん「ここ」に似合う人として、生きていこうと思う。

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    2015年11月25日
  • 気になる部分

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    この人の生きている世界はとても不気味で、すごく羨ましい気持ちにさせられた。こんな目で世界を見てみたい。

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    2015年02月08日
  • いちばんここに似合う人

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    ​プロット、表現、文の瑞々しさが素敵。
    そして、ここでその言葉をこう並べるんだ、こう入れてくるんだ、みたいな楽しさ。
    内容は、孤独で、愛が欲しくて、大半の人からはちょっと引かれてしまうであろう人たちのお話。
    だけど結局みんなこんなもんでしょ。みんな痛々しい大人だ。誰だって誰かに引く権利なんてないのだ。

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    2014年10月19日
  • ほとんど記憶のない女

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    普段、心の奥底に潜んでいる悲しい事忘れてしまったはずの傷ついた出来事いつもはりついているような不安。大人になったら自信を持って生きていけると思ったのに、何処かに子供の頃と変わらない臆病な柔らかい部分をひらりと描いてくれた。その高い知性と明晰な言葉でひらりとすくいあげてくれた。大切な作家、大切な一冊になりました。

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    2013年12月14日
  • ほとんど記憶のない女

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    そっけなかったり、非常に客観的なのだけれど、静かに揺さぶってくる感じ。1ページだけの非常に短いエッセイも多いのだけれど、わたしはそれが特に好きです。

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    2013年06月16日
  • ほとんど記憶のない女

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    リズム、ユーモア、奇妙な感触、イタチゴッコの様な可笑しな文章…。
    ほぉと唸ってクスッと笑って、時折フワリと感覚に訴えかけてくる、
    そんな著書にすっかりヤラレてしまいました。

    『私が興味をもつのは、つねに出来事よりも、
    その裏で人間が何を考え、どう意識が動くか、そのプロセスなのです。
    出来事は、それを見せるための方便でしかない』
    こうキッパリと言い切る著者の他作品に興味津々。
    今後、未訳作品の翻訳予定もありとの事なので、今からワクワクムズムズとしています。

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    2013年03月10日
  • ほとんど記憶のない女

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    ほんの数行、数ページの短編や旅行記のようなものが51編詰まった本。

    リズムがすごく心地よい。アフォリズムも好み。

    小説は、伝わるならばなるべく短いほうが良いと思っているので、すごく気持ちよく読めた。

    ポールオースターと過ごした日々についての短編も入ってます。
    ポールオースターも同じエピソードを作品として残しているらしい。

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    2011年06月21日
  • ねにもつタイプ

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    こんな不思議な文章は初めて読んだ。
    現実と空想と妄想とがぐるぐると入り混じったような読書時間は、風邪の時に熱に魘されてみる夢の感覚に近い。

    三浦しをん氏がご自身のエッセイで絶賛されていたので、興味を持って手に取った。
    岸本氏の感性に底はかとない恐れを感じたり、害虫との戦記に深く共感したり。
    これは本当にエッセイ?と首を傾げつつも、不思議と夢中になってあっという間に読み終えてしまう中毒性がある。

    作品に没頭することは多々あれど、脳内が異空間にトリップしているような文章には初めて出会った。
    この感覚は癖になる。著者の他のエッセイにも挑戦してみたい。

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    2026年08月05日
  • 五月 その他の短篇

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    面白い短編集だった。ただどこがどう良いかと説明するのが難しくて好みは分かれそうな作品だなあと思いながら読んでいた。特に良かったと思ったのは表題作の「五月」。他は「普遍的な物語」「スコットランドのラブソング」「物語の温度」も良かった。好みで言うと「物語の温度」みたいなのはすごく好き。全編通して急に場面が変わったり、あなたとわたしが変わったり、今の話かと思ったら前の話だったり。その自由さ?みたいなものが物語の拡がりを作っているように思う。

    「侵食」という短編では、ある日全てのものに対して愛が溢れ(アリやアブラムシでさえも)世界が輝いてるのに、その後突然アリやアブラムシを潰していくという意味のわか

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    2026年08月03日
  • 短くて恐ろしいフィルの時代

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    奇妙で寓話めいた話なのに、読み進めるほどにだんだん笑えなくなってくる感覚がありました。
    最初はどこか軽くて風変わりな世界観だと思っていたのに、気づけば人間の弱さや集団の怖さをかなり露骨に突きつけられています。
    このブラックユーモアの効かせ方は見事で、短い作品なのに妙に引っかかり続けます。
    ただ、語り口や設定の癖はかなり強く、素直に物語に没入したい人には少し距離を感じるかもしれません。
    それでも、その読みにくさすら作品の不穏さに繋がっていて、読み終えたあとにじわっと残る違和感と苦味が印象的でした。
    軽い読み心地の割に、意外と深く刺さる一冊です。

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    2026年07月30日
  • ひみつのしつもん

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    ずっと行きたかった書店で、直感的に選んだ1冊でした!人生で初めてエッセイを読みました。
    最初から最後まで岸本さんの感性が好きでわくわくしながら読めました。でも、ただ面白かったで終わるのではなく、このマインドは明日から使えるなと実は役に立つ?と思いました。他のものも読んでみたいです。

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    2026年07月27日
  • あれは何だったんだろう

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    ネタバレ

    エッセイというよりは、妄想が羽ばたきすぎて空想小説のようになっているエッセイ集。この人のエッセイは前にも読んだが、前の本より面白かった。
    ちょっとしたきっかけからめくるめく岸本ワールドが始まり、干支は総とっかえされ、心臓は休みを取り、からざを捨て続けた人間がからざ地獄に落ち、ニシンは人生相談をする。読んでいると浮遊感があり、いちいちくすっと笑ってしまう。一番好きなのは、「でも地獄をうろついている仏ってなんなのだろう。どう考えてもまともな仏ではない。詐欺の可能性が高い」のくだり。確かにそう。そうだけど、考えたこともなかった(笑)。著者は若干不便そうにしているが、これくらい空想が暴れている脳みそで

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    2026年07月25日
  • 五月 その他の短篇

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    素晴らしい。フシギだけど温かみのある文体。
    イメージは交錯して視点が自在に動く。
    言葉って、小説って本当に自由なのだ。他のも読みたい!

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    2026年07月22日
  • なんらかの事情

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    目の付け所が人とは少し違う。
    自分も似たような部分があるので、共感しながら読めるのも楽しかった。
    もっとも、同じような感性でも、その鋭さと文章のうまさには到底かなわない。
    妄想の世界に入り込んで止まらなくなる部分もあった。悪ノリが過ぎて、やや滑っている箇所もあったかな。

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    2026年07月13日
  • 五月 その他の短篇

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    アリ・スミス2作目。
    前回は難しさを感じたので、今回も身構えながら読んだ。
    「普遍的な物語」
    古本屋の話だったので、スラスラ読めた。
    情景に浮かぶ話だった。
    クスッと笑えるところもあり、楽しめた。本を感じるような読書体験だった。

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    2026年07月11日
  • あれは何だったんだろう

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    なぜこうも岸本佐知子本に惹かれるのか。何が可笑しくて声をあげて笑ってしまうのか。
    このシリーズ4作目にしてようやく分かった。
    このキレのいい文章のリズムが、自分の内なる言葉とマッチしてるからだ。
    「声に出して読みたい日本語」のように何度も繰り返し音読したくなるのだ。そしてその可笑しみを身体の隅々まで行き渡らせたくなる。
    今回も身体いっぱいに味わってまんぷく、まんぷく!

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    2026年07月01日