あらすじ
これはエッセイ? ショート・ショート? それとも妄想という名の暴走? 翻訳家岸本佐知子の頭の中を覗いているかのような「エッセイ」と呼ぶにはあまりに奇妙で可笑しな物語たちは、毎日の変わらない日常を一瞬で、見たことのない不思議な場所に変えてしまいます。人気連載、待望の文庫化第二弾。今回も単行本未収録回を微妙に増量しました。イラストはクラフト・エヴィング商會。
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笑える
というよりまるで自分のことを書かれているような気分になるエッセイ
岸本さんの頭の中の発想が
たぶんみんなそうだったよな
と、思えるはなしばかり
それらを文章にできてしまえるのは
さすが!
ほとんどはその場限りで忘れてしまう
ほっこりとまったりと
たまにはこんな本を読んでみたくなる
いや、いつでもかも‥
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月刊『ちくま』の連載コラム「ネにもつタイプ」、第2輯。
どのエッセイがどう面白いかは、ネタバレになるので書けない。各エッセイのタイトルをちょっと曖昧にしてあるのも、おそらくそういう理由からだ。一例だけ挙げると、「ダース考」というエッセイ。わたしは10ではなく12でまとめる話かと思って読み始めたが、気がつくとダース・ベイダーになってものごとを考えていた。なるほどね、彼も結構つらいのだ。
粒ぞろいの53篇。適当に開けたページから読み出せる。
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めっっっっっちゃすき笑笑
きっとこの人には全ての物にいのちを感じてるんだろうなあって感じ共感の嵐
特に好きなのはひらがなの話笑笑
たしかにお互いぴりぴりかもしれない、「ん」はめちゃめちゃプライドたかいかもしないって考えると面白かった~
面白い人だなぁーこの人
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本当に大好き。
すごく面白いので、こんなことを言うのもおこがましいけど、自分の感覚に似ているから共感できることが多い。
話を面白くするための文章がとてもうまいと思う。
どんどん読める。どんどん読めるけど、何言ってるんだ?この人、と思うこともしばしば。それが楽しい。
『ねにもつタイプ』に引き続き、読んでる最中に笑ってしまうような作品だった。
瓶記とやぼうが好き。
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前作『ねにもつタイプ』よりさらに妄想世界へのジャンプ幅が大きくなっている気がする今作。読んでいると世界がぐらつく。でも個人的には現実世界に軸足を置いている項が好きかなあ。たとえば「物言う物」「マシンの身だしなみ」「レモンの気持ち」「やぼう」など。
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[1]今回も笑うのを抑えようとして「ぶひっ!!」という音を立ててまう一冊。他人がいる場所で読むのはとっても危険です。ホンマ、マジで。
[2]なんやろう、このヘンな気持ち。人生の参考にはまったくなりそうにないんやけど、生きていくうえですごく大切な何かが書かれているんやという妙な確信。
[3]もちろん、笑えるという点では人生の役にすごく立っているとは思うんやけど、それとは別に。
■簡単なメモ
《もしもこの世にレジで一番遅い列に並んだ人が優勝する競技があったら、私は確実に国体レベルで優勝する自信がある。ひょっとしたらオリンピックでもメダルを狙えるくらいの才能ではないかと思う。》p.11。おそらく全人類がそう思ってるかも?
《ダース・ベイダーも夜は寝るのだろうか。》p.15。ダース・ベイダーの自室についてはぼくも考えたことがあります(詳細は省略)。
「変化」ええ話やなあ…? 布団に顔を埋め「ぐひぐひぐひぐひ……」と苦しんでました。
《世界の進化を司る当局が、私というセンサーを使って人類の将来にとって不必要で後ろ向きなものを探知し、それらを選択的に絶滅に追いやっているのだろうか。》p.36。ぼくが「これ好き」と思った缶飲料は次から次に自販機からなくなります。
《アロマでごわす。》p.58。あらゆるお洒落で素敵なものを破壊する「ごわす族」の恐怖。「ごんす」「がんす」「やんす」「でげす」など仲間もいるらしい。「でげす族」は強力そう。
《たぶん私は「役に立たないもの」が好きなのだ。》p.84
《そもそも私は〝劣化した食品〟というジャンルを愛好していた。》p.104。柔らかい「ミルキー」はぼくも愛好してました。
《本当の私はまだあの雪の中に埋まったままなのではないだろうか。》p.126
《もし犬や猫やウサギやパンダに人間の耳がついていたらどうだろう。壊滅的にかわいくなくなる。だが逆に人間に動物の耳をつけると、むしろかわいくなる。人間の耳の一人負けだ。》p.209
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これは人。想像する力、書く力以前に、この人自体の生きていることが素晴らしいレベルの人。感じ方の稀有、オリジナリティは誰かに決して真似できない。武田百合子、佐野洋子などと並んで。
自身の稀有さを文章に変換していくときの滑らかさ、上手さを併せ持っているので、読んでよかった。存在を知ることができてよかったです。
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この人のエッセイはやっぱり好きだなあ。1番好きかもしれない!多くの人が何となく感じつつも取るに足りないと無視してしまうような、些細な出来事や習慣を拾って膨らませていく。それを読んで、共感したりしなかったりするけれど、誰かの取り止めのない考えをなぞるのは、楽しいなと思う。著者の体感と自分の体感がうまいこと結びつくような感じがした。
