岸本佐知子のレビュー一覧

  • ひみつのしつもん

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    現実と空想の世界がしれっと切り替わる、独特な不思議おもしろエッセイ。著者の頭の中をパカっと開けて見せてもらった感じ。装丁のセンスがとても素敵。他のエッセイも読んでみたい。
    ヌテラって確かにぬの力感じる!

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    2025年09月25日
  • すべての月、すべての年 ――ルシア・ベルリン作品集

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    ネタバレ

    やはり圧倒的な描写力で、美しいことも、醜いことも色鮮やかに描かれていて、惹き込まれる。
    表題作も海で泳ぐ気持ちよさが、海中の美しさが、漁師宿のゴチャゴチャした中にも温かみが、肉体的な感覚を伴って感じられる。
    体験しないとわからないこのような感覚が、これほどまでに鮮やかに描写できるこの作家の凄さを改めて感じた。
    B.Fと私は、最晩年の作品とのこと。
    美しく無いものをくっきりと描いているけれど、それでいて嫌な感じはしないのは、才能なのだと思う。
    そしていつも感じるのは、どんなロマンスの中でも人は孤独であること。自立した女性ならではの感覚だと思う。

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    2025年09月19日
  • わからない

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    400ページ弱にエッセイ、書評、日記を収める。初出の年代はさまざま。
    筒井康隆作品の「日本家屋もの」or「お座敷宇宙」についてのエッセイが秀逸。
    三浦しをんのことも書いてある。「もしかしたら前世は武士だったのかもしれません。そういえば一度、最深度まで酔っぱらって、一人称が突然『拙者』になった三浦さんを見たことがあります。語尾は『ござる』でした。たぶん鎌倉時代の。まちがいありません。」てへっ。

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    2025年08月19日
  • わからない

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    『死ぬまでに行きたい海』で岸本さんのファンになったので読んだ。内容(登場するエピソード)は被っているものも少なくないが、友人と話している時の「それ以前にも聞いたことあるけどやっぱおもろい」話感があって嬉しかったです。
    前述のエッセイよりもボリュームがあり、短編集ということで章が短く、読みやすかった。
    日常のことをこんなに面白く、読者の共感や笑いや時に恐怖心(?)を誘う文章力が非常に羨ましかった。
    最後の方に日記が掲載されているが、自分が知っている「日記」とは様子が異なり、こういったのもOKなんだな?! いや日記だからこそこんなに率直でいいんだ……!! という発見と驚きがありました。
    手元に置いておきたい本です。

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    2025年08月09日
  • なんらかの事情

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    笑える
    というよりまるで自分のことを書かれているような気分になるエッセイ
    岸本さんの頭の中の発想が
    たぶんみんなそうだったよな
    と、思えるはなしばかり
    それらを文章にできてしまえるのは
    さすが!
    ほとんどはその場限りで忘れてしまう
    ほっこりとまったりと
    たまにはこんな本を読んでみたくなる
    いや、いつでもかも‥

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    2025年08月08日
  • ひみつのしつもん

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    月刊『ちくま』の連載コラム「ネにもつタイプ」、第3輯目。そろそろネタ切れになるかと思いきや、まえにもましてノリに乗り、切れ味も鋭くなっている。
    多くは身近な話題で始まるが、そこから先は驚きの展開。まさかそんな世界が開けているとは! 粒ぞろいの52篇。

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    2025年07月16日
  • ひみつのしつもん

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    独特の世界観とテンポでサクサクと読めてしまうエッセイ集。 表す言葉がない感覚など、私も同じように感じることある!と思うことを的確に書いてあり、すごく身近に感じながら読める。 普通の日常の中に突如として食い込んでくる非日常的発想で思わずクスリ。

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    2025年07月08日
  • ねにもつタイプ

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    1話が2〜5ページほどの短編集で、表現が平易で読みやすい。
    書籍紹介にある通り、特に教養が身につくわけではないが、思わず声を出して笑ってしまう場面が多々あった。
    比喩の対象になっているものについては、読んで内容は理解できたものの、それまであまり意識して考えたことはなかった。
    でも、この本を読んでいる間だけは、それらについて一緒に考える時間が持てたように感じる。

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    2025年05月18日
  • なんらかの事情

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    月刊『ちくま』の連載コラム「ネにもつタイプ」、第2輯。
    どのエッセイがどう面白いかは、ネタバレになるので書けない。各エッセイのタイトルをちょっと曖昧にしてあるのも、おそらくそういう理由からだ。一例だけ挙げると、「ダース考」というエッセイ。わたしは10ではなく12でまとめる話かと思って読み始めたが、気がつくとダース・ベイダーになってものごとを考えていた。なるほどね、彼も結構つらいのだ。
    粒ぞろいの53篇。適当に開けたページから読み出せる。

