岸本佐知子のレビュー一覧

  • 短くて恐ろしいフィルの時代

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    この作家ぜんぜん知らなかったけど、ヘンテコであっという間に読み終えてしまった。

    滑稽で不条理でもほのぼのした話かと思いきや、
    思ったよりもフィルが踏み込んだエゴを発揮し、
    「解体」がはじまることで周囲も動揺し始める。

    もちろん犠牲は出ているけれど、
    最終的に疑問を持ったり立ち上がったりする人々が存在し、
    願いを込めて再生が行われる。
    リアルでおもしろかったです。

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    2026年01月03日
  • 気になる部分

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    笑いたい欲求に駆られた時に読む本がいくつかあるのだが、中でも全幅の信頼を置いているのが『女の園の星』と岸本佐知子さんのエッセイ。
    ここのところ人が殺される本ばかり読んでいたし、笑って今年を締め括ろうと思ったのだ。
    久々に再読したけれど、やはり裏切りません。
    著者の独特の感性、言葉の選び方が素晴らしいのはもちろんのこと、こんなに笑えるのはエピソードのいくつかが自分にも身に覚えのあることだからではないだろうか。かつて自分もやってたバカバカしいことに仲間がいた喜び。
    来年も良い年でありますように!

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    2025年12月30日
  • ねにもつタイプ

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    面白すぎた。どのエピソードも担々と書かれているがうんうん、と頷かされたり、そうそう、と相づちを打ったり、にやっとさせられたり。
    でも簡単そうに見えてこういう短い文章で思いをまとめるのはさすがと思いました。
    次はどの作品も読もうかと探したくなりました。

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    2025年12月29日
  • 話の終わり

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    恋愛小説の皮を被った
    失恋による統合失調症からの
    回復記だった…
    もしくは至極美しく書かれた
    ストーカー女性の日記とも捉えられて
    少々怖いけれども。

    嘗てのパートナーとしての彼が
    概念としての"彼"
    に正式になり始めてからが
    めちゃくちゃ面白くなった

    しかし…
    ストーカー紛いの話が語られるのに
    この爽やかでしっくり座りの良い読後感
    なんなんや

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    2025年12月28日
  • 『罪と罰』を読まない

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    まず作家や翻訳家の皆さまが、私と同じく『罪と罰』を読んだことがなかったり、ロシア人の名前が覚えられない。という共通点に安心(笑)

    しかし作家さんの想像力は、凡人ではない。
    どこで殺すのが物語として盛り上がるか、この人物はこういう人なのでは、という想像力が半端ない!

    最終的に全員がちゃんと読み、また集まることになりました。

    読んだ後の読書会は、皆さまさすがの感想で、それぞれ本に貼ったふせんやメモを、全部見せてください!と思いました。

    『罪と罰』は長編で、この遅読の私はどれくらいで読めるのか、と思いましたが、やっぱり読みたくなりました。

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    2025年12月28日
  • 『罪と罰』を読まない

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     隅から隅まで面白かった。「“読む”は読む前から始まっている」という考えは、私もぼんやりと思っていたことではあるが、この四人のおかげで私の罪と罰読書も、読んでないけど始まったぞ!と感じた。
     四人の自由で対等な雰囲気がまたとても良かった。罪と罰を読んでない者同士で話すという企画なんだから対等なのは当然だが、誰かの持っていた文学や歴史の知識がヒントになるときも、ガイド役の学者先生的な人の授ける解説を拝聴するみたいな空気は一切なく、プロ作家としての作劇的勘で何かを言い当てようとするときも、「ここできっと二人の対話が八十ページ続くんですよ」とか「結婚式で繰り広げられる七日七晩にわたるロシアの宴の描写

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    2025年12月24日
  • ひみつのしつもん