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笑ったわぁ。
声出して笑った。
自分の事の様なエピソード満載で「共感」なのか「あるある」なのか分からないけど。
いやきっと「あるある」なんだろう。
私は多分少数派ではなかった。
それから著者の記憶力の凄さたるや。
おかげで私の忘れていた記憶も呼び覚まされた。
思い出したところでしょーもない話だっりするのだが。
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ハリセンボンのはるかさんが読売新聞でおススメされていたエッセイ。
笑いが込み上げてくる。
中でも、「雪強盗」に出てくるタバコ盗人の「値上げされる前に盗んでおきたかった」というコメントはじわじわ来た。
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職場の、もう辞めてしまった後輩におすすめしていただいた本。エッセイではありますが、岸本さんの発想力、着眼点、そして妄想力が逸脱で、最後まで面白く読める一冊です。個人的にダース考とやぼうが好き。
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ヨシタケシンスケさんとの対談で知り、岸本佐知子さんの本を初めて読んだ。
そして、読み始めてすぐにこの人の感性、たまらな〜く好きだと確信。
そして、よくわかる!の嵐。
落ち込んでる日でも、静かなカフェでも、笑いが抑えられない。こんなふうに世界を見て、表現できたら素敵だなあ。
面白い話はたくさんあったけど、記憶に残っているのは「海です、海です」と言い続ける健気なナビさんと、筆者を静かに説得した瓶の長老の姿だ。
それから外れレジを引き当てる才能もじわった。
妄想エッセイ、自分でも書いてみたいと思ってしまった。
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岸本佐知子先生のエッセイが好きだ。
日記のようでいて、空想をひたすらに書き綴っている様な不思議なエッセイ。現実と想像の境、その間を面白可笑しく表現している。しかも読んでいてくどくない。
前作の「ねにもつタイプ」の裏表紙には、岸本佐知子先生のエッセイを「読んでも教養が全く増えない」と表現している。
本当に、読んでも教養は増えない。ただ、心の中には岸本佐知子先生の空想が残してくれた現実の可笑しさがそこかしこに積もっている。
だから読んでしまう。
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エッセイであろう、ということ以外、前情報が全くない状態で読み始めてしまったら・・・見事にツボッた。
これは1人で電車などでは読んではいけないヤツです。どうしても笑ってしまう。
出だしは何てことはない、些細な話なのに、徐々にスピードを上げて壮大なスケールの妄想の世界へ放り込まれて、気がついたら、その渦の中でグルングルンに翻弄されている感じ。そして突然ポイッと現実世界に引き戻されているのだ。
本当に体感したのか、夢の世界での話なのか、思い出が膨らみすぎたのか、物事を掘り下げすぎて深みにはまってしまったのか、はたまた妄想なのか、境界線の曖昧さが不思議な世界観を醸し出していると思う。
肩を震わせて笑いながら、まんまとその世界で泳がされてしまった。
Posted by ブクログ
岸本佐知子の妄想という名の暴走エッセイ第二弾
気楽に読めてクスッと笑える。
ホントに不思議な方です。
「やぼう」に爆笑しました\(//∇//)
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★3.8
岸本さんのものの着眼点がとにかくおもしろい。
特に好きだったのは前半部分で、もう今の時代マスクしててよかったなっていうくらい電車の中で読みながらニマニマしてしまった。
自分にとっては一見どうでもいい、どうでもよくないことが他の人の気持ちを楽しくさせてくれるんだなと、。
こういうくだらないこと(本人にとってはそうでもないことかも)を人に伝えたり、お話するのっていいな、と思う。
岸本さん、元気をありがとう。
わたしも思ったこと、くだらなくても
これからメモしとこ。誰かや自分を時々救ったり救わなかったりするかもしれないから。
好きな章:
才能 レジで遅い列並ぶ人優勝
ダース考 ダースベイダーで職務を終えた後何してるか
変化 聞くとモヤモヤする言葉
応援 自分が応援するとなくなってしまうもの
D熱 買い物の気持ちすごく共感
上映 走馬灯の整理
マシンの見だしなみ 糸通しのコインの話
次 生まれ変わったら何になりたいか
きれはし 電車の中での人が喋ってる話
何らかの事情 聞くと変な気持ちになる言葉
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「なんらかの事情」 岸本佐知子(著)
2016年 3/10 文庫第1刷発行 (株)筑摩書房
「ねにもつタイプ」の第2弾らしい…
岸本佐知子さんの翻訳がとても良い感じなので
エッセイに手を出してしまったが…
とても変な人だって事が良く分かりました。
依然として好きです。
Posted by ブクログ
いちばん早いと思ったレジが、最も遅くなる。
買ったばかりの服のボタンが、初めて着ようとした時に、ぶらぶらになって垂れ下がってる(しかもそこそこ高いやつ)。
家庭科の授業で配られた裁縫セットの中にあった、アルミの円盤部分に、なぜかローマ皇帝の横顔みたいな模様がある、針穴に糸を通すための道具のような、間がもたない気がしてついつい入れてしまった飾りが、心の琴線に触れる。
上記について、すごい、私の心が読まれてるよ。
なんか分かってくれる人がいる!
