岸本佐知子のレビュー一覧
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ネタバレ文庫化に伴い11編もエッセイが追加されたというので再読することに。
単行本は3年以上前に読んでいるが、細部まで覚えていない。
前回は急いで読んだので、今回は結局全編じっくりと読んでしまった。
何度読んでも面白さは変わらない。
エッセイごとにクラフト・エヴィング商會のイラストがあるのだが、これも全く覚えていなかった。
このイラストが実にいい味を出していて、眺めるのが楽しみになります。
「じゃむぱんの日」からさほど日数を空けず、岸本ワールドを満喫できてラッキー(^O^)
レビューは、単行本でしているので省略です m(_ _)m
追加分のエッセイはまとまっていなくて、バラバラに挟み込まれてい -
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『単行本『ひみつのしつもん』刊行から、気づくともう四年が経っており、今回もこうして文庫にしていただき、とてもうれしい。文庫化に際しては、単行本未収録だったもののなかから十一本を選んで増量した』―『文庫版あとがき』
本は単行本の形が好きなので、岸本さんのエッセイ集は全て単行本で所有している。そして、基本的に単行本に持っているものは文庫化されても買い足したりはしないのだけれど、「二割増量」と聞いて手が伸びる。「気になる部分」(2000年)も「ねにもつタイプ」(2007年)も「なんらかの事情」(2012年)、そして「ひみつのしつもん」(2019年)も単行本しか持っていないのだけれど。
別に著者の -
Posted by ブクログ
半泣きのような、半笑いのような。一編を読むごとに、きっとヘンな顔になっている。
ゾクゾク、ゾワゾワして、しんとする。僕の中の埃が溜まったへこみを押し開けて、入り組んで届きにくいカーブに指をぴたっと添わせてグイグイ突いてくる。
なんともイタ気持ちいい読後感。しばらく動けない。
ギュッと腕を身体に巻き付けて、バラバラに解けてしまいそうな自分の形を保つのに必死なとき。一緒にベッドに潜り混んでいる人の寝顔が、見知らぬ他人だと思うとき。バスタブの中で息を止めて、「ねぇ、私は悪くないよね」って呟くとき。
そんな危うい瞬間を潜り抜けて、残念な今日とウンザリな明日を生きていく誰かさんに、奇妙な回線で、接続し -
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Posted by ブクログ
著者ルシア・ベルリン自身の半世に材を取った短編集である本作は、「わたし」の一人称語りで、自身を取り巻く苛烈で過酷な環境や人物が描かれる。「わたし」視点の世界なのに、「わたし」の居場所はない。語り手は家族から不当な扱いを受け、学校のクラスメイトから無視され、孤独に浮いている。世界から拒絶されて、アウトサイダーとなっている。
その様子が独特の筆致で描かれる。訳がとても良いのだと思うが、原文が孕んでいるであろう特殊な「熱気」を感じる文体だ。荒々しく、ギラギラした勢いある近視的筆致のながれの中に、シニカルで冷徹な一文が時折、紛れ込んでくる。著者の説教くさい思想やじめじめした感想はほとんど出てこない -
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ネタバレ描写力がすごい。キャッチャー・イン・ザ・ライみたいな多くの人がぶち当たるある時期の感情のもつれとかとは違ってターニングポイントにすらならずに忘れ去られた子供時代をよくあそこまで表現できるなと思った。
----ここからネタバレ----
エドウィンが撃つフリして目を開けたことによって安堵するよりも伝記を書くためのプロットを完成させることを厭わなかったジェフかなりやばい
あと表向きには多くの人が忘れ去ってしまった子供時代の感性を忘れることなく保ち続けたエドウィンの人生と作品話なんだろうけど、ジェフがそこから外れることを許さなかったという感じがするんだよなぁ
ローズ・ドーンやアーノルドからの影響 -
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ほとんど読んだことがないエッセイ
どなたかのレビューかな?
なぜか登録してて手に入れました(・_・;
わたしもたいがい妄想しまくってますが足元にも及ばない‼︎
爆笑です!こんな凄い妄想知らない笑笑
妄想がもう一つの作品に仕上がってます(°_°)
なんて不思議な方…翻訳家の岸本佐知子‼︎
爆笑妄想をひとつ…
富士山に興味があった子供の頃登る事になった話
プリンのようなゼリーのような不思議な形
下が青、上が白…その青い土を袋に詰めて帰るのだ
五号目とはどのあたりだろう?青と白の境い目あたりだったら、不二家の三色アイスみたいに色の変わるあたりを持ち帰りたい‼︎
どうしよう…次シャンプー・リ -
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ネタバレ岸本佐知子さんが某洋酒メーカーを辞めて翻訳家となり何年か経った33~39歳の時のエッセイで、最初のエッセイ集がこの本です。
しょっぱなから、「リニアモーターカーは根性とか念力で動いている」と密かに感じているとのたまう岸本佐知子さん。
最初のエッセイを最後に読むことになってしまったが、この本も、岸本ワールドが期待できそう♪と確信。
とは言え、遠慮して抑えている感も伝わってきて、円熟した岸本ワールドをさらけ出すまでには至っていない。
一番面白かったのは、新書版で追加された最後のエッセイで、これだけが2006年(46歳)に書かれたものだから遠慮なく自由だ。
一度も会ったことのない川上弘美さんとの思 -
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ロシアものは自分に酔う
こんな本読んじゃってる自分を想像するだけで満足してるかもしれない。
何冊か読んで途中棄権してる本もあるが、罪と罰も上下巻で揃えて読むタイミングを逃している。
そこにこの本があると知り、こちらを読んだら読む気になるのか…?なんて
ちょっと遠回りしてみることに。
結果、四人の読書会がエッセイのようでもあり
とてもハマってしまった。
作家さん達であるから、書き方や持って行き方なんかも自分と比較したりする、そんな会話もめっちゃ楽しい。
罪と罰を普通に読んでいたらこうは思わなかったと思う。
ロシアものは難解だ
だって人の名前も日本人にはとっつきにくい発音(発声)
それでいて