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    某奇才がおすすめしていたので読んだ。独特の、というか、無意識に考え、人に伝えるでもなく「ま、バカな妄想だけど」と流して忘れてしまいそうなことがたくさん書かれていて、いいなぁと思った。心の中の独り言を文章にした感じというか。いろんな考え、いろんな感じ方があって、ただそれだけでいいんだよなと思えた。

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    2025年10月27日
  • ひみつのしつもん

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    岸本佐知子さんのエッセイ大好きすぎるので楽しんで読んだ。エッセイ全部読みたいです!
    挿絵にもややウケしながら飽きずにすぐ読めてしまった。はじめてエッセイ読もうかなという人に薦めてみてもいいのかもしれない。
    表題の「ひみつのしつもん」では打ちのめされてしまった。

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    2025年10月20日
  • ねにもつタイプ

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    これは、妄想エッセイと呼べばいいのだろうか。初めて読むジャンル。ただならぬ筆遣いに終始、舌を巻く。この人は変人なんだろうか。日本国民みんな大好きなオリンピックを堂々と嫌いと言ってのけたり、ニュースでよく聞く犯人の供述「むしゃくしゃしてやった」の「むしゃくしゃ」って大雑把に括りすぎじゃない?って読者に投げかけたり。

    確かにそうだ、と、どうしてそういう発想に?!を行ったり来たり。話が飛躍する振り幅がすごい。笑

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    2025年10月15日
  • 掃除婦のための手引き書 ――ルシア・ベルリン作品集

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    いや、ちょっと。読み始めたのが失敗。一気読み
    著者のベルリンは2004年に亡くなっているのだがこの短編集の原書は2015年、没後だ
    現地米国ではさほどウケていなかったのにこの本の発行で話題になり2週間後に彼女の全ての本が売り切れたらしい。そう、この本で発見された私小説風の短編集(虚構もけっこうある)

    重度のアルコール中毒で息子たちが眠るのを待ち
    こっそり酒を買いに夜明けの開店に合わせてフラフラと外出し購入
    これで酒が飲めると顔をあげた瞬間の街の朝日
    この対比がすんばらしい、一発惚れ

    壮絶な人生山あり谷あり

    短編1つ1つ最後に特徴的なフレーズが来る
    さすがの訳者、岸本さん

    いやもうルシア

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    2025年10月04日
  • ひみつのしつもん

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    現実と空想の世界がしれっと切り替わる、独特な不思議おもしろエッセイ。著者の頭の中をパカっと開けて見せてもらった感じ。装丁のセンスがとても素敵。他のエッセイも読んでみたい。
    ヌテラって確かにぬの力感じる!

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    2025年09月25日
  • すべての月、すべての年 ――ルシア・ベルリン作品集

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    ネタバレ

    やはり圧倒的な描写力で、美しいことも、醜いことも色鮮やかに描かれていて、惹き込まれる。
    表題作も海で泳ぐ気持ちよさが、海中の美しさが、漁師宿のゴチャゴチャした中にも温かみが、肉体的な感覚を伴って感じられる。
    体験しないとわからないこのような感覚が、これほどまでに鮮やかに描写できるこの作家の凄さを改めて感じた。
    B.Fと私は、最晩年の作品とのこと。
    美しく無いものをくっきりと描いているけれど、それでいて嫌な感じはしないのは、才能なのだと思う。
    そしていつも感じるのは、どんなロマンスの中でも人は孤独であること。自立した女性ならではの感覚だと思う。

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    2025年09月19日
  • 楽園の夕べ ルシア・ベルリン作品集

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    ポットキャスト<翻訳文学試食会>で取り上げられたので。

    評判通りすごい作家だなあ。色や光が感じられる。
    作者は自分の経験を元にして、編集し、拡大したり縮小したりして、物語にしている。
    解説や小説からは、精神的に幼いまま世界に出て、自由奔放、といえば聞こえは良いが無茶苦茶とか自堕落と言われるような生活で人生を渡ったみたい。
    でも小説からは恨みも強がりも感じない。ただ、生きている。
    長男によるあとがき「母の思い出」も小説のようで、ルシア・ベルリンが飲んで歌って踊っている姿が目に浮かんだ。

