岸本佐知子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
こんなにヘンテコでエキセントリックでユーモアに溢れた作品ってほかにある?
中年女と若い女が殴り合ったかと思えば、愛し合ってみたり、子育てしてみたり。
ほんとに意味がわからない展開ばかりなんだけど、不思議と嫌悪感はゼロ。むしろ次はどうなるの?とページをめくる手が止まらない。
え、これってアリ?そんな問いはシェリルには愚問。
ぜんぶ、アリ。なんでも、アリ。
信じられないことが起きるのが、ミランダ・ジュライの小説なんだとおもう。
本の後ろに書いてあるコメントにすごくいいのがあるので、それを載せておしまい!
『私たちの愛し愛される能力について、誰にもできない形で教えてくれる。』
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Posted by ブクログ
「最初の悪い男」(ミランダ・ジュライ)
「例えばシェリルの家の壁から、世界地図が外れなかったとしたら。」
この物語の主人公、シェリルは43歳独身女性。職場ではある程度の地位を得て、快適な一人暮らしを謳歌している。
本当の自分とか、生きる意味とか、無くても生きていくことはできる。煩わしさを排除して、毎日なにかを少し我慢しながら。
空想の世界では饒舌なシェリル。
人の良い感じがするけれど、その世界では誰かを踏みにじってしまうこともある。
それはそれで、ひとつの人生。誰にも当てはまる人生。
自分を感じずとも、生きることはできる。
だけど。
世界地図は外れる。ミランダの描く世界はひとと -
Posted by ブクログ
ネタバレめっちゃネタバレです。
翻訳小説ひさしぶりに読んだけど、読みやすかったなあ。岸本さんの訳、すごく身近な言葉でいい…。「肩がバキバキ」とか「ぜんぜんオッケーです」とかそういう微妙にリアルな言い回し。岸本さんのエッセイも大好きなのでたぶん自分的に肌に合ってるのかも。
んで、これ最初孤独な独身中年女性の狂気、みたいな感じで進んでいくのかとちょっと警戒した。いや杞憂でした。
クリーと同居しはじめて、傍若無人に搾取されるだけだったのが反撃をはじめて、バトルになり、だんだんその関係性が変わって来る、そのあたりでもうぐいぐい話の中に引っ張り込まれる。
主人公がややこしい妄想にとりつかれて、ファック、とし -
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Posted by ブクログ
ある天才少年が、夭折した親友の少年の伝記を書いた、という体裁。更には、その著者たる少年もどうやら行方不明になっているらしき導入部分があるんだけど、そこを二重にしている意義はちょっと不明(自分的に、最後までそこが気になったんだから仕方ない)。それはともかく、書かれているのはほんの10歳ちょいまでの短い一生なんだけど、内容はとても濃密。ちょっと気難しそうで、何を考えているのかも分かりづらいマルハウスくんだけど、そのせいで素っ頓狂な行動に出てしまう場面も多く、結構にシリアスな人生ながら、思わず微笑ましくなる部分もちらほら。マルハウスくんを悩ませる脇キャラも個性的で、読んでて飽きさせられない。評判通り
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Posted by ブクログ
ネタバレ独裁を行うためのメソッドが満載。
・内をまとめるために敵を作る
・大きな声と断定的な口調で一目置かせる
・自分に従う者の自尊心をくすぐる
・マスコミを抱き込む
・中身が不明な全面委任を信頼(忠誠)の証とする(踏み絵的な活用でもある)
・時に武力行使も辞さない(刃向かうとこうなる、を早々に示す)
現在の国内外の政治にも通じて、薄寒いものを感じます。
最後フィルは自滅したようなものだけど、このまま独裁が続いていたらどうなったのか。独裁下での一時的な治安維持がしばらく続いていくのだろうか。
現代でもこのまま自然破壊が続いたら、「創造主」が天災という形で粛清してくるかもしれない、と想像しました。