岸本佐知子のレビュー一覧
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ネタバレAmazing! と言いたくなった。笑えて切なくてホロッと最後は泣きそうになるエンディング。ページターナーでした。43歳女性が66歳シングル男性に密かに恋してる所から始まるけど日本の恋愛市場ではオワコンの年齢だ。その主人公シェリルの人生がそこからあれよあれよと、ここどこ?私誰?な感じでスピーディーにモノクロからカラフル人生に変わっていく。一番印象に残ったのはやはりsexual fantsies性的妄想やその描写があからさまなんだけど、ちっとも下品ではないとこ。「おりもの」だなと分かるって新鮮だった。おっぱいが垂れてるとか陰毛に白髪とかウケるけどいくつになっても恋してるっていいなと思う。タイトルはクリーの事らしい。本当に素敵な物語だった。
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Posted by ブクログ
こんなにヘンテコでエキセントリックでユーモアに溢れた作品ってほかにある?
中年女と若い女が殴り合ったかと思えば、愛し合ってみたり、子育てしてみたり。
ほんとに意味がわからない展開ばかりなんだけど、不思議と嫌悪感はゼロ。むしろ次はどうなるの?とページをめくる手が止まらない。
え、これってアリ?そんな問いはシェリルには愚問。
ぜんぶ、アリ。なんでも、アリ。
信じられないことが起きるのが、ミランダ・ジュライの小説なんだとおもう。
本の後ろに書いてあるコメントにすごくいいのがあるので、それを載せておしまい!
『私たちの愛し愛される能力について、誰にもできない形で教えてくれる。』
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Posted by ブクログ
「最初の悪い男」(ミランダ・ジュライ)
「例えばシェリルの家の壁から、世界地図が外れなかったとしたら。」
この物語の主人公、シェリルは43歳独身女性。職場ではある程度の地位を得て、快適な一人暮らしを謳歌している。
本当の自分とか、生きる意味とか、無くても生きていくことはできる。煩わしさを排除して、毎日なにかを少し我慢しながら。
空想の世界では饒舌なシェリル。
人の良い感じがするけれど、その世界では誰かを踏みにじってしまうこともある。
それはそれで、ひとつの人生。誰にも当てはまる人生。
自分を感じずとも、生きることはできる。
だけど。
世界地図は外れる。ミランダの描く世界はひとところには留まらない。
望んだわけではない出来事だったはずなのに、足が臭くて暴力的な美人の娘、クリーが転がり込んできて、偶然は必然かのように、シェリルの人生は回り出す。
世界地図が外れる!
その展開のめまぐるしさ、生々しさ、ページをめくる手が止まらない。
前半は、シェリルのイジイジした様子、優しいようで、決して心を開かない様に、読みながらあんなに悶々としたのに。
新しい価値観に気付いたあとのシェリルの心の声は、センシティブの極み。ヒリヒリと心を打つ。
そして、声を限りの、
ノーノーノーノーノーノーノーノーノーノー。
サンドロップを見たときのこと。虹に似た何かなんてない。美しすぎるエピローグ。ここはもう、何度読み直したかわからない。
これ以上ない美しい気持ち、これ以上ない悲しい気持ち、これ以上ない優しい気持ちに満たされる。もちろんすごく笑わせてもくれる。会話のセンスが、ずば抜けて面白い。
あと、これは個人的な意見です、と前置いた上で書く。
ミランダがこの作品を、子供が産まれてから書いたこともやっぱり作品の手触りがより切実になった要因な気がする。
生まれたての子を昼夜問わず世話するあの、作中に出てくる言葉で言うところの、
「洗脳」、の表現。子を持つ前の自分がいなくなってしまうような感覚。
それでもなにかひとつでも、例えばずっと出なかったウンチがやっと出たりとか、初めて声をあげて笑ったとか、それで帳消しになるようなあの感覚。
すごくリアルだった。
奇跡と偶然で、「私たち」はここにいる。
絶対に、ひとりではないのだ。
作中の様々なシーンが頭をよぎる度、自転車を漕いでいても、バスに乗っていても、どこにいても、甘やかな痛みが鼻を刺しては目が潤む。
素晴らしい映画を観終わった後のような読後感。そしてまた始めから、味わうように読み直す。 -
Posted by ブクログ
ある天才少年が、夭折した親友の少年の伝記を書いた、という体裁。更には、その著者たる少年もどうやら行方不明になっているらしき導入部分があるんだけど、そこを二重にしている意義はちょっと不明(自分的に、最後までそこが気になったんだから仕方ない)。それはともかく、書かれているのはほんの10歳ちょいまでの短い一生なんだけど、内容はとても濃密。ちょっと気難しそうで、何を考えているのかも分かりづらいマルハウスくんだけど、そのせいで素っ頓狂な行動に出てしまう場面も多く、結構にシリアスな人生ながら、思わず微笑ましくなる部分もちらほら。マルハウスくんを悩ませる脇キャラも個性的で、読んでて飽きさせられない。評判通り、傑作の架空伝記小説でした。
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Posted by ブクログ
読み始めてすぐ、キャロルの描写で「?」となり、キャルの描写で「???」となり、5回くらい読み返した。笑
訳がすごい!岸本さんらしい。原文と照らし合わせて読んでみたい。
脳がラックから落ちてからのフィルの大演説がすごかった。何か言ってるようで、何も言ってない。
あと、何を言っても会話が成り立たない感じ。
勢いがあって声が大きい人の言葉は、届きやすいのかな…。たとえそれがめちゃくちゃでも。怖。
脳みそだけは、絶対に落とさないように、気をつけよう。
「あの、フィル…さん?」ラリーが遠慮がちに言った。
「お脳、戻した方がかよかないですか?」
お脳。笑