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    2025年05月06日
  • 掃除婦のための手引き書 ――ルシア・ベルリン作品集

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    いままで読んだことのないタイプの小説群だ。荒っぽく、むきだしで、パンク。しかも状況の把握がすぐにはできない。何度も行きつ戻りつして、読み進む。最後は、人生の理不尽さが出てくるものの、言いようのないふしぎな感動に襲われる。
    鉱山技師の子としてアラスカに生まれ、子どもの頃はアメリカ各地やチリを転々とする。その後3度の結婚、4人の子ども。教師、掃除婦、電話交換手、看護助手、大学教員、そしてアルコール依存と慢性の肺疾患……作品の底流にあるのはこうしたキャリアと体験だ。
    この本のラストの作品は「巣に帰る」。冒頭にカラス、終わりもカラスが登場。描かれているのは、人生と反実仮想。ルシア・ベルリンその人が少しわかったような気がする。
    岸本佐知子さんの訳のうまさにも脱帽(文庫版では、スペイン語の発音ミスが修正されていた)。

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    2025年05月04日
  • 掃除婦のための手引き書 ――ルシア・ベルリン作品集

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    ネタバレ

    目次
    ・エンジェル・コインランドリー店
    ・ドクターH.A.モイニハン
    ・星と聖人
    ・掃除婦のための手引き書
    ・私の騎手(ジョッキ―)
    ・最初のデトックス
    ・ファントム・ペイン
    ・今を楽しめ(カルぺ・ディエム)
    ・いいと悪い
    ・どうにもならない
    ・エルパソの電気自動車
    ・セックス・アピール
    ・ティーンエイジ・パンク
    ・ステップ
    ・バラ色の人生(ラ・ヴィ・アン・ローズ)
    ・マカダム
    ・喪の仕事
    ・苦しみ(ドロレス)の殿堂
    ・ソー・ロング
    ・ママ
    ・沈黙
    ・さあ土曜日だ
    ・あとちょっとだけ
    ・巣に帰る

    ・物語(ストーリー)こそがすべて リディア・デイヴィス

    初読みの作家でしたが、思った以上に楽しめました。
    ほぼ作者の体験に根ざした作品らしいが、その経歴がまた想像以上。
    貧困家庭で家族に顧みられないまま育ち、学校ではいじめに遭い…からの地理の上流階級へと跳ね上がり、女手一つで4人の息子を育てながらアル中になり、刑務所で創作を教え、最終的にはコロラド大学の准教授から、闘病生活へ。

    家族を顧みない父、二人の娘を見守ることのないアル中の母、妹だけを可愛がる祖母、作者を可愛がるが性的虐待をも与えるアル中の祖父、家族の中で唯一作者の理解者であったアル中のジョン叔父。
    悲惨ともいえる家庭生活以外では、学友たちにいじめられ、先生からは疎まれて、それでも親友ができた。

    死期の近い妹の世話をするために仕事をやめてメキシコに立ち、クローゼットのように狭い小部屋に住んで、最後のひと時を家族の思い出話で過ごす。
    妹は妹で、彼女のことを羨んでいた、と。

    悲惨も絶望も残酷もあるのに、決して湿っぽくはない。
    何ならクスッと笑えるところもある。
    それは作者が、そうやって生きてきたからだろう。

    日本の私小説は、自分の奥深くへ潜っていくような息苦しさがあるが、彼女の書く小説は世の中や時代に即して、ある。
    どんなにつらいときでも目を、耳を、閉ざすことなく世の中とつながっている。
    だから読者は、作者から拒絶されたと思わないで読み進めることができる。

    最近読んだばかりのせいか、こうの史代みたいな読み心地に感じられた。

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    2025年05月02日
  • わからない

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    初めての岸本佐知子さん。面白すぎた。
    翻訳家で文筆家だから優等生的聡明な才女かと勝手に思っていたら、毒とユーモアに満ち溢れていた。そしてやはり表現の豊かさとビシッと決める言い回しのセンスというか技術というか、素晴らしくて虜になった。
    日記は吹き出して笑った。

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    2025年04月26日
  • 『罪と罰』を読まない

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    めちゃくちゃ面白かった。著名な本の関係者の罪と罰の感想、解釈が聞けるラスト100ページくらいは著者たちと読書会を開いているような気分になれた。罪と罰のおかしな点、面白い点を余す事なく文章化してくれていて読んでて楽しかった。299ページで三浦しをんさんが罪と罰を「愛すべきダメ人間の話だ」と言っていたがその通りだと思った。読書会参加したいな。読書仲間欲しいな。

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    2025年03月08日
  • わからない

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    翻訳家、岸本佐知子のエッセイ、本の書評、実録日記。




