岸本佐知子のレビュー一覧

  • 最初の悪い男

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    ネタバレ

    めっちゃネタバレです。

    翻訳小説ひさしぶりに読んだけど、読みやすかったなあ。岸本さんの訳、すごく身近な言葉でいい…。「肩がバキバキ」とか「ぜんぜんオッケーです」とかそういう微妙にリアルな言い回し。岸本さんのエッセイも大好きなのでたぶん自分的に肌に合ってるのかも。

    んで、これ最初孤独な独身中年女性の狂気、みたいな感じで進んでいくのかとちょっと警戒した。いや杞憂でした。
    クリーと同居しはじめて、傍若無人に搾取されるだけだったのが反撃をはじめて、バトルになり、だんだんその関係性が変わって来る、そのあたりでもうぐいぐい話の中に引っ張り込まれる。
    主人公がややこしい妄想にとりつかれて、ファック、とし

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    2019年01月25日
  • 最初の悪い男

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    読み終わって、叫び出しそうになった。
    でも、何に? ー なにかに。
    イタくてアツクて、色んなものが刺さってくるんだけど、
    金色の光のようなものがそこにちゃんとあって、
    私たちはぼろぼろにはならずにいられる。

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    2018年12月02日
  • エドウィン・マルハウス

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    ネタバレ

    私が読んだのは、単行本で「エドウィン・マルハウス―あるアメリカ作家の生と死」(2003/8)だったけど、文庫化にあたってタイトルが短くなったのが、エレンディラ同様に寂しい。
    岸本佐知子は悪くない。

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    2018年10月17日
  • エドウィン・マルハウス

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    描写がくどくて読むのがつらい小説だった。

    しかし、途中、エドウィンの死が決まり、これは小説を覆す反小説だと確信できたところ、全てがスルスルと飲み込めた。

    なんと野心的な作品だろうか。
    晦渋な小説内小説、小説内批評などを駆使しながら、死をも虚構する小説の見えざる虚構性を突き崩してしまっている。

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    2018年07月14日
  • エドウィン・マルハウス

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    ある天才少年が、夭折した親友の少年の伝記を書いた、という体裁。更には、その著者たる少年もどうやら行方不明になっているらしき導入部分があるんだけど、そこを二重にしている意義はちょっと不明(自分的に、最後までそこが気になったんだから仕方ない)。それはともかく、書かれているのはほんの10歳ちょいまでの短い一生なんだけど、内容はとても濃密。ちょっと気難しそうで、何を考えているのかも分かりづらいマルハウスくんだけど、そのせいで素っ頓狂な行動に出てしまう場面も多く、結構にシリアスな人生ながら、思わず微笑ましくなる部分もちらほら。マルハウスくんを悩ませる脇キャラも個性的で、読んでて飽きさせられない。評判通り

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    2018年06月10日
  • 気になる部分

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    たいして読んでないのに言うのもなんだけど、岸本さんのエッセイ、面白すぎ。さくらももこのエッセイを好んで読んでいた頃と同等の満足度を感じてます。もちろん褒め言葉。”ねにもつタイプ”も素晴らしかったけど、本作はもうちょっと現実寄り。翻訳家としてのコラムみたいなのも掲載されていて、それはそれで興味津々。岸本さんの翻訳本を、もっと読みたくなりました。

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    2018年03月08日
  • エドウィン・マルハウス

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    ネタバレ

    すげえなこれ。いやまったく騙された。第一部 幼年期 がいまいちピンとこなかったので中断しそうになったが、あるキャラの登場から俄然おもしろくなり… 表紙はのほほんとしてるが、読後は印象が一変する。子供向けじゃない大人向けの本です。いやほんとにw

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    2017年05月25日
  • いちばんここに似合う人

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    他人の生きざまを知るということが、これほど自分を、そして自分と関わってくれるすべての人を救ってくれるとは。孤独に、けれど「何か」を追い求めるそれぞれの主人公が、目の前を通り過ぎていく。私には彼らが何をしたいのか、何が目的なのか分かっている。自分のことは分からないくせに。
    それでも、そのヒントを垣間見た気がする。今日も、いちばん「ここ」に似合う人として、生きていこうと思う。

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    2015年11月25日
  • 気になる部分

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    この人の生きている世界はとても不気味で、すごく羨ましい気持ちにさせられた。こんな目で世界を見てみたい。

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    2015年02月08日
  • いちばんここに似合う人

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    ​プロット、表現、文の瑞々しさが素敵。
    そして、ここでその言葉をこう並べるんだ、こう入れてくるんだ、みたいな楽しさ。
    内容は、孤独で、愛が欲しくて、大半の人からはちょっと引かれてしまうであろう人たちのお話。
    だけど結局みんなこんなもんでしょ。みんな痛々しい大人だ。誰だって誰かに引く権利なんてないのだ。

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    2014年10月19日
  • いちばんここに似合う人

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    読んでるうちにどんどん感情が湧き出ててきて心が引き裂かれる思いがした。でも読み終わった後に「でもあまりに寂しい。確かにこれが人間だが、私はこれだけの人間を見たくない。」もうお腹いっぱいしばらく結構。と感じたのは何故か?
    何故ならこれは私たちが目にしたくない部分だからだと感じた。ここに私自身見ないふりしていた「痛み」があったから。私は、Mr.ピープスにいたあの女の子であると同時に、そんな世界はまるでないかのように暮らす男でもあるのだ。
    見ないふりはもうやめようかなあ。例え頭痛が絶えなくても、この痛みは私のものなんだから。