    『オルゴールつき化粧ボックス』
    五歳のルーチャ(ルシアのあだ名)とホープは、不良ティーンエイジャーたちの「

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    2025年08月23日
  • わからない

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    400ページ弱にエッセイ、書評、日記を収める。初出の年代はさまざま。
    筒井康隆作品の「日本家屋もの」or「お座敷宇宙」についてのエッセイが秀逸。
    三浦しをんのことも書いてある。「もしかしたら前世は武士だったのかもしれません。そういえば一度、最深度まで酔っぱらって、一人称が突然『拙者』になった三浦さんを見たことがあります。語尾は『ござる』でした。たぶん鎌倉時代の。まちがいありません。」てへっ。

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    2025年08月19日
  • わからない

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    『死ぬまでに行きたい海』で岸本さんのファンになったので読んだ。内容(登場するエピソード)は被っているものも少なくないが、友人と話している時の「それ以前にも聞いたことあるけどやっぱおもろい」話感があって嬉しかったです。
    前述のエッセイよりもボリュームがあり、短編集ということで章が短く、読みやすかった。
    日常のことをこんなに面白く、読者の共感や笑いや時に恐怖心(?)を誘う文章力が非常に羨ましかった。
    最後の方に日記が掲載されているが、自分が知っている「日記」とは様子が異なり、こういったのもOKなんだな?! いや日記だからこそこんなに率直でいいんだ……!! という発見と驚きがありました。
    手元に置い

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    2025年08月09日
  • なんらかの事情

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    笑える
    というよりまるで自分のことを書かれているような気分になるエッセイ
    岸本さんの頭の中の発想が
    たぶんみんなそうだったよな
    と、思えるはなしばかり
    それらを文章にできてしまえるのは
    さすが!
    ほとんどはその場限りで忘れてしまう
    ほっこりとまったりと
    たまにはこんな本を読んでみたくなる
    いや、いつでもかも‥

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    2025年08月08日
  • ひみつのしつもん

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    月刊『ちくま』の連載コラム「ネにもつタイプ」、第3輯目。そろそろネタ切れになるかと思いきや、まえにもましてノリに乗り、切れ味も鋭くなっている。
    多くは身近な話題で始まるが、そこから先は驚きの展開。まさかそんな世界が開けているとは! 粒ぞろいの52篇。

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    2025年07月16日
  • ひみつのしつもん

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    独特の世界観とテンポでサクサクと読めてしまうエッセイ集。 表す言葉がない感覚など、私も同じように感じることある!と思うことを的確に書いてあり、すごく身近に感じながら読める。 普通の日常の中に突如として食い込んでくる非日常的発想で思わずクスリ。

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    2025年07月08日
  • ねにもつタイプ

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    1話が2〜5ページほどの短編集で、表現が平易で読みやすい。
    書籍紹介にある通り、特に教養が身につくわけではないが、思わず声を出して笑ってしまう場面が多々あった。
    比喩の対象になっているものについては、読んで内容は理解できたものの、それまであまり意識して考えたことはなかった。
    でも、この本を読んでいる間だけは、それらについて一緒に考える時間が持てたように感じる。

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    2025年05月18日
  • なんらかの事情

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    月刊『ちくま』の連載コラム「ネにもつタイプ」、第2輯。
    どのエッセイがどう面白いかは、ネタバレになるので書けない。各エッセイのタイトルをちょっと曖昧にしてあるのも、おそらくそういう理由からだ。一例だけ挙げると、「ダース考」というエッセイ。わたしは10ではなく12でまとめる話かと思って読み始めたが、気がつくとダース・ベイダーになってものごとを考えていた。なるほどね、彼も結構つらいのだ。
    粒ぞろいの53篇。適当に開けたページから読み出せる。

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    2025年05月06日