    この方を存じ上げないまま、タイトルと表紙の絵が気になり、パラパラと流し読みして面白そうだと思い読みました。

    どこでとははっきり分からないけれど、読んでいるうちにだんだんと、この人って魚座っぽいな〜と思っていたら魚座だというフレーズがあり、やはりと思いました。
    取り上げる題材、書き方、時折り挟まれる夢の話や荒唐無稽な話、それに対する著者の感じ方とその描き方などから、畏れ多いながらシンパシーを感じました(私と同じ!というわけでは決してなく、捉え方に親近感がわくところに)。
    実際はきっともっときちんとされている方なのでしょうが、いい加減さが良いさじ加減で出てくるあたり、魚座みを感じます。
    そう感じたこともあり、とても読みやすく楽しいエッセイでした。書評されていた本はどれも(と言うと誤解を招きそうですが)興味をそそられて、ぜひ読んでみようと思いました。

    本屋で見かけた女学生の話が好きです。
    ストーカー風な振る舞い(笑、そこから怒濤のオススメ海外文学レファレンス (ただし心の中で)が面白くて、「○○の話してたよね、そんな貴女には△△!」という流れを全て読んだ後に、めっちゃ話聞いて様子を見ていたんやなぁ…これはギリアウトでは…?と微笑してしまいました。でもお勧めされた本どれも面白そうでした。

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    2025年01月22日
  • ひみつのしつもん

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    日常から作者の妄想世界の真っただ中へいつの間にか入ってしまう。なんだか、そこが心地よく、ときどきくすっと笑ってしまう作品の数々は、日々の雑事を忘れさせてくれ、力の入っていた肩もいつしか、リラックスさせてくれている。今回も、期待を裏切らない出来でした。次が待たれます。。。

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    2025年01月19日
  • すべての月、すべての年 ――ルシア・ベルリン作品集

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    異次元。本質の描きかた、その鮮やかさ。
    描かれている現実は、あんなに苦いのに。
    なのに重苦しくなく軽やかで、
    すこしだけ救いも感じられるのはなぜだろう。
    エル・ティムは特に胸を抉られる一編だった。
    打ちのめされるくらい見事な小説。

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    2025年01月13日
  • ねにもつタイプ

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    抱腹絶倒!とにかく面白い。
    この方の頭の中はどうなっているのだろう。
    この一冊を読んでから、「気になる部分」
    「なんらかの事情」など岸本佐知子さんの
    作品を読まずにはいられない(笑)

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    2024年12月25日
  • サミュエル・ジョンソンが怒っている

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    ネタバレ

    たった一行にも満たないものから数十ページになるもの、物語というよりは断片としか形容できないものや、特殊な形式のものまで、作者が『短編小説である』と断ずるこの作品集には一見どうやって読めばいいのか戸惑ってしまうような短編が多数収録されている。
    正直自分の知識と感性の未熟さで楽しみきれなかったものもあるけれど、全体としてすごくスリリングで、こちらが読もうとすればするほど冷静で淡々とした文章の奥から物語がとめどなく溢れてくるすごい本だった。
    比較的長めの作品なら、執拗なまでに細かい描写と事実を淡々と書き連ねた文章を追う内に胸が痛くなるほどの激しい感情が湧き上がってくるし、極端に短い作品ならば、そのたった数十から数百字に込められた意味を見つけようとする内に思いがけない場所へ辿りついて驚きと喜びにおそわれることになる。
    本を読むのって楽し〜〜〜を実感させてもらった。

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    2024年12月14日
  • 掃除婦のための手引き書 ――ルシア・ベルリン作品集

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    はじめは、フーンこれがなんか色んな人が大絶賛の本か。なるほどなかなか読ませますなという感じで読んでいたのに、一編読み終えるごとに夢中になっていった。
    あれ?あの話の彼女はこの人?この体験はあの体験のこと?というか、これ全部繋がってる……?
    短編集というよりは自由な章立ての長編のような……作家自身の体験と深く結びついた物語が、ひとつ、またひとつ自分の中で繋がるほどに引き込まれていく。印象的なメロディーを繰り返しながら盛り上がっていく音楽みたいに。

    読み終えた時には、一人の女性の人生――痛みと喜び、幸と不幸、激しさと静けさ、深い傷と赦し――が、確かな色と、音と、匂いを持って立ち上がってきた。
    その迫力。
    それでいて読み心地には常に達観したような軽みがあるのだ。素晴らしい体験だった。

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    2024年12月13日
  • 十二月の十日

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    最初はん?という感じでしたが世界観が掴めてくるとグイグイ引き込まれました。小説のちから。最後電車の中で泣いてしまった。出会えてよかった本。

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    2024年11月09日