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    2014年08月22日
  • ほとんど記憶のない女

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    普段、心の奥底に潜んでいる悲しい事忘れてしまったはずの傷ついた出来事いつもはりついているような不安。大人になったら自信を持って生きていけると思ったのに、何処かに子供の頃と変わらない臆病な柔らかい部分をひらりと描いてくれた。その高い知性と明晰な言葉でひらりとすくいあげてくれた。大切な作家、大切な一冊になりました。

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    2013年12月14日
  • ほとんど記憶のない女

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    そっけなかったり、非常に客観的なのだけれど、静かに揺さぶってくる感じ。1ページだけの非常に短いエッセイも多いのだけれど、わたしはそれが特に好きです。

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    2013年06月16日
  • ほとんど記憶のない女

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    リズム、ユーモア、奇妙な感触、イタチゴッコの様な可笑しな文章…。
    ほぉと唸ってクスッと笑って、時折フワリと感覚に訴えかけてくる、
    そんな著書にすっかりヤラレてしまいました。

    『私が興味をもつのは、つねに出来事よりも、
    その裏で人間が何を考え、どう意識が動くか、そのプロセスなのです。
    出来事は、それを見せるための方便でしかない』
    こうキッパリと言い切る著者の他作品に興味津々。
    今後、未訳作品の翻訳予定もありとの事なので、今からワクワクムズムズとしています。

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    2013年03月10日
  • ほとんど記憶のない女

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    ほんの数行、数ページの短編や旅行記のようなものが51編詰まった本。

    リズムがすごく心地よい。アフォリズムも好み。

    小説は、伝わるならばなるべく短いほうが良いと思っているので、すごく気持ちよく読めた。

    ポールオースターと過ごした日々についての短編も入ってます。
    ポールオースターも同じエピソードを作品として残しているらしい。

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    2011年06月21日
  • 楽園の夕べ ルシア・ベルリン作品集

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    感じながら考えながら生きる、を思い起こさせてくれるルシア・ベルリン。ここのお気に入りは「聖夜 一九七四年」

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    2026年05月03日
  • 短くて恐ろしいフィルの時代

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    ネタバレ

    日本翻訳大賞の選考委員の岸本佐知子さんの訳書。
    岸本さんはエッセイ集『ねにもつタイプ』は読んだものの、遅読の僕は訳書は本書が初めてかと思ったが、かろうじてショーン・タン『セミ』だけは読んだことがあった。
    これは面白い!

    小国〈内ホーナー国〉が、隣の大国〈外ホーナー国〉に侵略されるお話。
    二十世紀に引き続き「戦争の世紀」となった二十一世紀では、いたるところで際限もなく繰り返されているお話ではある。

    作者のソーンダーズは、二〇〇五年に四冊目の著作として本書を発表した。
    当時のアメリカは「ブッシュ・ジュニア」大統領の時代で、同時多発テロからイラク戦争へという頃である。/


    【国が小さい、という

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    2026年04月26日
  • 掃除婦のための手引き書 ――ルシア・ベルリン作品集

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    目の前にゴツゴツした石塊がある。
    なんだか殺風景に見えるが、それをハンマーで叩いて割ると、キラキラと輝く断面が現れる。宝石の原石だ。しかも割るたびに様々な色合いの光を放つ不思議な石。

    この短編小説集を読み終わって頭に浮かんだのは上記のようなイメージだ。

    本書には22の短編が収められている。
    最初は、突然ざっくりと切り取られた日常の断片が目の前に無造作にボン、と放り投げられたような印象で、面食らった。
    次の短編、またその次…と読むうちに気づく。
    場所も時代も、語り手の職業も年齢も全然バラバラだが、なんとこれは同一人物の物語だ。

    著者のルシア・ベルリンは、アラスカで鉱山技師の家庭の生まれ。鉱

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    2026年04月09日
  • 短くて恐ろしいフィルの時代

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    ネタバレ

    ジョージ・ソーンダーズ、またイカれた本である…面白かったです。
    〈内ホーナー国〉〈外ホーナー国〉〈大ケラー国〉、どの国民も意味わからない形態をしているので寓話的になってますが、
    フィルがこうなった原因がほとんど逆恨みみたいなものだということ、フィル以外は内も外も善悪ハッキリ付けられないくらいに流されてる人たちということ、引っ掻き回すマスコミと中途半端に介入し満足して去っていく第三者の国〈大ケラー国〉がいること…はやけに現実的でした。
    悪い夢みたい。

    元々全員が〈異形の者〉だったはずが、それはもう「フィルの体」に付けられた名前でしかなくなった。
    でも、分断の気配が残り続けてるという終わり方なの

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    2026年04月09日
  • ひみつのしつもん

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     読んだ端から、何を読んでいたのか忘れてしまうのですが、爽快感いっぱいになります。ひょっとして、著者の本を数冊さえ持っていれば、それだけで読書は完結するか?

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    2026年04月09日