岸本佐知子のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
「これはエッセイ?ショート・ショート?それとも妄想という名の暴走?」という紹介文がぴったりの一冊。
くすっと笑える、元気をもらえる、不思議な気持ちになる…素敵な本でした!さくらももこさんとか朝井リョウさんのような楽しいエッセイが好きな人にはよさそう!
最初はわかるわかると読んでいたんですけど、だんだん暴走が止まらなくなっているような…?(それも含めて面白い!もちろんほめています)
最後は何を読んでいたんだという感覚になりました。
才能、運、物言う物、雪強盗、D熱、瓶記、ハッピーニューイヤー、雨季がお気に入りでした!
なぜかいつも自分の並んだレジが遅い。
スプレー運がない、ボタン運がない -
Posted by ブクログ
ネタバレ著者の作品は初めて読んだ。最初の火星から来た男からめちゃくちゃ面白く、これがずっと絶版だったのかと驚いた。
物語を読む中で、主人公の葛藤や迷い、自己肯定感の欠如が見えて来ると、自然と肩入れしてしまうが、そんな主人公が同時に他者に残酷な態度や考えを取る。その時の自分が揺さぶれる感覚がほぼ全ての短編で感じられる。「あなたもそうでしょう?」と言われているような。
「ベティ」は切なかった。最後のパラグラフを読むと著者が急に出てくるような気がして実体験を元にしているのかと思った。「旅行記事」のラスト、サンドイッチの白いプラスチックで目を隠し口紅で顔を赤く染めた人間たちと、燦々と輝く太陽と青い海のコン -
-
Posted by ブクログ
隅から隅まで面白かった。「“読む”は読む前から始まっている」という考えは、私もぼんやりと思っていたことではあるが、この四人のおかげで私の罪と罰読書も、読んでないけど始まったぞ!と感じた。
四人の自由で対等な雰囲気がまたとても良かった。罪と罰を読んでない者同士で話すという企画なんだから対等なのは当然だが、誰かの持っていた文学や歴史の知識がヒントになるときも、ガイド役の学者先生的な人の授ける解説を拝聴するみたいな空気は一切なく、プロ作家としての作劇的勘で何かを言い当てようとするときも、「ここできっと二人の対話が八十ページ続くんですよ」とか「結婚式で繰り広げられる七日七晩にわたるロシアの宴の描写 -
Posted by ブクログ
いや、ちょっと。読み始めたのが失敗。一気読み
著者のベルリンは2004年に亡くなっているのだがこの短編集の原書は2015年、没後だ
現地米国ではさほどウケていなかったのにこの本の発行で話題になり2週間後に彼女の全ての本が売り切れたらしい。そう、この本で発見された私小説風の短編集(虚構もけっこうある)
重度のアルコール中毒で息子たちが眠るのを待ち
こっそり酒を買いに夜明けの開店に合わせてフラフラと外出し購入
これで酒が飲めると顔をあげた瞬間の街の朝日
この対比がすんばらしい、一発惚れ
壮絶な人生山あり谷あり
短編1つ1つ最後に特徴的なフレーズが来る
さすがの訳者、岸本さん
いやもうルシア -
Posted by ブクログ
ネタバレやはり圧倒的な描写力で、美しいことも、醜いことも色鮮やかに描かれていて、惹き込まれる。
表題作も海で泳ぐ気持ちよさが、海中の美しさが、漁師宿のゴチャゴチャした中にも温かみが、肉体的な感覚を伴って感じられる。
体験しないとわからないこのような感覚が、これほどまでに鮮やかに描写できるこの作家の凄さを改めて感じた。
B.Fと私は、最晩年の作品とのこと。
美しく無いものをくっきりと描いているけれど、それでいて嫌な感じはしないのは、才能なのだと思う。
そしていつも感じるのは、どんなロマンスの中でも人は孤独であること。自立した女性ならではの感覚だと思う。