と、思わず心の中で快哉を叫んでしまった。
ダースベイダーも夜は寝るのだろうかと考えることや、アロマを嗅ぐ時の「くんかくんか」って表現は私のツボにはまり、万物の律儀さの単純なものほど果てしなく深い内容には、宇宙を想像して心細さを感じてしまったり、あまりに共感できる点が多く、失礼ながら、友達になりたいと思ってしまった。
エッセイは著者自身の心の内を読んでいるような感覚をもたらす時があり、今回は私個人の存在を意識するようで、ちょっと恥ずかしい思いにもなったが、それ以上の嬉しさがあったので、次第に全く気にならず楽しく読めました。
が、上記のことも全て妄想だったらどうしよう。
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日常と妄想の狭間的エッセイ第二弾。こちらのほうが、前作「ねにもつタイプ」よりマイルドな印象。ところどころほんのりブラックで、妄想をかきたてるオチ。お気に入りの一編は「瓶記」。空き瓶の訴えにエンドレスの予感。モノが捨てられない人ほど共感しそうだ。それから「やばさの基準」も好き。著者の語る“あの宇宙人”と比べれば、たしかにねぇと思う。そこと比べたら、自分の中の(やばい……)は太刀打ちできないよ。
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三浦しをんさんと似た雰囲気を感じる。仲が良いのも頷ける。
検非違使に笑いを禁じえなかったし、あだ名の時には吹き出しそうになったので外で読むのを止めた。
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翻訳家として活躍する岸本さん。
エッセイストとしての評価も高い。
エッセイがうまい女性の書き手には、昔から妙に憧れてきた。
独自の感性を持った、自立した女性という感じを持っていたのだ。
古くは片山弘子、向田邦子、竹西寛子。
しかし、岸本さんはちょっと毛色が違った。
――面白すぎるのだ。
「ごわす様」がやってきて、アロマテラピーなどの素敵生活を一瞬にして無化する。
いや、普通の人はそれを「我に返る」と言うのだろう。
それを擬人化する。
しかも、「ごんす」「がんす」「やんす」「でげす」という兄弟分までいるという。
この想像力!
コップで牛乳を飲むとき、表面にできる影が怖かった幼少期。
私はそれに気づかなかったけれど、こういう、よくわからないことを怖がったり、こだわったりする気持ちは経験がある。
そんな傾向があったことも忘れていたが、この人は覚えているんだな。
そしてそんな小さなことを面白く読ませてしまう文章力に脱帽、ブラボー!
Posted by ブクログ
独特の世界観炸裂。勝手にしろ的な内容だけど面白い。おぉぉ、うんうん、はぁ?、ん?、ぷぷぷー、うーむ、と読者は一話ごとに忙しい。次はどんな話かとページをめくる。タイトルは「あとがき」。あれ?もう終わり?
Posted by ブクログ
旭川 zenjiro でゲット
何もすることのない土曜日に完読
中盤から、岸本節、岸本さんの頭の中の空想に踊らされた
ミステリー調のものもあり、読む手が止まらなかった
でも、思ったほどハマらなかったな
Posted by ブクログ
発想?考え方?が斜め上なのかそんな事普通考える?みたいなのばっかで面白かった
文章自体も読みやすくすぐ読み終えた
斜め上すぎて、ん?どういうこと?っていう話も何個かあったけど共感できるとこもあったし総合的には良かったんじゃないかと
Posted by ブクログ
現実の事がらを面白おかしくユーモアで書いた作品と、世にも奇妙な物語風の突拍子もない空想物語と。私は前者の作品の方が好きかな。
レジの話がすごく面白かった。